小規模事業者持続化補助金の採択率は、事業計画の内容や申請書の書き方によって大きく左右されます。補助金の種類によっても採択率は異なり、一般型と特定補助金では採択率の傾向が異なります。
この記事では、小規模事業者持続化補助金の採択率の現状、採択率を左右する要因、そして採択されるための具体的なポイントを解説します。事業計画の具体性、革新性・独自性、実現可能性、数値目標の設定、そして申請書の書き方など、採択されるための必須要素を網羅的に解説します。
本記事を参考に、小規模事業者持続化補助金の採択率についての疑問を解消しましょう。
- 小規模事業者持続化補助金の採択率の現状がわかる
- 採択率を上げるためにポイントがわかる
1. 小規模事業者持続化補助金とその採択率の現状
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等の安定した持続化や生産性向上を支援するため、制度改革への対応や販路拡大にかかる費用を補助してくれる制度です。さまざまな経費に利用することができるので、多くの小規模事業者から人気のある補助金制度です。
2025年5月現在、一般型 通常枠の第17回と、創業型の第1回が申請受付しています。小規模事業者持続化補助金は申請したすべての人が活用できる補助金ではなく、事務局の審査に通過した事業者のみが活用できる補助金なので注意しましょう。
1. 小規模事業者持続化補助金とその採択率の現状
1.1 小規模事業者持続化補助金の採択率
小規模事業者持続化補助金のこれまでの採択率は以下のとおりです。
| 申請者数 | 採択者数 | 採択率 | |
| 第1回公募 | 8,044 | 7,308 | 90.9% |
| 第2回公募 | 19,154 | 12,478 | 65.1% |
| 第3回公募 | 13,642 | 7,040 | 51.6% |
| 第4回公募 | 16,126 | 7,128 | 44.2% |
| 第5回公募 | 12,738 | 6,869 | 53.9% |
| 第6回公募 | 9,914 | 6,846 | 69.1% |
| 第7回公募 | 9,339 | 6,517 | 69.8% |
| 第8回公募 | 11,279 | 7,098 | 62.9% |
| 第9回公募 | 11,467 | 7,344 | 64.0% |
| 第10回公募 | 9,844 | 6,248 | 63.5% |
| 第11回公募 | 11,030 | 6,498 | 58.9% |
| 第12回公募 | 13,373 | 7,438 | 55.6% |
| 第13回公募 | 15,308 | 8,729 | 57.0% |
| 第14回公募 | 13,597 | 8,497 | 62.5% |
| 第15回公募 | 13,336 | 5,580 | 41.8% |
| 第16回公募 | 7,371 | 2,741 | 37.2% |
こちらは一般型の第1〜16回公募の採択率です。こうしてみると回が進むにつれて採択率がかなり低くなっていっているのがわかるかと思います。第1回では90.9%もあった採択率が、最新で結果が出ている第16回では37.2%にまで落ち込んでいます。
これは、第15回から事業計画書等の提出方法が電子入力形式に変更されたこと、第16回の申請スケジュールが短く、準備にかける時間があまりなかったことが理由として挙げられるでしょう。
今後、場合によっては小規模事業者持続化補助金の採択率はさらに低くなっていくと考えられます。また、2025年5月現在、第1回創業型の募集も開始していますが、こちらは第1回なので採択率はまだ不明です。
2. 小規模事業者持続化補助金の採択率を左右する要因として考えられるもの
小規模事業者持続化補助金の採択率は、様々な要因によって変動します。先述したとおり、申請方法の変更や申請スケジュールの長さによっても採択率は変わるでしょう。今後の公募回においても、公募時期や予算状況、審査基準など、事業者の努力だけではコントロールできない要素で変動することも考えられます。
しかし、過去の採択状況や経済動向、補助金事業の内容などを分析することで、採択率を左右する主な要因を把握し、申請戦略に役立てることができます。
2. 小規模事業者持続化補助金の採択率を左右する要因として考えられるもの
2.1 審査方法の変更、厳格化
審査方法が今後変わることも予想されます。他の補助金では審査にAIが導入されたものもあり、AIによるさらに厳しい審査が始まっています。それにより、書類不備等のミスだけで不採択になってしまうことも考えられるでしょう。
そのため、申請書類を作成する時は複数人でチェックし、ミスのないように申請するのが大切です。
2.2 型、枠の増加
今回の小規模事業者持続化補助金は、一般型の通常枠と創業型に分かれています。補助金に申請する場合、自社がどちらの型に申請するのがより適切かを考えて申請しなくてはなりません。
この型や枠については公募回ごとに募集されるものが異なるため、一定期間にひとつの型しか募集されない場合は多くの申請者がその枠に集中してしまい、採択率が低くなることも予想されます。
2.3 経済状況・政策
その年の経済状況や政府の政策も、採択率に影響を及ぼします。景気刺激策として補助金予算が拡大される場合もあれば、財政状況の悪化に伴い予算が縮小される場合もあります。予算が拡大した場合、さらに小規模事業者持続化補助金の人気が上がり、採択率が低くなることも予想されます。
2.4 申請方法の変更
申請方法が今後変わることも考えられるでしょう。今までと異なる申請方法になると、多くの申請者が戸惑い、申請時にミスをしてしまうこともあります。そうすると、ミスをした申請者が多い分、採択率が下がることも予想されます。
これらの要因を総合的に考慮し、自身の事業計画をブラッシュアップすることで、採択率を高めることができます。補助金申請は、時間と労力を要する作業ですが、採択されれば事業成長の大きな後押しとなります。諦めずに、積極的に挑戦していくことが重要です。
3. 小規模事業者持続化補助金に採択されるためのポイント
小規模事業者持続化補助金の採択率を高めるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。補助金申請は競争率が高いため、審査員に事業の価値と将来性を効果的にアピールすることが重要です。 採択されるためのポイントを以下に詳しく解説します。
3. 小規模事業者持続化補助金に採択されるためのポイント
3.1 経営計画の具体性
漠然とした計画ではなく、具体的な数値目標や行動計画を立てましょう。市場分析や競合調査に基づいた現実的な計画であることが重要です。売上目標や顧客獲得数などを明確に示し、どのような戦略で達成するのかを具体的に説明することで、事業の将来性や実現可能性を審査員に理解してもらうことができます。また、補助事業終了後も持続可能な事業計画であることを示すことが重要です。
3.2 事業の革新性・独自性
他の事業者と差別化できる独自の強みや革新的な要素をアピールしましょう。新しい技術やサービスの導入、既存商品の改良、新たな販路開拓など、他にはない独自の価値を提供することで、審査員の目に留まりやすくなります。地域貢献や社会課題の解決につながる事業は、評価が高くなる傾向があります。また、模倣困難な独自のノウハウや技術を持っている場合は、積極的にアピールしましょう。
3.3 実現可能性
計画の実現可能性を裏付ける根拠を明確に示すことが重要です。市場の需要や成長性、競合状況、自社の経営資源などを分析し、計画の達成が可能であることを客観的に説明しましょう。過去の事業実績や成功事例があれば、積極的にアピールすることで、審査員の信頼を得ることができます。また、リスク対策や contingency plan(緊急時対応計画)を策定しておくことで、予期せぬ事態にも対応できることを示すことができます。
3.4 数値目標の設定
補助事業によって期待される効果を数値目標で示すことが重要です。売上増加率、顧客獲得数、コスト削減率など、具体的な数値目標を設定することで、事業の成果を客観的に評価することができます。目標値は、根拠に基づいて設定し、達成可能な範囲で設定することが重要です。また、目標達成のための具体的な方法やスケジュールを示すことで、計画の信頼性を高めることができます。
3.5 補助金申請書の書き方
補助金申請書は、審査員が事業内容を理解するための重要な資料です。分かりやすく、誤解のないように丁寧に 작성 することが重要です。簡潔で論理的な文章で記述し、専門用語はできるだけ避けるか、分かりやすく説明を加えましょう。誤字脱字や表記の揺れがないか、提出前に必ず確認しましょう。また、図表やグラフなどを活用して、視覚的に分かりやすく説明することも効果的です。
ただし、自社だけで上記のポイントを押さえた事業計画書等を準備するのは難しいこともあるでしょう。採択されるためにしっかり明確な事業計画書を準備するのは大切なことですが、時間も手間もかかります。そんなときは申請支援をしている会社等に依頼して、事業計画書作成をサポートしてもらうのも一つの手段です。
後ほど詳しく記載しますが、株式会社補助金プラスでも申請支援を行なっています。事業計画書の作成にお困りの方はぜひ利用してみてください。
4. 小規模事業者持続化補助金に関するよくある質問
小規模事業者持続化補助金に関するよくある質問と回答をまとめました。
4. 小規模事業者持続化補助金に関するよくある質問
4.1 Q. 採択結果の通知はいつ頃来る?
採択結果の通知時期は、公募時期や審査状況によって異なります。
一般的には、申請締切から2~3ヶ月後に通知が届きます。具体的な通知時期は、各回の公募要領で確認できるでしょう。
4.2 Q. 不採択だった場合、再申請はできる?
不採択だった場合、次回の公募に再申請することは可能です。
不採択通知には、不採択の理由が記載されている場合があるので、その内容を参考に事業計画を修正し、再申請に臨みましょう。不採択理由を踏まえて改善することで、採択の可能性を高めることができます。また、補助金事務局に相談し、改善点をアドバイスしてもらうのも有効な手段です。
4.3 Q. 補助対象経費にはどのようなものがある?
補助対象経費は、以下のように設定されています。
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談
会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費
必ず公募要領で補助対象経費の詳細を確認し、事業計画に合った経費を計上するようにしましょう。
4.4 Q. 補助率や補助上限額は?
補助率と補助上限額は、一般型一般枠と創業型のそれぞれで以下のように定められています。
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限 | 50万円 |
| インボイス特例 | 50 万円上乗せ ※インボイス特例の要件を満たしている場合に限る |
| 賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ ※賃金引上げ特例の要件を満たしている場合に限る |
| 上記特例の要件をともに満たす事業者 | 200万円上乗せ ※両特例要件を満たしている場合に限る |
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限 | 200万円 |
| インボイス特例 | 50 万円上乗せ ※インボイス特例の要件を満たしている場合に限る |
4.5 Q. 申請に必要な書類は?
申請に必要な書類は、以下のとおりです。
- 持続化補助金事業に係る申請書(様式1)
- 経営計画兼補助事業計画①(様式2)
- 補助事業計画②(様式3)
- 補助金交付申請書(様式5)
- 宣誓・同意書(様式6)
- 事業支援計画(様式4)
- 貸借対照表および損益計算書(直近1期分)
- 株主名簿(該当者のみ)
- 直近の確定申告書
- 貸借対照表および活動計算書(直近1期分)
- 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書
- 法人税確定申告書(別表一および別表四(所得の簡易計算))(直近1期分)
引用:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第 17 回公募 公募要領
これらの書類は、正確かつ丁寧に作成する必要があります。また、公募回によっては、追加で必要な書類がある場合もあるので、公募要領で確認し、漏れのないように準備しましょう。
4.6 Q. 採択された後、補助金はいつ支払われる?
補助金の支払いは、事業完了後に、実績報告書を提出して交付が決定してからになります。つまり、事業に要した経費を一旦自己負担し、その後、補助金が支払われる仕組みです。そのため、事業完了までの資金繰りを事前に計画しておくことが重要です。
4.7 Q. 事業計画書の書き方のポイントは?
事業計画書は採択を左右する重要な書類です。事業の目的、内容、効果、目標などを具体的に記述し、審査員に事業内容を理解してもらえるように心がけましょう。また、数値目標を設定し、事業の効果を客観的に示すことも重要です。さらに、実現可能性が高い事業計画であることを示すために、市場調査や競合分析などのデータに基づいた根拠を提示することも有効です。
5. 小規模事業者持続化補助金の採択率を上げたいなら株式会社補助金プラスがお手伝いします
小規模事業者持続化補助金の申請作業の煩雑さに不安になっている事業者様はいませんか?綿密に、正確に事業計画書を準備しなければ小規模事業者持続化補助金に不採択になってしまう可能性もあります。
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5. まとめ
小規模事業者持続化補助金の採択率は、補助金の種類や申請内容によって異なります。一般型よりも特定補助金の方が採択率が高い傾向がありますが、いずれも事業計画の具体性、革新性、実現可能性、数値目標の設定などが採択を左右する重要な要因となります。
申請書作成においては、これらのポイントを明確に示すことが重要です。採択結果の通知時期や再申請の可能性など、疑問点は事前に確認しておきましょう。しっかりと準備を行い、補助金を活用して事業の成長を目指しましょう。



