【2024.5】事業再構築補助金の第12回公募の内容は?これまでとの変更点について徹底解説!

事業再構築補助金の第12回公募の内容は?これまでの変更点について徹底解説!

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

中小企業にとって、事業再構築補助金は新分野への進出や事業展開をする際に大きな支援をしてくれる補助金制度です。

令和5年10月をもって第11回公募が終了し、令和6年4月23日に第12回の公募要領が発表されました。今回の12回公募ではこれまでとどのような変更点があるのかを解説します。

この記事を読むと
  • 事業再構築補助金の過去の情報を把握できる
  • 第12回での変更点がわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代において、新市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰等の取組を通じ、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等事業者を支援する制度です。

事業を再構築するための大きなお金を支援してくれる補助金ですが、申請すれば誰でも活用できるわけではなく事務局からの審査を通過しなければ補助金を活用できません。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金の申請枠

現在募集中の第12回公募の事業再構築補助金は申請枠が3つに分かれていて、それぞれの申請枠の中でさらに細かい類型に分かれているものもあります。それぞれ以下の通りです。

  • 成長分野進出枠(通常類型)
    ポストコロナに対応し、今後の成長が見込まれる分野への事業再構築を行う企業や、市場縮小等の課題に直面し今後の事業再構築を行う会社を支援する申請枠
  • 成長分野進出枠(GX進出類型)
    ポストコロナに対応し、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題解決に取り組もうとする企業を支援する申請枠
  • コロナ回復加速化枠(通常類型)
    コロナの影響による債務の借り換えや事業再生に取り組む企業を支援する申請枠
  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
    コロナ終息後、最低賃金引き上げの影響を受けている企業を支援する申請枠
  • サプライチェーン強靱化枠
    ポストコロナの経済社会において、今後国内のサプライチェーンの強靱化や地域産業の活性化に取り組む企業を支援する申請枠

上記の申請枠は、第11回公募までのものと一部異なるため、注意が必要です。申請前は必ず最新情報を確認しましょう。

事業再構築補助金に申請するための必要要件

事業再構築補助金に申請するには、全ての申請枠に共通して以下の必須要件を満たす必要があります。

  1. 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
  2. 事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
  3. 付加価値額を向上させること

引用:事業再構築補助金 必須申請要件

その他に、それぞれの申請枠や類型ごとに指定されている必須要件があります。自社が要件を満たしているか、申請したい枠ごとに必ず事前確認しておきましょう。

事業再構築補助金の補助額・補助率

事業再構築補助金は従業員数が多い企業ほど受け取れる補助金の上限金額も多くなります。補助額、補助率については申請枠や類型ごとに以下のように決まっています。

成長分野進出枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
20人以下1,500万円(2,000万円)中小企業:1/2 (2/3)
中堅企業:1/3 (1/2)
21~50人3,000万円(4,000万円)
51~100人4,000万円(5,000万円)
101人以上6,000万円(7,000万円)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

成長分野進出枠(GX進出類型)

企業の種類従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
中小企業20人以下3,000万円(4,000万円)1/2 (2/3)
21~50人5,000万円(6,000万円)
51~100人7,000万円(8,000万円)
101人以上8,000万円(1億円)
中堅企業1億円(1.5億円)1/3(1/2)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下1,000万円中小企業:2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 3/4)

中堅企業:1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 2/3)
6~20人1,500万円
21人~50人2,000万円
51人以上3,000万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下500万円中小企業:3/4(一部 2/3)
中堅企業:2/3(一部 1/2)

※「コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること」という任意要件を満たさない場合、補助率は()内の数字になる
6~20人1,000万円
21人以上1,500万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

サプライチェーン強靱化枠

従業員数補助上限金額
補助率
5億円
(建物費がない場合は3億円)
中小企業:1/2
中堅企業:1/3
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

上記のように、事業再構築補助金は非常に多額の補助金額を受け取れる可能性がある補助金なのです。申請枠や従業員ごとに金額が異なる点には注意してください。

事業再構築補助金の申請スケジュール

事業再構築補助金の申請方法は、GビズIDプライムアカウントを取得し、「jGrants」という補助金申請システムを利用した電子申請にて行います。

GビズIDプライムアカウントは、取得申し込みから発行までおよそ2週間程度かかるので、事業再構築補助金申請を検討しているなら、早めに余裕をもって準備しましょう。

事業再構築補助金の申請〜補助金受け取りまでの以下の通りです。

  1. 事前確認や必要書類の準備を行い、事業計画書を作成した後に電子申請を行う

~事務局による審査(約2か月)~

  1. 採択通知を受け取る
  2. 交付申請を行う
  3. 交付決定後、補助金額が決定する
  4. 補助事業実施期間に入る
  5. 事業の実績報告を行う
  6. 確定検査を受ける
  7. 補助金確定通知書の確認後、補助金精算払請求書を提出する
  8. 補助金が振り込まれる

現在募集中の第12回公募は申請受付日が調整されている最中です。もしも申請を検討しているなら、GビズIDプライムアカウントの準備などできることから早めに着手しておきましょう。

事業再構築補助金の採択率

事業再構築補助金は、先述した通り活用には採択される必要があります。これまでの採択率は以下の通りです。

公募 応募件数 採択件数 採択率
第1回公募 22,229件 8,015件 36.0%
第2回公募 20,800件 9,336件 44.9%
第3回公募 20,307件 9,021件 44.4%
第4回公募 19,673件 8,810件 44.8%
第5回公募 21,035件 9,707件 46.1%
第6回公募 15,340件 7,669件 49.9%
第7回公募 15,132件 7,745件 51.1%
第8回公募 12,591件 6,456件 51.3%
第9回公募 9,368件 4,259件 45.4%
第10回公募 10,821件 5,205件 48.1%
第11回公募 9,207件 2,437件 26.5%


過去のデータから分析すると、採択率はおおよそ50%以下です。特に直近の第11回公募は大幅に採択率が低くなりました。

事業再構築補助金に採択されるのは簡単なことではないと言えるため、採択のためにはしっかりした根拠のある実現可能な事業計画書の作成などが必須です。他にも加点項目を活かすなど、採択のためのポイントをきちんと押さえて申請を行いましょう。

事業再構築補助金第12回公募での5つの変更点

事業再構築補助金第12回公募での5つの変更点

事業再構築補助金の第12回公募は申請日は調整中ですが、公募要領が令和6年の4/23に公開されました。これまでの募集回とは申請枠等に大幅な変更がありました。以下では5つの変更点について解説します。

事業再構築補助金第12回公募での5つの変更点

①申請枠が3つに削減された

事業再構築補助金の第12回公募では、申請枠が先ほど紹介した3つに削減されました。11回公募までは6つ申請枠があったので、大幅に削減されたと言えます。

第11回までの申請枠

成長枠産業構造転換枠グリーン成長枠物価高騰対策・回復再生応援枠最低賃金枠サプライチェーン強靭化枠
エントリースタンダード

第12回の申請枠

成長分野進出枠コロナ回復加速化枠サプライチェーン強靭化枠
通常類型GX進出類型通常類型最低賃金類型

第12回公募では、今もコロナの影響を受ける事業者やポストコロナに対応した事業の再構築を目指す事業者への支援が重点化しました。

②「コロナ借換要件」が追加された

コロナ回復加速化枠の中の二つの類型について、コロナ借換要件というものが追加されました。コロナ借換要件とは「コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること」で、コロナ借換要件が申請時の要件の1つになりました。

コロナ借換保証等は具体的に以下のものを指します。

  • 伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
  • コロナ経営改善サポート保証
  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付
  • 生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
  • 新型コロナ対策資本性劣後ローン
  • 生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
  • [新型コロナ関連]マル経融資
  • [新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
  • [新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金

引用:経済産業省 事業再構築補助金第12回公募の概要

コロナ回復加速化枠では、上記のようなコロナ借換保証で債務の借り換えがあることを証明するために「コロナ借換要件・加点確認書」の提出が必要になりました。

③事前着手制度が原則廃止された

これまでの第11回公募までは事前着手制度というものがありました。補助金への採択が決まり交付申請を行なった後、交付決定して補助金額が確定してから補助事業を開始するのが通常の流れですが、今まではこの事前着手制度を活用すれば、交付決定される前に補助事業を開始することができました。つまり、これまでは事前着手制度を利用すれば交付決定前に開始していた事業も補助金の対象になっていたのです。

しかし今後は以下の場合を除き、事前着手制度は原則として利用することができなくなりました。

  • 第10回、第11回公募において、物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、コロナ回復加速化(通常類型)又はコロナ回復加速化(最低賃金類型)に申請する場合
  • ②第10回公募において、サプライチェーン強靱化枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、サプライチェーン強靱化枠に申請する場合

引用:経済産業省 事業再構築補助金第12回公募の概要

上記の場合が認められる事業者は、今回も事前着手制度を活用することができます。しかし、上記はあくまでも経過措置であり、今後事前着手制度は完全に廃止されていくので注意しましょう。

④口頭審査が追加された

第12回公募では、これまでになかったオンラインの口頭審査が審査内容に追加されることになりました。ただし、全ての申請者が対象になるわけではなく一定の審査基準を満たした事業者のみが対象です。

事業計画の内容についての審査で、事業の適格性や革新性、優位性等を観点に審査されます。1事業者あたり15分程度が予定され、もしも対象になった場合は事務局から案内が来ます。

⑤金融機関要件が追加された(資金提供を受ける場合)

事業再構築補助金は、採択が決まっても補助金の交付があるのは補助事業が完了した後です。そのため、実際に補助事業を開始するにあたり金融機関から資金提供を受けたい場合もあるでしょう。そのような時の要件が新たに第12回より追加されたのです。

第12回の公募でもしも資金提供を受ける場合、資金調達元となる金融機関から「金融機関による確認書」を発行してもらい、事務局へ提出しなくてはならなくなりました。もしも資金調達を行う場合、忘れずに書類の準備を行いましょう。

第12回公募に申請する際のポイント

第12回公募に申請する際のポイント

第11回公募の採択率は大幅に下がりましたが、第12回公募でも採択難易度は上がると予想されています。では、第12回公募の事業再構築補助金に申請する際のポイントを解説していきます。

第12回公募に申請する際のポイント

より独自性の強い事業計画を

第12回公募の申請ポイントとして、より独自性の強い事業計画が求められるでしょう。

以前、外部有識者から指摘されていた内容ですが、第10回公募では、ゴルフ・サウナ・エステに関するほぼ同様の事業計画の申請者がどちらも採択されていたことがありました。このように、似たような事業計画の申請者が複数採択されている件が問題視されている状況です。

そのため、第12回公募ではより独自性をアピールできる質の高い事業計画書の作成が求められるでしょう。他社と似たような事業内容だと、不採択になってしまうかもしれません。
参考:日刊工業新聞

なるべく多くの加点を得る

事業再構築補助金の第12回公募では申請者が増加し、より質の高い事業計画が求められるでしょう。その場合、競争率の高い公募になることが予想されます。他事業者と差別化し、自社の評価を高めるためにも積極的に加点項目の獲得を行なっていくのが良いでしょう。

健康や女性活躍のえるぼし、子育て認定のくるみんマークの取得などの認定を受けていれば重要な加点項目となります。
さらに大幅な賃上げを実施する事業者は賃上げの幅が大きいほど追加で加点されます。事業再構築補助金に申請する事業者は、自社の取り組みが加点項目に該当するか必ず確認しましょう。

また、今回よりコロナ借換加点が項目に追加されました。コロナ借換加点も確認し、もしも当てはまる場合は資料を準備しきちんと提出しましょう。
参考:事業再構築補助金 公募要領

事業の成長性や収益性をきちんと示す

事業再構築補助金の事業計画の審査では、事業における独自性の高さだけではなく、事業の成長性や収益性も大変重視されています。
コロナ渦期間に重視された事業の安定性や存続可能性から、思い切った事業再構築により経済の活性化を促す中小企業の成長性や収益性を重視する方向にシフトしています。今後の成長性や収益性をしっかりアピールできる事業計画書の作成を目指しましょう。

明確な根拠を示しながら説明する

事業再構築補助金の第12回公募の事業計画では、独自性に加えて成長性や収益性の高さが求められます。それらを事業計画書で示す時、必ず明確な根拠を提示して説明するようにしましょう。

市場のマーケティング調査や、補助事業で提供する商品やサービスのビジネスモデルなどの明確な根拠となるデータを用いるのがおすすめです。事業内容を中長期で実現できるということをしっかり示しましょう。
また費用対効果や、既存事業とのシナジー効果、想定の収益金額などの詳細も記載し、独自性・成長性・収益性に具体性を持たせ、審査員に事業計画を印象付けることがポイントです。

INU株式会社では事業再構築補助金第12回公募の申請支援を行っています

INU株式会社では補助金申請の支援サービスを提供しています。多くの事業者様が補助金を有効活用し、新規事業や事業転換等の実現ができるようにお手伝いをしています。

現在、第12回事業再構築補助金に申請したい事業者様の支援を受け付けています。INU株式会社の主な特徴は以下の通りです。

  • これまでの補助金採択率は90%の高水準
  • 事業者様からのご相談に初回は無料で対応可能
  • 基本的にオンラインで対応するため全国各地の事業者様の支援が可能

事業再構築補助金の第12回公募に申請し、採択されるポイントを押さえた事業計画書を作りたい!という事業者様はぜひINU株式会社にお問い合わせください。

まとめ

事業再構築補助金の第12回公募は、申請枠の見直しなど様々な変更が入りました。多額のお金を補助してくれる制度なので、これまで以上に採択難易度が高くなると予想されています。

第12回公募事業再構築補助金への申請を考えている方は、しっかりと変更点を確認して対策をしておきましょう。

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