【2025.9】中小企業成長加速化補助金を設備投資に活用!事業成長を加速させるポイント

「中小企業成長加速化補助金」を設備投資に活用し、事業を大きく成長させたいとお考えではありませんか?

本記事では、この補助金の制度概要から、生産性向上やデジタル化、新規事業展開に繋がる具体的な設備投資のイメージ例、そして採択率を高めるための申請のポイントまでを徹底解説します。

適切な設備投資は、貴社の競争力を強化し、持続的な成長を加速させる強力な原動力となります。採択には、練り上げられた事業計画が鍵を握ります。

この記事を読むと
  • 中小企業成長加速化補助金の概要が分かる
  • 中小企業成長加速化補助金を設備投資に使う方法がわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次

中小企業成長加速化補助金とは 設備投資を後押しする制度概要

「中小企業成長加速化補助金」は、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を進めようとする中小企業の取組を支援することを目的とした国の支援制度です。日本経済の好循環を全国に行き渡らせるため、中小企業全体の「稼ぐ力」を底上げし、地域にインパクトのある成長企業を創出することを目指しています。

特に売上高が100億円に及ぶ企業は、一般的に賃金水準が高く、輸出による外需獲得やサプライチェーンへの波及効果も大きく、地域経済に与えるインパクトが大きいことから、こうした観点で中小企業の成長を支援する制度設計となっています。

補助金の目的と対象事業者の要件

本補助金は、多くの中小企業が直面する物価高や人手不足などの経営課題を克服し、将来の売上高100億円を目指す大胆な投資を支援することを主な目的としています。

中小企業成長加速化補助金の対象となるには、以下を満たす中小企業者である必要があります。

中小企業成長加速化補助金の要件(以下のすべてを満たすこと)

投資額が1億円以上(税抜き)であること

  • 投資額とは建物費、機械装置費、ソフトウェア費の補助対象経費の合算金額
  • 外注費、専門家経費は含まない
  • 外注費および専門家経費の補助対象経費の合算金額は、投資額未満でなければならない

100億宣言が100億宣言ポータルサイトに公表されていること

  • 公募の申請時までに公表が必要
  • 1次公募においては、補助金の公募申請と併せて100億宣言の申請を行う

一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること

  • 賃上げ実施期間は補助事業終了後3年間

日本国内において補助事業を実施すること

その他の重要な要件:

  • 既存の老朽化設備を入れ替えるなど生産能力等が向上しない投資(更新投資)は認められない
  • 事業実施場所が複数になる場合も対象となるが、補助事業の目的・内容が一体的であることが必要

補助対象経費と補助率、補助上限額

本補助金の補助対象経費は以下の通りです。

内容
建物費専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他投資計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費
機械装置費専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費 。これらと一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費
ソフトウェア費専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費。またこれらと一体で行う、改良・修繕に要する経費
外注費補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費
専門家経費本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
引用:中小企業成長加速化補助金のご案内

中小企業成長加速化補助金を活用する上で、どのような経費が補助の対象となり、どの程度の支援が受けられるのかを正確に把握することは、事業計画を策定する上で非常に重要です。

中小企業成長加速化補助金の補助率と補助上限額は、補助率1/2、補助限度額は5億円と定められています。

中小企業成長加速化補助金が設備投資に適している理由

中小企業成長加速化補助金は、その制度設計から大規模な設備投資との相性が非常に良く、事業成長を加速させるための強力なツールとなり得ます。

主な特徴とメリット:

  • 高額な投資規模への対応:1億円以上の大規模投資が対象となるため、これまで資金的制約で実現できなかった大胆な設備投資が可能
  • 手厚い補助支援:補助率1/2、上限額5億円という手厚い支援
  • 100億円目標との連動:将来の売上高100億円を目指す成長戦略の一環として位置づけ
  • 包括的な経費対象:建物費から機械装置、ソフトウェア、外注費まで幅広い経費をカバー

設備投資が事業成長を加速させる具体的なメカニズム

最新の設備導入により製造プロセスや業務フローの効率化を実現し、同じ時間でより多くの製品・サービスを提供できるようになります。

品質向上と競争優位性の確立

高精度な設備や自動化システムにより製品・サービスの品質を均一化し、不良率を低減。競合他社との差別化を図り、市場での競争優位性を確立します。

新たな事業機会の創出

設備投資により、既存事業の強化だけでなく、新たな事業領域への進出や新製品・サービス開発の基盤を構築できます。

人材の有効活用と働き方改革

自動化・省力化により従業員を単純作業から解放し、より創造的で付加価値の高い業務に集中できる環境を創出します。

中小企業成長加速化補助金を活用した設備投資のイメージ例

中小企業成長加速化補助金は、単なる設備購入費用を補助するだけでなく、事業の未来を切り拓き、持続的な成長を実現するための戦略的な設備投資を強力に後押しします。ここでは、補助金を活用してどのような設備投資が可能か、具体的なイメージを業種横断的にご紹介します。

中小企業成長加速化補助金を活用した設備投資のイメージ例

生産性向上と効率化を実現する設備投資

中小企業が競争力を高めるためには、生産性の向上と業務の効率化が不可欠です。製造業においては、産業用ロボットや自動搬送システム、高精度CNC加工機、IoTを活用した生産ライン監視システムなどの導入により、人件費の削減、品質向上、納期短縮、生産量増加、ヒューマンエラー削減といった効果が期待できます。

サービス業では、自動受付・精算システムやオーダーエントリーシステム、AIチャットボットの導入によって、顧客の待ち時間短縮、人件費削減、顧客満足度向上、業務効率化を実現できます。

小売業においても、セルフレジや自動在庫管理システム、商品陳列ロボットの活用により、レジ業務の効率化、欠品防止、人件費削減、顧客体験の向上が図れます。これらの設備投資は、業種を問わず企業の基盤を強化し、持続的な成長を支える重要な要素となります。

デジタル化・グリーン化推進のための設備投資

デジタル変革の時代において、中小企業もDXの推進は避けて通れない課題です。顧客管理・営業強化の分野では、CRM(顧客関係管理)システム、SFA(営業支援)システム、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入により、顧客情報の統合管理、営業活動の効率化、リード獲得・育成の強化が可能になります。

また、経営情報の一元化を目的として、ERP(統合基幹業務)システムやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入することで、経営資源の最適化、リアルタイムな経営状況の把握、意思決定の迅速化を実現できます。これらのデジタル化投資により、企業は情報の透明性を高め、より戦略的な経営判断を下すことができるようになります。

また、持続可能な経営への注目が高まる中、グリーン化への取り組みは企業の社会的責任であり、同時に経営効率化の機会でもあります。省エネルギー化を目指す企業は、高効率空調設備、LED照明、省エネ型ボイラー、インバーター制御機器などの導入により、光熱費削減、CO2排出量削減、設備の長寿命化といった複合的な効果を得ることができます。

さらに、太陽光発電設備、蓄電池、EV充電設備などの再生可能エネルギー関連設備への投資により、電力コスト削減、災害時の電力確保、企業イメージ向上が期待できます。これらのグリーン投資は、短期的なコスト削減だけでなく、長期的な企業価値の向上にも寄与します。

新たな事業展開を支える設備投資

成長を続ける企業にとって、既存事業の改善だけでなく、新しい事業領域への挑戦も重要な戦略です。新商品・サービス開発の分野では、3Dプリンター、試作機、研究開発用分析装置、VR/AR開発環境などの設備により、開発期間の短縮、コスト削減、市場ニーズへの迅速な対応が可能になります。

新分野への進出を目指す企業は、異業種参入に必要な専門機械、製造ライン、店舗設備への投資により、事業領域の拡大、収益源の多様化、リスク分散を図ることができます。

また、販路開拓・拡大においては、ECサイト構築費用、デジタルサイネージ、物流倉庫の自動化設備などの投資により、オンライン販売の強化、顧客接点の拡大、全国・海外市場への展開が実現できます。これらの投資は、企業の成長機会を拡大し、新たな収益の柱を構築するための基盤となります。

中小企業成長加速化補助金を活用したこれらの設備投資により、企業は生産性向上、デジタル化・グリーン化の推進、新事業展開という三つの軸で成長を加速させることができ、持続可能で競争力のある事業基盤を構築することが可能になります。

中小企業成長加速化補助金で設備投資を実現させるための採択のポイント

では、いざ中小企業成長加速化補助金に申請されるためにはどのようなポイントに気をつければ良いのでしょうか。以下で解説します。

中小企業成長加速化補助金で設備投資を実現させるための採択のポイント

採択される投資計画書の作成方法をおさえる

中小企業成長加速化補助金において採択される投資計画書を作成するためには、補助金の目的と自社の事業課題を明確に結び付けることが不可欠です。「売上高100億円」という明確な目標に向けて、自社の現在抱えている課題と設備投資の必要性を論理的に関連付け、投資の必然性を説得力をもって示すことが求められます。

投資計画書の核心となるのは、具体的な投資内容と費用対効果の詳細な提示です。導入を予定している設備について、その内容、機種、メーカー、費用を具体的かつ詳細に明記し、投資によって得られる効果を可能な限り定量的に表現することが重要です。抽象的な表現ではなく、「生産効率◯%向上」「コスト◯%削減」「売上◯%増加」といった具体的な数値目標を設定し、その根拠となるデータや計算過程も併せて示すことで、審査員に対する説得力を高めることができます。

さらに、投資計画の実現可能性と継続的な成長戦略を明確に示すことも重要な要素です。提案する投資計画が現実的で実行可能であることを証明するとともに、この投資が単発的なものではなく、将来にわたる持続的な事業成長に繋がる戦略的取り組みの一環であることを明確に説明する必要があります。長期的な視点から企業の成長シナリオを描き、今回の設備投資がその成長戦略の中でどのような位置づけにあるのか、将来的にどのような発展に繋がるのかを体系的に示すことで、投資の意義と継続性を訴求できます。

これらの要素を総合的に組み合わせることで、審査員に対して企業の成長意欲と戦略的思考力を効果的にアピールし、採択の可能性を高めることができるでしょう。

審査項目を確認しておく

本補助金の審査は以下の項目で定量的・定性的に評価されます。

① 経営力

  • 将来の売上高100億円に向けた中長期的なビジョンや計画の有無
  • 補助事業期間を含む今後5年程度の明確なシナリオと事業戦略
  • 高い売上高成長率・付加価値増加率の実現性
  • 企業の収益規模に応じたリスクを取った投資内容

② 波及効果

  • 地域への波及効果(賃上げ計画の具体性・妥当性)
  • 域内仕入の拡大や地域における価値創造への貢献
  • 地域のモデル企業としての取組(パートナーシップ構築宣言、BCP策定等)

③ 実現可能性

  • 計画を実施可能な経営体制の構築
  • 補助事業を適切に遂行できる財務状況
  • 金融機関のコミットメント

上記の審査項目をしっかりおさえ、網羅した投資計画書を作成しましょう。

補助金申請専門家に協力してもらう

中小企業診断士や行政書士といった補助金申請の専門家に協力を依頼することは、採択率を飛躍的に高める有効な手段です。専門家は補助金制度の趣旨を深く理解しており、効果的な申請戦略を立案してくれます。

2次審査の準備もしておく

本補助金では、1次審査(書面審査)通過後に2次審査(プレゼンテーション審査)が実施されます。

2次審査の概要:

  • 開催予定:8月18日~9月5日(土日祝除く)
  • 実施形式:地域ブロック単位での審査会
  • 内容:経営者自身によるプレゼンテーション及び外部有識者との質疑応答
  • 必須条件:経営者の出席・説明が必須(経営者は代表権を有している方)

書類審査だけでなく、2次審査の準備もしておくことで、いざ審査の通知が来た時も落ち着いて対応できます。必ず事前に準備をしておきましょう。

書類不備等を防ぐ

補助金申請では、書類不備で不採択になってしまう可能性があります。中小企業成長加速化補助金でも呂類不備が命取りになる可能性があるので、書類提出前には必ず複数人でチェックするようにしましょう。また、申請方法も間違えないようにしてください。

申請方法:

  • 補助金申請システム「jGrants」による電子申請のみ
  • GビズIDの取得が必要

提出書類の注意点:

  • 16MBを超える容量のファイルは提出不可
  • 提出書類に不備があった場合は審査対象外
  • 必要書類の欠落や記入漏れは内容に関わらず審査対象外

補助事業期間: 交付決定日から24か月以内

事業の流れ:

  1. 公募・申請
  2. 審査(1次:書面審査、2次:プレゼンテーション審査)
  3. 採択
  4. 補助事業の実施
  5. 事業化、賃金引上げ状況等の報告(5事業年度分)

株式会社補助金プラスは中小企業成長加速化補助金で設備投資をしたい事業者様を応援します

設備投資による事業拡大をお考えの事業者様にとって、中小企業成長加速化補助金は理想的な資金調達手段です。しかし申請手続きは複雑で時間がかかり、本来の事業活動に集中できない状況が生まれがちです。株式会社補助金プラスの申請支援サービスをご利用いただければ、このような課題を解決できます。

豊富な経験を持つ専門家が、設備投資計画に基づいた効果的な事業計画書作成をサポートし、必要書類の収集から申請まで一括して代行いたします。これまで90%以上という高い採択率を誇り、採択後の実績報告もオプションで対応可能です。さらに事業者様の状況に応じて、他の補助金制度のご提案も行っております。

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まとめ

中小企業成長加速化補助金は、1億円以上の大規模設備投資を通じて売上高100億円を目指す中小企業を強力に支援する制度です。補助率1/2、上限額5億円という手厚い支援により、これまで実現が困難だった大胆な投資が可能になります。

採択を勝ち取るためには、明確な成長戦略と具体的な投資効果を示す事業計画書が不可欠です。2次審査でのプレゼンテーション準備も含め、専門家の知見を活用しながら万全の準備で臨むことが成功への鍵となります。

この補助金を活用し、将来の売上高100億円に向けた持続可能な成長と未来への投資を実現しましょう。

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