【2024.1】中小企業新事業進出補助金の募集が始まる!新たな補助金内容について徹底解説

新事業進出補助金の募集が始まる!新たな補助金内容について徹底解説

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

中小企業にとって、新分野への進出や事業展開をする際に大きな支援をしてくれる補助金制度といえば事業再構築補助金がありました。事業再構築補助金は2025年も第13回公募があると発表されましたが、その回を最後に募集は終了する見込みです。

その後、事業再構築補助金の後継補助金として出てきたのが中小企業新事業進出補助金(以下、新事業進出補助金)です。新事業進出補助金はどんな補助金なのか、事業再構築補助金とはどのような部分が異なるのかについて解説します。

この記事を読むと
  • 新事業進出補助金の内容がわかる
  • 新事業進出補助金と事業再構築補助金の違いがわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次

中小企業新事業進出補助金について

新事業進出補助金について

中小企業新事業進出補助金(以下、新事業進出補助金)は、2025年から募集が始まる補助金です。新事業進出補助金とはどのような補助金なのかを解説します。

中小企業新事業進出補助金について

新事業進出補助金の概要

新事業進出補助金とは、今後事業再構築補助金の後継補助金になると言われている補助金です。中小企業が新事業に挑戦する際に必要な設備投資等を支援してくれる補助金制度です。事業再構築補助金と同じく、中小企業、小規模事業者の新事業進出や構造転換を支援するという内容になっています。

まだ募集時期については調整中であり、現在すべての内容が発表されているわけではありませんが、おおよその内容を見ると事業再構築補助金と同じく補助金額も高い人気の補助金になると予想できます。

新事業進出補助金で受け取れる金額

新事業進出補助金について、現在補助率、補助上限金額は以下のように発表されています。

従業員数補助上限金額補助率
従業員数20人以下2,500万円(3,000万円)1/2
従業員数21~50人4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上7,000万円(9,000万円)
参照:中小企業新事業進出補助金

※補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+
6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)

事業再構築補助金の成長分野進出枠(通常類型)よりも補助上限金額が1,000万円高く設定されており、新事業進出補助金は補助金額がかなり高い補助金制度であることがわかります。また、補助下限金額が750万円と設定されていることから、採択されれば少なくともこのくらいは受け取ることができるだろうと金額に目処をつけることができます。

そもそも新事業進出補助金は既存基金が活用される予定だと言われており、その額は1,500億円規模が予定されていました。このようにかなり高額な補助金額が設定されている新事業進出補助金には、多くの中小企業が応募するでしょう。

参考に、事業再構築補助金の補助金額、補助率を以下に記しておきます。第12回公募では、申請枠別に以下のように補助上限金額、補助率が設定されていました。

成長分野進出枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
20人以下1,500万円(2,000万円)中小企業:1/2 (2/3)
中堅企業:1/3 (1/2)
21~50人3,000万円(4,000万円)
51~100人4,000万円(5,000万円)
101人以上6,000万円(7,000万円)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

成長分野進出枠(GX進出類型)

企業の種類従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
中小企業20人以下3,000万円(4,000万円)1/2 (2/3)
21~50人5,000万円(6,000万円)
51~100人7,000万円(8,000万円)
101人以上8,000万円(1億円)
中堅企業1億円(1.5億円)1/3(1/2)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下1,000万円中小企業:2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 3/4)

中堅企業:1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 2/3)
6~20人1,500万円
21人~50人2,000万円
51人以上3,000万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下500万円中小企業:3/4(一部 2/3)
中堅企業:2/3(一部 1/2)

※「コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること」という任意要件を満たさない場合、補助率は()内の数字になる
6~20人1,000万円
21人以上1,500万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

サプライチェーン強靱化枠

従業員数補助上限金額
補助率
5億円
(建物費がない場合は3億円)
中小企業:1/2
中堅企業:1/3
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

新事業進出補助金の採択難易度

新事業進出補助金はまだ募集されていないため、過去の採択者もおらず、採択率もわかりません。そのため、採択難易度の指標になるものがまだ出ていません。

しかし、事業再構築補助金の後継補助金としてさらに高額な補助金額を受け取ることができる補助金であるため、採択率も低く採択難易度も高い補助金になるのではないかと予想されます。

以下は、これまでの事業再構築補助金の採択率を記した表です。新事業進出補助金の採択率が事業再構築補助金と同じ程度とは言い切れませんが、採択率の参考としておくと良いでしょう。

公募 応募件数 採択件数 採択率
第1回公募 22,229件 8,015件 36.0%
第2回公募 20,800件 9,336件 44.9%
第3回公募 20,307件 9,021件 44.4%
第4回公募 19,673件 8,810件 44.8%
第5回公募 21,035件 9,707件 46.1%
第6回公募 15,340件 7,669件 49.9%
第7回公募 15,132件 7,745件 51.1%
第8回公募 12,591件 6,456件 51.3%
第9回公募 9,368件 4,259件 45.4%
第10回公募 10,821件 5,205件 48.1%
第11回公募 9,207件 2,437件 26.5%
第12回公募 7,664件 2,031件 26.5%


事業再構築補助金の採択率はおよそ50%以下で、直近の第11,12回は30%を下回る結果になっています。

新事業進出補助金が始まると、事業再構築補助金と同じく人気の補助金になると予想されるため、採択率は場合によっては上記の数字以下になることも予想されます。

新事業進出補助金ではどんな事業が採択される?

新事業進出補助金ではどんな事業が採択されるのか、自社からどのような事業で申請すれば良いのか気になる、という方も多いでしょう。

以下では新事業進出補助金の活用イメージや、これまでの事業再構築補助金の要件や傾向を解説します。

新事業進出補助金ではどんな事業が採択される?

新事業進出補助金の活用イメージ

新事業進出補助金の活用イメージとして、公式から以下のものが挙げられています。

【活用イメージ】
・機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦
・医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出

引用:中小企業新事業進出補助金

基本的に、既存事業のノウハウを活かして全く新たな事業を始める際に活用するイメージです。

事業再構築補助金も新たな事業に進出する際に支援してくれる補助金でした。どのようなことに活用できるのか気になる方は、これまでの事業再構築補助金でどのような事業が採択されてきたのかも参考に確認してみると良いかもしれません。

参考:事業再構築補助金 採択結果

事業再構築補助金で設定されていた対象事業

事業再構築補助金では、これまでに多岐にわたる業種の事業者が採択されてきました。

その中で、直近の第12回では申請時の必須要件として以下が明記されていました。

事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
付加価値額を向上させること

つまり、事業再構築の定義に当てはまる事業でなければ申請することができませんでした。

事業再構築の定義は以下の表の中にある6つに分けられています。

事業再構築の定義
引用:事業再構築指針の手引き

上記の6つのうち、いずれかに当てはまる事業でないと、事業再構築補助金に申請することはできませんでした。

新事業進出補助金も事業再構築補助金の後継として新事業進出や構造転換を支援する補助金になる予定なので、上記のような定義が設けられ、当てはまる事業が対象になると予想できます。

第12回事業再構築補助金で採択された事業例

直近で結果が出た第12回の事業再構築補助金では、具体的にどのような事業者が採択されたのでしょうか。以下で採択例を一部紹介します。

事業者名:株式会社cake&cafe collet
事業計画名:チョコレートをきっかけとした子育て世代へのファンマーケティングへの挑戦

事業者名:テクマ株式会社
事業計画名:水素ガスと超音波洗浄技術を応用した半導体製造治具の受託洗浄

事業者名:株式会社藤成
事業計画名:高齢化時代の施設労働者支援!オンライン資格スクール

事業者名:メグミオギタギャラリー株式会社
事業計画名:作家の創作活動と地域活性化を支援する「軽井沢アートスタジオ」の開設

事業者名:株式会社アドキャスト
事業計画名:不動産契約のDX化に貢献!AI-OCRを活用した不動産契約の情報提供サービス事業

事業者名:MI株式会社
事業計画名:ウェットサンドブラストによる環境にやさしい塗装剥離事業の展開

事業者名:グリーンオートINUI
事業計画名:中古車販売業から、トラック向け架装品製造へ進出

事業者名:むすび本舗合同会社
事業計画名:地域課題を解決するレトルト食品製造販売事業

事業者名:餃子酒場まさし
事業計画名:餃子居酒屋のノウハウを生かした骨付き鳥風冷凍餃子の製造販売

事業者名:株式会社ベストウェル
事業計画名:オーナーと利用者双方にメリットを提供するヨット等のシェアサービス事業

引用:事業再構築補助金 採択結果

このように、第12回公募では多様な事業者が採択されたことがわかります。新事業進出補助金においても、様々な業種の中小企業、小規模事業者が対象になると予想できます。

新事業進出補助金に申請する際のポイント

新事業進出補助金に申請する際のポイント

これから新事業進出補助金に申請したいと考えている方の中には、補助金への申請自体が初めてという方もいるでしょう。

以下では、新事業進出補助金を含む補助金全てに申請する際に心がけるべき大事なポイントについて解説します。

新事業進出補助金に申請する際のポイント

より独自性の強い事業計画を作る

補助金に申請する際は、より独自性の強い事業計画が求められるでしょう。

実際、事業再構築補助金では第10回公募の際に、ゴルフ・サウナ・エステに関するほぼ同様の事業計画の申請者がどちらも採択されていたことがあり、問題視されたことがあります。

このように、似たような事業計画の申請者が複数採択されないように今後はより独自性をアピールできる質の高い事業計画書の作成が求められるでしょう。他社と似たような事業内容だと、不採択になってしまうかもしれません。内容やテーマについても、自社の独自性を出していけると良いでしょう。
参考:日刊工業新聞

また、もちろんコピペや使い回しの文章はNGです。先述したように、AI導入で審査が厳格化される予定です。しっかり考えた文章で事業計画を作成しましょう。経営者本人の独自の視点で事業計画を作成していくのが大切です。

なるべく多くの加点を得る

多くの補助金制度では、加点項目というものが設定されています。新事業進出補助金ではどのような加点項目が設定されるかわかりませんが、なるべく多くの加点項目を満たすことで採択率を上げることができます。

新事業進出補助金が実現した際、申請者はかなり多いと予想できるため、より質の高い事業計画が求められるでしょう。さらに他事業者と差別化し、自社の評価を高めるためにも積極的に加点項目の獲得を行なっていくのがおすすめです。

事業の成長性や収益性をきちんと示す

補助金の事業計画の審査では、事業における独自性の高さだけではなく、事業の成長性や収益性も大変重視されています。

今後の成長性や収益性をしっかりアピールできる事業計画書の作成を目指しましょう。

明確な根拠を示しながら説明する

補助金の事業計画では、独自性に加えて成長性や収益性の高さが求められます。それらを事業計画書で示す時、必ず明確な根拠を提示して説明するようにしましょう。

市場のマーケティング調査や、補助事業で提供する商品やサービスのビジネスモデルなどの明確な根拠となるデータを用いるのがおすすめです。事業内容を中長期で実現できるということをしっかり示しましょう。

また費用対効果や、既存事業とのシナジー効果、想定の収益金額などの詳細も記載し、独自性・成長性・収益性に具体性を持たせ、審査員に事業計画を印象付けることがポイントです。

株式会社補助金プラスでは新事業進出補助金の申請支援が可能です

株式会社補助金プラスでは新事業進出補助金の申請支援が可能です。これまでに事業再構築補助金を含む多くの補助金での申請支援実績があり、事業者様が新規事業や事業転換等の実現ができるようにお手伝いをしてきました。

株式会社補助金プラスの主な特徴は以下の通りです。

  • これまでの補助金採択率は90%の高水準
  • 事業者様からのご相談に初回は無料で対応可能
  • 基本的にオンラインで対応するため全国各地の事業者様の支援が可能

新事業進出補助金に不備なく申請し、採択されるポイントを押さえた事業計画書を作りたい!という事業者様はぜひ株式会社補助金プラスにお問い合わせください。

まとめ

事業再構築補助金の後継補助金として、新たに新事業進出補助金という補助金が募集されると予想されています。事業再構築補助金と同じく、かなり高額の補助金額を受け取ることができる補助金になる可能性が高いです。

ぜひ新事業進出補助金の最新情報を常に確認し、自社の新規事業を実現させるために利用してみてください!

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