【2025.10】新事業進出補助金でDX関連事業を始める！採択率UPの申請書作成方法と事例紹介

新事業進出補助金でDX関連事業を実現したい方必見！

この記事では、補助金の概要から対象事業、申請方法、採択率UPのポイントまでを網羅的に解説します。DX推進の具体策、数値目標設定、実現可能性の根拠など、事業計画書作成のポイントを分かりやすく説明し、新型コロナウイルス感染症対策アプリ開発やスマート農業など、具体的な成功事例も紹介します。

新事業進出補助金活用の疑問を解消し、DX関連事業の成功確率を高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

新事業進出補助金とは？DX事業で活用できる補助金

新事業進出補助金は、中小企業庁が実施する補助金制度で、2025年9月に第2回の公募要領が発表されました。

中小企業等が行う、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的としています。特に、デジタル技術を活用した事業展開（DX）は、生産性向上や新たな価値創出の観点から重要視されており、積極的に支援対象となっています。

新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金は、事業計画に基づいて経費の一部を補助する制度です。補助対象となる経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費など多岐にわたります。

補助金額は以下の通りです。

従業員数	補助金額	補助率
従業員数20人以下	750万円〜2,500万円（3,000万円）	1/2
従業員数21～50人	750万円〜4,000万円（5,000万円）
従業員数51～100人	750万円〜5,500万円（7,000万円）
従業員数101人以上	750万円〜7,000万円（9,000万円）

交付決定後、補助事業実施期間は交付決定日から14か月以内（ただし採択発表日から16か月以内）となります。補助金は返済不要であるため、事業資金の調達手段として非常に有効です。

1.2 新事業進出補助金の対象者

新事業進出補助金の対象者は、中小企業、小規模事業者、個人事業主等です。会社設立前の創業予定者も対象となります。ただし、業種や事業内容によっては対象外となる場合もあります。例えば、風俗営業やギャンブル関連事業などは対象外です。また、一定の要件を満たす大企業も対象となる場合があります。詳細な対象者要件は、公募要領で確認する必要があります。公募時期によって要件が変更される場合があるので、最新の情報を確認することが重要です。

新事業進出補助金の対象事業

新事業進出補助金の対象事業は、新規性、革新性のある事業です。新事業進出指針に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であることが求められます。

具体的には、製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高要件の3つを満たす必要があります。製品等の新規性要件では、事業により製造等する製品等が、事業を行う中小企業等にとって新規性を有するものであることが求められます。市場の新規性要件では、事業により製造等する製品等の属する市場が、事業を行う中小企業等にとって新たな市場であることが必要です。新事業売上高要件では、事業計画期間最終年度において、新たに製造等する製品等の売上高又は付加価値額が、応募申請時の総売上高の10％又は総付加価値額の15％を占めることが見込まれるものであることが求められます。

既存事業の単なる拡張や規模拡大、既存製品の製造量の増大などは対象外となるため、新規事業としての明確な位置づけが必要です。

DX関連事業への活用イメージ

新事業進出補助金は、様々なDX関連事業に活用できます。

例えば、AIを活用した顧客分析システムの開発、IoTを活用した工場のスマート化、ビッグデータ解析による新商品開発などが挙げられます。これらの事業は、生産性向上や業務効率化、新たな顧客体験の提供といった効果が期待されます。また、地域課題の解決に資するDX事業も積極的に支援されています。例えば、過疎地域における遠隔医療システムの導入や、観光客向け多言語対応アプリの開発などが挙げられます。これらの事例を参考に、自社の事業計画に合った活用方法を検討することが重要です。

新事業進出補助金でDX事業を始める際の申請方法

新事業進出補助金の申請は、電子申請システムを利用して行います。申請期間は年度によって異なりますので、公募要領で確認してください。補助金事務局のウェブサイトからアクセスできる電子申請システムに必要事項を入力し、関連書類をアップロードして申請します。

申請書類の準備

申請に必要な書類は、主に以下のとおりです。

補助金交付申請書、事業計画書、収支計画書、登記事項証明書（法人の場合）、直近の決算書類、その他補助事業の内容に応じて必要な書類が必要となります。

これらの書類は、すべて電子データで提出する必要があります。ファイル形式やファイルサイズは、公募要領で指定されていますので、事前に確認し、適切な形式で準備しましょう。特に、事業計画書は採択を左右する重要な書類です。後述する作成ポイントを踏まえ、丁寧に作成することが重要です。

また、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受け、「金融機関による確認書」を提出する必要があります。

事業計画書の作成ポイント

事業計画書は、あなたの事業内容や将来性を審査員に理解してもらうための重要な資料です。具体的に、分かりやすく、説得力のある内容にしましょう。特にDX関連事業の場合は、以下のポイントを意識することが重要です。

DX推進の具体策を明確に

DXによってどのように事業を変革し、どのような成果を目指すのかを具体的に記述します。単に「ITツールを導入する」だけでなく、どのツールをどのように活用し、どのような業務プロセスを改善するのか、顧客にどのような価値を提供するのかを明確に示す必要があります。

例えば、顧客管理システムを導入することで、顧客一人ひとりのニーズに合わせたサービス提供を実現し、顧客満足度を向上させる、といった具合です。具体的なシステム名やサービス名、導入スケジュールなどを記載することで、計画の信憑性が高まります。

数値目標の設定

DX推進による具体的な数値目標を設定し、その根拠を明確に示しましょう。売上高の増加、コスト削減額、顧客数の増加など、定量的な目標を設定することで、事業の成果を客観的に評価することができます。

例えば、「売上高を前年比20%向上させる」といった目標を設定し、その根拠として「顧客管理システム導入による顧客単価の向上」や「業務効率化による営業活動の強化」などを示すことが重要です。市場規模や競合他社の状況などを分析し、実現可能な数値目標を設定しましょう。

実現可能性の根拠

計画の実現可能性を裏付ける根拠を明確に示す必要があります。市場調査の結果、競合分析、自社の強み・弱み分析、技術的な裏付けなど、客観的なデータに基づいた根拠を示すことで、計画の信頼性が高まります。また、事業を推進するための体制についても説明しましょう。

誰がどのような役割を担うのか、外部の専門家との連携はどのように行うのかなどを具体的に示すことで、計画の実現可能性をアピールできます。例えば、システム開発会社との提携契約書の写しなどを添付資料として提出することも有効です。

申請書の提出方法とスケジュール

申請書の提出は、電子申請システムを通じて行います。第2回公募の申請期間は令和7年9月12日（金）から令和7年12月19日（金）18:00までとなっています。締め切り間際はシステムが混み合う可能性がありますので、余裕を持って提出するようにしましょう。

提出書類は、申請書、事業計画書、収支計画書等となります。申請後、審査が行われ、数ヶ月後に結果が通知されます。採択された場合は、交付決定通知書が送付され、補助金が交付されます。不採択の場合でも、不採択理由を確認し、次回の申請に活かすことが重要です。

DX事業で新事業進出補助金に採択されるためのポイント

新事業進出補助金において、DX関連事業で採択されるためには、単にデジタル技術を導入するだけでなく、事業全体の革新性や成長性、そして地域経済への波及効果などが総合的に評価されます。そのため、申請書作成においては、これらの点を意識し、説得力のある事業計画を策定することが重要です。以下に、採択率UPのためのポイントを詳しく解説します。

新事業進出補助金でDX関連事業が採択されるためのポイント

DX関連事業で採択率を向上させるためには、以下のポイントを意識しましょう。

新市場性・高付加価値性：補助事業で取り組む新規事業により製造等する新製品等のジャンル・分野の、社会における一般的な普及度や認知度が低いものであるか、または同一のジャンル・分野の中で高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであることが求められます。客観的なデータ・統計等で裏付けることが重要です。

成長性：補助事業で取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲の中で、継続的に売上・利益を確保できるだけの市場規模を有しているか、成長が見込まれる市場かを示す必要があります。市場規模や競合分析などを踏まえ、実現可能性の高い計画を立てましょう。

差別化と優位性：競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して自社に明確な優位性を確立する差別化が可能かを明確に示すことが重要です。

実現可能性：事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証し、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当であることが求められます。最近の財務状況等から補助事業を適切に遂行できることや、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めることも重要です。

公的補助の必要性：川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、国が補助する積極的な理由がある事業はより高く評価されます。また、先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業かも評価されます。

事業計画の具体性：抽象的な表現ではなく、具体的な内容を記載することが重要です。DX推進のための具体的な手段やスケジュール、KPI設定などを明確に示しましょう。数値データや図表などを活用することで、より説得力が増します。

審査基準の理解

新事業進出補助金の審査基準は公開されています。審査基準をしっかりと理解し、それに沿った事業計画書を作成することが重要です。主な審査基準は以下の通りです。

補助対象事業としての適格性：本公募要領に記載する補助対象者、補助対象事業の要件、補助対象事業等を満たすか。補助事業により高い付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定されており、かつその目標値の実現可能性が高い事業計画となっているか。

新規事業の新市場性・高付加価値性：新製品等のジャンル・分野の社会における一般的な普及度や認知度が低いものであるか、または高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであるか。

新規事業の有望度：継続的に売上・利益を確保できるだけの市場規模を有し、成長が見込まれる市場か。競合他社と比較して明確な優位性を確立する差別化が可能か。

事業の実現可能性：事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。財務状況や資金調達、体制面で適切に遂行できるか。

公的補助の必要性：経済波及効果、費用対効果、イノベーションへの貢献など、国が補助する積極的な理由があるか。

政策面：経済成長・イノベーションの牽引、グローバル市場での競争力、地域経済への貢献など、政策的な観点からも評価されます。

よくある失敗例

申請書作成において、以下のような失敗例は採択率を低下させる要因となります。これらの点を注意し、適切な申請書を作成しましょう。

• DXの目的が不明確：DXを導入する目的が明確ではなく、単なる流行への追従と捉えられてしまうケース。
• 数値目標が曖昧：売上増加やコスト削減などの数値目標が曖昧で、実現可能性が低いと判断されるケース。
• 市場分析が不十分：市場規模や競合分析が不十分で、市場における優位性が示されていないケース。
• 事業計画が抽象的：具体的な行動計画やスケジュールが示されておらず、実現可能性が疑われるケース。
• 補助金頼りの事業計画：補助金が終了した後、事業を継続していくための計画が不十分なケース。

これらの失敗例を参考に、事業計画をしっかりと練り上げ、説得力のある申請書を作成することで、採択率UPを目指しましょう。

補助金を活用してDX関連事業を成功させた事例

補助金を利用してDX関連事業を成功させた事例を具体的に紹介します。これらの事例を参考に、自身の事業計画に役立ててください。

事例1 新型コロナウイルス感染症対策アプリ開発

株式会社Aは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とした、接触確認アプリの開発に取り組みました。補助金を利用することで、開発に必要なシステムエンジニアの確保やサーバーの増強といった設備投資を実現。プライバシー保護に配慮した設計を徹底し、利用者の行動履歴を暗号化することで個人情報の漏洩リスクを最小限に抑えました。

また、GPS機能を活用した感染リスクの高い場所の通知機能や、感染者との接触を検知した場合の迅速な通知機能を実装することで、感染拡大の抑制に貢献しました。その結果、アプリのダウンロード数は100万件を超え、自治体との連携も実現。感染症対策におけるDX推進の成功事例として高く評価されました。

事例2 地方創生のためのオンラインプラットフォーム構築

地方都市B市に拠点を置く株式会社Cは、地域活性化を目的としたオンラインプラットフォームを構築しました。補助金を活用し、地元の農産物や特産品を販売するECサイトを開発。生産者と消費者を直接繋ぐことで中間コストを削減し、生産者の収益向上に貢献しました。

また、オンラインでの観光情報の発信やイベントの開催を通じて、地域の魅力を全国に発信。都市部からの観光客誘致にも成功しました。さらに、地域住民向けのオンラインコミュニティ機能を設けることで、地域住民間の交流促進にも寄与しました。このプラットフォームは、地方創生におけるDXの成功事例として注目を集めています。

事例3 スマート農業への転換

農業を営むD社は、高齢化と後継者不足という課題解決のため、補助金を利用してスマート農業への転換を図りました。具体的には、IoTセンサーやドローンを活用したデータ駆動型農業を導入。センサーで収集した圃場の温度、湿度、日照量などのデータをAIで分析することで、最適な水やりや施肥のタイミングを自動制御できるようになりました。

また、ドローンによる空撮画像を解析することで、生育状況のムラを早期に発見し、適切な対策を講じることが可能となりました。これらの取り組みによって、労働時間の大幅な削減と生産性の向上を実現。スマート農業への転換は、農業の持続可能性を高めるための有効な手段として期待されています。

事例	事業内容	活用ポイント	成果
事例1	新型コロナウイルス感染症対策アプリ開発	プライバシー保護に配慮した設計、GPS機能、迅速な通知機能	ダウンロード数100万件超、自治体との連携
事例2	地方創生のためのオンラインプラットフォーム構築	生産者と消費者 direct communication, オンライン観光情報発信、地域住民向けコミュニティ機能	生産者収益向上、観光客誘致、地域住民交流促進
事例3	スマート農業への転換	IoTセンサー、ドローン、AIによるデータ分析	労働時間削減、生産性向上

これらの事例は、補助金がDX推進に大きく貢献していることを示しています。補助金を活用することで、新たな技術や設備の導入が可能となり、事業の成長を加速させることができます。ぜひ、自身の事業計画に役立ててください。

新事業進出補助金でDX事業を始める際のQ&A

ここでは、新事業進出補助金に関するよくある質問と回答をまとめました。申請前に疑問を解消し、スムーズな申請手続きを進めましょう。

補助対象となるDX関連事業の具体例は？

DX関連事業は幅広く対象となります。例えば、以下のような事業が考えられます。

• 業務プロセスのデジタル化：例えば、RPA（Robotic Process Automation）導入による業務効率化、クラウドサービスを活用したデータ管理システムの構築など
• 顧客体験の向上：例えば、ECサイト構築、オンライン予約システム導入、AIチャットボットによる顧客対応など
• 新商品・サービス開発：例えば、IoTを活用した新製品開発、データ分析に基づく新サービス創出など
• リモートワーク環境整備：例えば、Web会議システム導入、セキュリティ対策強化など

これらはあくまで一例です。自社の課題解決や競争力強化に繋がるDX推進が重要視されます。

補助金の申請はいつからできますか？

新事業進出補助金の公募は、原則として年複数回実施されます。具体的なスケジュールは、中小企業庁のウェブサイトなどでご確認ください。公募期間は限られていますので、事前に情報収集を行い、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。

申請に必要な書類は何ですか？

申請に必要な書類は、事業計画書をはじめとする各種書類です。主な書類は以下のとおりです。

• 補助金交付申請書
• 事業計画書
• 収支計画書
• 登記事項証明書
• 直近の決算書類

その他、必要に応じて追加書類の提出を求められる場合があります。公募要領で必要な書類を必ず確認してください。

採択されなかった場合、再申請はできますか？

採択されなかった場合、次回以降の公募に再申請することは可能です。不採択理由を分析し、事業計画を修正することで採択の可能性を高めることができます。不採択通知の内容をよく確認し、改善点を明確にすることが重要です。

事業計画書作成のポイントは？

事業計画書は、採択を左右する重要な書類です。DX推進の必要性、実現可能性、効果を具体的に記載することが重要です。数値目標を設定し、根拠を明確に示すことで、審査員に事業の将来性をアピールすることができます。また、市場分析や競合分析なども含めることで、計画の妥当性を裏付けることができます。

新事業進出補助金でDX関連事業を実現したい方は株式会社補助金プラスにご相談を

DXで革新的な事業を始めたいとお考えの企業の方は、新事業進出補助金の活用がおすすめです。デジタル技術を駆使した新規事業は大きな可能性を秘めていますが、補助金申請の複雑さが足かせになっていることも少なくありません。システム設計やデジタル戦略の構築など本来の事業開発に集中したいのに、煩雑な申請手続きに貴重な時間を費やしてしまう状況は、多くのDX推進企業が直面する課題です。

株式会社補助金プラスは、DX関連事業に特化した新事業進出補助金の申請支援を提供しています。デジタル化の潮流を理解した専門家チームが、90％以上の高い採択率を誇るノウハウを活かし、競争力のある事業計画書の作成から必要書類の収集、DX推進のアドバイスまで包括的にサポート。申請にかかる負担を大幅に軽減し、あなたの事業構想の実現に貢献します。

全国どこからでもオンラインで対応可能なため、地域を問わずDXによる事業革新をお考えの方々にも安心してご相談いただけます。

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まとめ

この記事では、新事業進出補助金を活用したDX関連事業の立ち上げについて解説しました。補助金の概要や対象者、申請方法に加え、採択率を高めるためのポイントや事業計画書の書き方、よくある失敗例などを紹介しました。

特にDX事業においては、具体的な施策、数値目標、実現可能性の根拠を明確にすることが重要です。成功事例として、感染症対策アプリ開発やオンラインプラットフォーム構築などを挙げ、補助金活用のイメージを掴めるようにしました。補助金を活用し、DXによる事業変革を成功させましょう。