中小企業成長加速化補助金で不採択となり、途方に暮れていませんか?不採択は決して珍しいことではなく、適切な対策を講じれば再申請で採択されることも十分にありえます。
この記事では、不採択になってしまう主な原因を徹底解説。さらに、不採択理由の確認方法から、投資計画書の具体的な見直しポイント、審査員に響く計画書作成のコツ、そして専門家への相談まで、次の一歩を踏み出すための具体的な対策を詳しくご紹介します。
不採択になっても諦めずに、採択を勝ち取るためのヒントを掴みましょう。
不採択になる可能性もある!中小企業成長加速化補助金とは
「中小企業成長加速化補助金」は、将来の売上高100億円を目指す中小企業の大胆な投資を支援する重要な制度です。
この補助金は、日本経済の好循環を全国に行き渡らせ、中小企業全体の「稼ぐ力」を底上げするとともに、地域にインパクトのある成長企業を創出することを目的としています。補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜き)という大型投資が要件となっており、その人気の高さから、申請すれば必ず採択されるわけではありません。
不採択になった場合でも、その原因を理解し、適切な対策を講じることで再申請の道が開けます。まずは、この補助金の基本的な概要をしっかりと把握し、自社の事業がその趣旨に合致しているかを確認することが重要です。
不採択になる可能性もある!中小企業成長加速化補助金とは
中小企業成長加速化補助金の対象事業者
中小企業成長加速化補助金の対象となるのは、中小企業基本法で定められた業種ごとの定義を満たす法人または個人事業主が対象となります。
さらに、以下の要件を全て満たす必要があります:
- 投資額要件:補助対象経費のうち投資額(建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合算)が1億円以上(税抜き)であること
- 100億宣言:補助金の公募申請時までに「100億宣言」が100億宣言ポータルサイトに公表されていること
- 賃上げ要件:一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定すること
- 国内実施:日本国内において補助事業を実施すること
中小企業成長加速化補助金で受け取れる補助金額
中小企業成長加速化補助金の補助条件は以下の通りです。
- 補助率:1/2
- 補助上限額:5億円
- 補助事業期間:交付決定日から24か月以内
補助対象となる経費は以下に限定されます。
| 経費 | 内容 |
| 建物費 | 専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他投資計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費 |
| 機械装置費 | 専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費 。これらと一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費 |
| ソフトウェア費 | 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費。またこれらと一体で行う、改良・修繕に要する経費 |
| 外注費 | 補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費 |
| 専門家経費 | 本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費 |
なお、外注費および専門家経費の補助対象経費の合算金額は、投資額(建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合算)未満でなければなりません。
中小企業成長加速化補助金で不採択になる主な原因
中小企業成長加速化補助金は、多くの事業者の成長を後押しする魅力的な制度ですが、残念ながらすべての申請が採択されるわけではありません。不採択となってしまうのには、いくつかの明確な原因が存在します。
これらの原因を理解し、適切に対処することが、次の申請成功への鍵となります。
中小企業成長加速化補助金で不採択になる主な原因
投資計画書の内容が審査基準を満たしていない
中小企業成長加速化補助金の採択を左右する最も重要な要素の一つが、投資計画書(事業計画書)です。審査員は、提出された投資計画書を通じて、経営力、波及効果、実現可能性を総合的に評価します。
審査は以下の3つの項目で行われます。
①経営力
- 将来の売上高100億円に向けた中長期的なビジョンや計画の有無
- 高い売上高成長率と付加価値増加率の実現可能性
- 市場や顧客動向の分析に基づく論理的な事業戦略
- 競合他社との差別化要因の明確化
②波及効果
- 賃上げ計画の具体性と妥当性
- 地域経済への波及効果(域内仕入拡大、価値創造など)
- 地域のモデル企業としての取組(パートナーシップ構築宣言、BCP策定など)
③実現可能性
- 計画を実施可能な経営体制の構築
- 十分な財務状況(ローカルベンチマークによるスコアリング)
- 金融機関からのコミットメント
投資計画書が上記の審査項目をクリアできていない場合、不採択になる可能性もあるでしょう。
申請要件や提出書類に不備があった
投資計画書の内容が優れていても、申請要件を満たしていなかったり、提出書類に不備があったりするだけで、不採択となってしまうことがあります。
申請要件の確認項目:
- 投資額1億円以上(税抜き)の要件
- 100億宣言の事前登録
- 中小企業者の定義適合性
- 賃上げ要件の計画策定
提出書類に漏れがあったり、誤字脱字や記載ミスがあったりしても不採択につながります。必ず複数人でチェックしてから申請しましょう。
補助金の趣旨と事業内容が合致していない
補助金には明確な政策目的があります。中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指す企業の大胆な投資を通じて、地域経済に大きなインパクトを与える成長企業の創出を目指しています。
補助金趣旨との不一致例:
- 単なる既存設備の更新投資(生産能力等が向上しない投資)
- 100億円という成長目標に対する具体性の欠如
- 地域経済への波及効果が期待できない事業
- 大胆な投資とは言えない規模・内容の計画
事業内容に不足がある
投資計画書が形式的に整っていても、肝心の事業内容そのものが審査員にとって魅力的でなかったり、説得力に欠けたりする場合も不採択の原因となります。
よくある不足点:
- 市場ニーズの分析不足
- 競合優位性の不明確さ
- 実施体制の弱さ
- リスク分析と対策の不足
- 100億円達成に向けた戦略の具体性不足
プレゼンテーション審査での不備
本補助金では、2次審査としてプレゼーション審査があります。事業内容に基づいて経営者自身がプレゼンテーションを行ったり、外部の有識者と質疑応答をしたりする審査です。
本審査の際は、以下の点に気をつけましょう。
※経営者以外の役員や事業責任者が同席し補足説明することも可能としますが、経営者の出席・説明が必須です。経営者の出席・説明がなされない場合、審査上不利になる可能性があります。
※本事業で経営者は「代表取締役社長・会長等の代表権を有している方」とします。
※共同申請の場合、主たる申請者の経営者が代表してプレゼンテーションを行っていただきます。なお、主たる申請者以外の共同申請者の同席も可能とします。
※主たる申請者、共同申請者以外(外部コンサルティング会社等)のプレゼンテーション審査への同席は認められません。ただし「金融機関による確認書」を提出した申請者については、当該金融機関の担当者等の同席が可能です。
※日本語でプレゼンテーション、質疑応答を実施いただきます。経営者が日本語で説明することが困難な場合、通訳の方や同席する役員が補足説明をしていただくことは可能です。
※2次審査の進め方の詳細については、1次審査通過者に個別に連絡します。
引用:中小企業成長加速化補助金 公募要領
中小企業成長加速化補助金で不採択になっても諦める必要はない
中小企業成長加速化補助金の申請が不採択となった場合、落胆してしまうのは当然のことです。しかし、不採択は決して事業の終わりを意味するものではありません。むしろ、今回の経験を次の成長へのステップと捉え、改善の機会として前向きに進むことが重要です。
中小企業成長加速化補助金では再申請が可能
中小企業成長加速化補助金は、一度不採択となった場合でも、要件を満たしていれば再度申請を行うことが認められています。これは、事業者の成長を支援するという補助金本来の目的を反映したものです。
中小企業成長加速化補助金で再申請を行う際には、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
まず、前回の不採択理由を正確に把握することが不可欠です。審査結果通知書や評価コメントを詳細に分析し、どの部分が評価を下げたのかを明確にしましょう。単に「売上計画が不十分」といった表面的な理解にとどまらず、具体的にどのような根拠や説明が不足していたのかを深く掘り下げることが重要です。
次に、投資計画書の客観的な再評価と改善を行う必要があります。前回の申請内容を第三者の視点で見直し、市場分析の妥当性、収益予測の根拠、投資効果の算定方法などを厳密にチェックしてください。特に、数値の根拠となるデータの信頼性や、想定している市場環境の変化についても再検討が必要です。
また、最新の公募要領や審査基準を必ず再確認することも欠かせません。補助金制度は年度ごとに要件や重点項目が変更される場合があります。前回申請時の情報をそのまま使用するのではなく、最新の募集要項に基づいて申請書類全体を見直し、新たに追加された評価項目や変更された基準に対応する必要があります。
中小企業成長加速化補助金で不採択になった場合の次への対策
中小企業成長加速化補助金で不採択という結果に直面しても、決して諦める必要はありません。大切なのは、不採択となった原因を正確に把握し、次回の申請に向けて徹底的に対策を講じることです。
中小企業成長加速化補助金で不採択になった場合の次への対策
不採択理由の確認と投資計画書の徹底的な見直し
不採択通知が届いたら、まずは通知書に記載されている不採択理由を細部まで確認しましょう。jGrantsシステムを通じて事務局からの通知を受け取り、具体的な指摘があればその点を重点的に改善します。
見直しの視点:
- 100億円達成に向けた成長戦略の具体性
- 大胆な投資としての妥当性(投資額1億円以上の要件含む)
- 地域経済への波及効果の明確化
- 賃上げ計画の具体性と実現可能性
- 競合優位性と差別化要因
書類不備などがないかチェックする
先述したように、書類の不備や誤りに気をつけましょう。外部の人にチェックを依頼するのも一つの手段です。
審査員に響く投資計画書作成のポイント
審査員に響く投資計画書を作成するためには、複数の重要な要素を文章として丁寧に構築する必要があります。
まず、補助金申請の目的と効果を明確に示すことが不可欠です。申請書では、100億円達成に向けた具体的な成長戦略を詳細に説明し、単なる数値目標ではなく、その実現に至る道筋を論理的に示す必要があります。同時に、補助事業が地域経済にどのような波及効果をもたらすかを具体的に記述し、地域全体の発展に寄与する姿勢を明確にしましょう。さらに、賃上げを通じた従業員への利益還元計画を具体的に提示し、企業成長の成果を働く人々と共有する意向を示すことが重要です。加えて、自社が地域のモデル企業として他の事業者に与える影響や、地域経済の牽引役としての役割についても言及することで、補助金の社会的意義を強調できます。
次に、数値目標と実現可能性を具体的に示すことが求められます。今後5年程度の期間における高い売上高成長率を設定し、その根拠となる市場分析や事業展開計画を詳細に説明してください。同様に、高い付加価値増加率を示し、どのような付加価値創出活動を行うのかを明確にする必要があります。労働生産性の抜本的向上についても、具体的な改善手法や導入予定のシステム、プロセス改革などを通じてどの程度の向上が見込めるかを数値で示しましょう。具体的な賃上げ計画では、昇給率や実施時期を明記し、雇用創出効果についても新規採用予定人数や職種を具体的に記載することで、計画の実現可能性を証明できます。
さらに、自社の強みと独自性を効果的にアピールすることが重要です。競合他社との明確な差別化要因を分析し、自社だけが持つ技術力、ノウハウ、顧客基盤、人的資源などの優位性を具体的に説明してください。100億円達成を可能にする独自の強みについては、その根拠となる実績や特許、認証などの客観的な証拠も併せて提示することが効果的です。市場ニーズに対する独自の解決策では、顧客の課題を的確に把握し、自社のソリューションがいかに革新的で価値のあるものかを示しましょう。最後に、事業を推進する実施体制の優位性について、経営陣の経験や専門性、組織の効率性、外部パートナーとの連携体制などを詳述することで、計画実行力の高さを証明することができます。
4.4 補助金申請の専門家への相談を検討する
中小企業成長加速化補助金は、1億円以上の大型投資を対象とする高度な補助金制度です。投資計画書の作成には専門的な知識と経験が重要となるため、必要に応じて補助金申請支援機関など、専門家への相談を検討しましょう。
専門家のサポート内容(例):
- 2次審査(プレゼンテーション)対策
- ローカルベンチマークの適切な作成
- 金融機関との連携支援
- 投資計画書の論理構成改善
株式会社補助金プラスでは中小企業成長加速化補助金で不採択だった方の申請サポートも可能です
中小企業成長加速化補助金で不採択になった事業者様も、再挑戦の道は開かれています。不採択の原因を分析し、課題を解決することで採択の可能性を大幅に向上させることができます。
株式会社補助金プラスでは、不採択となった事業者様の再申請サポートを専門的に行っています。前回の申請内容を詳細に分析し、審査基準に沿った改善点を明確化。事業計画書の再構築から必要書類の準備まで、採択率90%以上の実績を持つ経験豊富な専門家が徹底支援いたします。
オンライン対応により全国対応が可能で、初回無料相談も実施中です。不採択でお悩みの事業者様は、諦めずに株式会社補助金プラスまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
中小企業成長加速化補助金で不採択となっても、決して諦める必要はありません。この補助金は投資額1億円以上、補助上限5億円という大型の支援制度であり、100億円企業を目指す事業者の大胆な投資を後押しするものです。
不採択の主な原因は、投資計画書における成長戦略の不備、補助金趣旨との不一致、申請要件の未達などです。しかし、これらの原因を正確に把握し、100億円達成に向けた具体的な戦略と地域への波及効果を明確にした投資計画書に改善することで、再申請での採択率は格段に向上します。
特に、jGrantsシステムでの申請、2次審査でのプレゼンテーション、金融機関からの確認書取得などの制度特徴を理解し、必要であれば補助金申請の専門家へ相談することも有効です。次なる挑戦に向けて、本記事で紹介した対策をぜひ実践してください。




