事業再構築補助金の申請には労働者名簿という書類が必要です。実際に書類不備で不採択となっている事業者も多いため、労働者名簿を含めた書類は全て正確に作成しなくてはなりません。しかし、労働者名簿をどのように書けば良いのかわからない方も多いでしょう。
今回は、事業再構築補助金申請に必要な労働者名簿の作成方法と注意点について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
労働者名簿について解説する前に、事業再構築補助金の概要について解説します。
事業再構築補助金は、コロナ禍で経営が厳しきなってしまった中小企業(個人事業主を含む)、中堅企業が新たに事業を始める際、政府から補助金を支援してくれる制度のことです。新規事業に必要な多額のお金を基本的に返済なしで受け取ることができるので、人気がある補助金です。
補助金に申請する際は労働者名簿をはじめ様々な書類や、事業に関する詳細を示した事業計画書が必要です。申請すれば必ず補助金を受け取れるわけではなく、事務局による審査に通過した事業者のみが補助金を受け取ることができます。
では、事業再構築補助金の申請で必要な労働者名簿とはどんなものでしょうか。以下で解説します。
労働者名簿とは、事業者に所属する従業員の氏名や生年月日等のデータをまとめた書類のことを言います。
労働者を雇っている事業者は、必ず労働者名簿を作成しなければならないと労働基準法第107条で定められています。従業員数と合致する労働者全員のデータが載った労働者名簿を作成することが求められており、事業者はこれらの労働者名簿を保管することも義務付けられています。
労働者名簿は、従業員が一人でもいれば必ず作成しなければならないと法律で定められています。アルバイトも労働者名簿作成の対象となっているため、アルバイトを一人だけ雇ったという場合にも従業員数に含まれ、労働者名簿は作成しなければなりません。
企業の規模は問わず、個人事業主であっても作成が義務付けられており、違反した場合には罰則も適用されてしまいます。事業再構築補助金の申請の有無に関わらず、労働者名簿は必ず作成するようにしましょう。
労働者名簿は、事業再構築補助金を使用するどのタイミングで必要なのでしょうか。また、申請する場合は全員が必要なのかどうかについても解説します。
事業再構築補助金には様々な応募枠がありますが、労働者名簿は事業再構築補助金のどの枠に応募する際にも必要です。以前の公募回では労働者名簿の提出が不要となっている回もありましたが、一番最近に募集されていた第12回公募では全ての枠での提出が必要でした。
※現在、第12回公募はすでに募集終了済みです。
事業再構築補助金に応募する際は従業員数を確認し、労働者名簿を必ず用意するようにしましょう。
事業再構築補助金の労働者名簿は、事業再構築補助金に申請する際に提出が必要です。電子申請フォームに決められた様式で添付しましょう。また、労働者名簿は書類のタイトルを「労働者名簿の写し(事業者名)」として提出しましょう。
事業再構築補助金申請時に労働者名簿が必要なのはわかったけれど、何か決められたフォーマットや様式があるのか気になる方もいるでしょう。以下で説明します。
事業再構築補助金の労働者名簿のフォーマットはある?
労働者名簿について、事業再構築補助金の公式ホームページ内でダウンロードできるような指定のフォーマットはありません。
「認定経営革新等支援機関による確認書」などはダウンロードできるフォーマットがあるので、それを使用すれば良いですが、労働者名簿にはフォーマットがないため自身でエクセル等を使って作成する必要があります。
労働者名簿のフォーマットはないため、自身で一から作成する必要がありますが、その際には事業再構築補助金の公式が公表している労働者名簿を参考にするのがおすすめです。
事業再構築補助金の公式ホームページのよくある申請の不備についてというタブ内にある「よくある電子申請の不備」というリンクをクリックして表示される資料に参考様式が載っているので、確認してみてくださいね。
以下では、労働者名簿に記載すべき項目を確認していきます。
事業再構築補助金で提出する労働者名簿は、法律で作成することが求められている労働者名簿とはやや異なります。
事業再構築補助金で提出が求められている労働者名簿は、従業員数に見合った従業員の一覧をまとめているのに対して、法律で作成することが求められている労働者名簿は、従業員一人につき一枚作成することが必要です。そのため、事業再構築補助金の申請時に必要な労働者名簿のほうが簡易的と言えるでしょう。
事業再構築補助金の労働者名簿に記載すべき項目は以下です。
通常の労働者名簿では社内での履歴や住所なども記載する必要がありますが、事業再構築補助金では公式の様式を参考に作成すれば良いため、上記の項目を記載すれば十分でしょう。
労働者といっても、正社員やアルバイト、日雇い労働者と様々で、どこまでの労働者を労働者名簿に記載すれば良いか迷ってしまうでしょう。
上記で示したように、労働者名簿に乗せるべきなのは「正社員」と「パート・アルバイト」です。「日雇い労働者」、「派遣労働者」、「役員・代表者」は掲載する必要がありません。以下でそれぞれ解説します。
労働者名簿に載せる必要がある労働者の一人目が、正社員です。事業所内の正社員の情報は漏れなく必ず載せるようにしましょう。
ここは特に注意が必要な点ですが、事業再構築補助金の労働者名簿にはパート・アルバイトの情報も記載する必要があります。
労働者名簿の対象者に雇用形態に関係なく「雇用している従業員全員」となっているため、パートやアルバイトという形態で雇用している労働者も記載の対象です。
事業再構築補助金の労働者名簿に載せてはいけない労働者の一人目が、日雇い労働者です。
パートやアルバイトといった一定期間の労働することが決まっている労働者は労働者名簿に記載する必要がありますが、日雇い労働者は1日単位のスポットでの労働者であるため従業員数に含まれず、労働者名簿に記載してはいけないので注意が必要です。
また、派遣労働者も労働者名簿に記載しないように注意しましょう。
派遣労働者は、派遣会社との雇用関係を結んでいるのであって、自社との雇用関係を結んでいるわけではないからです。派遣労働者に従事してもらっている事業所は従業員数に含まれないため、労働者名簿に記載しないように注意しましょう。
役員や代表者も労働者名簿に記載してはいけません。
役員・代表者は雇用されている労働者ではないため、従業員数に含まれません。
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事業再構築補助金の労働者名簿は、事業再構築補助金の公式ホームページにある様式を参考に作成すれば大丈夫ですが、重要なポイントをいくつかピックアップして紹介します。
一つ目が、労働者名簿の一番上に「労働者名簿」という表題を記載することです。
目立つ位置に目立つ大きさでこの表題を必ず記載するようにしましょう。なお、提出する書類のファイル名は「労働者名簿の写し(事業者名)」とすることにも注意しましょう。
労働者名簿を作成する際には、労働者の左に「No.1」「No.2」のように、数字を記載した表を作成するようにしましょう。そして、ナンバーと従業員数が合致するか必ず確認してください。
労働者名簿は会社だけでなく個人事業主も提出が必要な書類です。
そもそも法律上、企業規模や会社、個人事業主に関わらず一人でも労働者を雇用する場合は労働者名簿の作成が義務付けられています。個人事業主が事業再構築補助金に申請する際も必ず、申請時は労働者名簿を提出するようにしましょう。
第12回公募対応「採択率を上げるポイントがわかる事業再構築補助金事業計画書作成マニュアル」
事業再構築補助金の申請において労働者名簿は提出が必要な書類ですが、労働者がいない場合はどうすればよいのでしょうか。
その答えとしては、従業員がいない旨を記載した書類を添付することです。こちらの様式については特に定められていないため、wordなどを使用してテキストベースで簡単に作成すれば良いでしょう。
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この記事では、事業再構築補助金の申請に必要な労働者名簿の作成の仕方やその注意点について解説してきました。
書類不備による不採択というのは意外と多いため、不備がないように労働者名簿を作成しましょう。その他の申請書類についても必ず最終確認をしてから提出するのがおすすめです。