【2024.10】躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは?補助金の概要や直近の募集状況について解説
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業という助成金制度があります。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業について、「自社の取り組みにも使えるのか?」「採択されるためには何が必要なのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
本記事では制度の概要や最新の募集状況をわかりやすく解説し、採択率を高めるためにできる工夫についても紹介します。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が提供する助成金制度で、東京都内の中小企業が生産性向上や競争力強化を目指して必要な機械設備を導入する際、その経費を一部助成するという内容です。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業で交付される助成金は試作・開発段階ではなく、量産フェーズに入った企業が対象なため、成長を加速させたい企業にとって非常に有効な制度です。
ゼロエミッション要件は、省エネルギーや再生可能エネルギーの活用といった環境負荷の軽減を目指す設備投資に取り組む企業が対象となります。これにより、企業は中長期的な成長を支える設備投資を行い、より持続可能な経営基盤を築くことが期待されています。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の目的
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の目的は、東京都内の中小企業が製品やサービスの質的向上や生産能力の拡大に取り組み、競争力を強化することを支援する点にあります。
例えば、生産性の向上を目指す企業が新たな機械設備を導入する場合、通常は多額の費用がかかるでしょう。その経費を一部助成することで、企業が新たな生産体制を整え、中長期的に成長し、持続可能な発展を続けていくことが可能になります。
このように、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、都内の事業者に成長のための基盤を提供することを目的としています。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の対象者
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、対象者が東京都内で事業を営む中小企業に限られています。また、資本金や従業員数にも規定があります。
具体的な要件は以下のとおりです。
- 資本金・従業員数の条件
- 製造業・建設業・運輸業:資本金3億円以下または従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下
- サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下(ただし旅館業は資本金5,000万円以下または従業員200人以下)
- 小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下
- 事業を営む場所
令和6年10月1日時点で、東京都内に本店または支店が登記されていること、そして2年以上事業を継続していることが求められます。 - 社会福祉法人や特定法人は対象外
- 社会福祉法人、医療法人、NPO法人、学校法人、宗教法人、一般社団法人、財団法人などは中小企業基本法上の中小企業に該当しないため、申請資格がありません。
- ただし、個人開業医であれば、医療業として申請が可能です
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業で受け取れる金額
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、助成率や助成限度額は申請者の事業区分によって異なります。具体的には、中小企業か小規模事業者によって以下のように定められています。
- 中小企業者の場合:助成金の限度額は最大1億円です。助成率は基本的に1/2以内ですが、ゼロエミッション要件や賃上げ要件を満たす場合、助成率が2/3〜最大3/4まで引き上げられます。
- 小規模企業者の場合:助成金の限度額は3千万円と設定されています。助成率は通常2/3以内ですが、ゼロエミッション要件や賃上げ要件を適用することで、最大3/4まで助成率が拡大されます。
事前に自社が該当する事業区分に応じて、適切な助成率と限度額を確認しておきましょう。
また、ゼロエミッションや賃上げの要件を満たすことでさらに有利な条件で助成金を受け取ることができ、設備投資を行う際の負担を大幅に軽減できます。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の助成対象経費
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、企業が生産性向上や競争力強化を目的に導入する機械設備の費用を助成します。助成対象となる経費は、企業が提出する事業計画に基づいて助成金額や条件が異なってくるため、計画の具体性や実現性が重要です。
以下は、助成対象経費の詳細です。
①助成対象となる経費の条件
助成対象となる経費は、以下の条件を満たす必要があります。
※消費税などの間接経費を除く
- 事業者が直接使用する経費
生産やサービス提供に直接必要な経費のみが助成対象です。機械設備を導入する際には、2社から見積書を取り、より安価な見積書を採用する必要があります。2社の見積書を用意できない場合は、「見積限定理由書」を提出する必要があります。 - 助成対象期間内の経費
助成対象となる経費は、交付決定日の翌月1日から1年6ヶ月以内に契約、納品、支払いが完了するものに限られます。第8回募集では、助成対象期間は令和7年4月1日~令和8年9月30日までとなるため、分割払いの場合もすべての支払いがこの期間内に完了する必要があります。 - 確認可能で明確に区分できる経費
助成対象の経費は、カタログ、仕様書、図面などで設備内容が確認できるものでなければなりません。見積書にはメーカー名、型番、内訳項目が記載されている必要があり、「一式」など曖昧な表記では対象外となります。見積書、契約書、振込控などの帳票類は適切に保管しましょう。 - 所有権が助成事業者に帰属する経費
助成対象となる設備は、必ず事業者の所有権に帰属する必要があります。助成対象設備を担保にすることはできません。
②助成対象となる機械設備やソフトウェア
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、機械装置、器具備品、ソフトウェアの導入に対して助成金が交付されます。対象となる経費は、事業区分によって異なります。
競争力強化、イノベーション、後継者チャレンジの各事業区分では、機械装置や器具備品、ソフトウェアAが助成対象です。これらは主に生産やサービス提供に直接使用されるもので、ソフトウェアAの場合、助成申請額は300万円以上1,000万円以下が条件となり、1基あたり50万円(税抜)以上の機械設備が対象となります。
DX推進では、機械装置、器具備品、ソフトウェアAに加えて、ソフトウェアBも助成対象となります。ソフトウェアBは生産性向上に貢献するソフトウェアで、例として顧客対応、販売支援、決済管理、会計、総務、人事管理などのバックオフィス業務に使用されます。ソフトウェアBの申請額はソフトウェアAとの合算で1,000万円以下が上限であり、ソフトウェアB単独での申請はできません。
※ソフトウェアAは、生産や役務の提供に直接使用されるもので、例として生産管理システムや機械制御ソフトウェアなどが含まれます。ソフトウェアBは、生産には直接関与しませんが、生産性向上に寄与するもので、会計、顧客対応、販売支援などバックオフィス業務をサポートするソフトウェアが対象です。
③助成対象外の経費
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業には、助成対象外となる経費も存在するため、事前にしっかり押さえておく必要があります。
- 建物や建物付属設備、構築物
- 工具や車両運搬具
- リースやサブスクリプション契約
これらは事業活動に直接関わらないため、助成対象外です。特に、リース契約やサブスクリプションで導入されるソフトウェアや設備は、所有権が事業者にないため、助成の対象にはならないことに注意が必要です。
このように、助成対象経費は非常に詳細に規定されており、事業計画に基づいて設備がどのように使用されるかが重要な要素となります。また、設備の内容や見積書の提出方法も厳密に求められるため、最終的な採択結果に影響を与えます。申請事業者は、導入を予定している設備がこれらの条件に適合するかどうかを確認し、適切な手続きを踏んで申請を行うようにしましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請の流れ
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請には、いくつかのステップがあります。特に注意すべきは、申請予約が必須であることです。以下で、申請の手順を簡単に説明します。
1. 申請書の様式をダウンロードしておく
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の募集要項を確認し、申請書様式をダウンロードしておきましょう。
2. GビズIDプライムを取得する
GビズIDプライムの取得には2週間ほどかかるので、早めに準備を始めましょう。取得の申請はこちらから行ってください。
3. 助成金の申請予約をする
申請前に、申請予約を行う必要があります。現在募集中である第8回公募の申請予約期間は以下のとおりです。
- 申請予約期間:令和6年10月23日(水)9時~11月6日(水)17時まで
申請予約は、この期間内に行う必要があります。予約の確認は「企業MYポータル」の「利用履歴・管理」ページにて行うことが可能ですが、反映に時間がかかる場合があります。予約後3営業日以内に反映されない場合は、問い合わせましょう。
3. 申請書類を提出する
申請予約後は、いよいよ申請に関する書類を提出します。第8回公募の申請書類提出期間は以下のとおりです。
- 申請書類提出期間:令和6年11月1日(金)9時~11月15日(金)17時まで
申請書類の提出は、国が提供する電子申請システム「Jグランツ」にて行います。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の採択率
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は、申請すれば必ず補助金を受け取れるわけではなく、運営の審査を通じ、採択された事業者のみが補助金を活用することができます。
第7回の採択社数は108社でした。全体の申請者数や具体的な採択率は公開されていませんが、限られた採択企業のみが補助金を活用することができます。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、事業計画の明確さはもちろん、面接による審査も行われます。しっかり対策して臨むようにしましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の直近の募集状況
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、東京都及び公益財団法人東京都中小企業振興公社によって、令和3年度から実施されている助成金制度です。直近の募集状況や新たに適用された要件など、最新情報を詳しく説明します。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の直近の募集状況
第8回が申請予約を受付中
第8回の躍進的な事業推進のための設備投資支援事業が、令和6年10月23日より申請予約の受付をスタートしました。受付は11月6日(水)17時までなので、申請を考えている方は忘れずに手続きを行なってください。
第8回躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、過去の採択結果からも、生産性向上や競争力強化を目指す設備投資が引き続き中心となると予想されます。
また今回の第8回募集から、全ての事業区分(Ⅰ 競争力強化・Ⅱ DX推進 ・Ⅲ イノベーション・ Ⅳ 後継者チャレンジ)にゼロエミッション要件と賃上げ要件による助成率・助成金額の引き上げが適合されるようになりました。
そのため、デジタルトランスフォーメーション(DX)や環境負荷の軽減に取り組む事業計画は高く評価される傾向にあります。第7回の採択結果からも、革新性と持続可能性を両立した事業計画が今後も評価される見込みです。
特に、ゼロエミッション要件や賃上げ要件を満たす企業は、採択で有利な条件を得られる可能性が高いです。
第8回の申請スケジュール
第8回の躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の申請スケジュールは以下の通りです。
- 申請予約期間:令和6年10月23日(水)9時~11月6日(水)17時まで
申請を行うには、この期間内に必ず申請予約を行う必要があります。申請予約が完了しない場合、申請書類の提出はできませんので、早めに予約を行うことをおすすめします。 - 申請書類提出期間:令和6年11月1日(金)9時~11月15日(金)17時まで
申請書類の提出は、電子申請システム「Jグランツ」を通じて行います。書類の提出は締切間際にシステムへのアクセスが集中する可能性があるため、余裕を持って早めの提出を心がけましょう。 - 助成金の交付決定:令和6年3月(予定)
助成金の交付決定は令和6年3月に予定されています。助成金の交付決定がなされた後、企業は設備導入に進み事業を開始しましょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業に採択されるには
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業に採択されるためには、申請書類を正確に準備するだけでなく、補助金制度の内容や審査基準を十分に理解し、事業計画を評価されるポイントに基づいて作成することが重要です。
以下のポイントに注意することで、採択率を引き上げることができるでしょう。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業に採択されるには
事業計画書は正確に綿密に作成する
審査の際、事業計画書の適合性や実現性が特に重視されます。
事業計画書には、生産性向上の目標達成のための信頼できるデータや実績などを示して根拠を明確に記載しましょう。導入する機械設備の詳細や実現可能なスケジューリングなど、計画の詳細が審査員に伝わることが重要です。
書類不備がないようにする
申請書類に不備があると、それだけで審査で不利になってしまいます。場合によっては不採択になる可能性も十分あり得ます。
必要な書類がすべて揃っているか、また内容に誤りがないかを確認しましょう。提出前に、再度募集要項や提出要件をしっかりチェックすることが大切です。
面接対策もしておく
一次審査を通過した場合、二次審査には面接も含まれます。
面接では、企業のビジョンや事業計画の実現性について詳しく質問されるため、しっかりとした準備が必要です。自社の強みや設備投資による成果を明確に説明できるようにしましょう。また後継者チャレンジ区分では、面接審査に後継者の出席が必須です。
加点項目を活用する
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業では、特定の要件を満たす申請者には加点措置が適用され、審査で有利な評価となり、採択結果に大きく影響します。
加点措置には、DX推進における加点と環境対策に関する加点があります。環境対策に関する加点には、令和4年度や令和5年度実績に基づいた取り組みが対象です。
加点措置に関しては、報告書や計画書を提出することで、企業の環境への配慮や持続可能な経営方針が評価され、加点が適用されます。
加点を受けるためには、各事業区分に応じた要件を理解し、事業計画にしっかりと反映させることが重要です。さらに、加点措置を受けるために必要な提出書類があるため、これらが不足しないよう、申請内容を理解して準備を進めましょう。
専門家の申請支援を受ける
助成金申請は複雑なプロセスであり、専門家の申請支援を受けることで採択率をさらに高めることができます。専門家の力を借りることで、事業計画書の精度や審査対策を強化しましょう。
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3. 事業計画の作成や書類作成のアドバイス
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株式会社補助金プラスでは、初回無料相談を提供しています。無料相談を通じて、申請者は自社の事業が補助金の対象となるかどうかや、どのような支援が必要かを確認することができます。これにより、具体的なサポート内容を把握したうえで、安心してサービスを利用することができます。
まとめ
東京都の中小企業にとって、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業は事業の成長と競争力強化に大きく役立つ助成金制度と言えるでしょう。今回の第8回募集も、新しい機械設備の導入を通じて、生産性向上や経営の効率化を図るためにぜひ活用したいと考える事業者が多くいます。
しかし、採択されるためには、正確で綿密な事業計画の作成と、提出書類の整備が求められます。申請プロセスも複雑なので、専門家のサポートを受けることも一つの手です。
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