【2024.2】ものづくり補助金を申請するための要件について徹底解説!

ものづくり補助金 要件

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

新規事業をお考えの中小企業や個人事業主の方々で、ものづくり補助金の申請要件がいまいちわからない、なんて考えている方もいるのではないでしょうか?この記事では、ものづくり補助金の申請要件や、特定の事業計画で更なる補助が受けられる特別枠の内容まで、詳細に解説します。

この記事の目次

ものづくり補助金の概要

ここでは、ものづくり補助金全体がどのような趣旨かを解説します。

ものづくり補助金の概要

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、中小企業や個人事業主が経営革新を行う際に必要となる様々な設備投資を支援する趣旨で制定された補助金です。「経営革新」とは、具体的には新製品、新サービスの開発や、生産プロセスおよびサービス提供方法の改善などを指します。DXや環境対策に関連する事業計画の場合はより多くの補助が受けられるなど、事業計画の内容に応じて多様な要件、効果があるのも、ものづくり補助金の大きな特徴です。

受け取れる金額

ものづくり補助金においては、事業計画の内容に応じて、申請要件の異なる様々な申請枠が設けらえています。そしてこれらの申請枠ごとに、最大補助額と補助率(事業計画に要する費用のうち、最大何割まで補助されるか)に違いがあります。

例えば、2023年12月に発表された新たなものづくり補助金の申請枠である省力化枠については…

・従業員5人以下の場合  ⇒750万円まで
・従業員6人~20人の場合 ⇒1,500万円まで
・従業員21人~50人の場合⇒3000万円まで
・従業員51人以上の場合   ⇒5000万円まで
が最大の補助額となっており、補助率は「1/2」となります。

ただし、小規模事業者、再生事業者については特例として補助率が「2/3」となっています。なお、ここでいう小規模企業者(事業者)とは、製造業その他・宿泊業・娯楽業なら常勤従業員が20人以下、小売業、卸売業、サービス業なら5人以下の会社又は個人事業主を指します。

製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠については、最大補助額は一般枠と同じです。

次に、製品・サービス高付加価値化枠は他の枠と大きく異なっており、製品・サービス高付加価値化枠の事業者の行っている類型に応じて通常類型、成長分野進出類型に二分されています。

通常類型では
・従業員5人以下⇒750万円まで
・従業員6人~20人⇒1,000万円まで
・従業員21人以上⇒1,250万円まで
が最大補助額となっており、補助率は1/2、小規模・再生事業者は2/3、新型コロナ回復加速化特例2/3になっております。

成長分野進出類型では
・従業員5人以下⇒ 1,000万円まで
・従業員6人~20人⇒1,500万円まで
・従業員21人以上⇒2,500万円まで

が最大補助額となり、補助率は2/3となっています。

これはものづくり補助金の各申請枠の中でも最も手厚い補助となります。

この他に、主に海外展開を行う旨の事業計画に適用されるグローバル市場開拓枠もありますが、要件が特殊であり補助例も少ないことからここでは省略させていただきます。

また申請要件以上の大規模な賃上げを行う事業者については、以上に示した最大補助額の上限が引き上げられ、更に手厚い補助を受けることもできます。詳細な要件については公募要項をご覧ください。

ものづくり補助金の要件について

ものづくり補助金 申請 要件

ものづくり補助金には、全ての申請枠に共通の基本要件と、各申請枠に固有の要件があり、それぞれを全て満たさないと要件不備として採択されません。

ここでは、各要件の基本的な内容について解説します。

ものづくり補助金の基本要件

ここでは、ものづくり補助金の申請枠全てに共通する基本要件について解説します。

ものづくり補助金の基本要件の詳細

要件を全て満たす3〜5年の事業計画を策定すること

まず、ものづくり補助金で申請する事業計画は、以下の三つの点を満たす必要があります
・事業計画の期間中、給与支給総額を平均で年率1.5%以上増加させること
・事業場内最低賃金を、毎年の地域別最低賃金よりも+30円高いものとすること
・事業計画の期間中、付加価値額を事業所全体で年率平均3%以上増加させること

ものづくり補助金の趣旨に同意すること

ものづくり補助金は、経営革新を行う中小企業に支援を与える趣旨で制定されたものですが、その革新による成果を従業員に還元することも求められています。したがって、上記した要件に合った賃上げを行なわなかったり、そもそも賃上げ計画を制定していなかった場合などには、特別な事情がある場合を除き補助金の全部あるいは一部の返還を請求されることに同意しなければなりません。

ものづくり補助金の対象として認められない事業もある

ものづくり補助金の補助対象となる事業は、中小企業の経営革新を支援するという趣旨に合ったものである必要もあります。ですので、専ら他者に委託して企画だけを行う事業や、資産運用を目的とした事業、賃貸を目的とした事業などの、ものづくり補助金の趣旨にそぐわない事業は、補助の対象とは認められませんから注意が必要です。

加えて、公序良俗に反する事業内容である場合も当然補助されません。

申請枠ごとの要件

ここでは、ものづくり補助金における一般枠以外の各申請枠に固有の要件を解説します。

申請枠ごとの要件

回復型賃上げ・雇用拡大枠の要件

回復型賃上げ・雇用拡大枠は、業績が厳しいながらも賃上げを目指す事業者に対して、特別に補助率を優遇する申請枠で、その趣旨に応じた特別の要件が複数設けられています。

具体的には…
・「前年度の事業年度の課税所得が0以下」
・「常時使用する従業員がいる」
・「補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成」
となります。

デジタル枠

デジタル枠は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関する商品やサービスの開発、又はデジタル技術を用いた生産プロセスやサービス提供方法の導入を内容とする事業計画に対して、特別に補助率を優遇する申請枠で、その趣旨に応じた特別の要件が複数設けられています。

具体的には…
・「デジタル技術の活用を行う事業であること」
・「IPAに対し、DXの自己診断を提出すること」
・「IPAの定める『SECURITY ACTION』の宣言を行うこと」

となります。

グリーン枠

グリーン枠は、温室効果ガスの排出削減や炭素生産性の向上に関連する事業計画について最大補助額、補助率両面で優遇する申請枠で、その趣旨に応じた特別の要件が複数設けられています。また、グリーン枠は事業者の環境対策の度合いに応じて三類型に分かれており、それぞれで要件が異なっています。

まず、申請時点で初歩的な環境対策を行っている事業者には、エントリー類型が用意されています。

この類型で要求される固有の要件は
①「エネルギーの種類別使用量と、CO2の年間排出量の把握」
②「電気、燃料の使用量の用途別の把握」
のいずれかであり、この①,②の片方と基本要件を満たすだけで申請できます。

次に、スタンダード類型について解説します。

スタンダード類型は、申請時点である程度環境対策の取り組みを行っている事業者を対象とするものです。


この類型で要求される要件は、エントリー類型の①,②の「両方」に加え

③「申請する事業の結果として、自社だけでなく業界全体での温室効果ガス削減に貢献」
④「電気事業者との契約において、再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択」
⑤「再生可能エネルギーによる自社発電の導入」
⑥「グリーン電力証書の購入実績」
⑦「J-クレジット制度に参加し、自社での温室効果ガス排出削減取組についてクレジット認証を受けている。」
のいずれかであり、①,②の両方と、③〜⑦のうち一つを満たすことで申請できます。

そして、申請時点で先進的な環境対策を行っている事業者は、アドバンス類型による申請が可能となります。

この類型で要求される要件は、エントリー類型の①,②の両方と、アドバンス類型の③~⑦の「いずれか二つ」に加え

⑧「SBT(Science Based Targets)若しくはRE100に参加している」
⑨「省エネ法における事業者クラス分け評価制度において、令和三年度定期報告の評価が『Sクラス』であること」
⑩「2019年~2022年12月31までの間に特定の省エネルギー診断を受診している」

のどれか一つであり、①,②の両方と、③~⑦のうち二つ、そして⑧~⑩のうち一つの要件を満たすことで申請できます。

なお、⑩にいう「特定の省エネルギー診断」とは

・「無料省エネ診断等事業及び診断結果等情報提供事業」
・「エネルギー利用最適化診断事業及び情報提供事業」
・「省エネルギー相談地域プラットフォーム構築事業」
・「地域プラットフォーム構築事業」
・「地方公共団体で実施する省エネルギー診断」

のいずれかとなります。

ものづくり補助金に申請するためのその他の条件は?

ここではものづくり補助金における、上述した要件以外の条件について解説します。

ものづくり補助金に申請するためのその他の条件は?

対象となる事業者

ものづくり補助金の趣旨は、先ほども述べた通り「中小企業」の経営革新の支援です。したがって、大企業やみなし大企業は対象となりません。その一方で、個人事業主や新設法人は対象に含まれています。

具体的に言えば、一般的な会社や個人事業主の場合、中小企業等経営強化法第2条1項に規定されている「中小企業」に該当すれば補助対象となります、すなわち…


・製造業、建設業、運輸業、旅行業 ⇒ 資本金3億円、常勤従業員300人以下
・卸売業 ⇒ 資本金1億円、常勤従業員100人以下
・サービス業 ⇒ 資本金5,000万円、常勤従業員100人以下
・小売業 ⇒ 資本金5,000万円以下、常勤従業員50人以下
・ゴム製品製造業 ⇒ 資本金3億円以下、常勤従業員900人以下

・ソフトウェア業又は情報処理サービス業 ⇒ 資本金3億円以下、常勤従業員300人以下
・旅館業 ⇒ 資本金5,000万円以下、常勤従業員200人以下
・その他の業種(上記以外) ⇒ 資本金3億円、常勤従業員300人以下

の企業が対象となります

※ここでいう「サービス業」は、ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除きます

※ここでいう「ゴム製品製造業」は、自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除きます

なお、これ以外にも組合や特定事業者、特定非営利活動法人等も対象となることがありますが、条件が複雑ですのでここでは省略します。詳しくは公募要領をご覧ください。

対象となる事業や経費

事業計画に関するあらゆる費用が、必ずしもものづくり補助金の対象となるわけではないという点にも注意が必要です。

公募要領によれば、補助対象となる経費は「補助対象となる経費は、本事業の対象として明確に区分できるものであり、その経費の必要性及び金額の妥当性を証拠書類によって明確に確認できる」ことを前提とした上で…

・「機械装置・システム構築費」
・「技術導入費」
・「専門家経費」
・「運搬費」
・「クラウドサービス利用費」
・「原材料費」
・「外注費」
・「知的財産権等関連経費」

のいずれかに該当する必要があるとしています。

また、申請する事業計画は必ず単価50万円(税抜き)以上の設備投資を含む必要がありますので、その点についてもご注意ください。

※これ以外にもグローバル市場開拓枠においては、類型によって「海外旅費」「通訳・翻訳費」「広告宣伝・販売促進費」などが補助対象とされる余地があります。

まとめ

この記事では、ものづくり補助金の概要から、各申請枠に共通する基本要件、各申請枠固有の要件、そのほかの申請要件について説明し、ものづくり補助金全体について概括的に解説しました。ものづくり補助金の申請にあたってはチェック事項が多く、また採択を勝ち取るにあたっても意識すべきポイントが多くありますので、申請をお考えの方は一度専門家にご相談されることをおすすめします。

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