【採択事例あり】アプリ開発に活用可能なものづくり補助金とは?メリットも解説
DX推進を国が後押しする中、身近なインターネットをビジネスに活用しようと考える企業は少なくありません。デジタル化に舵をきった大胆な新事業としてアプリ開発には、ものづくり補助金が活用できます。この記事ではものづくり補助金活用のアプリ開発の採択事例もあわせて紹介していきます。
- ものづくり補助金の概要が理解できる
- ものづくり補助金でアプリ開発を行った採択事例がわかる
- ものづくり補助金でアプリ開発を行うときの注意点がわかる
ものづくり補助金の概要
企業の経営をサポートする補助金制度はいくつかありますが、ここではものづくり補助金について解説していきます。
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金の対象となる事業者
ものづくり補助金の対象事業者は、中小企業・個人事業主を含む小規模事業者であり、以下の3つの基本要件を満たす必要があります。
ものづくり補助金は製造業のみならず、旅行・サービス・ソフトウェアなど業種の対象は幅広いです。新しいサービスや商品開発、生産性向上に取り組む目的であるならば、どの業種でもものづくり補助金を活用でき、アプリ開発も補助金対象になります。
ものづくり補助金で受け取れる金額
ものづくり補助金で受け取ることができる上限金額と補助率は以下の表を参考にしてください。
申請枠 | 補助上限 | 補助率 | |
省力化枠 | 750万円~ 8,000万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) | |
製品・サービス高付加価値枠 | 通常類型 | 750万円~ 1,250万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) ※新型コロナ回復加速化特例:2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 1,000万円〜 2,500万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) | |
グローバル展開型 | 3,000万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) |
省力化枠で750万円〜8,000万円です。補助率は1/2(小規模事業者は2/3)と定められています。通常枠以外にも、<製品・サービス高付加価値額化枠><グローバル枠>が申請可能です。
➡概要はこちら:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について
ものづくり補助金の補助上限額と補助率は企業規模で異なります。ものづくり補助金の補助上限額と補助率は主に「従業員数」で決まりますので、申請を検討する飲食店は一度確認しておいた方が良いでしょう。今回は例として、第17回公募で、募集されている省力化枠を例に挙げます。
<補助上限額の分類(省力化枠)>
従業員数 | 補助上限額 |
従業員数5人以下 | 〜750万円 |
従業員数6人〜20人 | ~1,500万円 |
従業員数21人以上 | 3,000万円~8,000万円 |
<補助率2/3となる小規模事業者>
小規模事業者とは、以下を満たす会社又は個人事業主
製造業・宿泊業・娯楽業 | 従業員数20人以下 |
卸売業・小売業・サービス業 | 従業員数5人以下 |
ものづくり補助金の採択率
ものづくり補助金の採択率を見てみましょう。直近5年分のデータからみると一般型で約6割です。
採択率を上げるポイントや、過去の採択率の推移についてもっと詳しい内容をこちら
ものづくり補助金でアプリ開発を行った採択事例
ここからアプリ開発のものづくり補助金採択事例をピックアップし3つを紹介していきます。
①地域に密着した歴史巡りオリエンテーリングアプリの開発
事業者名 | 株式会社ローバルコム |
事業計画 | 歴史やルーツに興味を持ち始める中高年及び観光客向けポイント付き歴史巡りオリエンテーリングサービスの開発・提供 |
事業計画概要 | ソフトウェア開発会社の同社は、新しくスマートフォンアプリ事業への参入を計画し、地域の埋もれた歴史物語を知るオリエンテーリングサービスができる内容のアプリを開発する。 ユーザーはアプリをダウンロードし、地図や映像を選択しながらゲーム感覚で地域の歴史を学びながら散策できる。 さらにアプリに企業向け登録ツールの開発や、外国人向け翻訳支援技術も搭載しユーザーの拡大を狙う。 加えてアプリを自治体に提案し歴史で町おこしや災害ハザードマップなど更なる活用方法を検討している。 |
②ハンドメイドのための要尺計算アプリの開発
事業者名 | ハンドメイド・カンパニー株式会社 |
事業計画 | 服作り初心者向けの要尺計算アプリ開発とソーイングサポートサービス |
事業計画概要 | 近年のハンドメイドブームのリバイバルにより、服をデザインしたい人や、1点ものを作りたいハンドメイドに興味がある人をターゲットにアプリを開発した。 ミシン初心者が難しいと感じるところに手が届くよう、ミシンの写真から必要な生地の長さを算出することができるアプリを開発し、補助事業期間内では試用段階であるものの、今後は本格的な利用に向けて準備を進めている最中である。 |
③認知症高齢者を地域で支えるシステムを開発
事業者名 | 有限会社三進社印刷所 |
事業計画 | スマートフォンアプリを利用した外出中の認知症高齢者お声がけシステムの開発 |
事業計画概要 | 縮小する印刷業から時代に即した新事業の展開にアプリの開発を選択した同社。医療系印刷物を手がけてきた経験を活かし、認知症高齢者関連のアプリの開発に着手した。 事業内容は、Beaconセンサーとスマートフォンアプリを使用し、地域住民が事前にアプリをダウンロードしておくことでセンサーをもつ認知症高齢者が近づいた際に音やメッセージで知らせ声をかけてもらうシステムである。 今回の事業が、新生児用の見守りセンサーなど新たなシステム開発に繋がり、会社の売り上げ増加にも寄与している。 |
ものづくり補助金でアプリ開発を行うときの注意点
補助事業内容としてアプリ開発を行う経費は、ものづくり補助金を活用することができます。補助事業としてアプリ開発を行う場合には確認しておくべき注意点があります。次の3つの点をおさえていきましょう。
自社で開発したときの人件費は補助対象外
1つ目は新しいアプリを自社で開発した経費は、補助金の対象外であるということです。「事業にかかる自社の人件費(ソフトウェア開発等)」は補助金の対象とならないと公募要領に示されているので注意が必要です。
アプリ開発でものづくり補助金を活用するには、企業への外注が基本になります。
補助事業実施期間中に開発を終える必要がある
2つ目に、補助事業内容実施期間中にアプリ開発を終える必要があることです。
ものづくり補助金を活用した補助事業は期間が定められており、期間外の経費が補助金対象外になります。特にアプリ開発は社外の企業に外注するので、開発期間の入念な打ち合わせとスケジューリングを行い、補助事業実施期間内にアプリ開発を終えられるようにしましょう。
補助金の振り込みは事業完了後となる
3つ目の注意点は、補助金という特性上、資金は後払いになることです。
開発段階では、開発経費は自己負担または銀行からの借り入れ状態になるので、開発半ばで資金不足に陥らないようしっかりとした資金調達計画が必要になります。
ものづくり補助金を活用したアプリの開発がおすすめな理由
自社のアプリ開発というとハードルが高いイメージがありますが、実はものづくり補助金を活用するのにアプリ開発はおすすめです。その理由を2つあげていきます。
デジタル技術を活用した事業は採択されやすい
まず1つ目の理由は、ものづくり補助金ではデジタル技術を活用した補助事業計画は採択されやすいからです。ものづくり補助金の審査項目・加点項目にデジタル技術の記述があります。
先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(17次締切分)
とあり、先端的デジタル技術の活用はものづくり補助金の審査・加点に有利に働きます。そのためデジタル技術を活用するアプリ開発事業は採択されやすい傾向にあるのです。
開発費用は高額となる
アプリ開発は基本エンジニアが在籍している制作会社に外注を依頼することになります。アプリ開発の金額は、人件費と開発期間で決まります。
人件費の月額単価は60万〜160万円、開発期間は3か月から10か月以上と開発するアプリの種類で大きく異なります。
それだけアプリ開発は開発の委託先企業、依頼内容や開発期間によって高額になることは確認しておきましょう。
アプリ開発で補助金の活用をお考えの方、まずは無料相談へ!
これまでの内容で、アプリ開発にものづくり補助金が活用できることは分かったと思います。
INU株式会社では、過去の経験を通じて数多くの事業者様の申請支援を行ってまいりました。これまでの実績から得た「採択されるためのポイント」やINU株式会社の強みであるシステム関連のノウハウを活かし、今後も事業者様の更なる事業拡大をサポートしてまいります。
INU株式会社では、事業者様向けにものづくり補助金の申請支援を行っております。ものづくり補助金の申請支援サービスは次のような特徴があります。
・他者ではあり得ない90%の高採択率
・全国各地どこでも可能、オンラインで全国対応
・事業計画を通じて、お客様の強みを言語化
無料相談も行っているため、事業者様で「アプリ開発で補助金が使えるか?」「採択率を高めるにはどうしたら良いか?」といった悩みがあるような方がいましたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
ものづくり補助金を活用し、アプリ開発をすることは可能です。インターネットやスマートフォンアプリを活用した新しいビジネスは、中小企業の新事業展開につながり売り上げ増加に貢献します。ただしアプリをゼロから開発しようとすると費用が高額になるため、ものづくり補助金の活用がおすすめです。