【2025.10】新事業進出補助金で特殊加工事業を始める！採択される申請書の書き方と成功事例

特殊加工事業への進出を検討中で、新事業進出補助金の活用を考えている方必見！

本記事では、新事業進出補助金の概要、特殊加工事業への活用メリットから、採択される申請書の書き方、成功事例までを網羅的に解説します。対象となる経費の種類や、申請手順、よくある質問も詳しく説明。金属、樹脂、繊維など、様々な特殊加工分野の成功事例も紹介します。

新事業進出補助金を活用して、ぜひ特殊加工事業を成功に導いてください。

新事業進出補助金とは？精密加工業への参入にも有効

新事業進出補助金は、中小企業庁が実施する補助金制度で、2025年9月に第2回公募が開始されました。中小企業等が行う、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的としています。

第2回公募の申請期間は、令和7年9月12日（金）から令和7年12月19日（金）18:00まで（厳守）となっています。

補助金の補助率、補助上限金額

補助金の補助率は1/2に定められています。ただし、これは現在募集中の第一回公募の補助率なので、公募回が変更になるごとに公募要領をしっかり確認するのが大切です。

また、補助上限金額は従業員数ごとに以下のように設定されています。

従業員数	補助金額	補助率
従業員数20人以下	750万円〜2,500万円（3,000万円）	1/2
従業員数21～50人	750万円〜4,000万円（5,000万円）
従業員数51～100人	750万円〜5,500万円（7,000万円）
従業員数101人以上	750万円〜7,000万円（9,000万円）

※補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者（事業終了時点で①事業場内最低賃金＋50円、②給与支給総額＋
6%を達成）の場合、補助上限額を上乗せ。（上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。）

引用：中小企業新事業進出補助金　公式サイト

特殊加工事業への活用メリット

特殊加工事業は、高度な技術や専門的な設備を必要とする場合が多く、初期投資の負担が大きくなりがちです。新事業進出補助金を活用することで、設備投資費用の一部を補助してもらえるため、事業開始時の資金負担を軽減できるでしょう。

また、さまざまな経費が補助対象となるため、事業の立ち上げをスムーズに進めることができます。さらに、補助金採択実績は、企業の信用力向上にも繋がり、資金調達や取引先との交渉を有利に進めることができる可能性があります。

特殊加工事業で使える新事業進出補助金の対象経費

新事業進出補助金を利用して特殊加工事業を始める際に、どのような経費が補助対象となるのか理解しておきましょう。

新事業進出補助金の対象経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費となっています。

経費ごとに細かいルールも設けられているので、しっかり公募要領を確認しておきましょう。

新事業進出補助金に特殊加工業で申請する際の手順

新事業進出補助金の申請は以下のステップで行います。

それぞれのステップで必要な手続きを漏れなく行うことが重要です。

申請資格の確認

まずは、事業者が新事業進出補助金の申請資格を満たしているかを確認しましょう。申請資格は、補助金の種類や公募時期によって異なる場合があります。最新の公募要領を確認し、自社の事業が対象となるか、必要な要件を満たしているかを慎重に確認してください。

まず、第一に本補助金は中小企業や小規模事業者を対象としています。自社がきちんと中小企業に当てはまっているかを確認しましょう。業種ごとに中小企業の枠組みは異なるので注意が必要です。

中小企業者の場合、資本金又は常勤従業員数が規定の数字以下となる会社又は個人である必要があります。製造業、建設業、運輸業では資本金3億円以下かつ常勤従業員数300人以下、卸売業では資本金1億円以下かつ常勤従業員数100人以下、サービス業（ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く）では資本金5,000万円以下かつ常勤従業員数100人以下、小売業では資本金5,000万円以下かつ常勤従業員数50人以下が基準となります。

また、補助事業に対する要件も定められています。新事業進出要件として、製品等の新規性要件、市場の新規性要件、新事業売上高要件を満たす必要があります。付加価値額要件では、補助事業終了後3年から5年の事業計画期間において、付加価値額の年平均成長率が4.0％以上増加する見込みの事業計画を策定することが求められます。

賃上げ要件として、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上増加させること、または給与支給総額の年平均成長率を2.5％以上増加させることのいずれかを達成する必要があります。事業場内最賃水準要件では、毎年、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準であることが求められます。

ワークライフバランス要件として、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していることが必要です。金融機関要件として、金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていることが求められます。

申請資格を満たしていない場合、申請書類を提出しても審査対象外となることも考えられるので、必ず事前に確認を行いましょう。

3.2 事業計画書の作成

申請資格を確認したら、次に事業計画書を作成します。事業計画書は、補助金交付の可否を判断する上で最も重要な書類です。事業の内容、市場分析、競合分析、売上計画、資金計画などを具体的に記述する必要があります。特に、特殊加工技術の優位性や市場における競争力を明確に示すことが重要です。

事業計画書に含めるべき主な項目として、事業概要、市場分析と競合分析、売上計画と収益見込み、資金計画、特殊加工技術の内容と優位性、事業の成長性と将来展望、雇用計画があります。

これらの項目について、具体的な数値やデータを用いて説得力のある事業計画書を作成しましょう。必要に応じて、専門家のアドバイスを受けることも有効です。

申請書類の提出

事業計画書が完成したら、必要な申請書類を揃えて提出します。

• 決算書
• 従業員数を示す書類
• 収益事業を行っていることを説明する書類
• 固定資産台帳
• 賃上げ計画の表明書
• 金融機関による確認書（金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合のみ）
• リース料軽減計算書（リース会社と共同申請する場合のみ）
• リース取引に係る宣誓書（リース会社と共同申請する場合のみ）
• 再生事業者であることを証明する書類（再生事業者加点を希望する事業者のみ）
  
  引用：中小企業新事業進出促進補助金　公式サイト

提出期限までに漏れなく書類を準備し、正しく提出しましょう。

提出方法は電子申請システムを利用します。必要事項を入力し、申請書類をアップロードします。提出期限を厳守することが重要です。期限を過ぎた場合は、申請を受け付けてもらえません。

提出後、事務局による書類審査が行われます。審査結果によっては、追加資料の提出やヒアリングを求められる場合があります。審査結果が出るまでには、通常数ヶ月かかります。審査状況は、事務局に問い合わせるか、電子申請システムで確認できます。

特殊加工業で新事業進出補助金に採択されるための申請書の書き方

新事業進出補助金の採択率を高めるためには、説得力のある事業計画書を作成することが不可欠です。審査員に事業の将来性や実現可能性を理解してもらい、補助金交付の必要性を納得させる必要があります。そのためには、以下のポイントを踏まえて申請書を作成しましょう。

事業の独自性と革新性を強調する

他の事業者と差別化できる独自の強みや、革新的な技術・サービスを明確に示すことが重要です。既存の事業との違いや、市場における優位性を具体的に説明することで、審査員の高い評価を得ることができます。

例えば、特殊加工技術を用いた新しい製品開発や、従来の加工方法を改良した効率的な生産システムの導入など、独自の要素を強調しましょう。模倣困難な技術やノウハウを持っている場合は、特許取得状況なども記載することで、事業の独自性をさらにアピールできます。

市場分析と競合分析を徹底する

ターゲット市場の規模や成長性、競合他社の状況などを分析し、事業の将来性や収益性を客観的に示す必要があります。市場調査データや統計資料などを活用し、具体的な数値に基づいた分析を行いましょう。競合他社との比較分析では、自社の強みや弱みを明確にし、競争優位性を示すことが重要です。

具体的な数値目標を設定する

売上高、利益、雇用創出数など、事業目標を具体的な数値で示すことで、計画の現実性と実現可能性をアピールできます。目標達成のための具体的な戦略や行動計画も併せて記載することで、審査員の理解を深めることができます。数値目標は、市場分析や競合分析の結果に基づいて設定し、根拠を明確にすることが重要です。

実現可能性の高い計画を立てる

事業計画は、実現可能な範囲で、具体的かつ詳細に記述する必要があります。設備投資計画、人員計画、販売計画など、各項目について具体的な内容を記載し、計画の妥当性を示しましょう。実現可能性を高めるためには、事業の進捗状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて計画を修正していく柔軟性も重要です。

特殊加工技術の優位性を示す

特殊加工技術に関する具体的な情報を提供し、その優位性を明確に示すことが重要です。技術的な特徴や性能、競合技術との比較など、詳細な情報を記載することで、審査員に技術力の高さを理解してもらうことができます。特許取得済みの技術や、独自のノウハウを持っている場合は、その内容を具体的に説明し、事業の競争優位性をアピールしましょう。

項目	記述内容
技術の概要	特殊加工技術の内容、特徴、用途などを具体的に記述
技術の優位性	競合技術との比較、性能、コスト、環境への影響など、優位性を示す具体的なデータや根拠を提示
活用事例	特殊加工技術の活用事例や実績、顧客からの評価などを記載
将来展望	技術開発の将来展望や、市場における将来性を記述

これらのポイントを踏まえ、丁寧に申請書を作成することで、新事業進出補助金の採択率を高めることができます。また、補助金申請に関する相談窓口や専門家を活用することで、より効果的な申請書の作成が可能になります。

補助金を活用した特殊加工業の成功事例

補助金を利用して特殊加工事業で成功した企業の事例を紹介します。これらの事例を参考に、自身の事業計画に役立ててください。

金属特殊加工で成功したA社の事例

A社：自動車部品向け精密金属加工への進出

A社は創業50年の金属加工会社で、主に建築資材向けの金属加工を行っていました。しかし、建築業界の低迷を受け、新たな事業展開を模索していました。そこで、自動車部品向けの精密金属加工という成長市場への進出を計画し、補助金を活用しました。

項目	内容
補助金額	1,000万円
補助対象経費	高精度CNC旋盤、三次元測定機等の設備投資、技術者人材育成費用
成功のポイント	独自の表面処理技術を開発し、高品質な自動車部品の製造を実現、大手自動車メーカーとの取引を開始、新規雇用を創出し地域経済に貢献

樹脂特殊加工で成功したB社の事例

B社：医療機器向け樹脂特殊加工への進出

B社はプラスチック製品の製造を主に行う中小企業でした。市場の競争激化による価格低下への対策として、高付加価値製品へのシフトを図り、医療機器向け樹脂特殊加工への進出を計画しました。補助金は、この計画を実現するための大きな助けとなりました。

項目	内容
補助金額	700万円
補助対象経費	クリーンルームの設置、高精度射出成形機導入費用、医療機器製造に関する資格取得費用
成功のポイント	医療機器メーカーとの共同開発により、高度な技術を習得、ISO13485認証を取得し、品質管理体制を強化、安定した受注を獲得

繊維特殊加工で成功したC社の事例

C社：高機能スポーツウェア向け繊維特殊加工への進出

C社は長年、衣料品向けの繊維加工を手がけてきた企業です。しかし、低価格の海外製品との競争が激化する中、高機能スポーツウェア向けの繊維特殊加工というニッチ市場への進出を計画し、補助金を活用しました。

項目	内容
補助金額	500万円
補助対象経費	特殊コーティング設備の導入、スポーツウェアの試作品開発費用、専門家によるマーケティング調査費用
成功のポイント	大学との産学連携により、吸汗速乾性・UVカット機能を持つ特殊繊維を開発、有名スポーツブランドとのコラボレーションを実現、新たな販路を拡大

これらの事例は、補助金を活用することで、特殊加工分野においても新たな事業展開が可能になることを示しています。それぞれの企業が独自の強みを活かし、市場のニーズを捉えた事業計画を策定することで、成功を収めています。補助金を活用する際には、自社の強みと市場の動向を的確に分析し、実現可能性の高い事業計画を立案することが重要です。

新事業進出補助金に申請する際の注意点

新事業進出補助金の申請は、綿密な準備と正確な手続きが不可欠です。採択の可能性を高め、スムーズに補助金を受け取るために、以下の注意点に留意しましょう。

申請期限の厳守

新事業進出補助金には、申請期限が設けられています。期限を過ぎての申請は受け付けられないため、余裕を持って準備を進め、締め切り前に必ず提出しましょう。申請期限は年度や事業によって異なるため、公募要領で最新の情報を確認することが重要です。

必要書類の漏れがないようにする

申請には、事業計画書をはじめとする様々な書類の提出が必要です。書類に不備や漏れがあると、申請が不受理となる可能性があります。提出前に、必要書類がすべて揃っているか、記入漏れや誤りがないか、念入りに確認しましょう。チェックリストを作成するなどして、確実な確認を行うことがおすすめです。

補助金交付後の手続きを忘れず行う

補助金の交付決定を受けた後も、様々な手続きが必要です。例えば、事業の進捗状況や経費の執行状況に関する報告が求められます。また、補助事業完了後には、実績報告書の提出も必要です。これらの手続きを怠ると、補助金の返還を求められる場合もあるため、注意が必要です。補助金交付後の手続きについても、事前にしっかりと確認しておきましょう。

不正受給に当たる行為は絶対に避ける

補助金の不正受給は、重大な問題です。虚偽の申請や不正な経費の計上は絶対にやめましょう。発覚した場合、補助金の返還はもちろんのこと、刑事罰に問われる可能性もあります。補助金は、適正に利用することが大切です。

専門家への相談もおすすめ

申請手続きや事業計画の作成に不安がある場合は、専門家への相談も有効です。商工会議所や中小企業支援センターなど、無料で相談できる窓口も活用できます。専門家のアドバイスを受けることで、採択の可能性を高めることができるでしょう。

よくある間違い

申請において、下記のようなよくある間違いにも注意が必要です。

間違い	正しい対応
対象経費外のものを計上している	公募要領で対象経費を確認する
事業計画が曖昧で実現可能性が低い	具体的な数値目標や実現可能な計画を立てる
申請書類の記載に誤りや不足がある	提出前に複数人でチェックする
補助金交付後の手続きを理解していない	交付決定前に手続き内容を確認する

これらの点に注意し、適切な申請を行うことで、新事業進出補助金を有効に活用し、特殊加工事業の成功につなげましょう。

新事業進出補助金についてよくある質問

新事業進出補助金に関する特殊加工事業についてのよくある質問をまとめました。

特殊加工設備に関する質問

Q. 特殊加工設備のリース費用は補助対象になりますか？

リース費用が補助対象となるかは、リース契約の内容によります。中小企業等がリースを利用して機械装置又はシステムを導入する場合には、中小企業等がリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されることなどを条件に、中小企業等とリース会社の共同申請が認められ、機械装置又はシステムの購入費用について、リース会社を対象に補助金を交付することが可能です。契約内容をよく確認し、不明な点は補助金事務局に問い合わせることをお勧めします。

Q. 中古の特殊加工設備を購入する場合、補助対象になりますか？

中古設備の購入については、公募要領で詳細な規定を確認する必要があります。一般的に、新品設備の導入が推奨されますが、一定の条件を満たせば中古設備も補助対象となる場合があります。中古設備の場合は、設備の性能や状態、取得価格の妥当性などが審査されます。事業計画における設備投資計画の妥当性を丁寧に説明する必要があります。見積書や設備の仕様書などを準備しておきましょう。

補助金申請に関する質問

Q. 申請書類に不備があった場合はどうなりますか？

申請書類に不備があった場合は、補助金事務局から修正依頼が来ます。修正期間内に修正が完了すれば、審査対象となりますが、期限内に修正できない場合は、申請が却下される可能性があります。申請前に、必要書類がすべて揃っているか、記入漏れや誤りがないか、しっかりと確認しましょう。

Q. 採択結果の通知はいつ頃届きますか？

採択結果の通知時期は、公募時期や申請状況によって異なります。一般的には、申請締め切りから数ヶ月後となります。具体的な通知時期は、公募要領で確認できます。

新事業進出補助金で特殊加工業を始めるなら株式会社補助金プラスが支援可能です

特殊加工業への進出をお考えの事業者様、新事業進出補助金の活用をご検討中ではありませんか？高度な技術開発や設備計画に専念したいところ、補助金申請の煩雑な作業に貴重な時間を割かれてしまうのは、少し勿体無いでしょう。

株式会社補助金プラスの申請支援サービスなら、特殊加工業への参入を効率的に進められます。当社は複雑な申請手続きを代行し、お客様が本来注力すべき技術開発や市場調査に集中できる環境を提供します。

採択率90％以上の実績を持つ専門家チームが、説得力のある事業計画書の作成から必要書類の収集、特殊加工業特有の課題に対するアドバイスまで包括的にサポート。採択後の実績報告書作成もオプションでお引き受けします。

新事業進出補助金以外にも、特殊加工業に適した各種補助金をご案内可能です。オンライン対応で全国どこからでもサービスをご利用いただけます。

特殊加工業での新たな事業展開を補助金で加速させたい方は、現在実施中の初回無料相談がおすすめです。株式会社補助金プラスまでお気軽にお問い合わせください。

まとめ

新事業進出補助金を活用して特殊加工事業を始めるには、事前の準備と綿密な事業計画の立案が不可欠です。

この記事では、補助金の種類、対象経費、申請手順、採択される申請書の書き方、成功事例、注意点などを解説しました。特に、申請書作成においては、事業の独自性や革新性、市場分析、具体的な数値目標、実現可能性、特殊加工技術の優位性を明確に示すことが重要です。

成功事例を参考に、自社の強みを活かした事業計画を立て、補助金を効果的に活用することで、特殊加工事業の成功確率を高めることができるでしょう。補助金申請には期限や必要書類など、様々な注意点があります。事前にしっかりと確認し、漏れのないよう準備を進めましょう。不明点があれば、専門機関に相談することをお勧めします。