「事業再構築補助金の申請代行支援サービスの選び方のポイント」はこちら
※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

自社の成長を目指して大規模な投資を計画しているものの、「どの経費が補助金の対象になるのか分からない」と悩んでいませんか?また、「補助金を活用して効率よく事業を拡大したいけれど、具体的な対象条件や手続きが気になる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そうした事業者の皆さんに向けて、中堅・中小成長投資補助金の対象となる経費の詳細や、補助金を活用して事業拡大を効率的に進める方法について、分かりやすく解説します。

監修者
松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。
経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
・UPSIDERお役立ち記事にて記事監修
中堅・中小成長投資補助金(正式名称:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、人手不足等の喫緊の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的としています。主に、生産拠点の新設や設備投資を行う際の経費の一部を補助するもので、企業の競争力向上や地域経済への波及効果を期待されています。
本補助金では、事業の規模や内容に応じて最大50億円が補助されるほか、持続的な賃上げや地域への貢献を目指す企業が特に重視されます。次に、具体的な補助金額や対象となる企業、さらには採択率について詳しく見ていきましょう。
中堅・中小成長投資補助金とは
中堅・中小成長投資補助金では、企業が行う大規模な投資に対し、上限50億円までの補助金を受け取ることができます。補助率は経費の1/3以下と設定されており、対象となる経費の規模が大きければ、それに比例して多額の補助を受けられる可能性があります。これは、他の補助金制度と比較しても高額な支援が特徴であり、企業の大きな成長機会となるでしょう。
また、補助金を受け取るには、単に経費を申請するだけでなく、一定の要件を満たす必要があります。例えば、投資額が10億円以上(税抜き。外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)であることや、補助事業終了後3年間の補助事業に関わる従業員及び役員の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が4.5%以上であることが求められます。これにより、企業の成長だけでなく、地域経済や従業員の生活改善にも貢献する仕組みとなっています。
なお、申請書の中で補助率1/4を適用した事業採択も許容された事業者については、本来の採択基準に満たない場合においても追加的な採択を行う可能性があります。
中堅・中小成長投資補助金を受け取れるのは、日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有し、常時使用する従業員数が2,000人以下の会社又は個人等です。また、法人格を持つ組合や協同組合なども、政策目的に沿った補助事業であり、その補助事業が収益事業に関する内容である場合、補助対象者となります。
本補助金では、共同申請(コンソーシアム形式)も認められており、複数の中堅・中小企業が協力して事業を進める場合にも補助対象となります。コンソーシアム形式では、全ての参加者がそれぞれ賃上げ要件を満たす必要があります。
ただし、以下のような企業は対象外となるため注意が必要です。
常時使用する従業員が2,000人を超える企業や、大企業に支配的な影響を受ける企業は対象外です。具体的には、発行済株式の総数又は出資金額の2分の1以上が同一の大企業の所有に属している法人、発行済株式の総数又は出資金額の3分の2以上が複数の大企業の所有に属している法人、大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている法人などが該当します。
農業、林業、漁業といった一次産業を主たる事業とする企業は補助の対象外ですが、これらの産業をベースに加工業や販売業などの二次・三次産業へ進出する場合は対象になる可能性があります。
補助金を申請する際には、企業全体の経営状況や成長性が審査されます。補助事業が単なる投資で終わらず、具体的な成果につながるかどうか、従業員の賃金上昇や地域への波及効果が見込まれるかどうかが重要な評価ポイントとなります。
中堅・中小成長投資補助金は非常に競争が激しく、採択率も低い厳しい状況にあります。直近の2024年11月時点で実施された第2次公募では、605件の有効申請のうち一次審査を通過してプレゼンテーション(二次審査)に進めたのは218件。その中からさらに厳しい選考を経て、最終的に追加採択を含め85件が採択されました。この結果、全体の採択率は約14%となり、高い基準で審査が行われていることが明らかです。
また、採択された事業者の平均投資予定額が約44億円(上限額は50億円)、平均目標賃上げ率の中央値が5.4%と高水準であることからも、採択には事業計画の規模や具体性が重要であることがわかります。特に、計画の実現可能性や目標水準の高さが審査の大きなポイントとなっています。
さらに、第2次公募では、プレゼンテーション審査に進めなかった事業者の中から令和6年度分の補助金交付申請を対象に30件が追加採択されました。このような追加採択の仕組みを活用することで、再挑戦の機会が得られる場合もあります。
中堅・中小成長投資補助金は、事業規模の拡大や持続的な賃上げ、地域社会への貢献を目指す企業にとって貴重な機会です。採択率の低さにひるむことなく、十分な準備を整えて挑戦することで、大きな成果を手にする可能性を広げることができます。
中堅・中小成長投資補助金では、事業規模の拡大や生産性向上を図るために必要な費用が対象経費として定められています。対象となる経費は、設備の新設や改善、事業運営に必要なシステムの導入など、多岐にわたる経費で【建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費】です。
なお、外注費及び専門家経費の合計額は、建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合計額未満である必要があります。これらの対象経費について、具体的な内容や注意点を詳しく解説します。
中堅・中小成長投資補助金の対象経費
建物費は、中堅・中小成長投資補助金の対象経費の中でも重要な項目の一つです。これは、専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他成長投資計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費が対象となります。
具体的には、建設費(事業のために新たに建設する建物の工事費用)、改修費(既存の建物を改修して事業用途に適合させるための費用)、建物附属設備費(建物に付随して設置される設備の設置費用)、付帯工事費(土地造成や建物に必要な周辺整備工事の費用)などが含まれます。
ただし、補助金の対象とならない費用もありますので注意が必要です。例えば、土地の購入費用、建物の単なる購入や賃貸にかかる費用、塀やフェンス、広告塔などの構築物に関する費用、建物の撤去や解体費用などは対象外です。
建物費活用の注意点として、建物費が補助対象となるためには、投資の目的が事業計画に合致し、その建物が補助事業専用として使用されることが条件となります。また、対象となる経費は単価が100万円(税抜き)以上である必要があり、これを証明するための証拠書類を提出しなければなりません。さらに、契約においては一般競争入札や相見積もりを実施し、公正な価格での契約が求められます。
建物費は、事業の基盤となるインフラを整備するために必要不可欠な費用です。適切に計画を立て、補助金の活用で事業運営を効率化しましょう。
機械装置費は、中堅・中小成長投資補助金で対象となる主要な経費の一つです。機械装置費は、専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費、及びこれらと一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費が含まれます。企業が設備投資を行い、競争力を高めるために重要な役割を果たします。
具体的には、機械装置の購入費(生産機械や加工装置、測定器具、検査装置などの購入費用)、製作費(企業のニーズに応じた特注機械装置の製作にかかる費用)、据付費(購入した機械装置を設置するための費用)、改良・修繕費(新たに導入する機械装置の機能を高めるための改良や修繕費用)、運搬費(機械装置の輸送や搬入にかかる費用)などが該当します。
補助金の対象外となる費用には、すでに所有している機械装置の改良や修繕費用が含まれます。また、車両や運搬具、船舶、航空機などの購入費も補助対象外です。生産活動に直接関係のない設備も補助の対象とはなりません。
機械装置が補助対象となるためには、単価が100万円(税抜き)以上であることが条件です。購入時には、公正な価格で契約を結ぶために、複数の業者から相見積もりを取得することが求められます。中古設備を購入する場合は、信頼できる業者から型式や年式が明記された見積書を取得する必要があります。また、リース設備については、リース会社と共同で申請を行うことで補助を受けることが可能です。
機械装置費の補助を活用することで、企業は最新設備の導入が可能となり、生産効率の向上やコスト削減を実現できます。また、設備の高度化による製品品質の向上や新市場への参入にもつながるため、事業拡大の基盤となります。
ソフトウェア費は、中堅・中小成長投資補助金で対象となる経費の中でも、デジタル化や効率化を図るために欠かせない費用です。ソフトウェア費には、専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費、及びこれらと一体で行う、改良・修繕に要する経費が含まれます。企業が新しい技術やデジタルツールを導入する際の大きな支援となります。
具体的には、専用ソフトウェアの購入費(業務効率化や生産性向上を目的としたソフトウェアの購入費用)、情報システムの構築費(業務システムや生産管理システムの設計・開発にかかる費用)、クラウドサービス利用費(クラウドベースのソフトウェアやストレージサービスの利用費用)、改良・修繕費(新規導入したソフトウェアの機能強化やシステムの修繕費用)などが該当します。
ソフトウェア費では、事業者の他事業と共有して使用するソフトウェアやシステムの費用が補助対象外です。また、パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどの本体費用、すでに使用しているソフトウェアの改良や修繕にかかる費用も補助の対象外です。
注意点として、補助対象となるソフトウェアやシステムは、単価が100万円(税抜き)以上のものに限られます。クラウドサービスの場合、契約期間が補助事業期間を超える場合には、分割計算により補助事業期間内の費用のみが対象となります。さらに、サーバー利用料や通信料といった経費が補助対象に含まれる場合もありますが、これには証拠書類の提出が求められます。加えて、相見積もりを行い、価格の妥当性を示すことが必要です。
ソフトウェア費の補助を活用することで、企業は業務のデジタル化を加速させ、生産性の向上やコスト削減を実現できます。また、クラウドサービスや新たな情報システムの導入により、データの一元管理や効率的な業務運営が可能になります。これにより、競争力を強化し、事業の拡大を図るための基盤を整えることができます。
外注費は補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費を補助対象としています。外注費は、補助事業の目的を達成するために、企業の内部リソースでは対応できない専門性や労働力を外部から調達する場合に活用されます。
具体的には、加工費(製品や部品の加工を外部企業に委託する際の費用)、設計費(事業計画に基づき、製品やシステムの設計を外部に依頼する際の費用)、検査費(製品や設備の品質検査を外注する際の費用)、プログラム開発費(システムやソフトウェアの一部を外部開発会社に委託する際の費用)などが認められます。
ただし、事業者が行わなければならない申請などの基本業務を単に代行する場合の費用については、外注として認められず補助対象外となります。また、機械装置やシステムを外注先が購入する費用も補助対象外です。さらに、外部販売やレンタルを目的とした製品の量産加工費についても、補助事業の目的に合致しない場合は対象外となります。
外注費を計上する際には、外注先との正式な契約書を作成することが必須である点に注意してください。また契約金額が一定以上(外注費が50万円(税抜き)以上)である場合には、相見積もりを取得し、価格の適正を証明する必要があります。外注費用の支払いは、銀行振込など公正な取引方法であることが好ましく、現金払いなどは補助対象外とされる可能性があるため注意が必要です。
専門家経費は、補助事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費です。
具体的には、コンサルティング費用(事業計画の実施や改善に向けた助言や指導を依頼する際の費用)、技術指導費(特定の技術やノウハウに関する指導を専門家から受ける際の費用)、講演・研修費(事業に関連した研修や講演を依頼する際の費用)、旅費(専門家が事業実施場所を訪問する際に発生する交通費や宿泊費)などが計上できます。
専門家経費として補助対象外となる費用には、事業計画作成時に発生する経費や、補助事業の遂行に直接関連しない指導や助言の費用、また一般的な事務作業や手続き代行のための費用が含まれます。
専門家経費を補助対象とするためには、正式な契約書や見積書を用意し、複数の見積書を取得することが求められます。専門家の日当や時間単価は適正に設定する必要があり、その目安として、大学教授や弁護士、公認会計士などは1日5万円以内、准教授や中小企業診断士は1日4万円以内、その他の専門家は1日2万円以内(いずれも消費税抜き)が基準となります。また、専門家の旅費については、事務局が定める「旅費支給に関する基準」に従いましょう。
中堅・中小成長投資補助金では、補助金の適正な使用を確保するため、特定の経費は補助対象外とされています。以下に補助対象外となる主な経費の概要を示します。
事業に合致しない経費
補助事業期間中に販売を目的とした製品や商品の生産に関連しない経費
再生可能エネルギーの売電を行う発電設備やそれに不可分な附属設備(例:ソーラーパネル)
文房具
事務用品
新聞代
雑誌購読料
団体会費などの消耗品
飲食
奢侈品
接待
娯楽などの費用
家賃
保証金
敷金
仲介手数料
光熱水費
電話代
インターネット利用料金(クラウドサービスに含まれる付帯経費を除く)
車両購入費(公道を走行しない事業用車両など特定の例外を除く)
修理費
車検費用
自社の人件費(例:ソフトウェア開発費)
税務申告や決算書作成にかかる費用
弁護士費用
収入印紙代
振込手数料
両替手数料
などが対象外となります。
補助金の対象とならない経費
同一法人内の部署間取引やみなし同一法人間の支払い(例:親会社・子会社間)
適正性が明確でない中古品の購入(例:型式や年式が記載された相見積もりがない場合)
汎用性があり目的外使用が想定されるもの(例:事務用パソコン、タブレット、スマートフォン)
公租公課(消費税など)
支払利息や遅延損害金
地域未来投資促進税制など特定の税制優遇を受ける設備
報告書や申請書作成に係る費用
などが対象外となります。
前述した補助対象外となる経費を事前に把握し、適切に申請を行うことが重要です。補助金の活用を検討する際には、自社の事業計画が補助金の趣旨に適合しているかを確認し、補助対象外となる経費を含まないよう注意しましょう。
中堅・中小成長投資補助金を活用する際には、相見積もりによる価格の妥当性の証明や、対象外とされる税金や消耗品に関する細かいルールが厳格に適用されます。これらの条件を守らないと、補助金が認められなかったり、申請段階で不備を指摘されたりする可能性があります。以下では、補助対象経費に関する具体的なポイントや申請時に注意すべき点を詳しく解説します。
中堅・中小成長投資補助金の対象経費に関する注意点
中堅・中小成長投資補助金では、申請時に記載した経費が必ずしも補助対象として認められるわけではありません。審査段階で、補助事業の目的に適合しているか、また必要性が明確であるかが精査されます。
補助金の対象となる経費は、補助事業期間内に発注され、使用が確認できるものである必要があります。例えば、交付決定前に契約や支払いが行われた経費は対象外となります。また、経費の使用内容や必要性を示す契約書や請求書、支払い証明書といった証拠書類が適切に整備されていることも重要です。これらが不十分である場合、経費が認められないリスクがあります。補助金を有効に活用するためには、事前に基準や要件を十分に確認し、不備がないよう慎重に準備を進めることが大切です。
中堅・中小成長投資補助金では、補助事業期間内に実際に補助事業のために使用されたものが補助対象経費となります。補助事業期間とは、交付決定日から最長で令和9年12月末までの期間を指し、この期間外に発生した経費は補助の対象外です。なので、交付決定前に支払いが行われた経費や、補助事業期間終了後に発生した経費は対象外とみなされます。
補助金が対象となる経費は、使用目的が補助事業に直接結びついていることが明確である必要があります。具体的には、建物の新設費や機械装置の導入費など、補助事業の目的に合致するものであることが求められます。経費が補助事業のために使用されたことを証明するための契約書、納品書、請求書、支払い証明書などの関連書類を適切に保管し提出に備えましょう。
中堅・中小成長投資補助金では、補助対象経費の適正性を確保するために、相見積もりを取得することが求められます。これは、複数の事業者から見積書を取得し、それらを比較することで、最適な価格で契約を行うための手続きです。以下に、相見積もりの注意点をまとめます。
取得する見積書の数について、高額な経費(建物費、機械装置費、ソフトウェア費など)については、原則として3社以上から見積もりを取得する必要があります。
条件の統一として、各事業者に依頼する際は、同一の条件(仕様、数量、納期など)で見積もりを依頼してください。
選定理由の明確化として、最安値の業者を選定しない場合は、その理由を説明する書類を準備する必要があります。価格だけでなく、品質や納期の条件などを総合的に考慮した選定が可能です。
証拠書類の提出として、見積書の写しや選定理由を説明する書類など、適切な記録を審査時に提出できるよう準備しておきましょう。
相見積もりを取らない場合の対応として、特殊な理由により相見積もりを取らない場合は、その理由を示す文書を作成し、価格が妥当であることを示す他の証拠を整備する必要があります。相見積もりを取得することは、補助事業の透明性と適正性を確保する重要な手続きです。複数の事業者から相見積もりを取得するには思いの外時間がかかるので、早めに依頼し取得に動きましょう。
中堅・中小成長投資補助金では、公正な取引を確保するために、指名停止措置が出ている事業者への発注や契約に関する経費は補助対象外とされています。指名停止措置とは、経済産業省などの公的機関が、法令違反や不適切な取引を行った事業者に対して、一定期間公的な契約への参加を禁止する措置を指します。
補助金の申請者がこうした事業者と契約を行った場合、事業経費は補助金の対象外とされるだけでなく、審査過程で問題視される可能性もあります。
補助金を適切に活用するためには、発注先の事業者が法令や規定を遵守していることを確認し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。契約前の十分な確認を怠らないよう注意しましょう。
中堅・中小成長投資補助金では、消費税及び地方消費税(以下「消費税等」)は補助対象経費に含まれません。補助金は、企業の純粋な投資を支援することを目的としており、消費税等は課税事業者にとって仕入控除が可能な税であるため、補助金の対象外とされています。
申請時には、すべての経費を消費税等を除いた税抜き金額で計上する必要があります。一方で、免税事業者や簡易課税事業者の場合には消費税控除が適用されないため、消費税等を含む金額が補助対象経費となる場合があります。ただし、この場合も事前の確認が必要です。
また、補助金を受け取った後に消費税の控除額が確定した場合には、速やかに事務局に報告し、必要に応じて補助金の一部を返還する義務があります。これにより、補助金の適正な運用と透明性が確保されます。
中堅・中小成長投資補助金では、申請時に計上した経費が審査過程でそのまま認められるとは限りません。事務局が経費の内容を精査し、補助金の趣旨や目的に照らして適合しないと判断した場合には、補助対象経費の見直しを要求されることがあります。
例えば、計上された経費が過剰に見積もられている場合や、補助事業に直接関係のない支出と判断される場合には、経費の削減や再計上を求められることがあります。また、提出された書類が不十分で経費の妥当性や必要性を証明できない場合も、見直しの対象となる可能性があります。
補助金の申請にあたり、事務局の指摘に柔軟に対応し、必要な修正を速やかに行うことで、補助金の適正な利用につなげることができます。見直しの可能性を想定し、計画段階から適切な経費管理を心がけましょう。
中堅・中小成長投資補助金は、原則として後払いの形式を取っています。補助金の精算が行われるのは、補助事業が完了し、その結果が確定検査で承認された後です。なお、令和7年度に実施した補助事業のうち、令和7年度中に支出した補助対象経費の補助金交付時期は、原則、令和8年度となります。
後払いの仕組みは、事業者にとって一時的な資金負担を伴うことを意味します。そのため、事業計画を立てる段階で、補助金受領までの資金繰りを十分に考慮しておくことが重要です。例えば、自己資金や融資などの調達手段を確保しておくことで、事業の遂行が滞ることを防ぐことができます。
補助金は事業完了後に支給されるという仕組みを念頭に置き、確定検査でスムーズに承認されるための適切な経費管理と書類の整備を行いましょう。
中堅・中小成長投資補助金では、事業者が事業を円滑に進められるよう、補助金の一部を事前に概算払として受け取ることが認められる場合があります。しかし、実際の補助対象経費が概算払の金額を下回った場合、その差額を返金する義務が生じます。
概算払は事業者の資金繰りを支える手段である一方、事業完了後に提出される実績報告や確定検査の結果に基づき、補助金の最終的な金額が確定します。この過程で、申請した補助対象経費が見積もりより少ないと判断された場合、支給済みの補助金との差額を返還する必要があります。具体的には、返還期限は返還命令の日から20日以内とされており、期限を過ぎると未納額に対して年利10.95%の延滞金が課されるため注意が必要です。
中堅・中小成長投資補助金は、補助事業が計画どおりに進み、補助金要件を満たしていることが確認された場合に初めて交付されます。そのため、補助事業が完了しても要件を満たしていない場合、補助金が交付されないことがあります。
補助金要件には、事業計画の達成、補助対象経費の適正な使用、賃金上昇目標の達成などが含まれます。例えば、申請時に掲げた賃金上昇率の目標(基準率4.5%以上)を達成できなかった場合や、補助事業の終了後に必要な報告書が提出されていない場合には、補助金の一部または全額が交付されないリスクがあります。
また、補助金の使用内容が事業計画と一致しない場合や、補助対象外の経費が含まれていることが判明した場合も、補助金の交付が見送られる可能性があります。
補助金を確実に受け取るためには、事業計画を慎重に立案し、進捗状況を適切に管理することが重要です。また、補助事業期間中から要件を確実に満たすよう努め、報告義務や書類の整備を怠らないことが求められます。補助金要件を達成できない場合のリスクを理解し、計画的な対応を行うことで、補助金を効果的に活用することができます。
中堅・中小成長投資補助金の申請には手間と時間がかかり、本業に集中できないとお悩みの事業者様も多いのではないでしょうか。株式会社補助金プラスの申請支援サービスなら、申請にかかる負担を大幅に削減できます。
採択に向けた事業計画書の作成、必要書類の収集サポート、事業へのアドバイスはもちろん、採択後の実績報告もオプションで対応可能です。経験豊富な専門家が申請から採択後の流れまで一貫してサポートし、これまでの採択率は90%以上の実績を誇ります。
オンライン対応のため全国各地の事業者様にご利用いただけるほか、中堅・中小成長投資補助金以外の補助金提案も可能です。今なら初回無料相談を実施しておりますので、ぜひお気軽に株式会社補助金プラスへお問い合わせください。
中堅・中小成長投資補助金は、事業規模を拡大し、生産性の向上や地域経済への貢献を目指す企業にとって、大きな支援となる制度です。ただし、補助金を効果的に活用するためには、補助対象経費の正確な理解と適切な準備が欠かせません。
本記事では、補助対象となる建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費について詳しく解説しました。特に、外注費及び専門家経費の合計額は、建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合計額未満である必要がある点や、投資額が10億円以上(税抜き。外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)であること、補助事業終了後3年間の補助事業に関わる従業員及び役員の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が4.5%以上であることなど、重要な要件を押さえておきましょう。
補助金申請を成功させるために、相見積もりの取得や必要書類の整備を怠らず、補助金要件を満たしつつ事業を推進しましょう。補助金の活用は、企業の成長を後押しする強力な手段です。本記事を参考に、自社の発展に向けて補助金を最大限に活用し、より大きな成果を実現しましょう。
