小規模事業者持続化補助金に申請したとき、気になるのは入金タイミングです。
本記事では、小規模事業者持続化補助金に採択された場合の入金時期や、入金が遅れるケース、入金前に確認すべき事項などを詳しく解説します。交付決定通知書が届いてからどれくらいで入金されるのか、申請から入金までの全体の流れ、さらには入金までの間に事業資金を確保するための「つなぎ融資」についても分かりやすく説明します。
本記事を参考に、補助金入金に関する疑問を解消し、安心して事業計画を進めてください。
- 小規模事業者持続化補助金の入金タイミングがわかる
- 小規模事業者持続化補助金が入金されるまでのつなぎ融資についてがわかる
1. 小規模事業者持続化補助金とは?すぐに入金されるもの?
まずは、小規模事業者持続化補助金の概要について解説します。
1. 小規模事業者持続化補助金とは?すぐに入金されるもの?
1.1 小規模事業者持続化補助金の概要
小規模事業者持続化補助金の概要について、公募要領には以下のように記載されています。
小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人(以下「小規模事業者等」という。)が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。
本補助金事業は、自ら策定した持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
引用:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第 17 回公募 公募要領
小規模事業者の持続化や生産性向上のために様々な用途で活用することができる補助金です。
1.2 小規模事業者持続化補助金で受け取れる金額
小規模事業者持続化補助金で受け取ることができる補助金額は、事業者や事業内容によって異なりますが、補助率や補助上限金額は型別に以下のように決まっています。
一般型 通常枠
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限 | 50万円 |
| インボイス特例 | 50 万円上乗せ ※インボイス特例の要件を満たしている場合に限る |
| 賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ ※賃金引上げ特例の要件を満たしている場合に限る |
| 上記特例の要件をともに満たす事業者 | 200万円上乗せ ※両特例要件を満たしている場合に限る |
創業型
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限 | 200万円 |
| インボイス特例 | 50 万円上乗せ ※インボイス特例の要件を満たしている場合に限る |
1.3 小規模事業者持続化補助金の対象経費
小規模事業者持続化補助金の対象経費は、以下のとおりです。
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談
会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費
上記の経費ならなんでも活用できるわけではなく、さらに以下の要件を満たす必要もあります。
- 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 交付決定日以降に発生し補助事業期間中に支払が完了した経費
- 証憑資料等によって支払金額が確認できる経費
引用:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第 17 回公募 公募要領
さらに、経費ごとに設定されたルールもあるので、必ず公募要領を事前に確認しましょう。
2. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミング
では、小規模事業者持続化補助金が実際に入金されるのはいつなのでしょうか?以下で確認しましょう。
2. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミング
2.1 補助金の受給は実績報告の後
一般的に、小規模事業者持続化補助金の入金タイミングは、採択後に補助事業を行い、実績報告をして補助金額が決定してからです。そのため、補助金を受給した上で補助事業を始めるのではなく、補助事業で使ったお金をもとに補助金額が決定した後に受給される後払い制になります。
2.2 入金時期が遅れるケースもある?
以下のようなケースでは、入金時期が遅れる可能性があります。
- 申請書類に不備があった場合
- 追加書類の提出が必要になった場合
- 申請件数が非常に多い時期
- 金融機関の処理に時間がかかっている場合
もし入金予定時期を過ぎても入金がない場合は、補助金事務局に問い合わせて状況を確認しましょう。
2.3 入金前に確認しておくべきこと
入金前に以下のことを確認しておきましょう。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| 交付決定通知書の確認 | 補助金額、入金予定時期、振込口座情報などを再度確認しましょう。 |
| 振込口座の残高確認 | 振込口座に入金されるための十分な残高があるか確認しましょう。残高不足で入金エラーが発生した場合、再振込に時間がかかる場合があります。 |
| 補助金事務局からの連絡 | 補助金事務局からのメールや電話連絡を見落とさないように注意しましょう。 |
これらの点を確認することで、スムーズな入金と事業の開始をサポートすることができます。不明な点があれば、早めに補助金事務局に問い合わせて確認することをお勧めします。
3. 小規模事業者持続化補助金の入金までの流れ
小規模事業者持続化補助金の入金までの流れは、大きく分けて「申請」「審査・採択決定」「補助事業の実施」「実績報告」「補助金交付」の5つのステップに分かれています。以下のような流れになっています。

それぞれのステップで必要な手続きや期間を把握しておくことで、スムーズに補助金を受け取ることができるでしょう。
3. 小規模事業者持続化補助金の入金までの流れ
3.1 申請〜採択されるまで
まずは、小規模事業者持続化補助金に申請することから始まります。必要書類を準備し、申請作業を行いましょう。
小規模事業者持続化補助金は電子申請をしなくてはなりません。申請にはGビズIDプライムというアカウントが必要なので、はじめに準備しましょう。このアカウントは即日で発行されるわけではなく、発行に一週間以上かかる場合もあります。
また、申請に必要な書類は以下のとおりです。
- 持続化補助金事業に係る申請書(様式1)
- 経営計画兼補助事業計画①(様式2)
- 補助事業計画②(様式3)
- 補助金交付申請書(様式5)
- 宣誓・同意書(様式6)
- 事業支援計画(様式4)
- 貸借対照表および損益計算書(直近1期分)
- 株主名簿(該当者のみ)
- 直近の確定申告書
- 貸借対照表および活動計算書(直近1期分)
- 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書
- 法人税確定申告書(別表一および別表四(所得の簡易計算))(直近1期分)
引用:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第 17 回公募 公募要領
上記を準備し、申請しましょう。申請後、採択されると事務局から採択通知書が届きます。
3.2 補助事業の実施
次は、提出した事業計画書に従って補助事業を開始します。補助事業実施期間が定められているので、そこまでに補助事業を完了できるようにしましょう。期間は採択決定から1年ほどです。
また、採択発表後の交付決定前には、経費の価格の妥当性を証明するために、見積書等を提出しなくてはなりません。忘れずに準備しましょう。
3.3 実績報告
補助事業完了後、補助事業に関する実績報告をします。実績報告の内容は補助金の受給に直結するので、内容の漏れがないよう、正確に報告しましょう。補助事業実績報告書提出期限も定められているので、締切も必ず守らなくてはなりません。
3.4 補助金交付
実績報告後、その内容をもとに補助金額が確定し、補助金の交付が行われます。それで全て終わりではなく、事業効果報告書も提出する必要があるので、忘れないようにしましょう。
実績報告書には、事業の実施状況や経費の支出などを正確に記載する必要があります。また、補助金の請求手続きも忘れずに行いましょう。入金時期は、事業の規模や内容、審査状況などによって変わるため、事前に担当者に確認しておくと安心です。
4. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミングで考えるべきつなぎ融資について
小規模事業者持続化補助金の交付決定後、実際に補助金が入金されるまでには一定の期間を要します。事業計画の実施にあたり、すぐに資金が必要な場合は、つなぎ融資の活用を検討しましょう。
4. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミングで考えるべきつなぎ融資について
4.1 つなぎ融資とは?
つなぎ融資とは、補助金や助成金の交付決定を受けているものの、入金までの間に必要な資金を一時的に借り入れる融資のことです。補助金が確実に入金されることが前提となるため、低金利で利用できるものも多くあります。
4.2 小規模事業者持続化補助金とつなぎ融資
小規模事業者持続化補助金は、交付決定から入金まで数ヶ月かかる場合があります。そのため、設備投資や販促活動などをすぐに開始したい事業者にとって、つなぎ融資は有効な資金調達手段となります。補助金が入金されたら、その資金でつなぎ融資を返済するのが一般的な流れです。
4.3 つなぎ融資の利用メリット・デメリット
つなぎ融資の利用にはメリットとデメリットがあります。よく理解した上で活用を検討しましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 事業をすぐに開始できる | 金利負担が発生する(ただし、低金利のものが多い) |
| 資金繰りが安定する | 保証料や事務手数料などの諸費用が発生する |
| 補助金の入金遅延による事業への影響を軽減できる | 審査が必要 |
4.4 代表的なつなぎ融資の借入先
代表的なつなぎ融資の借り入れ先は以下の通りです。
4.4.1 メインバンク
普段から利用しているメインバンクでもつなぎ融資を依頼することができるでしょう。つなぎ融資が必要になったら、まずはメインバンクに相談してみるのがおすすめです。メインバンクなら交流があり、財務状況も把握していることが多く、つなぎ融資がおりる可能性も高くなります。
4.4.2日本政策金融公庫
資金調達に困っている中小企業や小規模事業者を支援してくれる日本政策金融公庫にもつなぎ融資を依頼することは可能です。メインバンクでのつなぎ融資が難しかった場合は日本政策金融公庫に相談してみましょう。
4.4.3 POファイナンス
受発注等の書類を電子記録債権化し、それらを担保に金融機関からの融資を可能とするPOファイナンスもつなぎ融資をしてくれる可能性があります。上記の2件でのつなぎ融資が借りれなかった場合はぜひ相談してみてください。
5. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミングについてよくある質問
小規模事業者持続化補助金の入金タイミングについてよくある質問と回答をまとめました。
5. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミングについてよくある質問
5.1 Q. 入金が確認できない場合はどうすればいいですか?
交付決定通知書に記載されている入金予定日を過ぎても入金が確認できない場合は、事務局に問い合わせましょう。事務局の連絡先は、多くの場合交付決定通知書に記載されています。
問い合わせの際には、申請者名や登録番号などを伝えることでスムーズな対応が期待できます。
5.2 Q. 補助金の使い道に制限はありますか?
はい、あります。小規模事業者持続化補助金は、事業計画に沿った経費にのみ使用できます。具体的には、機械装置費、広報費などが対象となります。た
だし、交際費や接待費、不動産の購入費などは対象外となるため注意が必要です。補助金の使い道については、交付決定通知書や事務局のウェブサイトで詳細を確認してください。
5.3 Q. 交付決定後に計画を変更することはできますか?
原則として、交付決定後の計画変更は認められていません。しかし、やむを得ない事情で計画変更が必要な場合は、速やかに事務局に相談し、承認を得る必要があります。計画変更の内容によっては、補助金の交付額が減額されたり、交付決定が取り消される場合もあります。
6. 小規模事業者持続化補助金の入金タイミングについて不安な方は株式会社補助金プラスが相談可能です
小規模事業者持続化補助金の入金タイミングや申請手続きに不安を感じる事業者様も多いのではないでしょうか。補助金申請は複雑で時間がかかるため、本業に集中できなくなってしまう方も多くいます。
株式会社補助金プラスでは、そうした事業者様の負担を軽減する申請支援サービスを提供しています。採択率90%以上の実績を持つ専門家が、事業計画書作成から書類収集、採択後の実績報告まで包括的にサポート。オンライン対応なので、全国の事業者様にご利用いただけます。
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7. まとめ
小規模事業者持続化補助金の入金は、交付決定通知書到着後、概ね1ヶ月から2ヶ月程度で入金されることが多いです。
ただし、申請時期や事務局の処理状況などによって前後する可能性があるため、余裕を持った資金計画を立てておくことが重要です。入金前に事業計画の再確認や、補助金の使い方に関する規約を改めて確認しておきましょう。入金が遅れていると感じる場合は、事務局に問い合わせることで状況を把握できます。
また、つなぎ融資を活用することで、入金までの資金繰りを円滑に進めることも可能です。日本政策金融公庫などが提供する制度を検討し、事業計画に合わせて最適な方法を選択しましょう。



