【2024.2】事業再構築補助金の加点と取得方法について解説

事業再構築補助金の加点と取得方法について解説

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

事業再構築補助金の加点は、事業計画書と並んで採択の可否を決定する要因となるので重要です。しかし「どんな加点項目があるのかわからない」「どのように加点を取れるのかわからない」という人も多くいるでしょう。

この記事では、事業再構築補助金の加点項目をその具体的な取得方法とともに解説していきます。

この記事の目次

事業再構築補助金の加点とは?

事業再構築補助金の加点とは?

事業再構築補助金の加点とは、採択を決める審査の際に審査に有利となる要因のことです。この記事で説明するような特定の条件を満たした事業者に加点が与えられます。

事業再構築補助金の採択の可否は事業計画書に基づいて審査されますが、加点があることによって採択の可能性が高まります。

事業再構築補助金に関して加点がどの程度採択率に影響を与えるかを示したデータはありません。しかし、参考としてものづくり補助金では加点項目が増えるほど採択率が顕著に増加しているというデータが公表されています。

ものづくり補助金加点項目
(参照)ものづくり補助金総合サイト

第12回公募対応「採択率を上げるポイントがわかる事業再構築補助金事業計画書作成マニュアル」

事業者ごとに使える事業再構築補助金の加点のまとめ

事業者ごとに使える可能性のある事業再構築補助金の加点を簡単にまとめてみました。各加点項目の詳しい内容については次の章を確認してみてください。

成長枠に応募するなら?

①大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点

③経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点

④パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点

⑨大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点

最低賃金枠に応募するなら?

②最低賃金枠申請事業者に対する加点

会社の規模が大きいなら?

⑥特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点

大規模賃金引上枠、グリーン成長枠に応募するなら?

④パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点

再生事業者なら?

⑤事業再生を行う者に対する加点

複数の事業者で連携して事業再構築補助金に申請するなら?

⑦サプライチェーン加点

事業再構築補助金の加点項目と取得方法

事業再構築補助金における各加点項目とその取得方法について解説していきます。事業再構築補助金における加点項目は全部で10あります。(第10回公募)

①大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点

2022 年1月以降のいずれかの月の売上高が耐2019~2021年の同月比で 30%以上減少していること(又は、2022年1月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2019~2021年同月比で 45%以上減少していること)。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

簡単にいうとコロナの影響により売上が30%以上減少した事業者に対して与えられる加点です。単月の比較でよいので、多くの事業者が本要件を満たしていると考えられます。

法人事業概況説明書で月別の売上高を確認して、本要件を満たす月がないか確認してみましょう。付加価値を用いることも可能ですが、その場合は減少率が45%以上となる点に注意が必要です。

取得方法

電子申請時に以下の書類を添付することで加点を取得することができます。売上高等減少要件を示す際と同様に法人の場合は法人事業概況説明書、個人事業主の場合は青色申告決算書などを利用すれば良いでしょう。

2022年1月以降のいずれかの月の売上高が対2019~2021年の同月比で30%以上減少していること(又は、2022年1月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2019~2021年の同月比で45%以上減少していること)を示す書類

事業再構築補助金公募要領(第10回)

②最低賃金枠申請事業者に対する加点

指定の要件を満たし、最低賃金枠に申請すること。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

2つ目の加点が「最低賃金枠申請事業者に対する加点」です。この加点は、最低賃金枠の要件を満たして申請するだけで取得することができます。

最低賃金枠の採択率は、全体の採択率と比較すると、比較的高い採択率となっています。

③経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点

データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行う EBPM の取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

EBPMとは?

EBPMとは、エビデンス・ペースト・ポリシー・メイキングすなわち証拠に基づく政策立案の略で、政策の立案をエビデンスに基づいて行うという考え方のことです。

事業再構築補助金の効果を事業者の財務状況等のエビデンスに基づいて評価しようという目的のもとこの加点項目が作られたと考えられます。

EBPMの取組への協力とは?

EBPMへの取組の協力が具体的に何をさすのかは公表されていませんが、ミラサポplus等で事業財務状況を入力することなどが求められるでしょう。

取得方法

この加点を取得するには、電子申請時にチェックマークを入れるだけです。申請時に書類等を作成・提出する必要はありません。

④パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点

「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp)に おいて宣言を公表している事業者。(応募締切日時点)

事業再構築補助金公募要領(第10回)

4つ目の加点はパートナーシップ構築宣言ですが、この加点は成長枠、グリーン成長枠のみが対象となっています。

パートナーシップ構築宣言とは次の内容を目的としたものです。

1.サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携
2.親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守を宣言し、本ポータルサイトに掲載することで、各企業の取組の「見える化」を行います。

パートナーシップ構築宣言ポータルサイト

取得方法

パートナーシップ構築宣言は、パートナーシップ構築宣言ポータルサイトより宣言を行います。本サイトの登録方法に従って宣言を行いましょう。

加点を獲得するには事業再構築補助金の締切日までに宣言が完了している必要があり、宣言が認められるまでには数日かかることもあるので早めの宣言をおすすめします。

⑤事業再生を行う者(以下「再生事業者」という。)に対する加点

中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受けており(※1)、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。

(1) 再生計画等を「策定中」の者※2

(2) 再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和2年7月1日以 降)に再生計画等が成立等した者

事業再構築補助金公募要領(第10回)

中小企業活性化協議会等からの支援を受けており、事業再生を行っている再生事業者は加点を受けることができます。

取得方法

再生事業者に対する加点は、次の書類を提出することによって取得することができます。

​​中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受けており、応募申請時において以下のいずれかに該当することを証明する書類
(1) 再生計画等を「策定中」の者
(2) 再生計画等を「策定済」かつ公募終了日から遡って3年以内に再生計画等が 成立等した者

事業再構築補助金公募要領(第10回)

⑥特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点

以下のいずれかに該当し、2.補助対象者に記載のある【中小企業者】及び【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】に該当しないこと。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

この要件は、①ある程度規模の大きい事業者または②組合に対する加点です。ここでは①について解説します。

「以下のいずれかに該当し」の要件は従業員数が以下の表の数字以下となるかつ、資本金額が10億円以下の事業者のことです。

事業再構築補助金 特定事業者

中小企業者とは以下の図の定義を満たす事業者のことです。

事業再構築補助金 特定事業者

よって、この加点を得るためには以下の二つの条件を満たす必要があります。
・資本金額が「中小企業者」の資本金額より大きい
・従業員数が「中小企業者」より多く要件の数値以下となる

例えば製造業の場合、次の要件を満たすことによって加点を得ることができます。
・資本金額が3億円より大きい
・従業員数が301〜500人

⑦サプライチェーン加点

複数の事業者が連携して事業に取り組む場合であって、同じサプライチェーンに属する事業者が、以下を満たし、連携して申請すること。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

この加点項目は複数の事業者が連携して事業再構築補助金に申請する場合に受け取ることができる加点で、事業者単体で申請する際に取得することはできません。

取得方法

以下の説明のように、同じサプライチェーンに属することを証明する書類を提出するとともに、電子申請時にチェックマークを入れることで取得することができます。

・直近 1 年間の連携体の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類(※)につい て、決算書や売上台帳などの証憑とともに提出すること。 ・電子申請の際、該当箇所にチェックをすること。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

⑧健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点

令和 4 年度に健康経営優良法人に認定されていること。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

この加点は、健康経営度の高い事業者に認定されていることで評価される加点です。

取得方法

この加点を取得するには健康経営優良法人認定事務局ポータルサイトよりご確認ください。

⑨大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点

事業実施期間終了後3~5 年で以下の基準以上の賃上げを実施すること(賃上げ幅が
大きいほど追加で加点)。

事業再構築補助金公募要領(第10回)

この加点は、成長枠・グリーン成長枠が対象となる加点で、賃上げ幅が大きいほど追加で加点されます。1.給与支給総額年率平均3%
2.給与支給総額年率平均4%
3.給与支給総額年率平均5%

⑩ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点

応募申請時点で、以下のいずれかに該当すること。

  1. 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定
    (えるぼし1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けて
    いる者又は従業員数 100 人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性
    活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
    ※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」
    (https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)
  2. 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん
    又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者又は従業員数 100 人以下であ
    って、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づ
    く一般事業主行動計画を公表している者
    ※厚生労働省「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」
    (https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/search_int.php)
事業再構築補助金公募要領(第10回)

ワーク・ライフ・バランスへの配慮がどこまでされているか等によって加点される項目です。上記にある「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定」または「次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定」に該当するかどうか、それぞれご確認ください。

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まとめ

この記事では事業再構築補助金第10 回公募における加点項目について説明してきました。加点項目は公募回ごとに変わることが多いため、常に最新のものをチェックすると良いでしょう。加点により採択率を上げることが可能なので、申請前は必ず加点要件を満たしているか確認できると良いですね。

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