【2025.5】新事業進出補助金の付加価値額とは?申請に必要な要件について解説

新事業進出補助金の付加価値額とは?申請に必要な要件について解説

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

新事業進出補助金の公募要領を読んでいたり、事業計画書を作成していたりしていると「付加価値額」という言葉が出てくるかと思います。しかし、日常ではあまり使わない言葉なので、なかなか意味がわからず要件を読むこむのが困難になる場合もあるでしょう。

本記事では、付加価値額の意味や具体的な計算方法、新事業進出補助金で満たさなければならない付加価値額に関する要件について解説します。

この記事を読むと
  • 新事業進出補助金の付加価値額の概要がわかる
  • 付加価値額の計算方法がわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次

新事業進出補助金の基本情報

付加価値額について解説する前に、まずは新事業進出補助金について簡単に説明します。

新事業進出補助金とは、中小企業、小規模事業者が新規事業を始める際に必要なお金を補助してくれる制度です。個人事業主も活用できる補助金で、基本的に返済の義務はありません。2025年の4月から第一回の公募が開始しました。

新事業進出補助金は申請すれば誰でも活用できるわけではなく、事務局の審査に通過した事業者のみが補助金を受け取ることができます。申請時は、事業に関する詳細を記した事業計画書等の準備が必要です。

新事業進出補助金の付加価値額とは

新事業進出補助金における付加価値額は、補助対象要件の1つとして出てきます。

補助対象要件は以下の通りです。

要件内容
(1)新事業進出要件「新事業進出指針」に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であること
※新事業進出の定義は、「新事業進出指針」にて定めていますので必ずご確認ください
(2) 付加価値額要件補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額(又は従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%(以下「付加価値額基準値」という。)以上増加する見込みの事業計画を策定すること
(3) 賃上げ要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこと
①補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度~令和6年度の5年間をいう。)の年平均成長率(以下 「一人当たり給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
②補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、給与支給総額の年平均成長率を2.5%(以下 「給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
(4) 事業場内最賃水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、毎年、事業所内最低賃金が補助事業実施場所都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること
(5) ワークライフバランス要件次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること
(6) 金融機関要件補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること
<賃上げ特例の適用を受ける場合の追加要件>
(7) 賃上げ特例要件【要件未達の場合、補助金返還義務あり】
補助事業実施期間内に、以下の要件をいずれも満たすこと
①補助事業実施期間内に、給与支給総額を年平均6.0%以上増加させること
②補助事業実施期間内に、事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること
引用:中小企業新事業進出補助金 公式サイト

    付加価値額を向上させる、ということが新事業進出補助金の1つの要件であり、それができなければ新事業進出補助金に申請することはできません。

    付加価値額とは、「営業利益、人件費、減価償却費を足したもの」であると中小企業庁の資料で説明されています(参照:中小企業新事業進出補助金 公募要領)。上記の数値はこれまでの経営の成果を確認すればすぐにわかるでしょう。

    付加価値額の計算方法

    付加価値額の計算方法

    付加価値額は、

    「営業利益+人件費+減価償却費」

    という式で表すことができることは先述しました。売上から売上原価と販管費を引くことで営業利益を求めることができ、その営業利益に人件費と減価償却費を足し戻したものが付加価値額です。

    また、成果目標の比較基準となる付加価値額は、補助事業終了月の属する(申請者における)決算年度の付加価値額と定められています。きちんと指定された年度の付加価値額を確認するようにしましょう。

    以下では、付加価値額の計算に必要な数値の出し方を解説します。

    付加価値額の計算方法

    営業利益の計算方法

    営業利益は以下のような計算式で求めることができます。

    営業利益=売上高ー売上原価ー販管費

    人件費の計算方法

    人件費は、法人と個人事業主で計算方法が異なるので注意が必要です。人件費の算出方法は以下の通りです。

    <法人の場合>
    ・売上原価に含まれる労務費(福利厚生費、退職金等を含んだもの。)
    ・一般管理費に含まれる役員給与、従業員給与、賞与及び賞与引当金繰入れ、福利厚生費、退職金 及び退職給与引当金繰入れ
    ・派遣労働者、短時間労働者の給与を外注費で処理した場合のその費用

    上記の全てを足したものが人件費です。

    <個人事業主の場合>
    人件費=福利厚生費+給料賃金

    減価償却費の計算方法

    減価償却費は、以下の計算方法で算出できます。

    1年あたりの減価償却費=設備の投資金額÷耐用年数

    設備の種類ごとに耐用年数が決まっているため、投資対象の設備の耐用年数がわからない場合は必ず調べるようにしましょう。

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    新事業進出補助金の付加価値額要件について

    新事業進出補助金で定められている付加価値額要件について、詳しく解説します。

    新事業進出補助金の付加価値額要件について

    付加価値額要件の定義

    新事業進出補助金の付加価値額に関する要件について、付加価値額を上げるといっても具体的にどれくらいあげれば良いのかわからない方も多いでしょう。詳しくは以下のように記されています。

    補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額(又は従業員一人当た
    り付加価値額)の年平均成長率が4.0%(以下「付加価値額基準値」という。)以上増
    加する見込みの事業計画を策定すること

    引用:新事業進出補助金 公募要領

    この要件を満たすような事業計画書を作成しなければ、要件を満たさないとして不採択となっているので必ず要件を満たしているか確認しましょう。

    付加価値額要件の具体的な確認手順

    付加価値額要件の具体的な確認手順

    自社の事業計画書が付加価値額要件を満たしているかを確認する具体的な手順について説明します。

    STEP
    付加価値額の算出

    収支計画の直近決算年度、基準年度、1年後〜5年後までの付加価値額を算出しましょう。

    STEP
    伸び率の算出

    基準年度からの付加価値額の伸び率を算出します。前年と比較した場合の伸び率ではなく、基準年度からの伸び率を算出する点に注意しましょう。

    STEP
    要件の確認

    収支計画を3年後までで作成した場合は、3年後の伸び率が9%以上、5年後の伸び率が15%以上となっているかを確認しましょう。

    上記の手順をもとに自社の事業に関する付加価値額をしっかり確認してから申請しましょう。

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    株式会社補助金プラスでは、新事業進出補助金に申請する方の申請サポートをしています。今回説明した付加価値額の出し方や概念などについて疑問や不安がある方のご相談に乗ることも可能です。初回は無料相談も受け付けているので、事業再構築補助金に関するお悩み事をぜひご相談ください。

    株式会社補助金プラスはこれまで多くの事業者様の支援を行ってきた実績があります。支援した事業者様の採択率は90%を超えています。また、オンラインで対応するので遠方にお住まいの事業者様のご相談に乗ることも可能です。

    新事業進出補助金に申請しようと考えている方は、ぜひ株式会社補助金プラスにご相談ください!

    まとめ

    この記事では、付加価値額の計算方法について簡単に紹介してきました。

    付加価値額の概念自体は難しいものではなく、付加価値額要件を満たしているかも簡単に確認することができるでしょう。この記事を参考に付加価値額を計算して、要件を満たすような事業計画書を作成してみてくださいね。

    この記事の目次