[2024.3]ものづくり補助金はスタートアップや創業したばかりの会社も利用可能!3つの注意点も紹介

ものづくり補助金の無料診断受付中です。

「補助金を使えるか?」
「採択の可能性はどれくらいか?」

といった疑問をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

ものづくり補助金の申請代行支援サービスの選び方のポイント」はこちら

※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産向上促進補助金)は、創業まもない会社やスタートアップでも利用できます。設立5年目以内であれば採択の面で優遇されるので、創業直後の資金調達手段としておすすめです。

当記事ではスタートアップへものづくり補助金の利用をおすすめする理由や、利用する際の注意点を解説します。

この記事を読むと
  • ものづくり補助金の対象となる事業者が満たすべき要件がわかる
  • 創業まもない会社やスタートアップが申請する際の注意点がわかる
  • 創業まもない会社やスタートアップにものづくり補助金がおすすめの理由がわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

https://inu-llc.co.jp/lp/monodukurihojokin-com/
この記事の目次

創業まもない会社やスタートアップにものづくり補助金がおすすめの理由

創業まもない会社やスタートアップにものづくり補助金がおすすめの理由

創業まもない会社やスタートアップにものづくり補助金がおすすめな理由は、「巨額の設備投資に対し高い補助率で補助が受けられる」「設立5年以内の会社は加点を受けられる」の2点です。それぞれの詳細について紹介します。

巨額の設備投資に対し高い補助率で補助が受けられる

ものづくり補助金の補助率、補助上限金額は以下のようになっています。

 申請枠 補助上限 補助率
省力化枠750万円~
8,000万円
1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)
製品・サービス高付加価値枠通常類型750万円~
1,250万円
1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)
※新型コロナ回復加速化特例:2/3
成長分野進出類型(DX・GX)1,000万円〜
2,500万円
1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)
グローバル展開型3,000万円1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)

補助率は1/2ですが、小規模企業者・小規模事業者(製造業などは20人以下・サービス業などは5人以下の常勤従業員である企業のこと、または個人事業主のこと)に該当する場合は補助率2/3が適用されます。

つまり、創業まもない会社やスタートアップで従業員が少ない場合は、補助率が優遇される可能性が高いのです。

資金

補助金を1,000万円で申し込んだ場合、補助率1/2だと2,000万円の経費支出が必要です。一方で2/3だと1,500万円の経費支出で済むため、500万円を他の設備投資などに回せます。

また、小規模企業者・小規模事業者に該当せずとも、通常枠以外であればほとんどが補助率2/3で設定されています。

このように、数百万円から数千万円の巨額の設備投資に対し、高い補助率で補助が受けられるのがものづくり補助金のメリットです。資金繰りが難しいスタートアップなどにとって、相性がよいおすすめの補助金と言えるでしょう。

設立5年以内の会社は加点を受けられる

ものづくり補助金の採択において、設立5年以内の会社は加点を受けられます。「創業・第二創業後まもない事業者(5年以内)」という加点項目の1つです。創業まもない会社やスタートアップは、申し込み時点で他の事業者よりも有利なのです。

加点の対象になるのは、「会社設立の年月日(個人事業主は開業日)または代表取締役就任日が、公募開始日より5年前の日から応募締切日まで」の事業者です。ただし、個人事業主や組合、第二創業の加点はありません。

創業まもない会社やスタートアップが申請する際の3つの注意点

創業まもない会社やスタートアップがものづくり補助金に申請する際には、提出書類の違いやつなぎ融資実行の難しさなどを理解しておきましょう。それぞれの注意点を解説します。

創業まもない会社やスタートアップが申請する際の注意点

①スタートアップは提出書類が異なる

ものづくり補助金申請時の提出書類の1つに「直近2年間の決算書等(貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)」があります。

しかし、創業から2年経っていない事業者は2年間分の決算書等が存在しません。そのため、提出すべき書類の数や種類が異なります。具体的には次の通りです。

  • 創業してから2年に満たない事業者(1年以上2年未満):1期分の決算書等
  • 設立まもなく決算書がまだ作成できない事業者:事業計画書および収支予算書

創業まもない会社やスタートアップは、事前に確認しておきましょう。

②つなぎ融資が難しいことがある

ものづくり補助金は、補助事業終了後に交付される後払いの制度です。そのため、補助金が交付されるまでに発生する補助事業の経費・その他運営費をつなぎ融資でまかなう企業も珍しくありません。

しかし、創業まもない会社やスタートアップは事業実績や信頼性が不透明であるため、金融機関からの融資を断られる可能性があります。

つなぎ融資を利用したいときは、日本政策金融公庫の創業融資などスタートアップ向けの融資を利用しましょう。
つなぎ融資について詳しい内容はこちら

③従業員が5人以下の場合、補助金額は750万円以下になる

項目要件
補助金額従業員数5人以下:100万円~750万円
    6~20人:10万円~1,500万円
    21~50人:100万円~3,000万円
51~99人:100万円~5,000万円
    100人以上:100万円~8,000万円
引用:第17回締め切り分公募要領

上の表を見れば分かるように、新しく創業した企業やスタートアップは、初期段階では従業員数が制限されることがあります。例えば、従業員が5人以下の場合、補助上限は750万円になります。ものづくり補助金の申請に備えて、調整することも考えてみてもいいかもしれません。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金 スタートアップ

ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者などを対象に、新製品・サービスの開発や生産プロセス改善などにかかる設備費用等を支援する補助金制度です。事業計画が事務局に採択されれば、数百万円〜数千万円の補助金の交付を受けられます。スタートアップも活用しやすい補助金として人気です。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金の目的

ものづくり補助金の目的は、「中小企業などが直面する働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入などの制度変更に対応するため、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を行う事業者を支援すること」です。

実際にものづくり補助金を利用した事業事例を2つ紹介します。

①Y精螺工業株式会社
全自動システムバンドソーの導入による鋼材の切り出し自動化により、作業時間の大幅短縮やQCDのレベルアップ、その他工作機械との連携強化による体制改善などを実現

②有限会社農業法人K里ジャム
国産スモールフルーツを活用した新飲料などの商品開発や販路拡大事業によって、ペクチン不使用で砂糖の仕様を抑えた糖度37度の超低糖度ジャムを開発し、フード・アクション・ニッポンアワードなどの賞の受賞や知名度アップにつながった

事例の通り、ものづくり補助金は事業規模・業種にかかわらず、さまざまな事業の商品開発や設備導入を支援しています。採択を受けた事業者の中には、スタートアップ・ベンチャー企業や創業まもない会社も見られます。

ものづくり補助金で受け取れる金額

以下は、ものづくり補助金の申請枠ごとの補助上限金額と補助率の表です。

 申請枠 補助上限 補助率
省力化枠750万円~
8,000万円
1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)
製品・サービス高付加価値枠通常類型750万円~
1,250万円
1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)
※新型コロナ回復加速化特例:2/3
成長分野進出類型(DX・GX)1,000万円〜
2,500万円
1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)
グローバル展開型3,000万円1/2
(小規模・再⽣事業者:2/3)

現在募集されている17次公募要領は省力化枠のみの募集です。新たに公募要領が発表された18次公募では、省力化枠、製品・サービス高付加価値枠、グローバル化枠の募集です。
「大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例」を適用できる事業を実施した場合は、従業員数に応じて100万〜1,000万円が各申請枠の上限から引き上げられます。
引用:第17次公募

ものづくり補助金の対象となる事業者が満たすべき要件

ものづくり補助金の対象となる事業者が満たすべき要件

ものづくり補助金の対象となる事業者が満たすべき要件は、スタートアップを含めて原則としてはどの事業者も同じです。満たすべき要件を見ていきましょう。

資本金額または従業員数が規定以下

ものづくり補助金の対象企業は、原則として以下の図のとおり、「一定以下の資本金または常勤従業員数」である中小企業者です。

出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(17次締切分)

上記以外にも、中小企業者に該当する組合・法人や特定事業者、特定非営利活動法人(NPO法人)など、条件を満たした事業者が対象になります。詳細は公募要領にて確認が可能です。

事業規模がまだ小さなスタートアップであれば、問題なく対象になるでしょう。

要件を満たす事業計画書を策定する

ものづくり補助金の採択を受けるには、基本要件に加えて、枠ごとに設定された要件を満たす事業計画書が必要です。事務局は提出された事業計画書を審査し、採択・不採択を決定します。

第15次公募における基本要件は、次の内容をすべて満たす3~5年の事業計画を策定することです。

  • 給与支給総額の年率1.5%以上増加(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
  • 事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内でもっとも低い賃金)を、毎年地域別最低賃金より30円以上高い水準にする
  • 事業者全体の付加価値額(営業利益+減価償却費+人件費)を年率平均3%以上増加

いずれの条件も「給料を上げる」「生産性を上げる」といった目的であり、スタートアップなどが事業拡大や従業員エンゲージメント向上を目指す際の、具体的な目標値として設定しやすい数値です。

事業計画書を作成するときは、ものづくり補助金の採択を目的としたものだけでなく、現状の経営課題の解決につながる内容に仕上げるとより効果的になるでしょう。

ものづくり補助金の通常枠であれば、基本要件のクリアのみで応募が可能です。一方で回復型賃上げ・雇用拡大枠やデジタル枠などの他枠は、それぞれに追加要件が定められています。

たとえば回復型賃上げ・雇用拡大枠の追加要件は、「前年度の事業年度の課税所得がゼロ以下」「常時使用する従業員がいる」「補助事業が終了した翌年度の3月時点で、給与支給総額の増加率が1.5%、事業場内最低賃金+30円の水準増加が達成されている」の3つです。

枠ごとの追加要件は、公募要領にて公表されています。創業まもない会社やスタートアップが要件を満たすのは大変であるものの、他枠は競合他社の少なさや補助金条件・補助率の優遇があるので、余裕がある場合は挑戦してみるのもよいでしょう。

創業後の経過年数に関する規定はない

ものづくり補助金の要件に、創業後の経過年数に関する規定はありません。創業したばかりの企業から創業10年以上の老舗企業まで、経過年数に関係なく応募できます。むしろ創業・第二創業後まもない企業は、加点措置によって採択を受けやすくなっています。

株式会社補助金プラスでサポートしたスタートアップの採択事例

株式会社補助金プラスでものづくり補助金の申請サポートを行ったスタートアップの採択事例を紹介します。

会社名:株式会社Tleez

業種:AIスタートアップ(システム受託)

金額:7,500,000円

AI搭載広告作成支援システムのために、ものづくり補助金に申請した会社です。AIの開発費、広告支援サービスの構築費にものづくり補助金を利用しました。

お客様の声
「先進的なAI開発を受託するシステム開発企業です。学会にAIに関する論文の発表を行うなど世界からも認められた高い技術力が強みです。より多くの人々、そして企業をご支援していくため、新たに自社の技術を生かした新規事業を行う必要がありました。様々調べる中でものづくり補助金の存在を知りましたが、最新のテクノロジーに精通したコンサルタントがおらず諦めていました。しかし、INUに依頼したところ、弊社の技術的強みや将来の展望などをうまくまとめてくださり、ものづくり補助金が採択されました。INUが事業のための提携先などを紹介してもらい事業進捗まで一貫して支援してもらえました。」

その他ものづくり補助金のスタートアップ採択事例

以下はものづくり補助金に採択されたスタートアップの事例です。

【会社名と内容】
①株式会社StartPass
スタートアップの資金調達及び経営支援をDX化するアプリ開発

②株式会社CYBO
自動細胞ハンドリング用AIの開発

③X-tech
繁殖農家の生産性向上支援AIシステム

④株式会社ZenmuAI
小規模飲食店向けデジタル・アナログ併用型テイクアウト注文システムの開発

⑤Aider lab株式会社
メディカルエコシステム「アイラボ」を実現するためのeMIDシステム開発

⑥エールアカウンティング株式会社
AI搭載クラウドシステムを活用した連結決算代行サービス等

⑦JPI合同会社
生成AIによる会計コンサルティングのSaasシステム

⑧andLLM株式会社
AI技術を活用したパーソナライズドチャットサービスの開発

⑨株式会社カーデミー・ジャパン
AIを活用したパーソナライズ言語アプリの開発

⑩カサナレ株式会社
生成AI活用の顧客対応・マーケティング用チャットシステム開発

引用元:ものづくり補助金総合サイト採択結果

まとめ

ものづくり補助金は、創業まもない会社やスタートアップの資金調達手段としておすすめです。数千万円前後の高額な補助金を、業務改善や改善に回せます。設立5年以内のスタートアップ会社などは加点項目によって採択が優遇されるので、事業を始めたばかりの企業こそ、ものづくり補助金への利用を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社補助金プラスでは、ものづくり補助金や事業再構築補助金などの補助金に関する相談や事業計画書の作成サポート、その他スタートアップの経営支援を行っています。これまでに多くのお客様のサポートをし、ものづくり補助金に採択された実績もあります。システム関連にも強く、設備導入以外のシステム導入やアプリ開発での補助金申請にも対応可能です。ものづくり補助金の申請でお悩みの方は、ぜひサービスページよりお問い合わせください。

この記事の目次