【2024.2】ものづくり補助金でのつなぎ融資はなぜ必要なのか?流れやポイントを徹底解説
大きな金額を受け取れることから非常に便利なものづくり補助金ですが、補助金の振込は後払いとなることから、資金繰りに関する計画を立案しなければいけないことを知っていましたか?
自己資金でものづくり補助金の振込までの支払いを賄えない事業者は、つなぎ融資を行う必要があります。この記事では、つなぎ融資の借入先やつなぎ融資を獲得するときのポイントについて解説していきます。
- つなぎ融資について理解できる
- ものづくり補助金のつなぎ融資を獲得するポイントが分かる
ものづくり補助金の流れとつなぎ融資が必要な理由
ものづくり補助金の流れ
引用:経済産業省公式サイト
上の図はものづくり補助金の全体の流れを示しています。
この図が示しているように、ものづくり補助金の受取りは交付申請、補助事業の実施を経てからとなり、採択発表からおよそ1年後となっています。
つまり、補助事業実施期間中の支払いをまずは行わなければいけないということです。自己資金が潤沢にある場合は、自己資金で諸経費の支払いを行えば良いのですが、支出を賄うほどの自己資金がない場合には、つなぎ融資を利用する必要があります。
ものづくり補助金でトラブルとなるケース
ものづくり補助金に採択されたものの、前払いの資金を調達することができなかったことにより、ものづくり補助金の採択を取り下げるというケースは実際にありますが、ものづくり補助金を支援機関に依頼していた場合には報酬をめぐってトラブルとなるケースがあるようです。
ものづくり補助金の支援機関は成功報酬体系で支援している機関が多く、成功報酬は採択発表後に請求されます。この際に契約次第ではものづくり補助金を取り消したにもかかわらず、成功報酬を支払わなければならないというケースがあるのです。
事業者がこのような事例を想定しておらず、請求された際にトラブルとなってしまうケースがよくあるため、つなぎ融資等で確実に資金を賄うことが必要となってきます。
ものづくり補助金のつなぎ融資の借入先
ものづくり補助金のつなぎ融資の主要な借入先を紹介します。
メインバンク
ものづくり補助金のつなぎ融資が必要な場合にまず相談するべきなのは、普段から取引をしているメインバンクでしょう。メインバンクは事業者のことをよく理解しており、経営体制に問題がない場合は、補助金振込時に返済することが可能とみなして借り入れを行ってくれるでしょう。
ものづくり補助金のつなぎ融資が必要なことがあらかじめわかっている場合は、ものづくり補助金に申請することを検討する段階からメインバンクに相談するようにしましょう。
POファイナンス
財務体制が盤石ではない場合には、POファイナンスを検討すると良いでしょう。ものづくり補助金におけるPOファイナンスとは、ものづくり補助金の交付決定情報を電子記録債券化して、これらを担保として金融機関から借入を行うシステムのことです。
POファイナンスは低金利でスピーディーに借入を行うことが可能なので、メインバンクからのつなぎ融資借入が難しかった場合はPOファイナンスの利用を検討してみても良いでしょう。
日本政策金融金庫
政府金融機関である日本政策金融金庫もつなぎ融資の候補先のひとつです。
ものづくり補助金のつなぎ融資を獲得するポイント
ものづくり補助金のつなぎ融資を獲得するポイントを紹介します。
財務状況が良い
自己資本比率や流動比率の高さなど、財務状況の健全性をアピールすることができればつなぎ融資の獲得の可能性が高まります。一朝一夕にしてこれらを改善することはできませんが、常に収益性の改善やコストカットなどで企業の財務状況をよくする努力が必要です。
既存事業の収益性が高い
既存事業が確固たる利益を出している場合には、返済能力があると判断され、つなぎ融資の獲得の可能性が高まります。安定した売上を出している、大口の取引先が安定的にいるといった要因も評価されるでしょう。
新規事業の収益性の高さが見込まれる
当然ながら借入金を使って行う新規事業の収益性の高さもポイントとなります。新規事業による効果や既存事業とのシナジーなどを明確に説明できると良いでしょう。
ものづくり補助金に申請するための事業計画書は、あくまで採択を第一の目的としているため、場合によっては金融機関に提出するための事業計画書を新たに作成するのも一つの手段でしょう。
まとめ
この記事では、ものづくり補助金のつなぎ融資が必要となる理由とつなぎ融資の借入先などについて解説してきました。
繰り返しになりますが、ものづくり補助金の振込は事業実施の後です。ものづくり補助金を活用した事業を行った結果、資金繰りが苦しくなる、といった状況を避けるためにもつなぎ融資の利用を早い段階から検討することが重要です。