「中小企業新事業進出補助金(以下、新事業進出補助金)を活用してドッグランを開くことはできるのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論から言うと、新事業進出補助金を活用してドッグランを開くことは可能だと考えられています。しかし、ドッグランを開くには対象経費をはじめとする注意点がいくつかあるので正しい知識が必要です。
本記事では、新事業進出補助金を活用してドッグラン事業を始めるときのポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。
ドッグラン事業について説明する前に、まずは新事業進出補助金について解説します。
新事業進出補助金は、既存事業を活かして新事業を始める中小企業、小規模事業者を対象に補助金を支援してくれる制度です。つまり、ドッグラン事業等を今まで行ったことのなかった事業者が新たにドッグラン事業を行う際にかかる設備投資等を支援してくれます。事業再構築補助金と内容が似ており、事業再構築補助金の後継補助金と言われています。
新事業進出補助金を活用したいときは、どのような事業を行う予定なのかを記載した事業計画書などの書類を提出し、採択されなくてはなりません。補助金額も大きく、多くの事業者から人気が出る予定なので採択率も低くなると予想されます。
新事業進出補助金は多くのことに利用できます。対象経費は以下の通りです。
事業再構築補助金はいくつかの申請枠、類型に分かれており、枠によっては対象にならない経費もありました。もしかしたら新事業進出補助金もこれから枠等が設置される発表があるかもしれません。その場合、申請する枠の対象経費には何があるかしっかり確認しておきましょう。
以下は、新事業進出補助金の補助上限金額と補助率を表したものです。
従業員数 | 補助上限金額 | 補助率 |
従業員数20人以下 | 2,500万円(3,000万円) | 1/2 |
従業員数21~50人 | 4,000万円(5,000万円) |
従業員数51~100人 | 5,500万円(7,000万円) |
従業員数101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
※補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+
6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。)
参照:中小企業新事業進出補助金
上記の表からわかる通り、本補助金はかなり多額の補助金額が見込める制度です。補助金額が高いと有名だった事業再構築補助金の一部の枠より補助上限金額が高く設定されています。補助下限金額が750万円と設定されている点も、受け取れる額をイメージしやすく、申請者にとって嬉しい点でしょう。
ドッグランは飼い犬をあるスペースの中でリードを外して自由に運動することができる場所のことです。
新事業進出補助金を活用してドッグラン事業を行うなら、基本的には許可が必要なドッグランを開く場合になるでしょう。
新事業進出補助金を活用できるドッグラン事業の対象経費について紹介していきます。
新事業進出補助金を活用できるドッグラン事業の経費例
建物費は、ドッグランに付属する施設の改修費などに使用することができます。ドッグランに併設するカフェや飲食店、ペットグッズの販売所などを補助金を活用して建てたい場合は建物費として計上しましょう。
建物費を経費とする場合は、基本的に新築ではなく改修で使用するのが望ましいです。新築で利用する場合は、新築する必要性を説明した書類の提出が別途必要になると予想されます。
ドッグランの設備等は機械装置・システム構築費として新事業進出補助金の対象経費とすることができます。ドッグランに新たな設備等を追加したい場合に活用できるでしょう。
新事業進出補助金を活用して新規事業を行うにあたり専門家の支援を受ける場合、その費用を専門家経費として計上することができます。ペット事業を行うにあたって開業のコンサルを依頼する場合等は専門家経費を経費として活用しましょう。
なお、新事業進出補助金の申請支援にかかる経費は専門家経費として計上できないので注意しましょう。
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中小企業新事業進出補助金(以下、新事業進出補助金)の対象経費の一つに、専門家経費というものがあります。何か新事業を始める時に、専門家からアドバイス等をもらう時に発生する費用のことです。
しかし、具体的な利用例がわからず混乱している方も多いでしょう。今回は専門家経費の利用例について解説します。
専門家経費はあまりメジャーではありませんが、やり方次第ではかなり便利に活用できます。ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。
ドッグランの宣伝など、マーケティングにかかる費用は広告宣伝・販売促進費として新事業進出補助金の経費とすることができます。
これまで、補助金を利用してドッグラン事業を始めた事業者はたくさんいます。多くの採択事例では、ドッグラン単体を事業として行うのではなく、飲食業や宿泊業といった他業種の事業にドッグランを併設しています。
以下では、これまでにドッグラン事業で補助金に採択された事例を紹介します。
事業者名:八屋
事業内容:本事業は、当店の主たる業種「飲食サービス業」(大分類M)に該当する和風料理店の飲食店事業を変更することなく、ペット愛好家向けのドッグラン、ドッグカフェ事業を開始することにより、今後成長が見込まれるペット業界という「新分野展開」事業であり、「回復、再生応援枠」として応募いたします。
補助金を活用してドッグランが併設されているカフェを開業した事例です。既存事業で飲食店を行なっている場合はシナジーを発揮しやすい事例であると言えるでしょう。
事業者名:株式会社ハイナン
事業内容:現在、ゴルフ練習場を経営しているが、これを閉鎖し、ドッグラン、ドッグトリミング、ドッグサプライ、ドッグフード販売店などわんちゃんに関連する集積拠点を設立してサービスのワンストップ化を愛犬家に提供する。
ゴルフ練習場が補助金を活用してドッグランやトリミング、ペット用品販売等ペットに関する複合施設を開業した事例です。自社の土地を有効に活用できています。
事業者名:株式会社ヤマグチ
事業内容:ペットブームと共に宿泊需要が回復傾向にある。ペットと泊まれる一棟貸の宿泊サービスに参入する。家族、グループ単位で宿泊でき、ドッグラン併設で癒し空間が満喫できる宿泊サービスを目指す。売上、収益拡大およびペット旅の需要に貢献する。
補助金を活用してドッグランが併設されている宿泊施設を開業した事例です。
単なる宿泊施設ではなくドッグランを併設してペット連れでも楽しめるように工夫している点で通常の宿泊施設との差別化が図られています。
新事業進出補助金を活用してドッグラン事業を行うときの注意点について解説します。
新事業進出補助金を活用してドッグラン事業を行うときの注意点
ドッグランを開業するために、例えば土地を整備して芝をはる等を行うと思いますが、これらにかかる費用は補助対象外となる可能性が高いです。それは、このような外構工事が対象となるような経費区分がないからです。
また、おそらく構築物も補助対象外になると考えられているため、ドッグランにフェンスを建てる費用等は補助対象外となると考えられます。
新事業進出補助金に採択されるためには、単なるドッグラン事業を始めるだけでは採択が難しいでしょう。
飲食店にドッグランを併設する、宿泊施設にドッグランを併設する等、あくまでもドッグランは付属として事業を行うのがおすすめです。現在自社で展開している事業内容等を生かすのが良いでしょう。
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株式会社補助金プラスは、新事業進出補助金を含め様々な補助金に申請する事業者様の申請サポートをしています。ドッグラン事業を始める方のサポートももちろん可能です。差別化を図る方法などをアドバイスすることもできます。
株式会社補助金プラスがこれまで申請支援した事業者様の採択率は98%!オンライン対応ができるので、場所を選ばずどこの事業者様でもサポートが可能です。
初回の無料相談も受付中です。新事業進出補助金でドッグラン事業を始めたい事業者様は、この機会にぜひ株式会社補助金プラスにお問い合わせください。
この記事では新事業進出補助金を活用したドッグラン開業の方法について解説してきました。
ドッグラン事業で補助金に採択された事例は多くあるので、今回紹介した採択事例や注意点を参考にしながら新事業進出補助金の活用を検討してみてください。