【2023.12】ものづくり補助金は個人事業主でも受け取れる!事例や注意するポイントについて最新情報を解説!

ものづくり補助金に興味があるものの、「個人事業主である自分が受け取ることができるのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか?この記事ではものづくり補助金を個人事業主が受け取るためのポイントと注意点を、事例を踏まえて解説していきます。
- ものづくり補助金の詳しい内容がわかる
- 個人事業主がものづくり補助金を申請する際の注意点とポイントがわかる
- 個人事業主がものづくり補助金を活用した事例がわかる

ものづくり補助金とは?
まずものづくり補助金について詳しく知ってもらうために、ものづくり補助金とは何かという概要から解説していきます。
ものづくり補助金とは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を略したもです。中小企業自身の経営力を高め、さらに事業計画期間にわたって生産性を高めることを支援する補助金です。具体的には、中小企業、小規模事業者が今後相次いで直面する成夫変更等に対応するため、中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援するものです。
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は応募枠によって一概に補助率が決まっていいるわけではありません。応募枠によっては 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者かどうかで補助率が変わります。しかしそれに関わらず補助率は1/2以上です。効率的にかつ効果的にものづくり補助金を活用するために自身の応募枠はしっかりと把握するようにしましょう。
ものづくり補助金の対象となる事業者の要件
ものづくり補助金は製造業でなくても全ての業種の事業者が受け取ることが可能です。事業者が満たすべき要件は大企業でないことだけです。従業員数または資本金が定められている上限以下となることでものづくり補助金を受け取ることが可能です。

ものづくり補助金は何に使える?
ものづくり補助金は、機械を購入したりシステムを構築したりする際の設備投資に使うことができます。ただし、ものづくり補助金の目的が「革新的なサービスや商品の開発の支援」であることから単に既存事業の生産ラインを拡充するといった投資には適用できず、新規事業を行うときにだけ使用することが可能です。
ものづくり補助金の補助額と補助率
以下の表はものづくり補助金の補助額と補助率についてまとめた表になります。
ものづくり補助金の補助額と補助率
ものづくり補助金の最大補助額は4,000万円
申請型 | 補助金額 | 補助率 | |
一般型 | 通常枠 | 100~1,250万円 | 1/2(小規模事業者等:2/3) |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 | 100~1,250万円 | 2/3 | |
デジタル枠 | 100~1,250万円 | 2/3 | |
グリーン枠 | 100~4,000万円 | 2/3 | |
グローバル展開型 | 1,000~3,000万円 | 1/2(小規模事業者等:2/3) |
ものづくり補助金は、申請枠や従業員数によって大幅に補助金額が増額します。通常枠の申請がかなり多くなっているのですが、通常枠で申請する事業者が半分以上となっています。ただし、システム開発やアプリケーション開発などではデジタル枠も活用可能です。
ものづくり補助金の各申請枠については以下のリンクからご覧ください。
【2023】ものづくり補助金の回復型賃上げ・雇用拡大枠とは?
【2023】ものづくり補助金のデジタル枠とは?活用方法や採択のポイントを徹底解説!
【2023】ものづくり補助金のグリーン枠とは?活用方法や採択のポイントを徹底解説!
ものづくり補助金の補助額は申請枠や従業員数によって変わる
ものづくり補助金には、通常枠と回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠の5つがり、それぞれ補助上限金額は異なります。
また、重要なポイントは従業員数によっても大きく異なるということです。
賃上げを行えばものづくり補助金の補助額が増加する
先ほど紹介した補助額に加え、従業員への賃上げや新規雇用を行うことによって一部の申請枠で補助上限額が増加します。新規の採用や賃上げを検討している方は、ものづくり補助金の補助額増額を申請することをおすすめします。
補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、上記枠の補助上限を100万円~1,000万円、更に上乗せ。(回復型賃上げ・雇用拡大枠などは除く)
ものづくり補助金事務局公募要領
ものづくり補助金の全体の流れ

ものづくり補助金の全体では主に以下のフェーズに分解することができます。
①GビズIDの取得
ものづくり補助金の申請は、電子申請ポータルから行いますが、電子申請ポータルを使用するにはGビズプライムIDの取得が必要となっています。IDの取得には期間を要することもあるので、早めに取得の申請を行いましょう。
②事業計画書の作成
ものづくり補助金では、補助金をどのように利用するのかを説明する事業計画書を作成する必要があります。事業計画書は、申請の採択を決める重要な要素となります。
③必要書類の準備・申請
ものづくり補助金に申請するには、決算書をはじめとする必要書類を作成して提出する必要があります。賃上げ要件などもあるのでしっかりと確認しましょう。
④交付申請
事業再構築補助金に無事採択されたのちは、補助金の支給額を確定される交付申請を行います。事業再構築補助金の申請段階では、補助金の支給額は仮のものであり採択が確定したのちに請求書などをもとに正式に金額を確定させるのです。
この交付申請が認められることで、補助事業に着手することが可能となります。
⑤実績報告
補助事業を完了したら実績報告を行います。実績報告では、ものづくり補助金の補助事業の成果をまとめた資料を作成するとともに支払いの証拠の領収書などを合わせて提出します。
⑥事業化報告
ものづくり補助金給付後、申請する際に提出した賃上げ要件などが達成されているかを売上や営業利益等の報告により確認されます。万が一賃上げを達成できない場合は返還措置なども取られる可能性があるので十分に注意しましょう。
ものづくり補助金の直近のスケジュールは以下の通りです。
申請を検討している場合は早めに事業計画書や必要書類等を準備しましょう。
申請にあたって疑問点等ございましたらINU株式会社の無料相談へお気軽にお申し込みください。
ものづくり補助金第17回公募:令和6年2月締め切り予定
公募要領はこちら
ものづくり補助金は個人事業主も対象
ものづくり補助金を個人事業主も対象?
ものづくり補助金に申請できるかは従業員数と資本金で決まる
結論から言うと、個人事業主はものづくり補助金に申請することが可能です。ものづくり補助金に申請できるかは、従業員数と資本金によって決定します。
ものづくり補助金の申請要件には主に以下の4つのがあります。
・中小企業者であること
・設備投資を行って革新的な開発・製造や生産プロセスの改善を行うこと
・その事業が生産性の向上に寄与するものであること
・従業員の賃金が上昇していること
ここで中小企業者の定義は以下のように定められています。
第二条 この法律において「中小企業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種及び第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二 資本金の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、卸売業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、サービス業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
四 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であって、小売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
五 資本金の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
六 企業組合
七 協業組合
八 事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの
中小企業等経営強化法
事業者の業種ごとに従業員数と資本金の上限が決められているので、それらを満たすことでものづくり補助金への申請が可能となります。従業員数の上限と資本金の上限を両方満たさなくても、片方満たすだけで申請が可能な点には注意しましょう。
ものづくり補助金を受け取れるかどうかは、従業員数と資本金だけで決まるため個人事業主であるかどうかは、関係なく受け取ることができるのです。
ものづくり補助金は個人事業主でも受け取れる
ものづくり補助金は、従業員数と資本金によって決定するため個人事業主でも受け取ることが可能です。ものづくり補助金の公式ホームページでは採択結果の一覧が公表されていますが、実際に多くの個人事業主がものづくり補助金に採択されていることを確認することができます。
個人事業主がものづくり補助金を活用した事例
個人事業主がものづくり補助金を活用した事例
パン屋が個包装を自動で行う機械を導入
個人事業主がものづくり補助金を受け取った事例の一つ目が、パン屋が個包装を自動で行う機械を導入した事例です。この個人事業主のパン屋は従来はパンをそのまま棚に陳列していました。しかし、新型コロナが流行したことで人々が感染リスクを避けるようになりパンをあらかじめ個包装してから陳列すると言うオペレーションに変更しました。
ただ、その個包装に工数がかかるという問題があったためものづくり補助金を受け取って個包装を自動で行う機械を導入しました。
歯科医院がCTを導入
個人事業主がものづくり補助金を受け取った事例の二つ目が、歯科医院がCTを導入した事例です。この個人事業主の歯科医院は、院内にCTを有していなかったため、CTによる精密検査を行う必要が生じた際には、近くのCTのある病院での検査を依頼していました。
これではオペレーションの効率が落ちることや、ほかの医院に行く患者の手間などを考慮して、この歯科医院はものづくり補助金を受け取ってCTを導入しました。
個人事業主のクリニックは多くあると思いますが、このような事例はものづくり補助金を個人事業主が活用した例として参考になるのではないでしょうか。

個人事業主がものづくり補助金に採択されるのが難しい理由
個人事業主がものづくり補助金に採択されるのが難しい理由
個人事業主だと体制が不十分であることが多い
個人事業主がものづくり補助金を受け取るのは、法人よりも一般的に難しいと言われていますが、その理由の一つとして事業者内の体制が不十分であることが多いことが挙げられます。
ものづくり補助金を受け取ることができるかは、申請するときに提出する事業計画書に基づいて判断されますが、その審査項目の一つとして体制を含めた事業を遂行する能力があるかというポイントがあります。
組織化されている企業であればこの観点を示すことはできるのですが、個人事業主であると例えば飲食店では店長と残りの従業員は全員がホールスタッフやキッチンスタッフといった実務担当であるといった状況が考えられるので、誰が補助事業を遂行するのかと言う遂行可能性を示すことが難しいのです。
この点に関してはものづくり補助金の申請前にどのようなオペレーションにするかをあらかじめ話し合っておくことと、事業計画書に遂行能力が十分にあることを証明できるようにうまく記載していくことが個人事業主には必要でしょう。
十分な資金がない個人事業主がが多い
個人事業主がものづくり補助金を受け取るのが難しい理由の二つ目が、十分な資金を準備できていないことが多いことが挙げられます。ものづくり補助金は、大きな金額を受け取れるもののその補助率は1/2〜2/3であり、残りは自己資金で賄う必要があります。
この資金をどのように調達するかも審査基準としてみられているので、赤字が続いて財務状況がよくなかったりした場合ものづくり補助金を受け取ることは難しくなってしまうのです。
個人事業主であっても財務状況が健全であることや資金調達計画を立案していることを事業計画書内で示すことができるようにしましょう。

ものづくり補助金を個人事業主が申請するときの注意点
ものづくり補助金を個人事業主が申請するときの注意点
ものづくり補助金の申請には確定申告書の提出が必要
ものづくり補助金を個人事業主が申請する際には、確定申告書を提出する必要があります。ものづくり補助金の必要書類として法人であれば2期分の決算書が求められていますが、個人事業主であればその代わりに確定申告書を提出する必要があります。
ものづくり補助金採択後の資金調達計画を考える
ものづくり補助金で新規事業を始める際には、投資金額の1/2は自己資金で賄う必要があります。また、ものづくり補助金の投資は先払いであとからものづくり補助金を受け取ることができるという流れであるため、その一時的な資金も準備する必要があります。
そのため、個人事業主でものづくり補助金を申請することを検討している場合はこれらの支出をどのように賄うかの資金調達計画を考えるようにしましょう。
個人事業主がものづくり補助金を活用するのに抑えておくべきポイント
個人事業主がものづくり補助金を活用できることをしったうえで、個人事業主が採択されやすくなポイントを紹介します。
個人事業主がものづくり補助金を活用するのに抑えておくべきポイント
事業計画書のクオリティを重視する
個人事業主やものづくり補助金に関わらず、補助金申請は事業計画書の質が採択か否かを決めると言っても過言ではありません。ものづくり補助金の目的や要件に沿った事業内容である必要があります。
事業の課題や現状、設備や必要な金額などを事細かに記載しなければなりません。事業計画書の作成は重要な要素であるので専門家に依頼するのもいいかもしれませんね。
資金計画を立てておく
案外忘れがちなのが、ものづくり補助金の振り込みは事業終了後ということです。個人事業主に関係なく、資金計画を立てておかないと大変なことになります。事業の初めの方は自己資金で行う必要があります。あらかじめしっかりとものづくり補助金の流れを熟知し、資金計画を立てるようにしましょう。
ものづくり補助金の詳しい採択後の流れについてはこちら
加点項目の把握
ものづくり補助金には審査ポイントと加点項目が存在します。ものづくり補助金の採択可能性を上昇させる要素は事業計画書の内容だけでなく加点項目をどれだけ評価されるかもその1つです。
加点項目は以下の4つがあります。
加点項目①:成長性加点
加点項目②:政策加点
加点項目③:災害等加点
加点項目④:賃上げ加点等
これらの加点項目を熟知して、事業を練ることで個人事業主に限らず採択される可能性を大幅に上げることができます。
詳しい加点項目の内容はこちら
まとめ
ものづくり補助金は個人事業主でも受け取ることは可能です。いくつかの個人事業主ならではの難しい点はありますが、しっかりとした事業計画書を策定することでものづくり補助金に採択されることは十分にできるので、新たな設備の購入を検討している個人事業主のかたは、ぜひ一度申請を検討してみてくださいね。