【2024.2】ものづくり補助金の採択後の流れと確定検査等の必要な手続きを徹底解説
ものづくり補助金は採択後にすぐに受け取れるわけではなく、事業を完了した後に受け取ることが可能です。
ものづくり補助金は申請よりも実は申請後の手続きの方が煩雑であるという声もあるくらいです。この記事では、5年間の事業化報告といったものづくり補助金の採択後の流れと必要な手続きについて徹底解説していきます。
- 採択後の流れが把握できる
- 確定検査とはなにかがわかる
ものづくり補助金の全体の流れ
まずは申請を含めたものづくり補助金全体の流れをざっと紹介します。
ものづくり補助金の全体の流れは以下のステップのように分解することができます。
・GbizIDの取得
・申請
・交付申請
・補助事業実施
・確定検査
・補助金の請求
・補助金の支払い
・事業化状況報告
ものづくり補助金の申請前に必要な手続きはGbizプライムIDを取得することのみですが、申請、採択後には多くの手続きが必要となることがわかるかと思います。
スケジュール感としては、ものづくり補助金の締切から採択発表までおよそ3ヶ月、採択発表から事業の完了まで最大10ヶ月となるので、ものづくり補助金の支給は最大申請の1年後なるということができます。
【採択後の流れ①】交付申請
ここからはものづくり補助金の採択後の流れの各ステップを細かく見ていきます。
ものづくり補助金における交付申請とは申請した事業の経費を審査して確定する作業のことです。
ものづくり補助金で採択されたとしてもその時点では、事業計画が審査に通過したに過ぎず、全ての補助対象となる経費が認められたわけではありません。具体的な補助対象経費は、事業者が提出する見積書や発注先業者の説明などを参照して事務局が審査します。
そのため、交付申請の段階で一部の経費が認められない可能性もあります。
交付申請を行うタイミングですが、交付申請は採択発表後可能となり1ヶ月以内に行うことが目安となっています。
あくまで目安なので超過してもペナルティ等はないのですが、ものづくり補助金の補助事業は採択後12ヶ月以内に完了しなければいけないという規定があるため、すみやかに交付申請をすると良いでしょう。
交付申請に備えて、早めに見積書を取得しておくといった準備をあらかじめしておくとすみやかに交付申請に映ることができます。
<交付申請の必要書類>
①現況確認資料
②申請内容ファイル
③見積書
【採択後の流れ②】補助事業の実施
交付申請の内容が認められ、交付決定がおりると補助事業を開始することができます。
対象経費の支払いは必ず交付決定後に行ってください。交付決定前の支出については補助対象外となります。
事業計画に記載した計画を実行し、計画と異なる事業の実施等の不正は絶対にしてはいけません。
この期間には基本的には事業の遂行に集中すれば良いですが、事務局から要請があった場合には以下のような手続きやプロセスが必要となることがあります。
・補助事業遂行状況報告書の提出
・中間監査
補助事業遂行状況報告書では、補助事業の進捗状況を報告します。
追加で事務局から支出状況に関する聴取が行われることもあります。
この書類の提出を事務局から求められた場合には、Jグランツを通じて事務局が指定する日までに提出するようにしましょう。
中間監査では、事務局担当者が補助事業実施場所を実際に訪問して、物品の入手・支払い・補助事業の進捗状況を確認します。
中間監査が行われるケースは少ないですが、補助金の不正使用などが発覚した場合は補助金の返還や刑事罰の対象となるので、採択後だからといって、不適切な行為は絶対にしてはいけません。
【採択後の流れ③】実績報告
補助事業を完了したら、事業の実績などをまとめた補助事業実績報告書を完了日から30日を経過した日または事業完了期限日のいずれか早い日までに提出する必要があります。
実績報告では、事業の成果をまとめた実績報告書に加えて領収書などの会計書類・証拠書類を提出します。
場合によっては実績報告書の修正が求められることもあるので、事業完了次第速やかに資料の作成にとりかかるようにしましょう。
詳しいものづくり補助金の実績報告についてはこちら
【採択後の流れ④】確定検査
確定検査とは、事務局が、提出された補助事業の申請内容が正確に実施され、経費が適切に使用されたかを確認した後、提出された実績報告書を検証し、必要に応じて現地での調査やヒアリングを実施することです。
場合によっては、機械設備等の入手や支払い、補助事業の成果等を実際に確認するために事務局が事業実施場所を訪問することもあります。
確定検査の際に、経理証拠書類の原本が確認できない場合はその経費が補助対象とならない場合もあるので、不備等なく実績報告を行うことが重要です。
【採択後の流れ⑤】補助金の請求
確定検査に問題がなければ補助金額を確定し、事務局が「補助金確定通知書」を通知します。この「補助金確定通知書」を受け取ったら「補助金精算払請求書」を提出して補助金の請求を行います。
【採択後の流れ⑥】補助金の振込
補助金精算払請求書が受領されると、全国中央会より補助金額の振込が行われます。
【採択後の流れ⑦】事業化状況報告
補助金の受け取り後も以降5年間、事業や付加価値額向上の取り組み、賃金引き上げ状況に関する報告を行う必要があります。具体的には、「事業化状況・知的財産検討報告書」を提出します。
本事業に関する調査に協力する義務も負います。
以上がものづくり補助金における採択後の流れとなります。
ものづくり補助金の事業化状況報告についての詳しい内容はこちら
ものづくり補助金の採択後の流れに関するよくある質問
ものづくり補助金の採択後に事業計画を変更することは可能か?
ものづくり補助金の採択後の事業計画変更は、補助事業の成果が減少・縮小するような場合を除いて変更可能です。
計画の変更は、交付申請時に変更を加えた事業計画書を提出することで申請することができます。従来の計画と連続性のないような大幅な計画の変更は難しいでしょう。
ものづくり補助金の交付申請はいつまでに行う必要があるか?
交付申請に明確な期限は設定されていませんが、採択発表後1ヶ月以内を目安に速やかに行うことをおすすめします。
補助事業を採択発表日から12ヶ月以内に完了する必要があるからです。
ものづくり補助金の申請時にも見積書は必要か?
申請時に見積書は不要です。
見積書が必要となるのは、交付申請時です。
ただ、機械設備やシステムの導入先の選定はものづくり補助金の申請時から検討することをおすすめします。
まとめ
この記事では、ものづくり補助金の採択後の流れについて解説してきました。
ものづくり補助金の採択後も、交付申請や実績報告といった手続きを行わなければ補助金を受け取ることができません。
これらの手続きに不備があれば補助金取り消し等のリスクもあるので、すでに採択されている事業者の方々は手引き等の資料に目を通して事業を遂行していきましょう。