【2024.2】事業再構築補助金の最低賃金枠について徹底解説!

事業再構築補助金 最低賃金枠

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

事業再構築補助金の最低賃金枠は、最低賃金引き上げへの対応をサポートするために設立された、中小企業・小規模事業者向けの類型です。第3回公募から最新の第10回公募まで継続されている類型であり、補助率や採択率に関して優遇されているのがメリットです。

当記事では事業再構築補助金の最低賃金枠の補助上限・補助率や、申請要件などを解説します(第10回公募要領を基に執筆)。

この記事の目次

事業再構築補助金の最低賃金枠の補助上限と補助率は?

事業再構築補助金 最低賃金枠

事業再構築補助金の最低賃金枠とは、第3回公募にて創設された類型です。2022年10月に行われた最低賃金の改定による全国平均31円引上げに対応するために、事業再構築を実施する事業者の原資確保を支援する目的があります。

成長枠(旧通常枠)と比較すると補助上限は低いものの、補助率は非常に優遇されています。

最低賃金枠の補助上限・補助率は次の通りです。

 最低賃金枠
補助上限従業員数5人以下:100万円~500万円
従業員数6~20人:100万円~1,000万円
従業員数21人以上:100万円~1,500万円
補助率中小企業者等:3/4
中堅企業等:2/3

対象が5人以下〜21人以上と比較的少ない人数であること、補助上限が低い代わりに補助率が良いこと(支出経費が補助金として戻ってくる割合が高い)を考えると、最低賃金枠は中小企業・小規模事業者レベルの規模を想定した類型だと言えます。

「従業員の賃上げをしたいけど、業況が厳しくて原資確保できず制度改正に対応できない」と悩む事業者は、この最低賃金枠を利用すると良いでしょう。

事業再構築補助金の最低賃金枠に応募するメリット

事業再構築補助金の最低賃金枠に応募するメリットは、「補助事業中の支出が抑えられる」「採択率が優遇されている」の2点です。

補助金の対象になるのは、補助事業実施中で実際に支出した経費のみです。補助事業終了後に請求することで、はじめて交付される後払い制度になっています。つまり補助金が交付されるまでは、自社の事業資金で経費分をまかなわなければなりません。

仮に中小企業が成長枠にて1,500万円の補助金を受け取るには、補助率1/2を考慮すると3,000万円の支出が必要です。交付されるまで、3,000万円の金銭的負担がかかります。
一方で最低賃金枠にて1,500万円の補助金を受け取る場合だと、補助率は3/4であるため2,000万円の支出で済みます。

また最低賃金枠は、「【最低賃金枠】は、加点措置を行い、【物価高騰対策・回復再生応援枠】に比べて採択率において優遇されます。」と、公募要領に明記された類型です。交付が受けやすい点も、最低賃金枠に応募するメリットだと言えるでしょう。

大規模賃金引上促進枠との違い

最低賃金枠と似た制度として、第10回公募より大規模賃金引上促進枠が設けられています。

成長枠およびグリーン成長枠に申請する事業者が、「事業場内最低賃金45円以上の水準引上げ」と「従業員数を年率平均1.5%増員」の両方を達成したときに、申請した枠に上乗せで100~3,000万円のインセンティブを受け取れる類型です。

「上乗せ」とあるように、この枠は成長枠またはグリーン成長枠と同時に申請を行わなければなりません。

また、同じく成長枠・グリーン成長枠のインセンティブとして設けられた、卒業促進枠との同時申請は禁止されています。

事業再構築補助金の最低賃金枠の採択率

事業再構築補助金 最低賃金枠

第3回公募から第8回までの最低賃金枠の採択率について、通常枠との比較を行いました。

通常枠最低賃金枠
第3回公募37.04%(5,713 ÷15,423)79.95%(375÷469)
第4回公募37.9%(5,700÷15,036 )74.16%(290÷391)
第5回公募39.79%(6,441÷16,185)79.41%(243÷306)
第6回公募45.45%(5,297÷11,653)85.71%(216÷253)
第7回公募47.37%(4,402÷9,292)80.86%(131÷162)
第8回公募49.05%(3,562÷7,261)72.22%(117÷165)

最低賃金枠の採択率は、70〜80%と非常に高い数値を記録しています。通常枠の30〜50%と比較しても一目瞭然です。

公募要領に採択率が優遇されるとの記載通り、最低賃金枠は補助金の交付が受けやすい類型だと言えます。

事業再構築補助金の最低賃金枠の応募のために満たすべき要件

事業再構築補助金 最低賃金枠

事業再構築補助金の最低賃金枠の応募のために満たすべき要件は、厳しい業況を証明するためのものや、従業員の賃上げに関するものが定められています。具体的には次の5つです。

成長枠で満たすべき要件概要
事業再構築要件事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
新市場進出・事業転換・業種転換・事業再編・国内回帰の5つのうちいずれか
認定支援機関要件事業計画について、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の確認を受けていること
補助金額が3,000万円を超えている場合(卒業促進枠や大規模賃金引上促進枠にも申請する場合は、合算して3,000万円超えること)は、認定支援機関および金融機関(認定支援機関が金融機関の場合はその金融機関のみ)の確認を受けること
付加価値額要件補助事業終了後3~5年で付加価値額(営業利益+減価償却費+人件費)の年率平均が3%以上増加見込み、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
売上減少要件2022年以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が対2019~2021年の同3か月の合計売上高と比較して、10%以上減少していること
売上高が満たせない場合は、合計付加価値額で比較して15%以上減少していれば要件を満たしたものとする
最低賃金要件2021年10月から2022年8月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
全従業員が25人の場合は25人✕10%=2.5人で、要件を満たすには3人以上が必要になる(小数点以下は繰り上げて算出する)
最低賃金額は、厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧を参考にする

事業再構築要件の事業再構築とは、具体的には以下の図のものを指します。

出典:事業再構築補助金 公募要領(第10回)

事業再構築要件・認定支援機関要件・付加価値額要件・売上高減少要件は、他枠の事業再構築補助金でも適用されているものです。

これらの要件を満たす事業計画書を作成するときは、認定支援機関や中小企業診断士などの専門家を最大限活用することをおすすめします。

専門家であれば、自社の問題点や強みなどを的確に洗い出し、過去事例や実績を基にした事業計画書の作成をサポートしてくれるでしょう。

最低賃金枠ならではの要件としては、最低賃金要件が設定されています。ここで対象となる従業員とは、中小企業基本法上の「常時使用する従業員・あらかじめ解雇の予告を必要とする者」です。2か月以内の契約の短期労働者や季節的業務に従事する者、試用期間中の者、日雇い労働者は含まれません。

事業再構築補助金の最低賃金枠の必要書類

事業再構築補助金 最低賃金枠

事業再構築補助金の最低賃金枠の必要書類は、主に次の通りです。

  • 事業場内最低賃金を示す書類(最低賃金確認書や賃金台帳の写しなど、最低賃金要件の対象となる3か月分、最低賃金+30円以内の従業員がすべてわかる賃金台帳またはそれに相当する書類を提出)
  • 事業計画書(Word等で作成、最大15ページ・補助金額1,500万円以下は10ページ以内)
  • 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
  • 決算書(直近2年間の貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
  • ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報(PDF出力し添付)
  • 従業員数を示す書類(労働基準法に基づく労働者名簿の写しなど)
  • 収益事業を実施していることを説明する書類(直近の確定申告書など)
  • 建物の新築が必要であることを説明する書類(建物の新築に係る費用を補助対象経費として計上している場合)

最低賃金枠を含め、事業再構築補助金の申請はすべて電子申請での対応となりました。電子申請を行うには、GビズIDの公式サイトにてGビズプライムアカウントの取得が必要です。取得後はアカウントを使って電子申請システムにログインし、事業計画書の入力や必要書類に添付をして送信しましょう。

まとめ

事業再構築補助金の最低賃金枠は、補助上限が低い代わりに補助率や採択率が優遇された、中小企業・小規模事業者向けの類型です。最低賃金引き上げの原資確保に悩んでいる事業者は、一度申請を検討してはいかがでしょうか。

もし最低賃金枠およびその他類型への申請をお考えの場合は、事業再構築補助金の採択率90%・業界最安値のサポートを行う合同会社INUへぜひご相談ください。無料相談を含めて、実績に基づいた事業再構築補助金についてのアドバイスを実施しています。

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