「中小企業成長加速化補助金で採択されてよかった！」…でも、まだ終わりじゃありません。
補助金を受け取るには、「交付申請」という大事な手続きが必要です。この申請がしっかりできていないと、補助金の支給が遅れたり、最悪の場合補助金を受け取れなくなることも考えられます。
「何を準備すればいいの？」「どこに気をつけるべき？」と不安な方のために、交付申請の流れや必要な書類、スムーズに進めるコツを分かりやすく解説します！補助金を確実に受け取るために、しっかり準備していきましょう。
監修者
松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。
経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年４月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員６名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80％が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事（保険、法人設立、建設業許可など）は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
・UPSIDERお役立ち記事にて記事監修
中小企業成長加速化補助金とは？交付申請をしないと受け取れない？
中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円を目指す中小企業の成長を支援するために創設された補助制度です。補助金の詳細な要件については、現時点で発表されている情報をもとに整理していますが、公募要領の公開後に正式な条件や申請手続きの詳細が確定するため、最新の情報を確認することが重要です。
以下では、本補助金の基本内容、補助金額と支援規模、対象者の適格要件、対象経費とその活用方法について解説します。企業の成長機会を最大限に活かすために、制度の概要をしっかり理解し、申請準備を進めていきましょう。
中小企業成長加速化補助金とは？交付申請をしないと受け取れない？
中小企業成長加速化補助金の基本内容
中小企業成長加速化補助金は、売上高100億円という飛躍的成長を目指す中小企業を後押しするために設立された支援制度です。大規模な設備投資やデジタル化（DX）、海外展開、M&Aを活用した事業拡大など、企業の成長を加速させる戦略的な投資を後押しすることを目的としています。
本補助金は、2025年5月から第1回公募の申請が開始されました。2027年3月までに3回の公募が予定されており、採択件数は約600件と見込まれています。限られた支援枠の中で採択を受けるためには、成長戦略の具体性や事業計画の実現可能性を示すことが重要となるでしょう。
中小企業成長加速化補助金の補助金額と支援規模
中小企業成長加速化補助金の補助金額と補助率については以下のとおりです。
| 補助上限額 | 補助率 |
| 最大5億円 | 1/2（50%）以下 |
【他の補助金制度との比較】
| 補助金制度 | 補助上限額（これまでの募集回の中で最大） | 補助率 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 最大5億円 | 1/2（50%） |
| ものづくり補助金 | 最大7500万円 | 1/2～2/3 |
| 事業再構築補助金 | 最大1.5億円 | 1/2～2/3 |
比較からもわかるように、中小企業中小企業成長加速化補助金は他の補助金制度よりも補助額が大きく、成長志向の高い企業向けの支援であることが特徴です。
1件あたり最大5億円の補助金が支給されるため、成長投資に向けた活用の幅が広がります。 しかし、補助率が1/2であることから、残りの50%は自己資金や融資による調達が必要です。申請時には、資金計画を明確にし、事業計画と合わせてしっかりと整えることが求められます。
中小企業成長加速化補助金の支援規模は、他の補助金制度と比較すると「採択件数は少なめだが、1件あたりの補助額は最大規模」という特徴があります。
例えば、事業再構築補助金の場合、これまでの公募では1回あたり数千件の採択が行われていますが、中小企業成長加速化補助金は3回の公募で合計600件程度と、件数は限定的です。一方で、最大5億円の補助金が支給されるため、1件あたりの支援規模は圧倒的に大きい といえます。
つまり、採択される企業の数は限られるものの、1件あたりの支援額が大きいため、大規模な投資を計画している企業にとっては非常に魅力的な制度となっています。競争率が高くなることが予想されるため、成長戦略や事業計画の精度が採択のカギとなるでしょう。
中小企業成長加速化補助金の対象者と適格要件
中小企業成長加速化補助金を活用するには、どんな企業でも対象になるというわけではなく、一定の要件を満たすことが必要です。他の補助金制度と比較しても、成長意欲が高く、売上高100億円を目指す中小企業向けに設計されているのが特徴です。
本補助金の申請が可能な企業は、現時点で以下の3つの要件を満たしている必要があります。
【対象者の基本要件】
- 売上高10億円以上100億円未満の中小企業であること
すでに一定の売上規模を持ち、さらなる成長を目指す企業が対象 - 「売上高100億円を目指す宣言（100億宣言）」を行っていること
申請前に100億宣言を実施し、ポータルサイトへ登録していることが必須 - 投資額が1億円以上であること（専門家経費・外注費を除く）
設備投資やDX推進、海外展開などに対し、一定規模以上の資金を投じることが求められる
さらに、賃上げ要件の設定が想定されており、従業員の待遇向上も視野に入れた成長戦略が必要となる可能性があります。賃上げ要件が設定される可能性も入れつつ、事業計画に組み込みましょう。本補助金の詳細な適格要件については、公募要領の発表後に確定するため、最新情報を確認しながら準備を進めることが重要です。
中小企業成長加速化補助金の対象経費と活用方法
補助金を効果的に活用するためには、どの経費が対象となるのかを正しく理解し、計画的に事業に組み込みましょう。中小企業成長加速化補助金の補助対象となる経費は【建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費】です。他の補助金制度（ものづくり補助金や事業再構築補助金）と比較しても、補助対象となる経費の範囲が広く、大規模な成長投資を後押しする内容となっています。
【補助対象となる経費（予定）と主な活用方法】
| 経費区分 | 内容・活用例 |
| 建物費 | 工場・事業所の新設・改修、物流拠点の拡充、海外拠点の設立 |
| 機械装置等費 | 生産設備の導入・増強、製造ラインの自動化・省人化、AIロボットの導入 |
| ソフトウェア費 | AI・IoT活用の業務効率化システム、ERP・DXツールの導入、ECサイト構築 |
| 外注費 | 製品開発、マーケティング戦略、海外市場調査、販路開拓のための業務委託 |
| 専門家経費 | M&A支援、海外進出コンサルティング、経営戦略アドバイザーの活用 |
補助金を活用する際には、補助対象外となる経費があるため、公募要領を事前に確認することが重要です。
また、補助対象経費の証憑（見積書・契約書・領収書など）を適切に管理し、審査や実績報告に備えることが必要です。本補助金は、企業の成長戦略に基づく大規模投資を支援する制度であり、事業計画の整合性が審査の大きなポイントとなります。公募要領の詳細が発表され次第、対象経費の適用範囲をしっかりと確認し、補助金を最大限に活用できるよう万全の準備を進めましょう。
参考：「売上高100億円を目指す！」
中小企業成長加速化補助金に採択されたら必須！交付申請とは
これまで、中小企業成長加速化補助金の概要や申請要件、補助対象経費などについて説明してきました。本補助金は、売上高100億円を目指す中小企業を対象とした大規模な成長投資を支援する制度であり、審査を通過するためには綿密な事業計画の策定が求められます。
無事に審査を通過し、採択が決定した企業は、次のステップとして「交付申請」を行う必要があります。
交付申請とは、補助事業の詳細な計画や補助対象経費の内容を精査し、補助金の交付決定を受けるための重要な手続きのこと。交付申請が適切に行われないと、補助金の支給が遅れるだけでなく、場合によっては交付が取り消される可能性もあります。
次からは、交付申請の流れや必要書類、失敗しないポイントについて詳しく解説します。
中小企業成長加速化補助金の交付申請から補助金受給までの流れ
中小企業成長加速化補助金を活用するためには、採択された後も、交付申請や事業実施、補助金の請求・入金など、いくつかの重要な手続きを進める必要があります。補助金は即時支給されるわけではなく、交付決定後に補助事業を実施し、経費を精算した上で請求する流れとなります。
ここでは、採択から補助金受給までの各ステップで何をすべきかを整理し、適切なスケジュール管理のポイントを解説します。申請後の手続きをスムーズに進めるためにも、全体の流れを把握し、必要な準備を整えましょう。
中小企業成長加速化補助金の交付申請から補助金受給までの流れ
採択から交付申請まで
採択後の「交付申請」では、事業計画の具体化や補助対象経費の詳細な内訳を提出し、補助金事務局の審査を受けることになります。以下に採択〜交付申請期間にやるべきことをピックアップしました。
【この期間にやるべきこと】
- 採択通知の受領（補助金事務局から正式に採択通知が届く）
- 補助事業の詳細計画を確定する
- 補助対象経費の詳細な見積もりを取得・整理
- 資金調達計画の最終調整（補助金は後払いのため、融資・自己資金の確保）
- 交付申請書類の作成・提出（公募要領のフォーマットに沿って作成）
おおよその期間は採択通知から1〜2か月程度（公募要領で正式なスケジュールが発表される予定）です。この段階で不備があると、交付決定が遅れるだけでなく、補助事業の開始が大幅に遅れる可能性があります。事前に必要書類を整理し、スムーズな申請を心がけましょう。
交付申請から交付決定まで
交付申請を提出すると、補助金事務局による審査が行われ、問題がなければ正式な「交付決定」が下されます。交付決定が届いて、初めて補助事業が開始できます。交付申請から交付決定までの期間をみていきましょう。
【この期間にやるべきこと】
- 補助金事務局による審査対応（不備がある場合は差し戻しに対応）
- 補助事業の詳細計画の調整（審査の過程で修正が必要になることもある）
- 補助金事務局からの交付決定通知を受領（正式に補助金の交付が決まる）
審査の進捗や修正対応によって変わりますが、交付申請から交付決定まで〜1ヶ月程度です。交付申請後の審査では、補助金事務局から追加資料の提出や申請内容の修正を求められることがあります。対応が遅れると、交付決定までの期間が延びてしまうため、事務局からの連絡には迅速に対応しましょう。
また、交付決定前に補助事業を開始すると、補助対象外となる可能性があるため注意が必要 です。事業の着手タイミングについては、必ず交付決定通知を受け取った後に進めるようにしましょう。補助金を確実に活用するためにも、事前に必要書類を整理し、申請後の対応にも十分注意しましょう。
交付決定から補助金の請求、入金まで
交付決定を受けた後、補助事業を実施し、事業で生じた経費を精算した上で補助金の請求手続きに移ります。補助金は後払い方式のため、事業完了後に必要な証憑書類を提出し、補助金事務局の審査を経て入金される流れとなります。
【この期間にやるべきこと】
- 補助事業の開始・実施（交付決定後に事業着手）
- 補助対象経費の支払いと証憑の管理
- 事業完了後、補助金の請求手続き（実績報告書・支払い証憑の提出）
- 補助金事務局による審査対応
- 補助金の振込を確認
補助事業が完了してから補助金が入金されるまでには、おおよそ3〜6か月程度 の期間がかかります。補助金の請求にあたっては、補助対象経費の支払いをすべて振込で行い、領収書・請求書・振込明細を適切に保管することが定められています。また請求時に、再度見積書（交付決定日以降の日付のもの）の提出が求められる場合がありますので、準備を行いましょう。
請求時に提出する実績報告書には、事業の成果や設備導入の写真、売上への影響などを具体的に記載し、補助金活用の成果を分かりやすく示すことが求められます。
補助金事務局による審査の過程で書類に不備があると、修正対応が必要になり、入金が遅れる可能性があります。不備を避けるためにも、証憑書類の整理と事前のチェックを行い、もれなく事務局へ提出できるよう整えましょう。
事業化状況・知的財産等の報告義務と期限
補助金を受給した後も、補助事業の成果や進捗を報告する義務があり、一定期間にわたって継続的な報告が求められます。例えば、ものづくり補助金や事業再構築補助金は補助金受け取り後5年間、計6回（毎年の決算日の３ヶ月後までに提出）の事業化状況の報告が必須です。補助金受け取り後の報告には、事業化状況の報告に加え、知的財産の取得状況に関する報告が義務付けられています。
【この期間にやるべきこと】
- 事業化状況報告（補助金活用後の売上推移・生産性向上などの進捗を報告）
- 知的財産等報告（特許・商標の取得状況や技術開発の成果を提出）
- 補助金事務局からの追加資料の提出要請に対応
中小企業成長加速化補助金の具体的な報告期間は、公募要領の発表後に正式に確定します。事業化状況報告では、売上の向上や生産性の向上など、補助事業の成果や企業の決算情報など具体的なデータで示すことが求められます。
また、知的財産等報告においては、特許や実用新案登録、商標の取得状況、技術移転の実績などを正確に記載する必要があります。なお、報告義務を怠ると、補助金の一部返還となる可能性があります。補助金制度は原則返還不要ですが、定められた報告を行わないとペナルティとなることに。そのため事業完了後も適切な記録管理と報告を徹底することが必須です。
中小企業成長加速化補助金の交付申請に必要な書類
中小企業成長加速化補助金の交付申請には、事業計画の具体化や補助対象経費の明確な利用を証明する書類を提出する必要があります。現時点では公募要領が発表されていませんが、事業再構築補助金やものづくり補助金などの他の補助金制度を参考にすると、以下の書類が求められると予想されます。
【主な交付申請書類】
| 書類名 | 内容・ポイント |
| 交付申請書 | 申請企業の情報、補助金申請額、事業の概要を記載 |
| 事業計画書 | 事業の詳細、成長戦略、補助金の活用方法、期待される効果を具体的に記載 |
| 補助対象経費明細書 | 投資内容や支出予定の詳細（機械装置費・建物費・DX関連費用など）を一覧化 |
| 見積書・契約書 | 補助対象経費に関する見積書や契約書を添付し、費用の妥当性を証明 |
| （予想）売上高100億円を目指す宣言（100億宣言）に関する書類 | 100億宣言の登録内容が、事業計画と整合していることを示す |
| 決算書（直近2～3期分） | 企業の財務状況を示し、補助金活用の必要性を証明 |
| 納税証明書（法人税・消費税） | 企業が適切に納税していることを証明するための書類 |
新たに導入された「売上高100億円を目指す宣言（100億宣言）」が、交付申請にどのように関わってくるのかは、今後の公募要領で詳細が示されるため、慎重に読み込み、適切な書類作成を行うことが求められます。
特に、売上高100億円を目指す宣言（100億宣言）の内容と事業計画書の整合性を確認し、一貫性のある成長戦略を示すことが中小企業成長加速化補助金では重要となる可能性が高いため、事業計画の策定段階から十分に準備を進める必要があります。
また、過去の補助金制度では電子申請システムが利用されることが一般的であったため、今回の申請においても同様の方式が採用されると考えられます。
今後、公募要領が発表され次第、売上高100億円を目指す宣言（100億宣言）の具体的な活用方法や交付申請への影響を把握し、確実な申請に向けて万全の準備を進めましょう。
中小企業成長加速化補助金の交付申請で失敗しないためのポイント
交付申請の不備は審査の遅れや、最悪の場合交付決定が取り消されることも。また、交付申請後に計画の変更が必要になる場合や、補助金の支払い方法に関する理解不足によってトラブルが発生するケースもあります。
ここでは、交付申請の際に注意すべきポイントとして、書類の不備を防ぐ方法、計画変更手続き、補助金の支払い方式の違い、そして経費処理と証憑管理の重要性について解説します。
中小企業成長加速化補助金の交付申請で失敗しないためのポイント
申請書類の不備・不足を防ぐ
交付申請の際、書類の不備や不足による差し戻しは、多くの事業者が直面する課題となっています。特に、補助対象経費の詳細や資金計画の記載ミス、必要な証憑書類の不足は、交付決定の遅延や最悪の場合の申請却下につながる可能性があります。
【交付申請時に注意すべきポイント】
- 必要書類をリストアップし、漏れがないか確認する
交付申請には、事業計画書、補助対象経費明細書、見積書・契約書、資金計画書、税務証明書類などが必要 となります。事前に公募要領を確認し、必要書類を整理しておきましょう。 - 事業計画書と補助対象経費の整合性を確認する
補助金の適用範囲外の経費が含まれている場合、申請が認められない可能性があるため、事業計画と経費明細を突き合わせて整合性を確保することが重要です。 - 証憑書類（見積書・契約書・納品書・振込明細）の準備と整理
補助金は事後精算方式のため、補助対象経費に関する証憑書類を正しく管理することが求められます。 - 電子申請システムの要件を事前に確認する
事業者は交付申請前に必ずチェックを行い、万全の準備で手続きを進めましょう。もし差し戻しになった場合は、補助金事務局からの差し戻しコメントを確認し対応に努めましょう。
交付申請後の計画変更手続きについて
各種補助金制度では、交付申請が受理され、正式に交付決定を受けた後でも、事業の進行に伴い計画の変更が必要になる場合があります。例えば、設備導入の仕様変更、取引先の変更、スケジュールの遅延など、当初の計画通りに進められない状況も出てきます。このように当初の補助事業が変更になった場合は、事前に補助金事務局へ申請し、承認を受ければ大丈夫です。
事業の変更申請書は指定のフォーマットを用い、変更内容・理由・影響などを記載します。また必要に応じて、見積書や建築設計図などを追加で提出します。提出後、補助金事務局からの審査と承認を受けた後、引き続き補助事業を進行できます。
補助金の概算払いと精算払いの違い
補助金の支払い方法には、大きく分けて「概算払い（前払い）」と「精算払い（後払い）」の2種類があります。中小企業成長加速化補助金を含め、多くの補助金制度では、原則として精算払い（後払い方式）が採用されることが一般的ですが、一部の補助金では概算払いが認められる場合もあります。
【補助金支払い方式の比較】
| 支払い方式 | 特徴 | 適用される補助金（例） |
| 概算払い（前払い） | 事業開始前または途中で補助金の一部を受け取れるが、最終精算が必要 | 事業再構築補助金（条件付き）、ものづくり補助金（特例措置） |
| 精算払い（後払い） | 事業完了後に実績報告を提出し、審査を通過した後に補助金が支給される | 通常の補助金制度 |
中小企業成長加速化補助金は、原則として精算払い（後払い）が採用されると予想されます。補助事業の実施にあたっては自己資金や融資を活用した資金計画をたてましょう。
また、概算払いを希望する場合は、公募要領を確認し、適用条件を満たしているかを慎重に検討する必要があります。概算払いには一定の条件が設けられることが多く、申請が認められないケースもあるからです。
さらに、どちらの方式であっても、補助対象外や不適切な経費の支出、証憑管理の不備があると、補助金の一部返還を求められる可能性があるため、厳格な管理が求められます。
経費処理と証憑書類の正しい保管
これまで述べてきたとおり、書類の管理は補助金制度を適切に活用する上で欠かせません。補助金の支給は後払いが原則であり、申請時に提出する証憑が不備だと、補助金返還のリスクが生じます。事業完了後も一定期間の報告義務があるため、適切な書類管理を徹底することが求められます。
【適切な経費処理のポイント】
- 補助対象となる経費のみを計上する
補助対象外の経費が含まれると、審査で認められず支給額が減額のリスクがあります。補助対象経費の範囲内で処理を行いましょう。 - 補助金適用ルールに沿った経費処理を行う
補助金の経費は、「交付決定後」に発生したものが対象となるため、それ以前の支出は原則として認められません。また、振込での支払いが基本とされることが多く、現金払いは対象外となる可能性があります。 - 経費ごとに証憑書類を整理する
経費処理の際には、領収書・請求書・振込明細・契約書・見積書などの証憑を適切に整理し、事業ごとにファイリングして管理しましょう。補助金申請時だけでなく、事後の監査や報告の際にもこれらの書類が必要となるため、電子データ化するなどの対策も有効です。
中小企業成長加速化補助金の交付申請に関するよくある質問と回答
交付申請は、補助金を正式に受給するための重要なプロセスです。適切な手続きを踏まないと、申請が却下されたり、事業の進行に支障をきたす可能性があります。以下に、交付申請に関するよくある質問とその回答をまとめました。
中小企業成長加速化補助金の交付申請に関するよくある質問と回答
交付申請が却下されるケースとその対策は？
ケース1：申請書類の不備や不足
対策： 申請書類は公募要領に基づき、必要事項を漏れなく記載し、必要な添付書類をすべて揃えることが重要です。提出前に第三者によるチェックを受けるなど、複数回の確認を行いましょう。
ケース2：事業計画の内容が不明確
対策： 事業の目的、目標、具体的な実施内容、期待される成果などを明確に記載し、審査員が理解しやすい内容とすることが求められます。数値データや具体的な指標を用いて、計画の実現可能性を示すことが効果的です。
ケース3：補助対象経費の不適切な計上
対策： 補助対象経費と対象外経費を正確に把握し、適切に経費を計上することが必要です。不明な点がある場合は、事務局や専門家に相談することをおすすめします。
補助事業期間の延長は可能か？
補助事業期間の延長は、やむを得ない事情がある場合に認められることがあります。ただし、事前に事務局への申請と承認が必要です。延長申請の際は、延長の理由や新たなスケジュールを明確に示すことが求められます。
経費の流用ルールと変更手続きは？
当初の計画から経費の配分を変更する場合、事前に事務局の承認が必要となることがあります。特に、大きな金額の変更や、経費項目間の流用を行う際は、詳細な理由書や変更後の計画書の提出が求められます。無断での経費流用は、補助金の返還を求められる可能性があるため、注意が必要です。
補助金受給後の確定検査について
補助事業が完了した後、事務局による確定検査が行われます。これは、事業が適切に実施され、経費が正しく使用されたかを確認するためのものです。確定検査の結果、不適切な経費処理や事業内容の不備が発見された場合、補助金の一部または全額の返還を求められることがあります。そのため、事業実施中から適切な記録の保管と報告を行うことが重要です。
株式会社補助金プラスでは中小企業成長加速化補助金の申請支援が可能です
中小企業成長加速化補助金の申請には、交付申請の準備、補助対象経費書類の整理、実績報告の作成など、多くのステップを踏むため、慎重な対応が求められます。申請書の作成や必要書類の準備に不安を感じる方、本業が忙しく事務局との対応に時間を割けない方は、専門家のサポートを活用することで、スムーズな手続きを進めることが可能です。
株式会社補助金プラスでは、補助金申請のプロが、申請書作成から採択後のフォローまでトータルでサポートします。過去の補助金支援実績では、90%以上の採択率を誇り、数多くの事業者を成功に導いてきました。また、全国どこからでも対応可能なオンライン相談を実施しており、お忙しい方でも自宅やオフィスから気軽に相談が可能です。
補助金申請は、事前の準備や適切な書類作成を避けては通れません。申請に関して疑問や不安がある場合は、初回無料相談を利用し、専門家の意見を聞くことで、より確実な申請ができるでしょう。補助金を最大限に活用するために、ぜひ補助金プラスのサポートをご検討ください。
まとめ
中小企業成長加速化補助金を活用するには、申請書類の準備から交付申請、事業実施後の報告まで、多くの手続きを適切に進めることが重要です。不備があると審査の遅れや差し戻しが発生し、場合によっては補助金が受け取れなくなるリスクもあります。そのため、スケジュールを意識しながら、必要書類を正確に整えることが成功のカギとなります。
また、補助金の申請には専門的な知識が必要となるため、株式会社補助金プラスのような専門家の支援を活用することで、申請の精度を高め、スムーズに進めることが可能です。補助金プラスでは、申請書作成から採択後のフォローまでトータルサポートを提供し、90%以上の採択率を誇る実績を持っています。全国対応のオンライン相談も実施しており、初回無料で気軽に相談が可能です。
中小企業成長加速化補助金を活用し、企業の成長を加速させるためにも、確実な申請準備と適切なサポートの活用を検討しましょう。
