【2024.2】ものづくり補助金のグリーン枠とは?活用方法や採択のポイントを徹底解説!

モノづくり補助金 グリーン枠

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

温室効果ガスの排出削減や炭素生産性の向上に関連した事業計画については、ものづくり補助金のグリーン枠での補助が受けられる可能性があります。この記事では、グリーン枠の特徴的な点や要件、具体的な活用方法、採択にあたってのポイントなどを解説します。

この記事の目次

ものづくり補助金のグリーン枠の概要

ものづくり補助金 グリーン枠

ここでは、ものづくり補助金のグリーン枠の概要について説明させていただきます。

グリーン枠の目的

ものづくり補助金のグリーン枠は、脱炭素に取り組む事業者を支援する目的で制定されたものです。直近の公募からは、事業者の環境対策の度合いに応じて三種類の類型に分かれており、申請時点でより先進的で充実した環境対策を行っている事業者がより多くの補助を受けられる仕組みになっています。

グリーン枠で受け取れる金額と補助率

ものづくり補助金のグリーン枠には、申請時点での環境対策の度合いに応じて三種類の類型があり、最大補助額がそれぞれ異なっています。補助率はどの類型でも2/3となります。

申請時点では初歩的な環境対策しか行っていない事業者については、エントリー類型で申請することとなります。具体的な補助額は
・従業員5人以下⇒750万円以内
・従業員6人~20人⇒1,000万円以内
・従業員21人以上⇒1,250万円以内
となっており、通常枠と変わらないものとなっています。

申請時点である程度の環境対策が出来ている事業者については、スタンダード類型で申請することとなります。具体的な補助額は
・従業員5人以下⇒ 1,000万円以内
・従業員6人~20人⇒1,500万円以内
・従業員21人以上⇒2,000万円以内

となります。

申請時点で先進的な環境対策を行っている事業者については、アドバンス類型で申請することができます。具体的な補助額は
・従業員5人以下⇒2,000万円以内
・従業員6人~20人⇒3,000万円以内
・従業員21人以上⇒4,000万円以内

となり、ものづくり補助金の各申請枠の中でも最大の補助を受けられることになります。

グリーン枠における各類型の詳細な要件については、後で詳しく解説します。

グリーン枠の通常枠との違い

ものづくり補助金 グリーン枠

最大金額が高い

グリーン枠の最大の特徴は、ものづくり補助金の他の枠に比べて補助額の上限が非常に高いことです。よく申請される通常枠やデジタル枠においては、補助額は最大でも1,000万円前後であるところですが、先ほど述べた通り、グリーン枠ではアドバンス類型なら最大で4,000万円もの補助が受けられることとなっています。

申請時点である程度の環境対策ができている企業が申請できるスタンダード類型でも、従業員21人以上の企業なら最大2,000万円の補助を受けられるなど、通常枠よりも相当優遇されています。

申請時点で初歩的な環境対策を行っているだけで申請できるエントリー類型においては、補助額は通常枠の場合と変わりません。

補助率が高い

グリーン枠の特徴としては、最大補助額の多さ以外に補助率の高さも挙げられます。

アドバンス類型、スタンダード類型、エントリー類型に関わらずグリーン枠での補助率は2/3となっており、アドバンス類型やスタンダード類型では前述した最大補助額の多さと合わせて、通常枠などより大規模な事業計画で補助を申請できるという利点があるといえます。

エントリー類型でも、補助率の点では通常枠と比較して有利となります。しかしながら、小規模事業者や個人事業主、再生事業者の場合は通常枠でも補助率が2/3となりますから、そのような場合はあえてエントリー類型で申請する必要性は薄いでしょう。

ものづくり補助金のグリーン枠を申請するための要件

ものづくり補助金 グリーン枠

ここではものづくり補助金のグリーン枠の要件を、各類型に共通の要件と、各類型に応じて特に要求される要件に分けて解説します。

グリーン枠で申請する際の各類型共通の要件は二つあります。

一つ目の要件は、補助を申請する事業計画が「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」あるいは「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」に該当するものであることです。

ここでいう「炭素生産性」とは、 1t/CO2 あたりどれほど生産できるかを示す指標で、「付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)」÷「CO2排出量(t/CO2)」で求められるものです。通常CO2排出量を計測していない企業については、経産省が公開している「エネルギー起源二酸化炭素排出量等計算ツール」を用いてCO2を算出するとよいでしょう。

二つ目の要件は、補助を申請する事業計画が「3-5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること」です。

ここでの「炭素生産性」の定義は一つ目の要件で述べたものと同じであり、「付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)」÷「CO2排出量(t/CO2)」で求められます。

グリーン枠エントリー類型の要件

エントリー類型は、申請時点で初歩的な環境対策を行っている事業者が申請できます。

この類型で要求される要件は
①「エネルギーの種類別使用量と、CO2の年間排出量の把握」
②「電気、燃料の使用量の用途別の把握」
のいずれかであり、この①,②の片方を満たすだけで申請できます。

グリーン枠スタンダード類型の要件

スタンダード類型は、申請時点である程度の環境対策を行っている事業者が申請できます。
この類型で要求される要件は、エントリー類型の①,②の「両方」に加え

③「申請する事業の結果として、自社だけでなく業界全体での温室効果ガス削減に貢献」
④「電気事業者との契約において、再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択」
⑤「再生可能エネルギーによる自社発電の導入」
⑥「グリーン電力証書の購入実績」
⑦「J-クレジット制度に参加し、自社での温室効果ガス排出削減取組についてクレジット認証を受けている。」
のいずれかであり、①,②の両方と、③〜⑦のうち一つの要件を満たすことで申請できます。

グリーン枠アドバンス類型の要件

アドバンス累計は、申請時点で先進的な環境対策を行っている事業者が申請できます。

この類型で要求される要件は、エントリー類型の①,②の両方と、アドバンス類型の③~⑦の「いずれか二つ」に加え

⑧「SBT(Science Based Targets)若しくはRE100に参加している」
⑨「省エネ法における事業者クラス分け評価制度において、令和三年度定期報告の評価が『Sクラス』であること」
⑩「2019年~2022年12月31までの間に特定の省エネルギー診断を受診している」

のどれか一つであり、①,②の両方と、③~⑦のうち二つ、そして⑧~⑩のうち一つの要件を満たすことで申請できます。

なお、⑩にいう「特定の省エネルギー診断」とは

・「無料省エネ診断等事業及び診断結果等情報提供事業」
・「エネルギー利用最適化診断事業及び情報提供事業」
・「省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業」
・「地域プラットフォーム構築事業」
・「地方公共団体で実施する省エネルギー診断」

のいずれかとなります。

ものづくり補助金のグリーン枠の具体的な活用方法は?

ものづくり補助金 グリーン枠

ここでは、具体的にどのような事業にグリーン枠が活用できるのかについてご説明します。

上の図は、グリーン枠における典型的な活用事例を示したもので、「脱炭素化に寄与する製造システムの導入」と「電気自動車向け部品製造」が主な申請事業となっています。これは両方とも、先ほど述べた各類型に共通の要件にいう「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」に該当し、その設備投資に関する費用の補助が受けられます。

ちなみに、ここで登場する電気自動車の開発も事業内容だとすると、その部分は各類型共通の要件にいう「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」に該当することになり、その開発に要する費用の補助も受けられることとなるでしょう。

なおものづくり補助金は、そもそも経営革新を目的とする設備投資や新製品、新システムの開発といった事業を対象として補助するものですから、「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」という要件は、設備投資が直接、その事業者の炭素生産性と労働生産性の向上に結びつく事業しか当てはまりません。したがって、単なる節電などの設備投資ですらないものや、ソーラーパネル導入して売電する旨の事業などの、設備投資によって直接自社の炭素生産性や労働生産性が向上するわけではない事業は、グリーン枠の対象とならないので注意が必要です。

ものづくり補助金グリーン枠に採択されるためのポイント

ものづくり補助金 グリーン枠

ここでは、グリーン枠の採択に当たって有利になるポイントを解説します。

事業による成果を定量的に示す

ものづくり補助金のグリーン枠を申請する際には、「炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況」に関する書類を、事業計画とは別に添付する必要があります。このような点を考えれば、グリーン枠の審査にあたっては定量的な評価が非常に重視されているものと考えられますから、申請にあたっては事業によって具体的にどれほど温室効果ガスの排出が削減され、どれほど炭素生産性が向上すると見込まれるのかを詳細に記す必要があると思われます。

競合分析を行う

ものづくり補助金の公募要領においては、「優位性」という言葉が繰り返し用いられており、また申請時の留意点についても「他社との差別化」や「市場規模の想定」といった点について詳しく事業計画に記載するよう強調されています。

ですので、ものづくり補助金の申請を行う際には競合分析を行って、事業計画が完遂された場合に、競合他社(グリーン枠においては、特に同様の炭素生産性向上の取り組みを行っている事業者)と比較してどのような優位性を得られるのかをなるべく具体的に記載する方が、採択においていい結果をもたらすと考えられます。

まとめ

この記事では、グリーン枠の概要や要件、各類型ごとの特徴、具体的な活用事例、採択にあたってのポイント等を解説しました。グリーン枠では申請にあたって留意する点が多く要件も複雑ですので、申請をお考えの方は一度専門家に相談することをおすすめします。

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