【2024.2】ものづくり補助金で不採択となる理由と改善方法を徹底解説

ものづくり補助金で不採択となり、再申請を検討している事業者のかたも多くいるでしょう。ただ「どこを直せば採択されるのか?」とお悩みかもしれません。
この記事ではものづくり補助金が不採択となる典型的な理由を紹介して、それぞれの改善ポイントを解説していきます。
- 不採択になる原因4つが分かる


ものづくり補助金で不採択となる4つの要因
ものづくり補助金で不採択となる4つの要因
ものづくり補助金で不採択となる要因は主に以下の4つに分類されます。
1:書類不備
2:加点項目の不足
3:投資の規模が小さい
4:事業計画の審査項目を満たしていない
1の書類不備は事業計画において、補助率を誤って記載する、補助対象とならない経費を申請するといったことや、提出書類が間違っているといった内容が想定されます。
書類不備があると、審査以前の段階で不採択となってしまいます。
2〜4は審査はされたものの、他の事業者との比較の中で不採択となってしまう要因です。
不採択となる原因のほとんどが4ですが、2の加点項目の不足や3の投資規模の小ささも実は重要な要因です。
書類不備への対応

ここからはものづくり補助金の不採択理由への対応方法を紹介していきます。
まずは書類不備で不採択となってしまった場合には、書類不備となった該当箇所を確認して、修正をしましょう。
ものづくり補助金のにおける典型的な不備は以下の通りです。
・補助率の誤り
・収益計画の人件費や付加価値額の算出方法の誤り
・付加価値額増加要件を満たしていない
その他の提出書類における典型的な不備は以下の通りです。
・異なる年度の決算書を提出した
・労働者数の確認資料で該当箇所が確認できない
提出前にものづくり補助金の公募要領などを確認しながら、書類不備なく申請しましょう。
加点項目の追加

加点項目を取得することで一度不採択だった計画が、ものづくり補助金に再度申請した際に採択となる可能性があります。
上図はものづくり補助金の加点項目の取得数と採択率の関係を示していますが、加点項目が増えるほど採択率が有意に高まっていることがわかります。
加点項目が0個の場合はものづくり補助金の採択率が41.2%であるのに対して、加点項目が4個の場合は採択率が86.7%と2倍以上に向上していることがわかります。
このように加点項目はものづくり補助金の採択・不採択に非常に大きな影響を与えるので、取得可能な加点項目の見直しが次回の採択に重要です。
・パートナーシップ構築宣言
・事業継続力強化計画の認定
・賃上げ加点
などは比較的取得しやすい加点であるため、これらの取得を計画的に取得することで次回のものづくり補助金の採択の可能性を大幅に上昇させることができるでしょう。
不採択時の提出書類の修正
不採択への対応の3つめは事業計画及び事業計画書の修正です。
・事業内容自体を修正する
・事業計画の記載内容を修正する
という二つの方向性があるので、それぞれ解説していきます。
事業内容自体の修正
ものづくり補助金に申請した事業内容自体を見直すことで採択につながる可能性があります。事業内容を修正する際は次のような観点による見直しを行うと良いでしょう。
・事業に新規性や革新性はあるか?
・事業の収益性はあるか?
事業自体の効果の高さが見込めない場合は、事業計画を作り込んだとしても不採択となってしまう確率が高いでしょう。
以下のグラフはものづくり補助金の申請額と採択率の関係を示していますが、ものづくり補助金の申請額が高くなるほど採択率が高くなっていることがわかると思います。
このグラフは
「ものづくり補助金の申請額をあげると採択率が高まる」
というよりも
「ものづくり補助金の申請額が上がるほど、大型の設備投資を行っているということとなり、事業の効果が高まるため採択率が高まっている」
と解釈するべきであると考えられます。
この結果が示すように、導入する設備が十分な効果をあげるほどの投資なのかという視点から事業内容自体を再考してみると良いかもしれません。
内容の修正
事業計画の内容を修正することで、事業内容やその効果を的確に審査官に伝えることが可能となり、不採択から採択となる可能性があります。ものづくり補助金の内容で典型的な修正ポイントは以下の通りです。
・市場分析
・競合分析
・差別化のポイント
・デジタル技術の活用などの革新性
・社会課題へのアプローチ
事業内容の記述は十分であるものの、市場分析や競合分析が甘いため事業化後に本当に売上が上がるのかというポイントを説得力を持って伝えられない事業計画が多い印象です。特に競合分析を踏まえた上で、どのように差別化されているのか、優位性を有しているのかを客観的に示すことが重要となります。
また、ものづくり補助金を活用して行う事業がSDGsに代表されるような社会課題へアプローチできているという観点も審査のポイントとなっています。
ものづくり補助金の採択率
ものづくり補助金の採択率は60%前後で推移しています。
1次締切から7次締切までは、締切によって採択率が大きく左右していました。
特に4次締切では過去最多の応募数が見られたことによって、30.8%という最低の採択率を記録しました。
6次締切以降は応募者数が安定し、採択率も安定しています。
応募枠ごとに採択率は異なると考えられますが、基本的には60%前後となっているとの認識で良いでしょう。
まとめ
この記事では、ものづくり補助金が不採択となる理由と再申請で採択されるためのポイントについて解説してきました。
まずは書類不備がないかの確認と取得可能な加点項目の取得が改善すべき点となると思います。その上で、事業内容自体の修正や事業計画の修正に取り組みましょう。
「事業内容等に問題がないと思うのに採択されない‥」
とお悩みの方は、専門家に事業計画の内容について一度相談してみるのも方法の一つでしょう。