【2024.3】歯科医院のものづくり補助金の活用方法とは?採択事例も紹介
歯科医院がものづくり補助金に採択された事例はたくさんあることを知っていますか?
ものづくり補助金を活用することで、口腔内スキャナやCTを少ない自己資金で導入することが可能になり、歯科医院の生産性や治療精度を向上させることができるのです。
この記事では、ものづくり補助金の概要や歯科医院で活用する具体的な方法を解説していきます。
- 歯科医院でのものづくり補助金の活用の仕方が分かる
- 歯科医院でのものづくり補助金の採択事例が分かる
ものづくり補助金とは
歯科医院の採択事例が多くあるものづくり補助金の概要について解説していきます。
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金とは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の略称で、中小企業・小規模事業者の革新的なサービス開発や生産プロセスの改善を支援する制度です。
「ものづくり」とだけ聞いて想像するのは製造業などの大型機械や設備を想像してしまいますが、ものづくり補助金は製造業だけでなく生産性の向上が見込める設備投資になら多くの事業者が活用することが可能です。歯科医院にも、要件さえ満たせば、設備投資やシステム開発に活用することができます。
ものづくり補助金の対象となる事業者
ものづくり補助金の対象となる事業者は基本的に以下の二つのいずれかに当てはまる事業者です。なお法人だけでなく個人事業主も対象となります。
①以下の表の資本金または常勤の従業員数以下となる事業者
②資本金額が10億円未満かつ常勤の従業員数が以下の表以下となる事業者
上記から、多くの歯科医院がものづくり補助金の対象となると考えられます。しかし、医療法人はものづくり補助金の対象とならない点には注意が必要です。
医療法人はものづくり補助金の対象にはならない
ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者向けにさまざまな制度変更に対応できるようサービス開発やプロセス改善等を行うための資金を支援する制度です。
医療法人は医療法に基づいて設立されているため上記の目的に沿わず、補助金の要件は満たしていないとされています。そのため、医療法人はものづくり補助金の対象ではないのです。
しかし、個人で開業している歯科医院はものづくり補助金の対象になります。ものづくり補助金に申請する前に、自分の歯科医院は補助金支給の対象になるかどうかをよく確認しておくようにしましょう。
ものづくり補助金で受け取れる金額
ものづくり補助金は事業者の投資金額に対して、お金が給付されるという仕組みです。
ものづくり補助金の給付額は投資金額×補助率で計算することができます。給付額には上限額も設けられているため、投資金額×補助率が上限金額を超える場合は、上限金額が適用されます。
ものづくり補助金の申請枠に対する補助上限金額と補助率は以下の通りです。
申請枠 | 補助上限 | 補助率 | |
省力化枠 | 750万円~ 8,000万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) | |
製品・サービス高付加価値枠 | 通常類型 | 750万円~ 1,250万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) ※新型コロナ回復加速化特例:2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 1,000万円〜 2,500万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) | |
グローバル展開型 | 3,000万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) |
以下では、歯科医院で応募しやすい2つの申請枠の対象事業の概要と、従業員数に対する補助金に注目してみましょう。
省力化枠の対象事業内容と従業員数に対する補助金額
引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について
現在、17次公募では省力化枠のみの募集となっています。
省力化枠に関する詳細はこちら
製品・サービス高付加価値化枠の対象事業内容と従業員数に対する補助金額
引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について
補助金の使い道の具体例
従業員数8人の歯科医院が1,200万円の歯科用CTをものづくり補助金省力化枠で申請し購入した
→600万円のものづくり補助金の受給(補助率1/2が適用される)
従業員数4人の歯科医院が合計1,600万円の口腔内スキャナ、ミリングマシンをものづくり補助金を製品・サービス高付加価値化枠で活用して購入した
→750万円のものづくり補助金の受給(補助率1/2を適用した場合800万円となるが上限の750万円が適用される)
2024年ものづくり補助金のスケジュール
現在募集締め切り前のものづくり補助金は18次公募のものです。募集スケジュールは以下の通りです。
18次公募
募集枠 | 省力化枠、製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠、 |
公募開始 | 2024年1月31日(木)17時〜 |
電子申請受付 | 2024年3月11日(月)17時〜 |
申請締め切り | 2024年3月27日(水)17時まで |
ものづくり補助金が歯科医院と相性のよい理由
ものづくり補助金は歯科医院が活用しやすい補助金であると考えられます。その理由は以下の通りです。それぞれ説明します。
ものづくり補助金が歯科医院と相性のよい理由
採択事例が多い
歯科医院がものづくり補助金に採択されやすいと考えられる根拠として、多くの採択事例があることが挙げられます。
ものづくり補助金は採択された事業者名と事業計画名の一覧が公表されますが、第12次公募では「歯科」という単語で211語のヒットがありました。
昔の公募から歯科医院の採択事例は常に多いので、歯科医院がものづくり補助金を受け取れる可能性は十分に高いと言えるでしょう。
生産プロセスの改善が図れる
ものづくり補助金は中小企業等の生産プロセス改善を図ることを目的としています。
使用用途が限られている補助金も多い中、ものづくり補助金は歯科医院に必要な機器の購入など幅広く活用することが可能です。ものづくり補助金を利用して先端的なデジタル機械の導入などを行い、歯科医院の生産プロセスを改善する取り組みを行うことができます。
大きな金額を受け取れる
ものづくり補助金は大きな金額の機器も補助してもらうことが可能です。ものづくり補助金を活用することで、歯科医院で利用する高額な機器も購入できる点も、歯科医院にものづくり補助金の利用がおすすめの理由です。
歯科医院のものづくり補助金の活用方法
歯科医院がものづくり補助金を活用して購入できる主な設備は歯科用CTや口腔内スキャナの導入が挙げられます。以下でそれぞれ解説します。
歯科医院のものづくり補助金の活用方法
歯科用CTを導入
歯科医院は歯科用CTの導入にものづくり補助金を活用するのがおすすめです。
歯科用CTは金額が1500万円〜2000万円なので、ものづくり補助金の上限金額を利用すれば購入することができます。歯科用CTの購入であれば、事業計画書内でも治療精度の向上や患者の利便性の向上等のメリットを記載しやすいと考えられます。
口腔内スキャナを導入
口腔内のデータを3Dデータとしてスキャンすることができる口腔内スキャナも、歯科医院がものづくり補助金を活用して導入した事例が多くあります。口腔内スキャナは補綴治療やインプラント治療のプロセスの改善に用いられることが多いようです。
ミリングマシンや焼成機を合わせて導入して、歯科医院で補綴物を作れる体制を整備したという事例も多くあります。
歯科医院のものづくり補助金の採択事例
以下は、歯科医院がものづくり補助金に採択された事例です。
事業者名:池島歯科クリニック
事業計画名:歯科治療のDX活用による労働生産性と治療体験の向上
事業者名:八軒みらい歯科
事業計画名:CAD/CAMシステムを活用した1日治療の実現
事業者名:折原 二郎
事業計画名:歯科用CT導入による画像診断の高精度化と顎のトレース時間削減
事業者名:ゆずり葉歯科
事業計画名:歯科用技工ソフトとミリングマシン導入による補綴治療提供過程の大幅 な改善
事業者名:小田中歯科医院
事業計画名:高齢者インプラント等の拡充及び生産性向上を図る事業
事業者名:高原歯科クリニック
事業計画名:高度な顎運動検査機器導入による患者様負担を最小限とする矯正治療の実現
事業者名:篠原歯科医院
事業計画名:【地域格差の是正】地方における最先端歯科矯正医療サービスの提供へ
事業者名:浦和シティ歯科クリニック
事業計画名:ハードカプセル製造の内製化による生産性向上及び競争力強化計画
事業者名:歯科医療
事業計画名:「他院で出来なかった」を解決する。審美性の高い矯正治療と補綴治療の提供。
事業者名:ねま歯科クリニック
事業計画名:デジタルデータコミュニケーションによる自費歯科治療の拡大
上記の事例から、多くの歯科医院がものづくり補助金を利用して歯科用CTや口腔内スキャナやミリングマシン等の導入を行っていることがわかります。事業計画名しか公表されていないため詳しい事業の概要を知ることはできませんが、事業内容はどの歯科医院も大きく変わらないと想定されます。
歯科医院のものづくり補助金申請方法
歯科医院がものづくり補助金に申請する方法を解説します。
ものづくり補助金の申請方法
GbizIDを取得する
ものづくり補助金をはじめとするあらゆる補助金の電子申請には、GbizIDのプライムアカウントの取得が必要です。
GbizIDのプライムアカウントの取得には、申請書や印鑑証明書などの書類審査が行われて取得までに1週間程度要します。
書類の不備がある場合には、取得までの期間が長引くこともあるため、ものづくり補助金への申請を検討している歯科医院の方はGbizIDの取得を早めに行いましょう。
事業計画書を作成する
機械設備を導入してどんな事業を行うかを説明する事業計画書を作成します。
ものづくり補助金の採択の可否はこの事業計画書に基づいて審査されるため、審査項目を押さえた事業計画書を作成することが重要です。
事業計画書の作成にはポイントがあるため、採択率をできるだけ高めたいと考えている歯科医院は専門家に支援を依頼すると良いかもしれません。
必要書類を準備する
ものづくり補助金の申請に必要な提出書類を準備します。
個人事業主の歯科医院の場合は、青色申告決算書などが必要書類となります。必要書類に加えて、追加書類を提出することでものづくり補助金の審査で有利になる加点を受け取ることができます。
電子申請を行う
事業計画書やその他の必要書類が準備できたら、GbizIDを活用して電子申請を行います。
電子申請の画面では歯科医院の基本情報の入力や提出書類のアップロードを行います。ここでミスがあると不採択になってしまうため、慎重に行いましょう。
歯科医院がものづくり補助金の採択率を上げるには
歯科医院がものづくり補助金の採択率を上げるには、以下のポイントを意識しましょう。
革新性を示す
ものづくり補助金の事業計画書では、新規事業の革新性を示す必要があります。単にCT等の機械を歯科医院に導入するといった説明だけでは採択されません。
その機械を導入することによって、新たにどのような治療等が可能となり、歯科医院の現在の課題がどのように解決されるかをきちんと説明できるようにしましょう。
競合分析を行う
ものづくり補助金では、新規事業を行うことによってどのように他の歯科医院に対する優位性を有することができるかという点も審査項目となっています。
周辺の歯科医院の提供している治療やその質などをできるだけ詳しく調べて、自身の歯科医院が商圏において優位性を有していることを示しましょう。
歯科医院でものづくり補助金の活用を考えている方まずはご相談を!
株式会社補助金プラスは、ものづくり補助金の申請支援において、他者ではあり得ない高い採択率を誇ります。弊社が手がけたプロジェクトの90%以上が採択されており、お客様の成果を最大化するお手伝いをしています。
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ものづくり補助金の申請は単なる手続きだけでなく、事業計画を通じてお客様の強みや独自性を言語化します。これにより、採択されやすくなります。
システム関連における強み:
株式会社補助金プラスはシステム関連においてもお任せください。第17次公募から新設された「省力化枠」では応募条件として、システムの導入が挙げられています。株式会社補助金プラスは多くの専門家を有しているため、これまでに、ものづくり補助金を活用してシステムを導入した多くの採択実績がございます。「歯科医院で新たに設備導入したいと考えているけど補助金は使えるかな?」「活用できる補助金あるかな」などお考えの事業者の方はお気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、歯科医院がものづくり補助金を活用する方法について解説してきました。
歯科医院はものづくり補助金を活用して
・歯科用CT
・口腔内スキャナ
などを導入することができます。
事業計画書を作り込み、書類を正しく提出することでものづくり補助金に採択されます。自身で行うのが大変だとお考えの歯科医院の方は、ぜひ専門家に相談してみてくださいね。