【2026.1】中小企業成長加速化補助金とは?新たに始まった補助金について徹底解説

令和7年から、新しく「中小企業成長加速化補助金」の募集が始まりました。令和8年には第二回公募が開始します。

本補助金は売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業が実施する、大胆な設備投資を支援するのが目的となっています。補助上限額が5億円と高額であるため、大規模な機械設備や業務改善用の新システム導入、新しい事業用建物の建設・増築などに利用できるでしょう。

本記事では中小企業成長加速化補助金の概要について解説します。

この記事を読むと
  • 中小企業成長加速化補助金に関する基本情報がわかる
  • 中小企業成長加速化補助金の活用方法がわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次

中小企業成長加速化補助金とは

中小企業成長加速化補助金とは

中小企業成長加速化補助金とは、令和6年度の補正予算案における「中小企業生産性革命推進事業」の一環として、明らかにされた事業です。主な目的は次の通りです。

  • 売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業の潜在的な投資を最大限引き出すための大胆な設備投資の支援
  • 新事業・新分野進出、M&A等の中小企業が係る高度な課題を解決するための官民一体での支援体制の構築や海外展開支援、人材育成・人材確保への支援、これらの支援に必要な基盤整備等の実施

申請要件に「売上高100億円を目指す宣言をおこなっていること」「投資額が1億円以上であること」「そのほか賃上げ要件などの要件を満たすこと」などが設定されていることから、中小企業のなかでも将来性や資金力のある事業者がターゲットになっています。

「売上高100億円を目指す宣言」とは、中小企業が売上高100億円を超える企業になることおよびそれに向けたビジョン・取組を自ら宣言するものです。

中小企業成長加速化補助金とは

中小企業成長加速化補助金の対象者

中小企業成長加速化補助金の対象者は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業です。中小企業法で定められた中小企業・小規模事業者に該当する事業者が対象になります。

申請にあたっては、次の要件を満たす必要があります。

  • 「100億宣言」を行っていること(2次公募からは申請時にポータルサイトに公表されていることが必要)
  • 投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
  • 従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画の策定(賃上げ実施期間は補助事業終了後3年間)

重要な注意点

2次公募からは、補助金申請時に100億宣言がポータルサイトに公表されていることが必要となります。100億宣言の公表に係る手続には、通常2~3週間を要しますので、補助金申請を検討される場合は、お早めに100億宣言を進めてください。

中小企業成長加速化補助金独自の要件を除けば、ほかの補助金で設定されている対象者の要件と大きく変わらないでしょう。

中小企業成長加速化補助金の補助金額や補助率

中小企業成長加速化補助金の補助金額・補助率の予定は次の通りです。

補助上限額5億円
補助率1/2以下

補助上限額が5億円であるため、IT導入補助金やものづくり補助金といった人気の補助金と比較すると、非常に高額の補助を受けられる可能性があります。

中小企業成長加速化補助金の採択率

中小企業成長加速化補助金の1次公募では、採択倍率が約6.0倍となりました。補助金額の上限が5億円であることから、1社あたりに交付される補助金額が多い分だけ採択企業が少なくなっています。

採択者は、申請全体と比較して高い成長率や投資比率を示している傾向があります。

たとえば数十億円レベルの補助金交付にも対応する中堅・中小成長投資補助金の採択率は15%未満とほかの補助金と比較して低くなっています。中小企業成長加速化補助金も、数百万・数千万円レベルの補助金で採択率が50%を超えるIT導入補助金・ものづくり補助金と比較すると、採択率が低くなっています。申請を考えている方は、しっかり準備して申請を行いましょう。

中小企業成長加速化補助金の対象経費

中小企業成長加速化補助金の対象経費は以下のとおりです。

  1. 建物費
  2. 機械装置費
  3. ソフトウェア費
  4. 外注費
  5. 専門家経費

重要な注意点: 外注費と専門家経費の合計額は、建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計経費未満である必要があります。

以下、各経費の詳細です。

内容
建物費費専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他投資計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費(単価100万円(税抜き)以上のものに限る)
機械装置費専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費(単価100万円(税抜き)以上のものに限る)。これらと一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費
ソフトウェア費専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費(単価100万円(税抜き)以上のものに限る)。またこれらと一体で行う、改良・修繕に要する経費
外注費補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費 ※外注費及び専門家経費の合計額は、建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計経費未満
専門家経費本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 ※外注費及び専門家経費の合計額は、建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計経費未満
引用:中小企業成長加速化補助金 2次公募概要資料

中小企業成長加速化補助金の賃上げ要件

補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)の「従業員(非常勤含む)1人当たり給与支給総額」と比較した、基準年度の3事業年度後(最終年度)の「従業員の1人当たり給与支給総額」の年平均上昇率が、全国における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)(以下、「基準率」という)以上であることが必要です。

具体的には、応募申請時に基準率以上の目標を掲げ、その目標を従業員等に表明の上、達成することが要件となります。

当該「従業員の1人当たり給与支給総額」の基準を満たした上で、「給与支給総額」か「従業員の1人当たり給与支給総額」のどちらを目標に掲げるかは応募申請時に選択いただきます。申請後の変更はできません。

補助金返還となる場合

以下の場合、補助金返還が必要になります(天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除く)。

  1. 交付決定までに目標を従業員等に表明しなかった場合
  2. 基準年度の「従業員の1人当たり給与支給総額」が、応募申請時の直近の事業年度の「従業員の1人当たり給与支給総額」を下回っている場合
  3. 応募申請時に掲げた目標を達成できなかった場合(未達成率に応じて返還)
  4. 「給与支給総額」を目標として掲げた場合に、基準年度と比較した最終年度の「従業員の1人当たり給与支給総額」が、基準率(4.5%)を下回った場合(未達成率に応じて返還)

中小企業成長加速化補助金はいつから募集スタートする?

中小企業成長加速化補助金はいつから募集スタートする?

中小企業成長加速化補助金は、2026年2月から二次公募がスタートします。スケジュールは次の通りです。

  • 1月下旬:公募説明会(動画配信)
  • 2月24日(火):2次公募申請受付開始
  • 3月26日(木):2次公募締切
  • 5月下旬:1次審査結果の公表
  • 6月22日(月)~7月10日(金):プレゼンテーション審査(申請企業の経営者等が出席)
  • 7月下旬以降:採択結果の公表(以降順次、交付決定)

補助事業実施期間は、交付決定日から24か月となっています。

注意事項

資料提出後、公募締切前に資料を再提出したい場合は、必ず公募締め切りの2営業日前の17時までに、事前に事務局へ問い合わせた上で、所定の手続により再提出してください(事前に事務局への連絡が無い場合は、最初に提出された書類をもって審査いたします)。

2次公募が終了次第、夏頃を目途に3次公募を実施予定です。

中小企業成長加速化補助金はどんな事業に活用できる?

中小企業成長加速化補助金はどんな事業に活用できる?

中小企業成長加速化補助金の活用イメージとしては、以下のものが挙げられています。

  • 工場、物流拠点などの新設・増築
  • イノベーション創出に向けた設備の導入
  • 自動化による革新的な生産性向上
出典:中小企業「中小企業成長加速化補助金

「小~中規模程度の設備を入れ替える」「パソコンを数台導入する」といった規模感ではなく、事業を抜本的に変化させる大規模な投資への活用が対象になる可能性が高いです。「売上高100億円を目指す」という目的通り、従来の売上高から大きく伸ばせる投資について活用を検討してみてください。

中小企業成長加速化補助金の審査基準

中小企業成長加速化補助金の審査は、以下の3つの観点から行われます。

中小企業成長加速化補助金の審査基準

経営力

  1. 将来の売上高100億円(あるいは更なる成長)に向けた中長期的なビジョンや計画を有し、その上で、今後5年程度の経営者の明確なシナリオ、成長余力を最大限伸張した事業戦略(売上高成長率、付加価値増加率、売上高に占める投資比率)
  2. 賃上げ・投資の持続可能性
  3. 外部・内部環境の分析(市場ニーズの検証、差別化戦略等)
  4. 適切な成果目標・管理体制
  5. グループ企業・コンソーシアムの場合は相乗効果

波及効果

  1. 域内仕入の拡大や地域における価値創造(サプライチェーン、ものづくり高度化、イノベーション、地域資源活用等)
  2. 地域のモデル企業としての取組(取引適正化、BCP・知財・経済安全保障の対応、女性活躍等)

実現可能性

  1. 早期に実施可能な経営体制
  2. 財務状況(ローカルベンチマーク)
  3. 金融機関の支援姿勢(財務改善・成長資金の供給方針等)

※例えば地域未来牽引企業、健康経営優良法人、パートナーシップ構築宣言、事業継続力強化計画、えるぼし認定、くるみん認定等を取得している場合は審査の参考とされます(取得は必須ではありません)。

中小企業成長加速化補助金に採択されるために気をつけたいこと

中小企業成長加速化補助金に採択されるために気をつけたいこと

総務省統計局・独立行政法人統計センターの「令和5年中小企業実態基本調査」によると、中小企業1企業あたりの売上高は前年比15.9%増で2.1億円です。本補助金の目的である「売上高100億円を目指す意欲ある中小企業・小規模事業者の飛躍的な成長実現」と合わせて考えると、大規模投資や数十億レベルの成長などが視野に入った大々的な事業が採択されるのではと予測されます。

1次公募の結果を見ると、採択者は申請全体と比較して、売上高成長率、付加価値増加率、売上高投資比率、給与増加率のいずれも高い数値を示していました。投資額が大きいほど高性能な設備や大胆なプロセス変更ができるため、魅力的な補助事業としてプレゼンしやすいからだと考えられます。

そのため中小企業成長加速化補助金においても、補助上限額である5億円をふんだんに活用した大胆な投資計画を策定するのがよいでしょう。

以下では、中小企業成長加速化補助金に採択されるために気をつけたいことについてまとめました。

参考:政府統計の総合窓口「令和5年中小企業実態基本調査

中小企業成長加速化補助金に採択されるために気をつけたいこと

書類不備のない申請を行う

補助金の申請においては、原則として書類の不備があると申請を受け付けてもらえない場合があります。少し書類不備があっただけで不採択になる可能性もあるのです。

中小企業成長加速化補助金の申請においても、事前に公募要領や投資計画書・事業計画書の書式、必要書類の種類などをしっかり確認し、書類不備のない申請をおこないましょう。

早めに申請準備をする

補助金の採択を受けるためのコツとして、早めに申請準備に取り掛かることが挙げられます。早めから申請準備を進めるメリットは次の通りです。

  • 申請締切日直前の準備だと焦りから書類不備が発生したり計画内容が甘くなったりするリスクがある
  • 投資計画・事業計画のアイディア出しやブラッシュアップに費やせる時間が多くなる
  • 必要書類の作成・見直しに時間をかけられる
  • 補助事業に必要な経費に関する業者の選定や金融機関のやり取りの時間を作れる

中小企業成長加速化補助金は2次公募のスケジュールが公表されているため、申請を検討している事業者様も早めに準備を始めておくのがよいでしょう。

特に、100億宣言の公表手続には2~3週間を要しますので、余裕を持って準備を進めてください。

実現可能な事業を考える

補助金の採択を受けるには、補助事業の実現可能性の有無も重要です。いくら高い効果が見込まれる補助事業の計画であっても、実現に必要な資金・人材・技術が足りないと判断されれば、計画は不採択になるでしょう。

審査基準においても、実現可能性は重要な評価項目に入っています。計画を実施可能な経営体制が構築されており、早期に投資が実行され、確実に効果が得られると見込まれるか、補助事業を適切に遂行できる財務状況が十分に確保されているか、金融機関のコミットメントが得られているかなどが審査されます。

また、仮に実現可能性が低い計画で採択されたとしても、その補助事業を遂行できる力がないなら結局は補助金の交付を受けられません。策定する計画が実現可能か否かは、しっかりと確認しておきましょう。

明確でわかりやすい事業計画書を作成する

投資計画書や事業計画書の書式は、綿密には決まっていないケースが多いです。中小企業成長加速化補助金においても、参照書式はあれども、必要項目さえ揃っていれば申請要件を満たせる可能性が高いです。

ただし、採択を受けるには「明確でわかりやすい事業計画書の作成」が求められます。抽象的でダラダラと長い文章だと内容が伝わらず、担当者からの評価を得るのが難しくなるでしょう。

事業計画書を作成する際のコツは次の通りです。

  • 平易な表現で丁寧に書く
  • 伝えたい部分や要点を押さえておき不必要なことは書かない
  • 箇条書きや表などで情報をまとめる
  • 具体的な数値や分析結果を記載する
  • イラストやグラフ、写真なども入れて視覚的にも理解しやすくする
  • 商工会議所・商工会・補助金コンサルティング会社などの専門家からのアドバイスを受ける

株式会社補助金プラスでは中小企業成長加速化補助金の申請についてご相談を承っています

「中小企業成長加速化補助金に興味があるけど、情報が少なすぎて準備が難しい」とお悩みの事業者様は、補助金申請サポートのエキスパートである弊社「株式会社補助金プラス」へご相談ください。

補助金プラスは、ものづくり補助金および事業再構築補助金の採択率90%の実績を誇る補助金コンサルティング会社です。これまでさまざまな補助金申請のご相談に応じてきた実績から、新設制度である中小企業成長加速化補助金の採択を受けるためのポイントを的確に予想し、事業計画書策定についての助言を実施できます。

また補助金に申請するか決まっていない事業者様でも、申請の可否や採択可能性を含めた総合的なコンサルティングに対応できます。

なお、申請書類の最終的な作成および提出は事業者様ご自身で行っていただきますが、弊社では書類作成に必要な情報提供や具体的な改善提案など、充実したサポート体制を整えております。

初回相談は無料です。オンライン対応もできますので、地方の事業者様でも丁寧にサポートいたします。ぜひ気軽にご相談ください。

まとめ

中小企業成長加速化補助金とは、2025年3月に第1回公募要領が公開され、現在2次公募の申請受付(2月24日~3月26日)が行われている新設の補助金制度です。補助上限額は5億円と補助金のなかでも高額であり、「売上100億円以上を目指す成長志向型の中小企業」が対象となっています。

1次公募では採択倍率が約6.0倍と競争率が高く、採択者は高い成長率や投資比率を示している傾向があります。補助金額が大きい分だけ採択難易度が高いですが、補助金交付を受けられれば大胆な設備投資やプロセス改善が可能となり、自社事業の大きな成長を見込めるでしょう。

2次公募を検討されている方は、100億宣言の公表手続に2~3週間を要することを考慮し、早めに準備を始めることをお勧めします。

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