【2025.7】ものづくり補助金では概算払いを利用できる?補助金の支払いタイミングも解説

ものづくり補助金は原則、後払いとなっています。実際に補助金を受け取るまでには時間がかかり、補助金の支払いがおこなわれるまでは自社で必要経費を負担しなければなりません。しかし、条件さえ満たせば、ものづくり補助金における概算払い制度を利用できます。
この記事では、ものづくり補助金の概算払いの必要書類や注意点について解説していきます。
- ものづくり補助金で概算払いが活用できるかどうかがわかる
- ものづくり補助金の支払われ方がわかる


ものづくり補助金とは?概算払いが可能?
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の事業発展を促進する国の財政支援制度です。この制度は、企業が今後数年間にわたって継続的に発生する制度改正に適応できるよう、事業効率の向上に寄与する独創的な製品・サービスの開発や国際市場での需要獲得を目指す取り組みに対して、必要な設備導入費用などの一部を国が助成することで支援を行います。
制度の背景にある狙いは、中小企業者等の事業運営における生産性を向上させ、従業員の賃金水準を継続的に引き上げることで、日本経済全体の活性化を図ることにあります。支援の対象となるのは、技術的な革新性を持つ新商品や新サービスの開発事業、また海外顧客の開拓を通じた市場拡大を目指す事業などです。
この補助金は給付型の支援であり、原則として返済義務はありません。しかし、事業完了後に設定された成果指標(付加価値額の増加率、賃金上昇率、最低賃金水準の維持等)を達成できなかった場合には、未達成の程度に応じて補助金の返還を求められる場合があります。
申請には厳格な審査過程があり、事業の革新性、市場性、実現可能性などが総合的に評価されます。そのため、単なる設備更新ではなく、その投資によってどのような付加価値が創出されるかを明確に示すことが重要です。
ものづくり補助金における概算払いとは?

それでは実際に、ものづくり補助金における概算払いについて見ていきましょう。
ものづくり補助金における概算払いとは?
通常のものづくり補助金振込のタイミング
ものづくり補助金の申請から補助金振込までの流れは、下記のとおりです。

また、①公募〜⑧補助金の支払までにかかる各ステップの期間は、下記の通りです。
| 各種手続き | 期間 |
| 公募 | 申請受付開始までの約2週間 |
| 申請受付 | 応募締切までの約1ヶ月 |
| 採択通知 | 申請受付から約2ヶ月 |
| 交付申請 | 採択通知から約1ヶ月 |
| 補助事業実施期間 | 約10ヶ月 |
| 確定検査 | 補助事業実施期間から約1ヶ月 |
| 補助金の請求 | |
| 補助金の支払 |
申請をおこなった段階から最終的にものづくり補助金が振り込まれるまでには、1年以上かかります。
採択通知が届いたからといって安心ではありません。採択通知はあくまでも、ものづくり補助金受け取りの内定をもらっただけなので、そのあとに実際に補助事業をおこなう許可をもらうための交付申請をする必要があります。
交付申請を行い、補助事業を開始していいという交付決定を事務局からもらって初めて、契約や発注が実施できるようになります。
ただし、ものづくり補助金自体を受け取ることができるのは補助事業が完了し、実績報告も終わった後です。つまり、ものづくり補助金は後払い方式になります。

概算払いとは?
補助金は原則、実際に補助事業が完了した後補助金額が確定してから支払われる仕組みとなっています。これを精算払いと言います。
一方、概算払いとは、補助事業実施期間中、事前に補助金を概算して先払いしてもらえる制度です。
ものづくり補助金では、基本的には精算払いしか認められていません。ただし、事業者の資金繰りの状況を考慮し、必要性が認められるケースでは、事務局への申請手続きを通じて、既に支出した補助対象経費に相当する金額について、事業完了を待たずに補助金の前払いを受けることが認められる場合もあります。
概算払いの金額では補助金交付決定額の90%を上限として、「支払済み補助対象経費×補助率」によって計算した金額が概算払いされる仕組みとなっています。また、請求書及び金融機関の振込金受取書等もあわせて必要になるため、必ず提出するようにしましょう。
ものづくり補助金で概算払いを活用するときの方法は?

次に、ものづくり補助金の概算払いを利用する方法や必要書類について説明していきます。
ものづくり補助金で概算払いを活用するときの方法は?
まずは事務局に連絡
ものづくり補助金において概算払いをおこないたい場合はまず、ものづくり補助金事務局サポートセンターに連絡する必要があります。
<ものづくり補助金事務局サポートセンター>
- 受付時間:10:00~17:00(土日祝日および12/29~1/3を除く)
- 電話番号:050-8880-4053
ものづくり補助金は現在人気の補助金制度となっているため、問い合わせが集中して電話がつながりにくい場合や回答に時間がかかる場合があるので余裕をもって連絡するのがおすすめです。
概算払いについて不明点がある場合は、ものづくり補助金事務局サポートセンターに連絡する段階で質問しておくといいでしょう。
提出書類
ものづくり補助金で概算払いをおこなう際は、補助金概算払請求書のほかに下記の書類の提出が必要になります。
- 見積書
- 発注書
- 契約書
- 納品書
- 納品時の写真
- 請求書
- 銀行の振込金受領書または支払証明書
- 出納帳
- 補助事業者の通帳コピー
概算払いの申請をおこなって承認されると、約1〜2ヶ月後に指定口座に振り込みがおこなわれるようになっています。
ものづくり補助金で概算払いを活用する注意点

最後に、ものづくり補助金の概算払いの注意点について確認していきます。
ものづくり補助金で概算払いを活用する注意点
一度自身で支払いを行った経費が対象
ものづくり補助金の概算払いでは、一度自身で支払いを行った経費が対象になります。
補助対象経費として計上したものすべてが納品及び支払いまで完了していてなおかつ、事業計画のうち補助事業実施期間内の計画内容も完了している場合のみ、概算払いを申請することができます。後払いによって申請できる状態などは概算払いの対象にはならないため注意が必要です。
一度しか申請できない
ものづくり補助金の概算払いは、一度しか申請できません。
審査が通らなかったからといって再度申請をおこなったり、条件を変更して概算払いを申請したりすることはできないので注意しましょう。また、概算払いは申請したからといって必ず審査を通過できるとは限りません。
基本的に概算払いの審査は厳しく、概算払いを利用しなければ事業が開始できないなどといった場合に活用できる制度となっています。もともと資金に余裕がある場合などは概算払いを利用できないケースが多いので注意が必要です。
さらに、ものづくり補助金の概算払いでは実績報告書など提出しなければならない書類も多いので、手間と時間がかかります。そのため、概算払いを利用したい場合は、余裕をもって手続きを進めるのがおすすめです。
ものづくり補助金で概算払いの活用方法がわからなくなったら株式会社補助金プラスにご相談を
ものづくり補助金の概算払いは資金繰りを改善できる重要な制度ですが、手続きが複雑で活用方法に迷う事業者様も多いのではないでしょうか。概算払いの申請から実績報告まで、適切な手続きを行わないと補助金の受給に支障をきたす可能性があります。
株式会社補助金プラスでは、概算払いを含む補助金申請の全工程をサポートしています。経験豊富な専門家が事業計画書作成から採択後の実績報告(オプション)まで包括的に支援し、事業者様の負担を大幅に軽減します。
90%以上の高い採択率を誇る実績があり、概算払いの活用方法についても丁寧にアドバイスいたします。オンライン対応により全国対応が可能で、初回無料相談も実施中です。概算払いでお困りの事業者様は、株式会社補助金プラスまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、ものづくり補助金の概算払いについて解説してきました。
通常のものづくり補助金の振り込みまでには1年以上かかるケースがほとんどなので、資金に余裕がない場合には概算払い制度を利用するのも一つの手段かもしれません。ものづくり補助金の利用を考えている場合はこの記事を参考にしながらぜひ、概算払い制度の活用も検討してみてください。



