【2024.6】省力化投資補助金は配膳ロボット導入に活用できます!概要と導入方法などを解説!

令和5年度補正予算にて、ITツールや設備導入による人手不足解消を支援する「省力化投資補助金」が新設されました。第1回公募は、2024年6月25日よりスタートし、7月19日に締め切られる予定です。

省力化投資補助金の対象経費の中には、「配膳ロボット」も含まれています。飲食サービス業、宿泊業、製造業、卸売業など、さまざまな業界で活用が可能です。

配膳ロボットの導入を検討する事業者様は、ぜひ省力化投資補助金の活用をご検討ください。

本記事では、省力化投資補助金の補助対象事業者、対象経費、補助金額などの概要や、省力化投資補助金を活用して配膳ロボットを導入するメリットなどを詳しく解説します。

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次
省人化・省力化補助金

中小企業が活用できる省力化投資補助金とは?

省力化投資補助金とは、主に中小企業や小規模事業者を対象にした国の補助金制度です。

補助対象となる経費は、人手不足解消を目的としたIoTやロボットなどの設備導入にかかるものです。省力化につながる投資を支援することで、中小企業等の売上拡大、生産性向上、賃上げを後押しします

ものづくり補助金や事業再構築補助金といった他の補助金と異なるのは、補助対象となるロボット等があらかじめ決められている点です。

カテゴリーごとに分かれてカタログに掲載されている機械設備を選ぶ形式であるため、簡単に選べるうえに即効性のある省力化投資(作業員あたりの工数を削減するための設備投資など)につながります

そしてこのカテゴリーのうちの1つに、「配膳ロボット」が存在します。

出典:中小企業庁省力化投資補助金「製品カタログ」

配膳ロボットを活用した無人化による人員削減、作業効率向上、業務負担軽減などを検討する事業者様は、本補助金を有効的に活用できるでしょう。

以下では、省力化投資補助金の対象となる事業および事業者や経費、受け取れる補助金額の上限などを解説します。

省力化投資補助金の補助対象事業

省力化投資補助金の補助対象事業は、公募要領にて詳細に定められています。「配膳ロボットを用いた省人化により、生産性向上を目指す」のが原則です。以下では、詳細を見ていきましょう。

人手不足に関する事項

省力化投資補助金の対象となるには、人手不足に関する以下4つの事項のうち1つ以上を選択し、具体的に説明する必要があります

  1. 人が足りないせいで、従業員の残業時間が平均30時間超になっている
  2. 自然離職・退職(整理解雇ではないもの)によって、前年度比より5%以上従業員が減少している
  3. 採用活動を行ったが、人手不足を解消できる効果が得られなかった
  4. その他、省力化が必要となっている理由がある

上記のうち4のみを選択したときは、「省力化量計算書にて、導入前後の工数を基に省力化の割合を計算する」「機器配置予定図にて、配膳ロボット導入後の機器配置や作業動線などを説明する」といった作業が必要です。

保険への加入

省力化投資補助金の補助額が500万円以上になるときは、事業計画期間終了時までは、火災などによる財産の損失等に備えて、付保割合が補助率の1/2以上の保険または共済への加入が必須となります。

基本要件

基本要件とは、省力化投資補助金を申請するにあたって満たすべき事業目標です。必須要件として、「労働生産性の向上目標」が挙げられます。

労働生産性の向上目標とは、「補助事業終了後の3年間、1年ごとに申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3%以上向上させること」です。計算方法は、公募要領にて記載されています。

また、必須ではないものの「賃上げ目標」を達成できれば、補助金の上限額が50%引き上げられます。賃上げ目標とは、「事業場内最低賃金を45円以上増加させること」と「給与支給総額を6%以上増加させること」をどちらも満たすことです。

採択における要件

本補助金の採択を受けるには、「採択における要件」もすべて満たす必要があります。採択を受ける要件は次の通りです。

  • 導入する省力化製品に紐付けられた業種のうち少なくとも1つ以上が、補助事業者の営む事業の業種と合致すること
  • カタログに登録された価格以内の製品本体価格・導入経費を補助対象として事業計画に組み込むこと(なお補助額の範囲外で、自費により経費を追加することは認められる)
  • 基本要件の労働生産性の向上目標を設定し、その実現に向けて取り組むこと
  • (補助上限額の引き上げを行う場合)基本要件に記載する賃上げの目標を設定し、その計画を従業員に対して表明するとともに、その実現に向けて取り組むこと
  • 省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に供する事業ではないこと
  • 労働生産性の向上にかかる目標を、合理的に達成可能な事業計画に沿って実施されること
  • 効果報告期間終了までの間、省力化製品の導入を契機として、自然退職や自己都合退職によらない従業員の解雇を積極的に行わないこと
  • (補助額が500万円を超える場合)付保割合が補助率以上である保険または共済への加入を行うこと(支払保険料は補助対象外)
  • すでに所有する製品の置き換えを行うものではないこと
  • GビズIDプライムを取得していること

必須要件ではあるものの、いずれも申請の手続きを進めていけば自然とクリアできるものばかりです。申請時には上記の内容を確認し、抜けがないようにしておきましょう。

省力化投資補助金の補助対象者

省力化投資補助金の補助対象者となる中小企業や小規模事業者は、中小企業等経営強化法に定められた資本金または常勤の従業員数以下の者です。

出典:公募要領

配膳ロボットの導入であれば、サービス業、製造業、旅館業などで活用しやすいと考えられます

その場合、最低ラインは資本金5,000万円以下または従業員数50人以下です。資本金・従業員数のいずれも、大規模に事業展開をしていない限りは問題なく条件を満たせるでしょう。

一方で、一般社団法人、NPO法人、組合などの会社形態といった場合は、別の要件が定められています。また、みなし同一法人やみなし大企業に該当する者は、申請ができない可能性があります。

詳細は、公募要領をご覧ください。

省力化投資補助金の補助対象経費

省力化投資補助金の補助対象経費は、主に「配膳ロボットの本体価格(製品本体価格)」と「導入に要する費用(導入経費)」です。

製品本体価格は、もっぱら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具など)、それに附随する専用ソフトウェア、情報システムなどの購入に要する経費です。

申請できるのは、カタログに事前登録されている価格が上限となります。

2024年現在では、配膳ロボットも補助対象の1つです。

なおリース・レンタル、中古品、交付決定前に導入した製品、消費税、無償提供されたものなどは補助対象外となります。

次に導入経費は、省力化製品の設置作業、運搬費、動作確認費用、マスタ設定費用などです。

ただし交付決定前にかかったもの、過去に購入したものに対する費用、省力化製品の導入に関係のないデータ作成・データ投入費用、原材料費・光熱費などは対象外になります。

省力化投資補助金の補助率と補助金額

省力化投資補助金の補助金額上限は、交付申請時点の補助対象事業者の常勤従業員数ごとに、金額テーブルが設定されています。本補助金の補助率と補助金額は次の通りです。

従業員数補助率補助上限額(大幅な賃上げを行う場合)
5人以下1/2以下200万円(300万円)
6~20人以下500万円以下(750万円)
21人以上1,000万円以下(1,500万円)

配膳ロボットの相場価格は、1台あたり100万~300万円程度です。21人以上いる事業者であれば、5~10台ほど導入できる可能性があります

省力化投資補助金の事業全体の流れ

省力化投資補助金の交付を受けるには、補助金事業の目的や要件に合致する事業計画書の作成が必要です。作成した事業計画書を事務局へ提出し、その事業計画書に関する審査を受けます。

出典:公募要領

省力化投資補助金が交付されるまでの、大まかな流れは次の通りです。

  1. 自動倉庫の導入によって、人手不足を解消し売上や生産性が向上する事業計画書を作成する
  2. GビズIDの公式ホームページにて、Gビズプライムアカウントを作成する
  3. 電子申請受付システムを用いて、事務局へ事業計画書と必要書類を提出する
  4. 採択通知を受け取ったら、事務局から交付決定の通知を受けて補助事業を開始する
  5. 補助事業が終了後、実績報告を行い補助金の金額を確定させる
  6. 確定した金額を事務局へ請求し、確定金額の交付を受け取る
  7. 毎年の年度初めにて、効果報告を通算5年間行う

上記はあくまでおおまかなスケジュールです。ケースによっては、実地調査などが行われる可能性があります。詳細は公募要領や公式ホームページにて確認してみてください。

省力化投資補助金を活用して導入できる配膳ロボットとは?

2024年6月現在、省力化投資補助金を活用して導入できる配膳ロボットは「カチャカプロ + カチャカシェルフ3段(プロ用) セット(株式会社 Preferred Robotics)」と、「BUDDY(SOCIAL ROBOTICS株式会社)」の2つです。

出典:中小企業庁省力化投資補助金「製品カタログ」

カチャカプロは、デンソーやNTT西日本などの大企業を含め、歯科、飲食店、オフィス、工場などでの導入実績があるロボットです。簡単な設定で希望通りの箇所への配膳が可能となります。65cmの狭い幅も通行可能で、レーザーセンサーや3Dセンサーによって人や障害物を避けられます。

BUDDYは、屋内汎用移動ロボットです。飲み物に対応した免震機構、音声ガイダンス、30kgまで積載可能の運搬など、配膳ロボットとして非常に活用しやすい性能を搭載しています。現場に合わせたカスタマイズにも対応しています。

導入をおすすめしたい企業

省力化投資補助金によって、配膳ロボットの導入をおすすめしたい企業は次の通りです。

  • 配膳業務や搬送業務の人手が足りていない
  • 配膳作業の業務負担を軽減したい
  • スタッフの負担を軽減し、他の付加価値の高い仕事へ配置したい
  • 顧客満足度を上げたい
  • 広告宣伝効果につながる

おおよその価格と導入費用

省力化投資補助金の配膳ロボットは、数十万〜数百万円程度で導入が可能です。設定も簡単であるため、導入費用もそこまでかからないと推測されます。

活用事例・ポイント

省力化投資補助金のカタログにある配膳ロボットは、飲食店だけでなく「歯科医院での搬送・片付けの自動化」「パン工場と店舗の棟間のピストン輸送」「イベントホールでのレンタル活用」などで用いられています。

配膳としてだけでなく、さまざまな業界における運搬業務や通常業務のサポーターとして活用が可能です。

省力化投資補助金を活用して配膳ロボットを導入するメリットとは?

省力化投資補助金を活用して配膳ロボットを導入することには、「配膳業務の削減」「コスト削減」というメリットがあります。

配膳業務の削減

配膳業務であれば、スタッフの代わりにオーダー品の配膳や食器の回収などに対応してくれます。配膳担当の負荷を減らせるので、浮いた分の工数を片付け、調理、会計、品出しなどの他の業務へ回すことが可能です

飲食店以外でも、工場現場で工程間の部品・工具・完成品の運搬などに活用できます。

コスト削減

配膳ロボットを導入すれば、さまざまなコストを削減できます。具体的には次の通りです。

  • 配膳・運搬にかかる人件費の削減
  • ヒューマンエラー削減による対応コスト削減
  • 疲労・ストレスの影響による業務効率低下の防止
  • 他業務の作業効率の向上
  • 深夜帯や早朝帯のシフトによる割増時給の支払い削減

省力化投資補助金を利用して配膳ロボットを導入する方法とは

省力化投資補助金を利用して配膳ロボットを導入するには、配膳ロボットの販売事業者と協力して事業計画書を作成し、共同申請によって応募する必要があります。そのため、配膳ロボットの販売事業者とのコミュニケーションが非常に重要になるでしょう。

とはいえ事業計画実施後に目標が未達、事業実態と乖離した労働生産性の向上目標の策定といった悪質なケースが発覚すると、販売事業者名が公表されるリスクがあります。これらのペナルティ回避や単純な売上などを考えると、販売事業者も積極的にサポートしてくれるはずです。

事業計画書は、配膳ロボットの具体的な効果、論理的かつ根拠ある説明、数値やエピソードの活用、事務局が読みやすいレイアウトでの作成などを意識してください。

もし事業計画の策定で不安があるときは、補助金申請をサポートするコンサルティング会社や地域の商工会議所・商工会などで相談するのがおすすめです

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まとめ

配膳ロボットの導入を検討しているのであれば、省力化投資補助金を活用することで数台分の経費をまかなえる可能性があります。

飲食店での配膳作業を効率化したい」「製造現場での運搬作業のサポートに使いたい」といった事業者は、ぜひ本補助金を現場改善に活用してみてください。

省力化投資補助金の交付を受けるには、事務局から採択される事業計画書が必要です。

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