【2024.2】林業のものづくり補助金の活用方法は?採択事例も合わせて紹介
ものづくり補助金と聞くと「製造業などでしか利用できない」と考えている方が多いのではないでしょうか。しかし、近年では林業などの第一次産業における採択も増えてきています。
この記事では、林業のものづくり補助金の対象経費や採択事例について解説していきます。
- 林業が活用できるものづくり補助金の対象経費の事例がわかる
- 林業のものづくり補助金の採択事例がわかる
- 林業がものづくり補助金を活用するときのポイントを理解できる
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金の概要
林業への活用事例を見ていくまえに、ものづくり補助金の概要について簡単に説明していきます。
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者、個人事業主による新商品・サービス開発、試作品開発や生産プロセス改善のための資金を支援する補助金制度です。要件さえ満たせばさまざまな経費を補助金の対象とできるため、比較的活用しやすい補助金制度であるといえます。
ものづくり補助金を申請するための要件は?
ものづくり補助金を申請するための要件は、業種によって異なります。具体的な要件としては、資本金もしくは従業員数が下記の表の数字以下になるということになります。
なお、資本金や従業員数の要件をどちらもクリアする必要はなく、どちらか一方をクリアしていれば問題ありません。また、子会社が存在する場合は親会社もしくは子会社のどちらか一方しか申請が認められないケースもあるため、事前に公募要領で要件を確認しておくといいかもしれません。
ものづくり補助金で受け取れる金額は?
ものづくり補助金で受け取れる金額は、応募枠や従業員数によって異なります。
申請型 | 補助金額 | 補助率 | |
一般型 | 通常枠 | 100~1,250万円 | 1/2(小規模事業者等:2/3) |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 | 100~1,250万円 | 2/3 | |
デジタル枠 | 100~1,250万円 | 2/3 | |
グリーン枠 | 100~2,000万円 | 2/3 | |
グローバル展開型 | 1,000~3,000万円 | 1/2(小規模事業者等:2/3) |
たとえば、一般型の場合だと下記のように受け取れる金額が変動します。
従業員数 | 受け取れる金額 |
5人以下 | 100~750万円 |
6~20人 | 100~1,000万円 |
21人以上 | 100~2,000万円 |
林業が活用できるものづくり補助金の対象経費の例は?
次に、林業のものづくり補助金の対象経費例について説明します。
林業が活用できるものづくり補助金の対象経費の例は?
機械装置・システム構築費
ものづくり補助金の要件である新商品・サービス開発や生産プロセス改善のために必要な機械装置の購入やシステム構築にかかる費用が対象になります。
- 補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用にかかる費用
- 補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用にかかる経費
ものづくり補助金では比較的大きな金額を受け取ることができるため、最新設備の導入も可能です。近年の林業では、高性能木材加工機やドローンを利用した山林測量システムなどに費用が使われています。
決定した補助率にもとづく補助金額に合わせて購入費用を検討してみるといいかもしれません。
専門家経費
ものづくり補助金では、大学教授やコンサルタントからのアドバイスや指導を受ける際の費用を専門家経費として計上できます。林業においては利用する木材の種類を確認したり、業務効率化を図るためのコンサルティングなどが該当することが予想されます。
ただ、ものづくり補助金の申請サポートにかかる費用は、ものづくり補助金の対象経費として認められない場合もあるので注意が必要です。
外注費
ものづくり補助金の公募要領では、外注費について下記のように記載されています。
- 新製品・新サービスの開発に必要な加工や設計デザイン・検査等の一部を外注する場合の経費
新製品・新サービスの開発にかかる費用は、外注費として計上できます。林業では木材の加工などを外注する際などに、この外注費を計上できると考えられます。なお、外注先が機械装置などの設備を購入する際にかかる費用については外注費に含まれないので注意が必要です。また、外注先との書面による契約が必須となっています。
林業のものづくり補助金の採択事例は?
林業のものづくり補助金の採択事例は?
林業の採択事例①
事業計画名:新規市場開拓に向けた木製品開発のための高精度・高効率複合加工機の導入
企業名:株式会社山上木工
高精度・高品質・高効率を求めて、木材の複合加工機を導入した事例です。
複雑で難易度の高い木材加工案件が増えてきて、従業員だけでは技術も生産能力も追いつかなくなってきたため、木材の複合加工機導入が検討されました。導入により、これまでは3〜4つの工程が必要だった作業が1つの工程で済むようになったのです。
高精度で3次元的な加工も短時間で可能となり、技術者でなくてもクオリティの高い加工を実現しました。
林業の採択事例②
事業計画名:木質チップ製造機導入による生産性向上と販路拡大
企業名:株式会社高橋林業
バイオマス発電のための燃料用木材チップ供給を目指して、木材チップ製造機を導入した事例です。
木材の販売のみで木材チップの製造設備がなかったため、導入を検討しました。これにより、木材の状態にかかわらず一定品質の木材チップを製造することが可能になったのです。
発電燃料としても良質で、森林整備にも大きく貢献しました。林業によって木材を多く保有しているのにもかかわらず、上手く活用できていなかった事業にとっても将来性のある採択事例だといえます。
林業の採択事例③
事業計画名:デザイン性に優れた北海道産樹種無垢フローリングの開発
企業名:松原産業株式会社
無垢材のフローリングでありながら、デザイン性の高いものを開発した事例です。
無垢材の木目を活かしつつ、より美しいデザインに仕上げるために数値制御加工機を導入しました。CADとの連携機能によって、デザインの再現性と加工精度向上を実現したのです。
また、林業をおこなうなかで捨てられてしまうはずだった木材を再利用したフローリング開発も検討しています。革新的な製品の開発を目的としているものづくり補助金とも非常に相性のいい林業の採択事例であるといえるでしょう。
林業がものづくり補助金を活用するときのポイントは?
最後に、林業がものづくり補助金を活用するときのポイントをいくつか紹介していきます。
林業がものづくり補助金を活用するときのポイントは?
第二次産業へと展開する
林業がものづくり補助金に採択されるためには、第二次産業への展開も視野に入れる必要があります。金属を使わない自然にやさしい木製車いすの制作や、年齢を問わず使ってもらえる高座いすや専用テーブルの開発など、単に木材をそのまま使用するだけにとどまらない展開を考えることが重要なポイントです。
林業における木材の可能性を追求して、革新的なアイデアを提示することでものづくり補助金に採択されやすくなると考えられます。
収益性の高い事業を行う
木材を利用してどれだけ新製品・新サービスの開発をおこなったとしても、収益が見込めなければものづくり補助金に採択されないケースも多いでしょう。バイオマス燃料や再生可能エネルギーなどに着目して、将来性のある木材の利用方法を検討する必要があります。
実際に高精度な木材加工サービスを低価格で提供して、高い収益を得ている企業もあります。そのため、今までにないサービスでありながら収益性も追及した林業の事業計画をおこなっていくことが大切です。
林業でものづくり補助金活用を考えている方、まずは株式会社補助金プラスへご相談!
株式会社補助金プラスでは、事業者様向けにものづくり補助金の申請支援を行っております。ものづくり補助金の申請支援サービスは次のような特徴があります。
・他者ではあり得ない90%の高採択率
・全国各地どこでも可能、オンラインで全国対応
・事業計画を通じて、お客様の強みを言語化
無料相談も行っているため、事業者様で「林業で補助金が使えるか?」「採択率を高めるにはどうしたら良いか?」といった悩みがあるような方がいましたら、お気軽にご相談ください。
ありがたいことに、現在多くの経営者の方々から支援のご依頼を頂いており、定員に達し次第受付を締め切らせていただくので、ぜひ早めにご相談いただければと思います。
まとめ
この記事では、林業にものづくり補助金を活用する方法について解説しました。
林業における木材の活用は、自然環境保護の観点からも非常に重要です。林業でものづくり補助金の利用を検討している場合は、この記事の採択事例を参考にしながらぜひ、申請をおこなってみてください。