【2024.2】事業再構築補助金の事前着手申請とは?事前着手申請の書き方や概要、申請方法を解説!

事業再構築補助金の事前着手申請とは?事前着手申請の書き方や概要、申請方法を解説!

事業再構築補助金第12回公募の無料診断受付中です。

「補助金を使えるか?」
「採択の可能性はどれくらいか?」

といった疑問をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

新規事業を行う際に便利な事業再構築補助金ですが、補助金が交付決定される前に支出した経費を補助対象経費にすることができません。しかし、事前着手申請を行うことで、交付決定前に支出された経費も補助対象経費にすることができます。

今回は、事前着手申請の概要や記入例、書き方を解説します。第10回公募より事前着手に関する変更があったので、それに伴った書き方についても併せて紹介していきます。

この記事の目次

事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金の概要

まずは事業再構築補助金の概要を簡単に紹介していきます。
事業再構築補助金の概要についてさらに詳しく知りたい方は事業再構築補助金の公式ホームページを参照すると良いでしょう。
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事業再構築補助金で受け取れる金額

応募枠従業員数
〜5人6〜20人21〜50人51〜100人101人〜
①成長枠2,000万円2,000万円4,000万円5,000万円7,000万円
②-1グリーン成長枠(エントリー)(中小企業等)4,000万円4,000万円6,000万円6,000万円8,000万円
②-1グリーン成長枠(エントリー)(中堅企業等)1億円
②-2グリーン成長枠(スタンダード)中小企業等:1億円 中堅企業等:1.5億円
③卒業促進枠成長枠・グリーン成長枠に準じる
④大規模賃金引上促進枠3,000万円
⑤産業構造転換枠2,000万円2,000万円4,000万円5,000万円7,000万円
⑥最低賃金枠500万円1,000万円1,500万円1,500万円1,500万円
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠1,000万円1,500万円2,000万円3,000万円3,000万円

事業再構築補助金は応募枠によって受け取れる金額が決まっています。上記の表に事業再構築補助金で受け取れる最大金額を応募枠毎にまとめました。表からわかるように、事業再構築補助金は従業員数が多いほど受け取れる上限金額も大きくなります。

多くの事業者が応募している成長枠では、最大7000万円受け取ることが可能です。

応募枠中小企業等中堅企業等
①成長枠1/2(2/3)1/2(2/3)
②グリーン成長枠1/2(2/3)1/2(2/3)
③卒業促進枠1/21/3
④大規模賃金引上促進枠1/21/3
⑤産業構造転換枠2/31/2
最低賃金枠3/42/3
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠2/3※1/2※

事業再構築補助金の採択率は?

公募 応募件数 採択件数 採択率
第1回公募 22,229件 8,015件 36.0%
第2回公募 20,800件 9,336件 44.9%
第3回公募 20,307件 9,021件 44.4%
第4回公募 19,673件 8,810件 44.8%
第5回公募 21,035件 9,707件 46.1%
第6回公募 15,340件 7,669件 49.9%
第7回公募 15,132件 7,745件 51.1%
第8回公募 12,591件 6,456件 51.3%
第9回公募 9,368件 4,259件 45.4%
第10回公募 10,821件 5,205件 48.1%

過去のデータによると採択率は35〜50%あたりで推移しており、直近の第10回公募では48.1%と概ね50%程度の採択率で安定的に推移しています。そのため、肌感として2事業者に1事業者が採択されると考えていいでしょう。申請の際に必要な書類の質によって採択率は大きく変わってきます。そのため申請代行支援やコンサルティングサービスの利用は採択に最適であるといえます。
上のデータは経済産業省のものを引用しています。(2023年10月時点)

事業再構築補助金の全体の流れ

事業再構築補助金の全体の流れ

事業再構築補助金 補助事業の流れ
引用:事業再構築補助金補助事業の手引き

事業再構築補助金の全体では主に以下のフェーズに分解することができます。

①GビズIDの取得

事業再構築補助金の申請は、電子申請ポータルから行いますが、電子申請ポータルを使用するにはGビズプライムIDの取得が必要となっています。IDの取得には期間を要することもあるので、早めに取得の申請を行いましょう。
gビズIDの取得についてはこちらから

②事業計画書の作成

事業再構築補助金では、補助金をどのように利用するのかを説明する事業計画書を作成する必要があります。事業計画書は、申請の採択を決める重要な要素となります

③必要書類の準備・申請

事業再構築補助金に申請するには、決算書をはじめとする必要書類を作成して提出する必要があります。

④交付申請

事業再構築補助金に無事採択されたのちは、補助金の支給額を確定される交付申請を行います。事業再構築補助金の申請段階では、補助金の支給額は仮のものであり採択が確定したのちに請求書などをもとに正式に金額を確定させるのです。
この交付申請が認められることで、補助事業に着手することが可能となります。

⑤実績報告

補助事業を完了したら実績報告を行います。実績報告では、補助事業の成果をまとめた資料を作成するとともに支払いの証拠の領収書などを合わせて提出します。

事業再構築補助金の次回公募はいつ?

事業再構築補助金の直近のスケジュールは以下の通りです。
申請を検討している場合は早めに事業計画書や必要書類等を準備しましょう。
申請にあたって疑問点等ございましたら合同会社INUの無料相談へお気軽にお申し込みください。

事業再構築補助金第12回公募期間:
令和6年1月末18時予定
公募要領はこちら

第10回公募からの変更点

第9回公募では、全ての応募枠で事前着手が可能でしたが、第10回より事前着手が可能な応募枠が以下の応募枠に限定されました。

  • 最低賃金枠
  • 物価高騰対策・回復再生応援枠

なお、事前着手の対象とできる経費は令和4年12月2月以降に購入契約等を行なったものに限定されています。

事業再構築補助金の事前着手申請とは?

事前着手申請を行うことで採択される前に行った事業も経費にできる

事前着手申請とは、採択前、交付決定前に発注、支出した経費を事業再構築補助金の補助対象経費にすることができる制度のことです。補助金を活用した事業は、原則として補助金が交付決定された後でなければ補助対象経費として計上できません。中小企業庁が公募を行っている他の持続化補助金やIT導入補助金、ものづくり補助金は事前着手申請等はなく、経費を遡って計上することができません。

しかし、事業再構築補助金は事前着手申請を行っていれば補助金の採択、交付決定前に発注、支出した経費が補助対象経費として認められます。その理由としては、コロナや物価高で苦しんでいる事業者の支援には緊急性が求められるからです。

交付決定前ならいつでも事前着手申請は可能

事前着手申請を行うことで、事業再構築補助金の交付決定前に行った事業を補助対象経費として計上できるようになります。そのため、事業再構築補助金の交付決定がされる前であればいつでも事前着手申請を行うことができます。

ただし、いくつか注意しなければいけないポイントがあるため、そちらは記入例や書き方についても下で解説をしますのでぜひ最後まで見てみてください。

合同会社INUの無料相談では事前着手申請を活用した過去の事業のご相談も実施

合同会社INUでは、現在検討されている事業だけでなく、過去に行った事業でも事業再構築補助金が申請できないかをアドバイスさせていただきます。ご発注が前提でなくても全く問題ございませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。

実際に申請される場合は、記入例や書き方についても丁寧にアドバイスさせていただきます。

事前着手申請の申請方法

以下のように、申請についての書き方は指示に合わせて埋めていけば簡単にできます。

事業再構築補助金の事前着手の入力画面
(参照)補助金申請システム(jGrants2.0) 事業者マニュアル事前着手申請https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/jizenchakushu_manual.pdf

事前着手申請はjグランツを活用

事前着手申請はjグランツに必要な情報の入力を進めていくことで申請を行います。そのため、事前着手申請にも事業再構築補助金の申請のようにGビズIDが必要になります。なお、GビズIDのアカウント作成には、GビズI D事務局に書類を郵送する必要があります。アカウント有効化には郵送から最大1か月ほどかかるため、GビズIDは早めに作成しましょう。

事業再構築補助金の事前着手申請では見積書などは不要

事前着手申請の段階では事務局が指定した書類以外見積書、発注書、請求書等など提出が必要な書類はありません。しかし、実績報告を行う際には通常の補助対象経費と同様に上記の書類が必要になりますので、事前に提出書類の記入例や書き方を確認し、発注先の事業者に見積書の作成など事前に話を通しておくと良いでしょう。

事前着手申請の書き方と記入例、記載例

事前着手申請の申請書の項目

主に以下の内容を記載しなければいけません。

  • コロナの影響を受けている事業の概要
  • 事業計画の概要
  • コロナの影響の長期化による事業活動への影響
  • 事業開始が遅れた場合に生じ得る影響

また、事前着手申請は具体的に発生する損失なども事業者で計算して根拠として示さなければいけません。そのため、書き方を把握し、ある程度事業計画を固めてから作成しなければ、計画との乖離が発生してしまいます。

事業再構築補助金の事前着手申請の各項目の書き方

コロナの影響を受けている事業の概要

事前着手申請では事業概要について記載する必要があります。今回の事前着手申請は緊急性の高いものに関して補助されるため、事前着手申請の書き方としては今行っている事業の概要とコロナウイルスによる影響または物価高に関しても追加で触れて良いでしょう。以下に記入例を記載します。

記入例:現在、栃木県で温泉付きの旅館業を営んでいる。コロナウイルスの影響により客足が減少し、加えて物価高の影響で温泉のボイラーなどに活用する燃料費が急上昇しコストが圧迫されている。そのため、新しい取り組みを行いできるだけ早く新事業を行う必要がある。

事業計画の概要

※応募申請を検討されている事業計画の概要を記載してください。事業再構築補助金を活用して行う取組の具体的な投資内容(投資総額・発注予定年月・稼働開始予定年月等)を必ず記載してください。

事業再構築補助金 事前着手申請 事業計画の概要

事前着手申請の注釈で上記のような文言がありますので、具体的に記載をする必要があります。そのため、事業計画の作成が完了するまでは変更等が発生する可能性があるため、事前着手申請は行わない方が良いでしょう。投資金額はかなり細かく記載しなければいけないため、具体的に金額等も詰めておきましょう。事前着手申請の書き方としては、事業計画の概要を説明するような形をおすすめします。以下が記入例になります。

記入例:今まで旅館業を行っていたが新たみグランピング事業を展開する。現在の旅行のトレンドはエコツーリズムと呼ばれる現地の生活に根ざし自然とともにサスティナブルな生活をすることとなっている。従来の取り込みとは異なり、自然とのふれあいに重きを置いたサービスを展開する。具体的には、地元の牛肉を使ったバーベキューや天然の魚を宿泊者自身で捕まえてもらい調理するというプランを想定している。また、現地の祭りや地元の人とも交流ができるスペースを作り、地域の生活を体験できるようにする予定である。投資額は60,000,000円となり内訳としては、整地費用、グランピングの設置費用、工事費用、プロモーションや厨房の改装などが主な経費となる。グランピングの稼働は2023年2月を予定している。

コロナの影響の長期化による事業活動への影響

新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による事業活動への影響とその対応方針について記載してください。

事業再構築補助金 事前着手申請 コロナの影響を受けている事業の概要

事前着手申請のこの欄では、コロナウイルスまたは物価高の影響について具体的に記述をしましょう。事業活動の影響の書き方としては、事業計画で記述しているコロナや物価高の影響と内容はほぼ同一にして言い回しを少し変えましょう。また、書き方として、なぜ事業活動を早く始めなければいけないのかも記載しましょう。以下が記入例です。

記入例:コロナウイルスの長期化への影響で対面を避けるため、旅館業全体が深刻な影響を受けている。県民割などの需要喚起のキャンペーンが始まったとはいえコロナウイルスへの不安は大きくいまだにコロナ前の売り上げには回復していない。また、燃料価格高騰により、ボイラーや電気代などが高騰し利益も併せて減少している。今後はこれらに対して密にならないように幅広いスペースを確保した事業を行い、温泉の設備も新たに交換し燃料効率を上げる。

事業開始が遅れた場合に生じ得る影響

※事前着手が承認されず、2.の事業計画に沿った投資が遅滞した場合に、どの程度の損失が発生するのかを具体的に記載してください。また、損失金額の算出根拠も併せて記載してください。

事業再構築補助金 事前着手申請 事業開始が遅れた場合に生じ得る影響

事前着手申請の中で本パートが一番重要になります。書き方としては、なぜ事前着手申請を行わなければいけないのかをしっかりと記載しましょう。書き方としては、事業再構築補助金の売上根拠を元に事前着手申請を行わず交付決定がなされるまで事業を開始した場合としなかった場合をそれぞれ比較して記載しましょう。具体的な損失金額の書き方としては、その差が機会損失になりますのでその金額を記載することで要件を満たします。

記入例:グランピングのオープンは2023年2月を予定している。工事は約3ヶ月かかることが想定されている。そのため工事は遅くとも2022年12月に始めなければいけない。もし、交付決定後に事業を開始すると採択までに3ヶ月、交付決定までに3ヶ月かかるため、2022年9月の事業再構築補助金の申請であれば採択は2022年12月、工事開始は早くても2023年3月となる。そのため、交付決定後の事業開始だとオープンは早くても2023年6月になり、事前着手申請を行った時よりもオープンが4ヶ月遅れると想定される。想定される月間売上高は5,000,000円であるため、5,000,000円×4ヶ月=20,000,000円の損失が発生すると考えられる。

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事業再構築補助金の事前着手申請を行う際の6つのポイント

事業再構築補助金の事前着手申請を行う際の6つのポイント

事前着手申請が承認されなければ交付申請ができない

事業再構築補助金が採択された後に交付申請を行い交付決定がされますが、交付申請を行っている間に事前着手申請をしてしまうと事前着手申請の承認を得たことを示す書類を別途添付しなければならないため、交付申請がやり直しになってしまいます。そのため、交付申請をする前に事前着手申請の承認まで済ませておく必要があります。

事前着手申請の承認まで10日から2週間ほどかかる

事前着手申請を行ってから承認されるまで10日から最大で約2週間かかります。そのため、交付申請の直前で申請を行ってしまうと、その分交付申請ができずに交付決定が遅れる可能性がありますので十分余裕を持って申請を行いましょう。

事業再構築補助金の事前着手申請が通っても補助金そのものが不採択になる可能性がある

事前着手申請が補助金事務局によって承認されたとしても、事業再構築補助金が採択されるわけではありません。また、事前着手申請が承認されても、交付決定がされやすいわけでもありません。そのため、事業再構築補助金が不採択になるリスクも検討しながら事業内容を考えていくことをおすすめします。

内容が変わらなければ事前着手申請の承認は有効

事業再構築補助金の事業計画に変更がなければ、事前着手申請を再度行う必要はありません。ただし、設備投資の金額や内容そのものに変化があった場合は、事前着手申請を再度行わなければいけません。また、交付決定後に事業計画を変更した場合、再度見積書等の提出が必要であると同時に事前着手申請も再度書類を修正して提出する必要があります。

事前着手申請を行っても相見積もりなど実績報告は通常通り行う必要がある

事前着手申請を行っていても、実績報告などは通常の補助対象経費と同様に行わなければいけません。書類などが足りない場合、実績報告で不備となる可能性が高いため、これらは注意しながら事業を行いましょう。

支払い証跡など一部の必要書類が手に入らず、実績報告で経費が認められない可能性がある

事前着手申請が承認されたとしても、実績報告が認められず結果的に支払われなくなってしまうケースがあり得ます。具体的には、見積書や請求書などが事業再構築補助金の指定している形通りではない、または支払いが現金で行われているために支払いを確認できないなどのケースが主に挙げられます。これらが発生する理由よしては、事前着手申請をしてしまったことにより、支払い証跡など一部書類が入手できない可能性があります。そのため、事前に書類は確認し、必要であれば事務局に問い合わせをするように心がけましょう。

事前着手申請の提出は採択後がおすすめ

事前着手申請は採択後、交付申請前がおすすめ

事業再構築補助金は採択後に経費配分または事業内容の軽微な変更が可能になります。そのため、事業再構築補助金の採択前に申請を行ってしまうと採択後に事業内容を変更したい場合は事前着手申請をもう一度提出しなければならず二度手間になってしまいます。そのため、事前着手申請は採択後の申請が一番効率が良いと言えるでしょう。

交付決定後に事前着手申請を行う場合もう一度交付の申請が必要になる

事業再構築補助金の事前着手申請は交付申請時に事前着手申請の内容を事務局によって確認をされます。また、通常事業再構築補助金は交付決定後の事業開始が想定されているため、事前着手申請を行う場合はもう一度事務局に交付申請をしなければいけません。以下の記事で交付申請に関しても詳しく解説をしていますのでぜひ見てみてください。

まとめ

事前着手申請は事業計画をご自身で理解されていないと作成がかなり難しいと想定されます。そのため、外部の専門家に事業計画の策定をお願いしていたとしても、当然ですがしっかりと自分でチェックしましょう。合同会社INUでは、事業再構築補助金の事前着手申請もサポートいたしますのでお気軽にご相談ください。

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