【2025.8】ものづくり補助金は3Dプリンター導入に活用可能!採択事例とポイントは?

3Dプリンターを導入した事業を行いたいけど予算が足りない、と悩んでいる事業者も多いのではないでしょうか?3Dプリンターはものにもよりますが基本的に高価で、性能の良いものだと1000万円ほどするものもあります。
そんな時に利用できるのがものづくり補助金です。3Dプリンターは革新的な技術で新商品の開発や生産プロセスの改善を行えることから、ものづくり補助金との相性が良いと考えられます。
この記事では、ものづくり補助金を活用して3Dプリンターを導入した事例や導入する際の注意点について解説していきます。
- ものづくり補助金の概要が分かる
- ものづくり補助金の3Dプリンターへの活用方法が分かる

ものづくり補助金とは?3Dプリンターの購入費には使えるのか

3Dプリンターへの活用事例をみていく前に、ものづくり補助金の概要について簡単に説明していきます。
ものづくり補助金とは?3Dプリンターの購入費には使えるのか
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金とは、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金のことです。このような目的を満たす事業であれば幅広い経費を補助金の対象とすることができるので、活用の幅が広い補助金であると言えます。
ものづくり補助金の対象となる事業者
ものづくり補助金の対象となるのは、中小企業や個人事業主です。具体的には資本金や常勤従業員数が一定以下の事業者は、ものづくり補助金に申請することができます。
この要件からわかるように、ものづくり補助金は大企業でない限りほとんどの企業が申請することができる補助金です。なお、大企業の子会社などは特例として補助対象外になることもあるため、公募要領で一度要件を確認しておくと安心でしょう。

ものづくり補助金で受け取れる金額
ものづくり補助金で受け取ることができる最大金額は、事業者が応募する応募枠と従業員数によって変化します。補助率、補助上限金額は以下のように設定されています。
製品・サービス高付加価値化枠
| 従業員数 | 補助上限金額 (補助下限額100 万円) | 補助率 |
| 5人以下 | 750 万円 | 中小企業 :1/2 小規模企業・小規模事業者及び再生事業者:2/3 |
| 6~20人 | 1,000 万円 | |
| 21~50 人 | 1,500 万円 | |
| 51 人以上 | 2,500 万円 |
グローバル枠
| 補助上限金額 (補助下限額100 万円) | 補助率 |
| 3,000万円 | 中小企業 :1/2 小規模企業・小規模事業者及び再生事業者:2/3 |
3Dプリンターを購入した場合も、その購入費用の1/2(小規模事業者なら2/3)を補助してもらうことができるでしょう。ただし、事業者ごとの従業員数に応じた補助上限金額以内の金額になります。
ものづくり補助金のスケジュール
ものづくり補助金の最新公募回である第21次公募のスケジュールは以下の通りです。
| 公募スケジュール | 日付・期限 |
| 公募開始 | 2025 年 7 月 25 日(金) |
| 申請受付~締切 | 2025 年 10 月 3 日(金)17:00~ |
| 申請締め切り | 2025 年 10 月 24 日(金)17:00 |
| 採択発表 | 2026 年 1 月下旬頃予定 |
締切厳守で、必ず間に合うように申請作業を行いましょう。
ものづくり補助金の対象となる経費|3Dプリンター購入に使える経費も紹介
次にものづくり補助金の対象となる主要な経費について説明します。ものづくり補助金では、以下が対象経費に設定されています。
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
以下では、上記の中から代表的な経費を3つ紹介します。
3Dプリンター購入のためにものづくり補助金を利用したい時も、購入費単体よりもその他の経費も合わせて申請するケースが多いので、ぜひ全ての経費の要件に目を通してみてください。
ものづくり補助金の対象となる経費|3Dプリンター購入に使える経費も紹介
機械装置・システム構築費
ものづくり補助金のメインとなる対象経費が機械装置・システム構築費です。ものづくり補助金の目的となっている新商品の開発や生産プロセスの改善を行うために必要な機械装置等の購入費用が対象となります。また、機械装置だけではなくてシステムも対象経費として申請することができます。
3Dプリンターの購入費にものづくり補助金を使うなら、機械装置・システム構築費として計上することになります。
先ほど確認したように、ものづくり補助金では多額の補助金を受け取ることも可能なので、比較的高額な機械装置やシステムの購入費用としても申請することができるでしょう。
3Dプリンターの価格は100万円から7,000万円のものまで幅広くありますが、ものづくり補助金の補助率が1/2〜2/3であることを考慮すると1,500万円から3,000万円程度の価格の商品が最もものづくり補助金と相性が良い価格ということになります。
専門家経費
ものづくり補助金では、学識経験者やコンサルタント等専門家の技術指導や助言にかかる経費を専門家経費として計上することが可能です。3Dプリンターを導入する際に新たな技術が必要となる場合などに活用することができるでしょう。
ものづくり補助金で専門家経費を計上する際には、1日あたりの計上金額や旅費の上限金額等の規定があるため注意しましょう。また、ものづくり補助金の申請支援にかかる費用はものづくり補助金の対象経費として申請できない点にも注意が必要です。
外注費
新商品やサービスの加工やデザインの外注にかかる費用は外注費として計上することが可能です。システムを構築する際の外注費用は、外注費ではなく機械装置・システム構築費という経費区分で申請する必要がある点に注意しましょう。
3Dプリンターを活用して作成する製品のデザインを外注する際などに、この外注費を計上できるのではないかと思います。

ものづくり補助金を使って3Dプリンターを事業に取り入れるメリット
3Dプリンターを事業に取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか?以下で詳しく解説します。
ものづくり補助金を使って3Dプリンターを事業に取り入れるメリット
作業コストの削減になる
製造業などで手作業でパーツ等を作成している場合、時間や人件費が大幅にかかってしまいます。3Dプリンターは3Dのデータを用いれば時間や労力をかけずに作成することができます。同じものを複製することも容易にできるでしょう。
そのため、3Dプリンターを導入すると作業コストの大幅な削減が期待できます。作業を外注していた場合も、大幅な外注費のダウンが見込めます。
品質の高い商品を作成できる
上述した通り、3Dプリンターなら同じものをいくつも複製することが可能です。全く同じ製品を手作業で生み出すのはどうしても難しく、形状のチェックにも時間がかかります。3Dプリンターであれば基本的に同じものを作り出すことができるため、高品質を保ったまま製造を続けられます。
自由な造形のものを作成できる
3Dプリンターは、造形が複雑なものでも作成可能です。そのため、これまで手作業で作成が難しかった形状の製品も作ることができるようになるでしょう。新たに革新的な製品を生み出すことにもつながるかもしれません。

3Dプリンター導入にものづくり補助金を活用した事例
実際に、これまでにものづくり補助金を利用して3Dプリンターを導入し、どのような成果を上げた事業者がいるのか確認していきましょう。

3Dプリンター導入にものづくり補助金を活用した事例
金型作成の内製化に成功
事業計画名:『カーボン3Dプリンター』導入による生産力の向上と、パッケージ改善による販売強化
企業名:株式会社カスノモーターサイクル
バイクのステップやハンドルといったパーツを製造する会社が、販売時のパッケージの作成を3Dプリンターを導入して行った事例です。パッケージを外注して作成する場合には、金型が必要で、金型の作成を外注した場合は非常に高額です。この会社は、多品種小ロット生産のため、多くの金型を外注するのは難しく、内製化の必要があることから事業に至りました。
高耐熱高強度グラスファイバーを使用できる3Dプリンターを導入して金型の作成に成功しました。3Dプリンターはこのような高度な素材の加工にも利用可能であり、その長所を生かした採択事例と言えるでしょう。
手作業からの移行で生産プロセスを大幅に改善
事業計画名:3Dプリンター及びCAD/CAM導入による補綴物製作技術の革新
企業名:健翔会ナサルス株式会社
歯医者のクラウンやブリッジといった補綴物を作成する歯科技工所がものづくり補助金を活用して3Dプリンターを導入した事例です。従来、歯科技工所は歯型模型をもとに手作業で補綴物を作成していましたが、3Dプリンターによる作成に本事業で転換しました。
3Dプリンターによる作成後は、職人が手作業で仕上げ作業を行うものの、本事例は3Dプリンターの導入により生産プロセスが大幅に改善した事例であるということができます。
このように従来手作業で行っていた工程を3Dプリンターを用いて行うというのは、ものづくり補助金とも相性のよい活用方法と言えるでしょう。
高精度の新機導入で生産性や加工精度の向上
事業計画名:防災ドローンアタッチメント作製
企業名:株式会社空撮技研
ドローンの操縦トレーニングやドローンのアタッチメントの製造販売を行う会社が、新たな3Dプリンターを導入して商品の開発プロセスを改善した事例です。この会社は、事業実施前から3Dプリンターを利用していましたが、ABS樹脂対応のものであり精度が低いことが課題でした。
そこでレジンに対応した3Dプリンターを新たに導入することで生産性や加工精度の向上に取り組みました。
この事例のように従来から3Dプリンターを活用している企業も、ものづくり補助金をか通用して高精度の3Dプリンターを導入することが可能です。
3Dプリンターにものづくり補助金を活用する際の注意点

最後に3Dプリンターにものづくり補助金を活用する際の注意点をいくつか紹介していきます。
3Dプリンターにものづくり補助金を活用する際の注意点
新商品の開発又は生産プロセスの改善を行う
3Dプリンターを導入する際の注意点の一つ目は、ものづくり補助金を活用する場合は新商品の開発又は、生産プロセスの改善を行う必要があるという点です。
そのため、すでに3Dプリンターを所有している企業が製品の生産量を増やすために3Dプリンターを追加で購入する場合などにはものづくり補助金を使うことはできません。3Dプリンターだからこそ生産が可能となる製品の開発等に利用するようにしましょう。
原材料は補助対象経費とならない
製品等の原材料は補助対象経費として申請できない点に注意しましょう。ものづくり補助金の対象経費には原材料費という項目がありますが、あくまで「試作品」の制作にのみ使用することができます。
実際に販売する商品の原材料をものづくり補助金を利用して購入するといった使い方はできません。3Dプリンターで生産する製品の試作品に利用する最小限の数量に止める必要があります。

ものづくり補助金を3Dプリンターの購入費に使いたいなら株式会社補助金プラスへご相談を
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まとめ
この記事では、3Dプリンターの導入にものづくり補助金を活用する方法について解説してきました。3Dプリンターは新製品の開発をしたり、従来の生産プロセスを大幅に改善したりすることが可能な点でものづくり補助金と非常に相性がよいと考えられます。
3Dプリンターの導入を検討している場合はこの記事の注意点などを参考にしながら、ぜひものづくり補助金の活用に挑戦してみてくださいね。



