【2025.11】新事業進出補助金でグリーン化促進事業に挑戦！ 申請方法や成功事例を解説

新事業進出補助金でグリーン化事業を始めたいけれど、制度が複雑でよく分からない…そんな悩みを抱えていませんか？

本記事では、新事業進出補助金の概要からグリーン化事業への活用方法、申請方法、成功事例までを分かりやすく解説します。省エネ設備導入や再生可能エネルギー導入など、具体例を交えて説明するので、補助金を活用したグリーン化のイメージが掴めます。補助金の申請資格、必要書類、注意点なども網羅しているので、申請前に抱く疑問を解消し、スムーズな事業開始を実現できます。

新事業進出補助金活用の道筋を明確にして、ぜひグリーン化促進事業への第一歩を踏み出せるはずです。

グリーン化促進事業に使える新事業進出補助金とは？

新事業進出補助金は、経済産業省が中小企業庁を通じて実施する2025年から募集が始まる補助金制度です。事業の多角化や新分野進出を支援することで、日本経済の活性化を図ることを目的としています。

既存事業の枠を超えた新たな挑戦を後押しし、持続的な成長を促すための施策として、幅広い業種・分野の中小企業等が活用しています。

新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金は、新市場性・高付加価値性の高い事業計画に対して、経費の一部を補助する制度です。補助対象となる経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費など多岐にわたります。

補助率は1/2、補助金額は事業の内容や従業員数などによって異なりますが、750万円〜9,000万円の補助を受けることが可能です。

従業員数	補助率	通常の補助上限額	賃上げ特例時の補助上限額
20人以下	1/2	750万円 ～ 2,500万円	～ 3,000万円
21～50人	1/2	750万円 ～ 4,000万円	～ 5,000万円
51～100人	1/2	750万円 ～ 5,500万円	～ 7,000万円
101人以上	1/2	750万円 ～ 7,000万円	～ 9,000万円

採択されるためには、綿密な事業計画の作成と、審査を通過する必要があります。近年では、デジタル化、グリーン化、事業承継といった分野への進出は特に注目されるでしょう。

新事業進出補助金の目的

新事業進出補助金の主な目的は、中小企業等の新事業展開を促進し、企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を実現することです。具体的には、イノベーションの創出を支援し、新たな成長産業を育成すること、雇用の創出を促進し、地域経済の振興に貢献すること、国際競争力の強化を図り、グローバル市場への進出を支援することなどが挙げられます。

これらの目的を達成するために、新事業進出補助金は、新市場性・高付加価値性、実現可能性、社会貢献性の高い事業計画を支援します。

新事業進出補助金の対象となる事業

新事業進出補助金の対象となる事業は、中小企業等が新たに開始する事業であり、新事業進出指針に示す「新事業進出」の定義に該当する必要があります。

具体的には、以下の要件を満たす必要があります。

第一に、製品等の新規性要件として、事業により製造等する製品等が、事業を行う中小企業等にとって新規性を有するものであることが求められます。既存の製品等の製造量や提供量を増大させる場合、過去に製造していた製品等を再製造等する場合、単に既存の製品等の製造方法を変更する場合などは該当しません。

第二に、市場の新規性要件として、事業により製造等する製品等の属する市場が、事業を行う中小企業等にとって新たな市場であることが必要です。新たな市場とは、既存事業において対象となっていなかったニーズや属性を持つ顧客層を対象とする市場を指します。既存の製品等と対象とする市場が同一である場合や、単なるメニューの追加と考えられる場合は該当しません。

第三に、新事業売上高要件として、事業計画期間最終年度において、新たに製造等する製品等の売上高または付加価値額が、応募申請時の総売上高の10%または総付加価値額の15%を占めることが見込まれることが求められます。ただし、応募申請時の直近の事業年度の決算に基づく売上高が10億円以上であり、かつ、同事業年度の決算に基づく売上高のうち、新事業進出を行う事業部門の売上高が3億円以上である場合には、事業計画期間最終年度において、新製品等の売上高または付加価値額が、応募申請時の当該事業部門の売上高の10%または付加価値額の15%以上を占めることが見込まれることで要件を満たします。

ただし、風俗営業等、公序良俗に反する事業や投機的な事業は対象外となります。事業計画の内容をよく確認し、補助対象となる事業かどうかを判断することが重要です。

グリーン化促進事業への新事業進出補助金の活用

地球温暖化や資源枯渇といった環境問題が深刻化する中、企業のグリーン化は持続可能な社会の実現に向けて不可欠な要素となっています。新事業進出補助金は、このグリーン化を推進するための強力なツールとなり得ます。環境負荷を低減し、持続可能な社会に貢献する事業を展開することで、企業は長期的な成長と社会貢献を両立させることができます。

なぜグリーン化が重要なのか

グリーン化は、単なる環境保護の取り組みではなく、企業の競争力強化や新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。環境規制の強化や消費者の環境意識の高まりに伴い、グリーンな製品やサービスへの需要はますます拡大しています。

また、グリーン化への投資は、エネルギー効率の向上や廃棄物削減によるコスト削減にもつながり、企業の収益性向上にも貢献します。さらに、ESG投資の拡大も、企業のグリーン化を後押しする要因となっています。

ESG投資とは、環境（Environment）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）の3つの要素を考慮した投資のことで、グリーン化に積極的に取り組む企業は、投資家からの評価を高め、資金調達を有利に進めることができます。

新事業進出補助金で支援されるグリーン化事業の例

新事業進出補助金は、幅広いグリーン化事業を支援対象にすると予想されています。以下に具体的な例を挙げ、それぞれのメリット・デメリット、導入時のポイントを解説します。

省エネルギー設備の導入

高効率エアコン、LED照明、省エネ型ボイラーなどの導入は、エネルギー消費量を削減し、CO2排出量を抑制する効果があります。補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減し、導入効果を早期に実現することができます。

設備	メリット	デメリット	導入時のポイント
高効率エアコン	消費電力削減、CO2排出量削減	初期投資費用	適切な機種選定、設置場所の確認
LED照明	長寿命、消費電力削減	初期投資費用	照度、色温度の確認
省エネ型ボイラー	熱効率向上、燃料費削減	初期投資費用	設置スペースの確保

再生可能エネルギーの導入

太陽光発電システム、風力発電システム、バイオマス発電システムなどの導入は、再生可能エネルギーの利用を促進し、CO2排出量を削減する効果があります。補助金を活用することで、導入コストを抑制し、再生可能エネルギーの普及に貢献することができます。

設備	メリット	デメリット	導入時のポイント
太陽光発電システム	環境負荷低減、売電収入	天候依存性、初期投資費用	設置場所の確認、日照条件の確認
風力発電システム	環境負荷低減、売電収入	風力依存性、騒音問題	設置場所の確認、風況の確認
バイオマス発電システム	環境負荷低減、地域活性化	燃料調達、初期投資費用	燃料供給の安定性確保

環境負荷低減技術の開発

リサイクル技術、廃棄物処理技術、水質浄化技術などの開発は、環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献します。補助金を活用することで、研究開発費用を支援し、革新的な技術の開発を促進することができます。例えば、プラスチックのリサイクル技術の開発は、プラスチックごみ問題の解決に貢献し、二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)の開発は、地球温暖化対策に大きく貢献します。これらの技術開発は、新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。

これらの他にも、グリーンITの導入やグリーン物流の構築など、様々なグリーン化事業が新事業進出補助金の対象となります。それぞれの事業内容に合わせて、適切な設備投資や技術開発を行い、持続可能な社会の実現に貢献していくことが重要です。

新事業進出補助金にグリーン化促進事業で申請する方法

新事業進出補助金の申請は、事業計画の策定から始まり、申請書類の提出、審査を経て交付決定となります。綿密な準備と正確な情報に基づいた申請が不可欠です。補助金交付までの流れを理解し、スムーズな申請手続きを行いましょう。

申請資格

新事業進出補助金の申請資格は、中小企業者、中小企業者以外の法人、特定事業者の一部です。

中小企業者については、資本金または常勤従業員数が一定の基準以下となる会社または個人が対象です。製造業、建設業、運輸業の場合は資本金3億円以下または常勤従業員数300人以下、卸売業の場合は資本金1億円以下または常勤従業員数100人以下、サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)の場合は資本金5,000万円以下または常勤従業員数100人以下、小売業の場合は資本金5,000万円以下または常勤従業員数50人以下などの基準が設けられています。

中小企業者以外の法人については、中小企業等経営強化法に定める法人(企業組合等)、法人税法別表第2に該当する法人、農業協同組合法に基づき設立された農事組合法人、労働者協同組合法に基づき設立された労働者協同組合、法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人などが含まれます。ただし、従業員数が300人以下である者に限られます。

特定事業者の一部については、常勤従業員数が一定の基準以下で資本金の額または出資の総額が10億円未満である会社または個人、生活衛生同業組合等、酒造組合等、内航海運組合等、技術研究組合などが対象となります。

また、中小企業等がリースを利用して機械装置またはシステムを導入する場合には、対象リース会社との共同申請も可能です。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は、事業計画書をはじめ、様々な書類が必要です。事業計画書は、事業の内容、目標、計画の妥当性などを具体的に記載する最も重要な書類です。 その他、登記事項証明書、直近の決算書類、補助事業に係る見積書などが必要となります。下記の表に主要な必要書類をまとめました。

書類名	内容	備考
事業計画書	事業の概要、目標、計画、収支計画などを記載	最も重要な書類です。
登記事項証明書	企業の情報を確認するための書類	発行から3ヶ月以内のもの
直近の決算書類	企業の財務状況を確認するための書類	貸借対照表、損益計算書など
補助事業に係る見積書	補助対象経費の妥当性を確認するための書類	複数社からの見積もりを比較検討することが推奨されます。
誓約書	補助金の不正受給がないことを誓約する書類	必須書類です。

必要書類は、公募要領によって異なる場合がありますので、必ず最新の情報を確認してください。

申請の流れ

申請の流れは、大きく分けて以下のようになります。

1. 公募要領の確認：最新の公募要領を必ず確認しましょう。
2. 事業計画の策定：実現可能性が高く、効果的な事業計画を策定します。
3. 申請書類の作成：必要書類を漏れなく正確に作成します。
4. 申請書類の提出：電子申請システムまたは郵送で提出します。
5. 審査：書類審査、面接審査などがあります。
6. 交付決定：審査を通過すると、補助金の交付が決定されます。

申請期間は、公募要領で定められていますので、締め切りに遅れないように注意が必要です。 また、申請前に相談窓口を活用することで、よりスムーズな申請が可能になります。

申請時の注意点

申請時には、以下の点に注意しましょう。

事業計画の妥当性については、市場分析、競合分析、収支計画などをしっかりと行い、実現可能性の高い事業計画を策定することが重要です。補助事業終了後3年から5年の事業計画期間において、付加価値額または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定する必要があります。

賃上げ要件については、補助事業終了後3年から5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上増加させること、または給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上増加させることが求められます。目標値を交付申請時までに全ての従業員または従業員代表者に対して表明することが必要で、目標値未達の場合は補助金返還義務が発生します。

事業場内最賃水準要件については、補助事業終了後3年から5年の事業計画期間において、毎年、事業場内最低賃金が補助事業実施場所都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であることが必要です。こちらも目標値未達の場合は補助金返還義務が発生します。

ワークライフバランス要件として、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していることが必要です。応募申請時までに、次世代法に基づき一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」に申請締切日時点で有効な一般事業主行動計画を公表してください。

金融機関要件として、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受け、「金融機関による確認書」を提出する必要があります。

補助対象経費の明確化については、補助対象となる経費と、ならない経費を明確に区別しましょう。機械装置・システム構築費または建物費のいずれかは必須です。外注費は補助金額全体の10%、専門家経費は100万円、広告宣伝・販売促進費は事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜き)の5%が補助上限額となっています。

申請書類の正確性については、必要書類を漏れなく、正確に記入しましょう。誤りや不足があると、審査に不利になる場合があります。

締め切りの厳守については、申請期間内に必ず提出しましょう。締め切りを過ぎると、申請を受け付けてもらえません。

これらの注意点を守り、適切な申請を行うことで、補助金交付の可能性を高めることができます。不明な点があれば、中小企業庁などの相談窓口に問い合わせることをおすすめします。

補助金を利用してグリーン化促進事業に成功した事例

新事業進出補助金の活用事例を、業種や事業規模の異なる3つの事例を通してご紹介します。これらの事例が、皆様の事業計画策定の参考になれば幸いです。

事例1：株式会社Aの省エネ型空調システム導入

中小企業である株式会社Aは、補助金を利用して、工場に省エネ型の空調システムを導入しました。従来の空調システムと比較して、消費電力を約30%削減することに成功し、大幅なコスト削減を実現しました。さらに、この取り組みが評価され、地域貢献企業として表彰されました。導入にあたっては、補助金申請の専門家である行政書士のサポートを受け、スムーズな申請手続きを実現しました。

導入の背景と課題

株式会社Aは、精密機器部品の製造を主要事業とする企業です。工場の稼働には大量の電力を消費する空調システムが不可欠でしたが、上昇する電気料金が経営を圧迫していました。また、企業の社会的責任として、環境負荷低減への取り組みも課題となっていました。

補助金の活用と成果

補助金を利用することで、初期投資を抑えながら最新鋭の省エネ型空調システムを導入することができました。結果として、年間約500万円の電気料金削減を達成し、経営の安定化に大きく貢献しました。また、CO2排出量も大幅に削減し、環境負荷低減にも成功しました。

事例2：長野県松本市の地域活性化プロジェクト

B市は、補助金を活用し、地域資源を活用した観光事業を展開しました。具体的には、地元産の農産物を活用した加工食品の開発・販売や、廃校となった小学校を改装した宿泊施設の運営など、地域の魅力を高める複数の事業を推進しました。これらの事業により、新たな雇用が創出され、地域経済の活性化に繋がりました。このプロジェクトは、官民連携の成功事例として、全国的にも注目を集めています。

プロジェクトの概要

B市は、少子高齢化による人口減少と地域経済の衰退という課題を抱えていました。そこで、地域資源である豊かな自然環境と農産物を活用した観光事業を展開することで、地域活性化を図ることを目指しました。

補助金の活用と成果

事業内容	補助金の活用	成果
地元産農産物加工食品の開発・販売	加工施設の整備費用、販路開拓費用	6次産業化の推進、新規雇用の創出
廃校活用型宿泊施設の運営	施設改修費用、運営費用	観光客誘致、地域経済の活性化

事例3：株式会社Cの革新的水質浄化技術開発

スタートアップ企業である株式会社Cは、補助金を活用し、革新的な水質浄化技術の開発に成功しました。この技術は、従来の技術よりも低コストで高い浄化性能を実現するもので、国内外から高い注目を集めています。この技術を基盤とした製品開発を進め、世界市場への進出を目指しています。経済産業省の支援も受け、更なる成長が期待されています。

開発の背景と課題

世界的な水不足問題の解決に貢献したいという思いから、株式会社グリーンイノベーションは設立されました。しかし、革新的な技術の開発には多額の研究開発費用が必要であり、資金調達が課題となっていました。

補助金の活用と成果

補助金により、研究開発に必要な資金を確保することができました。その結果、従来技術を凌駕する水質浄化技術の開発に成功し、特許も取得しました。現在、この技術を活用した製品開発を進めており、世界市場への進出を目指しています。

上記を参考に、ぜひ新事業進出補助金を活用してグリーン化促進事業を実現してみましょう。ただし、新事業進出補助金の場合は既存事業の拡大には活用できません。あくまでも新事業進出のためにしか活用できないので注意しましょう。

新事業進出補助金でグリーン化促進事業に申請する際によくある質問

ここでは、新事業進出補助金に関するよくある質問をまとめました。申請前に疑問を解消し、スムーズな手続きを進めましょう。

申請期間はいつ？

第2回の公募期間は、令和7年9月12日(金)から令和7年12月19日(金)18時00分まで(厳守)です。締め切り間際はアクセスが集中し、システム障害が発生する可能性もあるため、余裕を持って申請手続きを進めることをおすすめします。最新の公募情報については、中小企業庁のウェブサイトで確認してください。

審査基準は？

審査は書面審査で行われ、以下の項目を総合的に評価されます。

まず、補助対象事業としての適格性が確認されます。本公募要領に記載する補助対象者、補助対象事業の要件、補助対象事業等を満たすか、補助事業により高い付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定されており、かつその目標値の実現可能性が高い事業計画となっているかが評価されます。

新規事業の新市場性・高付加価値性については、補助事業で取り組む新規事業により製造等する新製品等のジャンル・分野の、社会における一般的な普及度や認知度が低いものであるか、または同一のジャンル・分野の中で、当該新製品等が高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであるかが評価されます。

新規事業の有望度については、補助事業で取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲の中で、継続的に売上・利益を確保できるだけの市場規模を有しているか、成長が見込まれる市場か、競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、自社に明確な優位性を確立する差別化が可能かが評価されます。

事業の実現可能性については、事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か、最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか、事業経費や補助対象経費が真に事業目的の達成のために必要な額か、補助事業を適切に遂行し得る体制を確保出来ているかが評価されます。

公的補助の必要性については、川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、国が補助する積極的な理由がある事業はより高く評価されます。また、補助事業として費用対効果が高いか、先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か、国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないかが評価されます。

政策面については、経済社会の変化に伴い、今後より市場の成長や生産性の向上が見込まれる分野に進出することを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか、先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国の経済成長・イノベーションを牽引し得るか、ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか、地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、大規模な雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるかが評価されます。

賃上げ特例の適用を希望する事業者に限り、大規模な賃上げ計画の妥当性も審査されます。大規模な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか、一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているかが評価されます。

また、加点項目として、パートナーシップ構築宣言加点、くるみん加点、えるぼし加点、アトツギ甲子園加点、健康経営優良法人加点、技術情報管理認証制度加点、成長加速化マッチングサービス加点、再生事業者加点、特定事業者加点があります。

減点項目としては、加点項目要件未達事業者、過剰投資の抑制、他の補助事業の事業化が進展していない事業者、新事業進出指針の手引きの「製品等の新規性要件」の「評価が低くなる例」に該当する場合などがあります。

採択率は公表されていませんが、競争率は高いため、しっかりと準備することが重要です。

補助金交付後の手続きは？

補助金が交付された後も、事業の進捗状況や経費の執行状況について定期的に報告する義務があります。また、事業完了後には、実績報告書を提出する必要があります。適切な手続きを行わない場合、補助金の返還を求められる可能性がありますので、注意が必要です。

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環境に配慮したグリーン化促進事業への参入をお考えですか？新事業進出補助金を活用すれば大きな後押しになりますが、その申請プロセスは複雑で、かなり時間がかかってしまうでしょう。本来ならグリーン事業のアイデア構築や市場調査に注力したいところ、補助金申請の煩雑な手続きに時間を取られてしまうことも。

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まとめ

新事業進出補助金は、グリーン化促進事業を含む、新規事業に挑戦する企業にとって大きな力となります。省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの活用など、環境負荷低減に繋がる事業への活用が期待されています。

申請にあたっては、事業計画の具体性や実現可能性が重要です。補助金交付により、持続可能な社会の実現に貢献する新たなビジネスチャンスを広げましょう。本記事が、皆様の新事業進出の一助となれば幸いです。