【2025.12】新事業進出補助金を使ってオリジナル商品販売を始めよう！申請から活用まで徹底解説

新事業進出補助金を使ってオリジナル商品の販売を始めたいけど、何から始めたらいいか分からない…そんなあなたに朗報です！

この記事では、新事業進出補助金の概要から申請方法、活用メリット、成功事例、注意点までを徹底解説。資金調達や商品開発、販路拡大に補助金を活用し、事業を成功させるための具体的な方法が分かります。さらに、事業計画の立て方や関連法規についても分かりやすく説明。小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金といった類似の補助金情報も紹介することで、あなたのビジネスプランに最適な支援策を見つけるお手伝いをします。

ぜひ本記事を参考に、補助金を活用してオリジナル商品販売を始めるための全体像が掴み、一歩帆乱してみてください。

新事業進出補助金とは？オリジナル商品の販売にも役立つ

新事業進出補助金とは、中小企業庁が実施する補助金制度で、中小企業等が行う、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的としています。補助金を受けることで、設備投資や販路開拓などの費用負担を軽減し、事業の成功可能性を高めることができます。

オリジナル商品の開発・販売も、新事業進出補助金の活用対象として認められると予想されます。なぜなら、オリジナリティの高い商品は、競争優位性を築きやすく、持続的な成長が見込めるため、補助金の趣旨にも合致するからです。

新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金は、事業計画に基づいて行う設備投資や販路開拓等に必要な経費の一部を補助する制度です。補助率は、1/2となっています。補助金額は従業員数や事業内容、経費によって変動します。

従業員数	補助率	通常の補助上限額	賃上げ特例時の補助上限額
20人以下	1/2	750万円 ～ 2,500万円	～ 3,000万円
21～50人	1/2	750万円 ～ 4,000万円	～ 5,000万円
51～100人	1/2	750万円 ～ 5,500万円	～ 7,000万円
101人以上	1/2	750万円 ～ 7,000万円	～ 9,000万円

補助対象となる経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費など多岐にわたります。ただし、交際費や接待費など、一部補助対象外となる経費も存在するため、申請前にしっかりと確認することが重要です。

新事業進出補助金の目的

新事業進出補助金の目的は、中小企業等が行う、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことです。

これにより、地域経済の活性化、産業構造の転換、中小企業の競争力強化が期待されます。地域経済の活性化としては、地方への進出や地域資源の活用を支援することで、雇用創出や地域経済の活性化を促進します。産業構造の転換としては、新しい技術やビジネスモデルの導入を支援することで、産業構造の転換を促進します。中小企業の競争力強化としては、新事業展開に必要な資金を支援することで、中小企業の競争力強化を図ります。

オリジナル商品販売は、これらの目的に合致する事業であり、補助金活用のメリットが大きいと言えるでしょう。

新事業進出補助金の対象者

新事業進出補助金の対象者は、中小企業基本法に定める中小企業者等です。具体的には、資本金の額や従業員数等の要件を満たす必要があります。

業種	資本金	常勤従業員数
製造業・建設業・運輸業	3億円以下	300人以下
卸売業	1億円以下	100人以下
サービス業 （ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く）	5,000万円以下	100人以下
小売業	5,000万円以下	50人以下

また、中小企業者以外にも、企業組合等、一般財団法人及び一般社団法人、農事組合法人、労働者協同組合、公益法人等とみなされる法人なども対象となります。ただし、従業員数が300人以下である者に限られます。

さらに、特定事業者の一部も対象となります。具体的には、常勤従業員数が一定の基準以下となる会社又は個人のうち、資本金の額又は出資の総額が10億円未満であるもの、生活衛生同業組合等、酒造組合等、内航海運組合等、技術研究組合などが含まれます。

加えて、中小企業等がリースを利用して機械装置又はシステムを導入する場合には、中小企業等がリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されることなどを条件に、中小企業等とリース会社の共同申請を認め、機械装置又はシステムの購入費用について、リース会社を対象に補助金を交付することも可能です。この場合のリース会社については、中小企業者等に限りません。

また、一定の事業要件も設けられています。新事業進出補助金の基本要件は以下の通りです。申請前に必ず確認しておきましょう。

中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行うこと。ここでいう新規事業とは、事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であることを意味します。

具体的には、新事業進出指針に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であることが求められます。製品等の新規性要件として、事業により製造等する製品等が、事業を行う中小企業等にとって、新規性を有するものであること、市場の新規性要件として、事業により製造等する製品等の属する市場が、事業を行う中小企業等にとって、新たな市場であること、新事業売上高要件として、事業計画期間最終年度において、新たに製造等する製品等の売上高又は付加価値額が、応募申請時の総売上高の10%又は総付加価値額の15%を占めることが見込まれるものであることが必要です。

また、付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加すること、一人当たり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度から令和6年度の5年間)の年平均成長率以上増加、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加すること、事業場内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準であること、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等していることの基本要件を全て満たす3から5年の事業計画に取り組むことが必要です。

オリジナル商品販売を計画している場合は、商品の独自性や市場性、地域への貢献などを明確に示すことが重要です。

オリジナル商品販売で新事業進出補助金を活用するメリット

新事業進出補助金を活用することで、オリジナル商品販売事業をスムーズに立ち上げ、成長軌道に乗せるための様々なメリットがあります。資金面でのサポートだけでなく、販路拡大やブランド構築といった側面でも大きな効果が期待できるでしょう。

資金調達による事業の安定化

オリジナル商品販売事業を始めるには、商品開発費、製造費、人件費、広告宣伝費など、様々な費用が発生します。新事業進出補助金を活用することで、これらの初期投資に必要な資金を確保し、事業の土台を安定させることができます。特に、まだ売上が安定しない事業開始当初においては、補助金による資金調達は大きな助けとなります。

また、資金繰りの不安を軽減することで、長期的な視点での事業展開が可能になります。目先の利益にとらわれず、じっくりとブランドを育成し、顧客基盤を築くことに集中できるでしょう。

商品開発・改良への投資

オリジナル商品の開発・改良は、事業の成功を左右する重要な要素です。新事業進出補助金は、高品質な素材の調達や高度な技術の導入、専門家への依頼など、商品開発・改良に必要な投資を支援します。これにより、競争力の高い、魅力的な商品を生み出すことが可能になります。

さらに、顧客のニーズを捉えた商品改良を継続的に行うことで、顧客満足度の向上とリピーターの獲得に繋がり、事業の成長を加速させることができます。

試作品開発・改良

新事業進出補助金を活用して、試作品を複数作成し、改良を重ねることで、市場ニーズに合致した完成度の高い商品を開発することができます。試作段階での費用負担を軽減できるため、より多くの試行錯誤が可能になり、革新的な商品の開発にも挑戦できます。

既存商品の改良

既存商品の改良にも、新事業進出補助金を活用できます。例えば、機能性の向上やデザインのリニューアル、環境に配慮した素材への変更など、顧客のニーズや時代の変化に対応した改良を行うことで、商品の付加価値を高め、競争力を強化できます。

販路拡大・マーケティング強化

優れた商品を開発しても、それを適切な顧客に届けることができなければ、事業の成功は難しいでしょう。新事業進出補助金は、ECサイトの構築、オンライン広告の出稿、展示会への出展など、販路拡大やマーケティング強化に必要な活動を支援します。

販路拡大	マーケティング強化
自社ECサイト構築	SEO対策
大手ECモールへの出店	リスティング広告
実店舗の開設	SNSマーケティング
イベント出展	インフルエンサーマーケティング

これらの活動を通じて、ターゲット顧客へのリーチを広げ、ブランド認知度を高めることで、売上増加に繋げることができます。また、データ分析に基づいたマーケティング戦略を展開することで、より効率的な販促活動が可能になります。

新事業進出補助金にオリジナル商品販売で申請する方法

新事業進出補助金の申請は、事業計画書の作成と提出が中心となります。綿密な計画と適切な申請手続きが、補助金交付の可否を大きく左右します。ここでは、申請に必要な書類、申請の流れとスケジュール、審査基準とポイントを詳しく解説します。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は、主に以下の通りです。これらの書類は、事業計画の内容を裏付ける重要な資料となりますので、正確かつ丁寧に作成する必要があります。

事業計画書は、事業の概要、計画の具体的内容、収支計画などを記載した書類で、最も重要な書類です。後述する「事業計画書の書き方」を参考に作成しましょう。

登記事項証明書は、法人の場合は登記事項証明書、個人の場合は住民票の写しを提出します。これは申請者の身元を確認するための書類です。直近の確定申告書の写しは、申請者の財務状況を確認するための書類です。個人の場合は確定申告書B、法人の場合は法人税申告書を提出します。

見積書等は、補助対象経費に関する見積書、契約書などで、経費の妥当性を確認するための書類です。複数社から見積もりを取ることが推奨されます。その他、補助金事務局が指定する書類を、必要に応じて追加で提出を求められる場合があります。補助金事務局の指示に従ってください。

申請の流れとスケジュール

申請の流れと大まかなスケジュールは以下の通りです。第2回公募の公募期間は、令和7年9月12日(金)から令和7年12月19日(金)18:00まで(厳守)となっています。スケジュールは年度や公募時期によって異なるため、必ず最新の情報を公式ウェブサイトで確認してください。

まず、公募要領の確認として、補助金事務局のウェブサイトで公募要領を確認します。次に、事業計画書の作成として、公募要領に基づいて事業計画書を作成します。専門家のアドバイスを受けることも有効です。その後、申請書類の提出として、作成した事業計画書と必要書類を、指定された方法で提出します。電子申請システムを利用して申請します。

提出後、審査として、補助金事務局による審査が行われます。審査には数週間から数ヶ月かかる場合があります。審査を通過すると、交付決定として、補助金の交付が決定されます。

交付決定後、事業実施として、交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)に事業計画に基づいて事業を実施します。事業完了後、実績報告として、実績報告書を提出します。補助金の額は実績に応じて精算されます。

審査基準とポイント

審査基準は、主に以下の項目です。これらの基準を満たすように事業計画書を作成することが重要です。

まず、補助対象事業としての適格性として、本公募要領に記載する補助対象者、補助対象事業の要件、補助対象事業等を満たすかが確認されます。満たさない場合は補助対象外として不採択となります。また、補助事業により高い付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定されており、かつその目標値の実現可能性が高い事業計画となっているかも審査されます。付加価値額要件及び賃上げ要件において、基準値を上回る高い目標値が設定されている場合、高さの度合いと実現可能性を考慮して審査します。

次に、新規事業の新市場性・高付加価値性として、補助事業で取り組む新規事業により製造又は提供する新製品等のジャンル・分野の、社会における一般的な普及度や認知度が低いものであるか、または、同一のジャンル・分野の中で、当該新製品等が、高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであるかが審査されます。

新規事業の有望度として、補助事業で取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲の中で、継続的に売上・利益を確保できるだけの市場規模を有しているか、成長が見込まれる市場であるか、競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、自社に明確な優位性を確立する差別化が可能であるかも重要です。

事業の実現可能性として、事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか、また、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当であるか、最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか、事業経費や補助対象経費が真に事業目的の達成のために必要な額であるか、補助事業を適切に遂行し得る体制(人材、事務処理能力等)を確保出来ているか、第三者に過度に依存している事業ではないか、過度な多角化を行っているなど経営資源の確保が困難な状態となっていないかが審査されます。

公的補助の必要性として、川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、国が補助する積極的な理由がある事業はより高く評価されます。また、補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性、事業の継続可能性等)が高いか、先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業であるか、国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないかも審査されます。

政策面として、経済社会の変化(関税による各産業への影響等を含む)に伴い、今後より市場の成長や生産性の向上が見込まれる分野に進出することを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか、先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国の経済成長・イノベーションを牽引し得るか、ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか、地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、大規模な雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるかも審査されます。

また、パートナーシップ構築宣言加点、くるみん加点、えるぼし加点、アトツギ甲子園加点、健康経営優良法人加点、技術情報管理認証制度加点、成長加速化マッチングサービス加点、再生事業者加点、特定事業者加点などの加点項目もあります。

採択率を高めるためには、市場調査や競合分析をしっかりと行い、説得力のある事業計画書を作成することが重要です。また、補助金事務局が開催する説明会に参加したり、専門家の相談窓口を利用するのも効果的です。公募要領をよく読み、不明点は事前に確認するようにしましょう。

補助金を使ったオリジナル商品販売の成功事例

新事業進出補助金を活用してオリジナル商品販売で成功した事例を3つご紹介します。それぞれの事業者がどのように補助金を活用し、どのような成果を上げたのか、事業計画のポイントや成功の秘訣を探ってみましょう。

事例1：地域特産品を活用したオリジナル商品

A工房

岐阜県に拠点を置くA工房は、地元の飛騨産の広葉樹を使用した、子ども向けの木製玩具を製造・販売する工房です。職人の手によって丁寧に作られた温かみのあるおもちゃは、安全性にも配慮した設計で、地元住民だけでなく観光客にも人気を集めていました。しかし、販路拡大やオンライン販売への進出に課題を感じていた同工房は、補助金を活用することを決意しました。

補助金は、ECサイト構築、オンライン販売促進のための広告費用、新商品の開発費用に充てられました。具体的には、飛騨地方に伝わる民話をモチーフにした新しいおもちゃシリーズを開発し、ECサイトで販売を開始しました。その結果、全国各地からの注文が増加し、売上は前年比150%を達成。地域経済の活性化にも貢献しています。

事例2：革新的な技術を用いたオリジナル商品

株式会社B

農業IoT技術を開発する株式会社Bは、独自のセンサー技術を用いて、農作物の生育状況をリアルタイムでモニタリングできるシステムを開発しました。このシステムは、農家の負担軽減と生産性向上に大きく貢献するとして注目を集めていましたが、導入コストの高さが課題となっていました。そこで、同社は補助金を活用し、システムの低価格化と量産化を実現するための設備投資を行いました。

補助金によって、生産ラインの自動化が進み、製造コストを大幅に削減することに成功。より多くの農家にシステムを導入できるようになり、売上は前年比200%を達成。日本の農業の未来を支える企業として、さらなる成長が期待されています。

事例3：既存事業を活かしたオリジナル商品

有限会社C

創業50年の老舗和菓子店Cは、長年培ってきた和菓子作りの技術を活かし、新しい顧客層の開拓を目指していました。そこで、補助金を活用し、既存の人気商品をアレンジした新しい商品開発と、オンライン販売への進出に取り組みました。

具体的には、低糖質の和菓子や、アレルギー対応の和菓子など、健康志向の顧客層をターゲットにした商品を開発。さらに、SNSを活用したプロモーションや、オンラインショップを開設することで、全国の顧客に商品を届けることができるようになりました。その結果、新規顧客の獲得に成功し、売上は前年比130%を達成。伝統を守りながら革新を続ける企業として、地域社会に貢献しています。

企業名	事業内容	補助金活用方法	成果
木のぬくもり	木工玩具製造・販売	ECサイト構築、オンライン広告、新商品開発	売上150%増
スマートアグリテック	農業IoTシステム開発	設備投資、量産化	売上200%増
和菓子処　桜庵	和菓子製造・販売	新商品開発、オンライン販売進出	売上130%増

これらの事例は、補助金を活用することで、地域資源の活用、革新的な技術の開発、既存事業の活性化など、様々な分野で新たな事業展開が可能になることを示しています。それぞれの事業者の成功の秘訣は、明確な事業計画と、補助金を効果的に活用した戦略的な事業展開にあります。ぜひ、これらの事例を参考に、自身の事業計画に役立ててください。

また、新事業進出補助金を使う際はあくまでも新事業に対して活用しなくてはならないことに注意してください。

新事業進出補助金にオリジナル商品販売で申請する時の注意点

新事業進出補助金の申請は、綿密な準備と正確な情報に基づいて行う必要があります。審査を通過し、補助金を受けるためには、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。本章では、申請時の注意点について、補助対象経費、事業計画書の書き方、よくある質問と回答の3つの観点から詳しく解説します。

補助対象経費と対象外経費

新事業進出補助金で補助対象となる経費と、対象外となる経費を正しく理解することは非常に重要です。誤って対象外経費を計上してしまうと、補助金の交付額が減額されたり、申請自体が却下される可能性があります。事業計画を立てる際には、必ず補助対象経費の範囲を確認し、対象外経費を混同しないように注意しましょう。

対象経費は以下の通りです。

機械装置・システム構築費(建物費といずれか必須)として、専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費、専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入、構築、借用に要する経費、これらと一体で行う、改良、据付け又は運搬に要する経費が含まれます。

建物費(機械装置・システム構築費といずれか必須)として、専ら補助事業のために使用される生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、作業場、その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費、補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費、専ら補助事業のために使用される建物に付随する構築物の建設に要する経費が含まれます。

運搬費として、運搬料、宅配・郵送料等に要する経費が含まれます。

技術導入費として、補助事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費が含まれます。

知的財産権等関連経費として、補助事業の開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費が含まれます。

外注費(検査・加工・設計等に係る)として、補助事業遂行のために必要な検査等・加工や設計等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費が含まれます。補助上限額は補助金額全体の10%となります。

専門家経費として、補助事業遂行のために必要な専門家に支払われる経費が含まれます。補助上限額は100万円となります。

クラウドサービス利用費として、専ら補助事業のために使用されるクラウドサービスの利用に関する経費が含まれます。

広告宣伝・販売促進費として、補助事業で製造又は提供する製品・サービスに必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、補助事業のPR等に係るウェブサイトの構築、展示会出展、ブランディング・プロモーションに係る経費が含まれます。補助上限額は事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜き)の5%となります。

また、補助率や補助上限額もしっかり確認しておきましょう。

事業計画書の書き方

新事業進出補助金の申請において、事業計画書は最も重要な書類です。事業計画書の内容が審査結果を大きく左右するため、論理的で説得力のある事業計画書を作成することが不可欠です。

事業計画書に含めるべき内容

• 事業概要として、新事業の内容、目的、目標を明確に記述する必要があります。
• 市場分析として、市場規模、競合状況、ターゲット顧客などを分析し、事業の成長性や収益性を示すことが重要です。
• 販売戦略として、具体的な販売方法、販路開拓計画、プロモーション戦略などを記述します。
• 資金計画として、必要な資金の総額、自己資金の額、補助金の活用方法などを明確にします。
• 収支計画として、売上予測、費用予測、利益予測などを示し、事業の採算性を実証します。
• 経営体制として、事業を推進する体制、人員配置、役割分担などを明確にします。
• リスク管理として、事業におけるリスクとその対策を具体的に記述します。

これらの項目を漏れなく記載し、図表やグラフなどを活用して視覚的に分かりやすく説明することで、審査員の理解を深めることができます。また、新事業が地域経済にどのように貢献するかを具体的に示すことも重要です。

よくある質問と回答

以下に、新事業進出補助金の申請に関するよくある質問と回答をまとめました。

申請資格については、中小企業基本法に定める中小企業者などが対象です。詳細は公募要領をご確認ください。

申請期間については、第2回公募の場合、令和7年9月12日(金)から令和7年12月19日(金)18:00まで(厳守)となっています。年数回公募が行われますので、具体的な期間は、事務局のウェブサイト等で確認してください。

申請方法については、電子申請システムを利用して申請します。

補助率については、1/2です。ただし、公募回によって補助率が変更される可能性もあるので、最新情報を確認するようにしてください。

上記以外にも疑問点があれば、事務局に問い合わせることをお勧めします。適切な情報収集と準備を行い、スムーズな申請手続きを進めましょう。

オリジナル商品販売に使える新事業進出補助金と類似の補助金・助成金

新事業進出補助金以外にも、オリジナル商品販売に活用できる補助金・助成金は複数存在します。事業の目的や規模、内容に応じて最適な制度を選択することが重要です。以下に代表的な補助金・助成金をご紹介します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取組みに対する補助金です。オリジナル商品の開発や販促活動、設備投資など幅広い用途に活用できます。比較的申請しやすく、小規模事業者にとって利用しやすい補助金です。

補助対象となる事業

• 新たな顧客層の開拓
• 新商品の開発・改良
• 新たな販路の開拓
• 生産性向上のための設備投資

ものづくり補助金

中小企業・小規模事業者が行う、革新的な試作品開発や設備投資等を支援する補助金です。高付加価値なオリジナル商品の開発や生産プロセス改善に活用できます。技術力向上や競争力強化を目指す事業者におすすめです。

補助対象となる事業

• 試作品開発・設計
• 生産設備導入
• 知的財産権取得

IT導入補助金

中小企業・小規模事業者等がITツール（ソフトウェア、サービス等）を導入する経費の一部を補助する制度です。ECサイト構築、顧客管理システム導入、オンラインマーケティングツール導入など、オリジナル商品販売におけるIT化を支援します。業務効率化や生産性向上に役立ちます。

補助対象となる事業

• ECサイト構築
• 業務管理システム導入
• オンラインマーケティングツール導入
• テレワーク環境整備

これらの補助金・助成金は併用できない場合もあります。それぞれの要件や申請方法をよく確認し、自社の状況に最適な制度を選択しましょう。専門家（中小企業診断士や商工会議所など）に相談することで、より適切なアドバイスを受けることができます。

オリジナル商品販売における新事業進出補助金活用事業計画の立て方

新事業進出補助金を活用してオリジナル商品販売事業を成功させるためには、綿密な事業計画の策定が不可欠です。市場のニーズを的確に捉え、競合他社との差別化を図り、持続可能なビジネスモデルを構築するための具体的な計画を立てましょう。

市場調査と競合分析

まず、ターゲットとする市場の規模や成長性、トレンドなどを調査します。帝国データバンクや矢野経済研究所などの市場調査レポートを活用するほか、Googleトレンドなどでキーワード検索ボリュームを調べるのも有効です。競合となる既存商品の価格、機能、販売チャネル、顧客層などを分析し、自社商品の優位性を明確にすることが重要です。SWOT分析を用いて、自社の強み・弱み、市場の機会・脅威を整理するのも効果的です。

市場規模の把握

市場規模の把握には、既存の市場調査データの活用が有効です。例えば、富士経済や矢野経済研究所などが提供する業界レポートを参照することで、市場全体の規模や成長性、トレンドなどを把握できます。また、業界団体や公的機関が公表している統計データも参考になります。

競合分析の手法

競合分析を行う際には、競合企業のウェブサイトやSNS、商品カタログなどを調査し、価格、機能、デザイン、販売チャネル、ターゲット顧客などを分析します。また、顧客レビューや口コミサイトなども参考に、競合商品の強み・弱みを把握することが重要です。これらの情報を整理し、自社商品との差別化ポイントを明確にします。

ターゲット顧客の設定

誰に何を売るのかを明確にするために、ターゲット顧客を具体的に設定します。年齢、性別、職業、居住地、趣味、嗜好、ライフスタイル、価値観など、様々な属性を考慮し、ペルソナを設定することで、商品開発やマーケティング戦略を効果的に展開できます。ターゲット顧客のニーズや課題を深く理解し、彼らが求める商品やサービスを提供することが成功の鍵となります。

ペルソナ設定のポイント

ペルソナ設定では、具体的な人物像を想定し、名前、年齢、性別、職業、居住地、家族構成、趣味、ライフスタイル、価値観、購買行動などを詳細に記述します。ペルソナを具体的に設定することで、ターゲット顧客のニーズや課題をより深く理解し、効果的な商品開発やマーケティング戦略を立案できます。

販売戦略とプロモーション計画

ターゲット顧客に効果的にアプローチするために、最適な販売チャネルとプロモーション方法を選択します。ECサイト、実店舗、イベント出展など、様々な販売チャネルを検討し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討します。

また、SNS広告、リスティング広告、コンテンツマーケティング、インフルエンサーマーケティングなど、様々なプロモーション手法を組み合わせ、効果的なプロモーション計画を立案します。販売チャネルとプロモーション手法は、ターゲット顧客の特性や商品の特性に合わせて最適化する必要があります。

販売チャネル	メリット	デメリット
ECサイト（自社サイト）	24時間販売可能、全国展開可能、顧客データ取得可能	サイト構築・運営コスト、集客コスト
ECモール（Amazon、楽天市場など）	集客力が高い、信頼性が高い	手数料が高い、競合が多い
実店舗	顧客との直接的なコミュニケーションが可能、商品体験を提供できる	店舗運営コスト、地域限定

資金計画と収支予測

必要な資金を明確にし、資金調達方法を検討します。自己資金、融資、助成金など、様々な資金調達方法を比較検討し、最適な方法を選択します。また、売上予測、費用予測を行い、収支計画を策定します。事業の収益性や資金繰りを把握し、健全な経営を実現するために不可欠です。キャッシュフロー計算書を作成し、資金ショートのリスクを回避するための対策を講じることも重要です。

資金調達方法

• 自己資金
• 日本政策金融公庫などの公的融資
• 民間金融機関からの融資
• クラウドファンディング
• エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルからの投資

これらの要素を網羅的に検討し、実現可能な事業計画を策定することで、新事業進出補助金を効果的に活用し、オリジナル商品販売事業を成功に導くことができます。

新事業進出補助金でオリジナル商品販売を始める際の注意点

新事業進出補助金を利用してオリジナル商品販売を始める際には、気をつけるべきことがいくつかあります。補助金の交付決定を受けた後も、事業を円滑に進めるため、そして法的なトラブルに巻き込まれないためにも、事前に注意点を理解しておくことが重要です。

特に、オリジナル商品販売においては、以下の点に注意が必要です。

景品表示法に気を付ける

景品表示法は、消費者に不当な影響を与える表示を規制し、公正な競争を促進するための法律です。オリジナル商品販売においては、商品の性能や品質、価格などに関する表示が景品表示法に抵触しないよう注意が必要です。具体的には、以下の点に留意しましょう。

• 優良誤認表示の禁止：実際よりも商品の性能や品質が優れていると誤解させるような表示は禁止されています。根拠のない「No.1」「最高品質」といった表示は避け、客観的なデータに基づいた表示を心がけましょう。
• 有利誤認表示の禁止：実際よりも商品が消費者にとって有利であると誤解させるような表示も禁止されています。「大幅値下げ」「数量限定」といった表示を行う場合は、その根拠を明確にする必要があります。
• 不当比較表示の禁止：他の事業者の商品と比較して、自社の商品を不当に優位に見せるような表示は禁止されています。比較広告を行う場合は、公平な比較基準に基づいて行う必要があります。

景品表示法違反の罰則

景品表示法に違反した場合、措置命令や課徴金納付命令などの行政処分を受ける可能性があります。また、悪質な場合には刑事罰が科されることもあります。

特定商取引法に気を付ける

特定商取引法は、消費者トラブルを防止するために、事業者による一定の取引行為を規制する法律です。通信販売や訪問販売など、消費者と事業者間の情報量に差がある取引において、消費者を保護することを目的としています。オリジナル商品販売においては、特に通信販売を行う場合、以下の点に注意が必要です。

• 広告表示の規制：商品の価格や性能、送料などについて、消費者に誤解を与えるような表示をしてはいけません。例えば、送料や手数料を別途請求する場合には、その旨を明確に表示する必要があります。
• 契約締結前の重要事項の説明：商品名、価格、送料、返品条件など、契約締結前に消費者が知っておくべき重要事項を明確に説明する義務があります。ウェブサイトで販売する場合は、これらの情報を分かりやすく記載する必要があります。
• クーリングオフ：通信販売の場合、消費者は商品を受け取った日から8日間以内であれば、理由を問わずに契約を解除することができます（クーリングオフ）。事業者は、消費者にクーリングオフの権利があることを明確に告知する必要があります。

特定商取引法違反の罰則

特定商取引法に違反した場合、業務停止命令や業務改善指示などの行政処分を受ける可能性があります。また、悪質な場合には刑事罰が科されることもあります。

知的財産権に気を付ける

オリジナル商品を開発・販売する際には、知的財産権に関する問題にも注意が必要です。知的財産権とは、人間の知的創造活動によって生み出されたものに対する権利のことで、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などが含まれます。具体的には、以下の点に留意しましょう。

権利	保護対象	注意点
特許権	発明	新規性、進歩性、産業上の利用可能性が必要
実用新案権	考案	新規性、産業上の利用可能性が必要
意匠権	物品の形状、模様、色彩などのデザイン	新規性、創作非容易性が必要
商標権	商品やサービスの出所を示す標章（ブランド名、ロゴなど）	識別性が必要
著作権	小説、音楽、絵画、写真、プログラムなどの著作物	アイデア自体は保護されない

他社の知的財産権を侵害しないように、事前に十分な調査を行い、必要に応じて権利者から許諾を得る必要があります。また、自社のオリジナル商品に関する知的財産権を適切に取得・管理することも重要です。例えば、商品名やロゴなどを商標登録することで、他社による模倣を防ぐことができます。

知的財産権侵害の罰則

知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求や差止請求などの民事責任を負う可能性があります。また、著作権法や特許法など、個別の法律に基づいて刑事罰が科されることもあります。

新事業進出補助金を利用してオリジナル商品販売を成功させるためには、これらの法令を遵守することが不可欠です。事業開始前に専門家へ相談するなどして、必要な対策を講じましょう。法律を遵守することで、安心して事業を展開し、消費者からの信頼を得ることができます。

オリジナル商品販売を新事業進出補助金で始めたいなら株式会社補助金プラスにご相談を

あなただけのオリジナル商品で新たな市場に挑戦したいと考える方は多いでしょう。新事業進出補助金を活用すれば夢の実現に一歩近づけますが、その前に課題となるのが補助金の申請作業です。補助金申請は予想以上に複雑で手間のかかるプロセスです。商品開発やマーケティング戦略の構築に集中すべき大切な時間が、申請書類の作成に奪われてしまうことも少なくありません。

そんなときこそ、株式会社補助金プラスの申請支援サービスをご活用ください。採択率90％以上を誇る専門家チームが、オリジナル商品販売事業に最適な事業計画書の作成から、必要書類の収集、商品特性を活かした事業プランへのアドバイスまで総合的にサポートします。申請作業の負担を大幅に減らし、本来のビジネス構築に専念できる環境を整えます。採択後の実績報告サポートもオプションでご用意。新事業進出補助金以外にも、商品開発や販路開拓に役立つ補助金をご提案可能です。オンラインで全国対応しているので、どこにお住まいの事業者様でもサポート可能です。

あなたのオリジナル商品を世に送り出す第一歩として、ぜひ株式会社補助金プラスの初回無料相談をご利用ください。

まとめ

新事業進出補助金は、オリジナル商品販売による新規事業展開を強力にサポートする制度です。資金調達、商品開発、販路拡大など、事業の成長に必要な様々な費用に活用できます。

この記事では、補助金の概要から申請方法、成功事例、注意点、事業計画の立て方、関連法規まで、網羅的に解説しました。補助金申請の際は、事業計画書の綿密な作成が重要です。市場調査、競合分析、ターゲット顧客の設定、販売戦略などを明確にし、実現可能性の高い計画を立てましょう。

また、補助対象経費と対象外経費を正しく理解し、申請書類を適切に準備することも大切です。さらに、景品表示法や特定商取引法などの関連法規も遵守しなければなりません。新事業進出補助金を有効活用し、オリジナル商品販売で成功を収めましょう。