[2023.12]ものづくり補助金の類型・応募枠について徹底解説!

ものづくり補助金の類型・応募枠と聞くと、補助要件や補助上限額が異なるため、ご自身にとって最良の類型・応募枠はなんなのかわからない方が多いのではないでしょうか。
この記事では、ものづくり補助金の類型・応募枠について解説していきます。
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金の類型・応募枠を見ていくまえに、ものづくり補助金の概要について説明していきます。
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者がものづくりに関する設備投資や人材育成などをおこなう際に、国から一部の費用を補助してもらえる制度です。ものづくり補助金の目的は、日本のものづくり産業の競争力を高めることや、地域経済の活性化に寄与することにあります。
ものづくり補助金は、毎年公募されており、対象となる事業や補助率、補助上限額などは公募要領における類型・応募枠によって異なります。ものづくり補助金を申請するには、類型・応募枠に合わせて事前に必要な書類を準備し、指定された期間内に電子申請システムで申請しなければなりません。
ものづくり補助金は、採択された事業者に対して事後的に支払われます。ものづくり補助金を活用することで、中小企業や小規模事業者は、ものづくり補助金に必要な資金や技術を確保しやすくなるでしょう。
ものづくり補助金の採択率はどれくらい?
ものづくり補助金の採択率は、公募の規模や類型・応募枠、申請者の資質に応じて変動しますが、一般的には、40%から60%の範囲にあります。ものづくり補助金の全体の採択率は約50%と推定されており、最新の令和5年度の採択率は、約63%と発表されています。
コロナ特別枠が終了したことで、ものづくり補助金の応募状況が変化しました。2021年には事業再構築補助金の公募が始まり、ものづくり補助金との競合が減りました。その結果、ものづくり補助金の採択率は上昇しました。
ものづくり補助金は、中小企業やベンチャー企業がものづくり能力を強化するために利用できる政策です。毎年多数の応募があり、ものづくりに対する関心の高さを示しています。
ものづくり補助金の各類型・応募枠
ものづくり補助金は、複数の枠に分かれていて、それぞれ対象事業者や類型・応募枠によって要件が異なります。
①通常枠
最初は、通常枠で申請することを検討を進めていくのがいいでしょう。
通常枠の補助要件は、以下のとおりです。
【概要】
革新的な製品やサービスを開発するためには、生産プロセスやサービス提供方法を改善することが重要です。改善に必要な設備・投資等を支援。
【補助上限額】
・従業員数5人以下 :100万~750万円
・従業員数6人~20人:100万~1,000万円
・従業員数21人以上 :100万~1,250万円
【補助率】2分の1
・小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は3分の2
②回復型賃上げ・雇用拡大枠
回復型賃上げ・雇用拡大枠の補助要件は、以下のとおりです。
【概要】
業況が厳しい事業者が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援。
・応募締切の前年度の事業年度お課税証明書がゼロであること
・常時使用する従業員がいること
・補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること
【補助上限額】
・従業員数5人以下 :100万~750万円
・従業員数6人~20人:100万~1,000万円
・従業員数21人人以上:100万~1,250万円
【補助率】
3分の2
③デジタル枠
デジタル枠は、業務のデジタル化やIT化自動化に取り組む事業者のことです。
デジタル枠の補助要件は次のとおりです。
【概要】
・ⅮⅩに資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等であること
・経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構に対して提出していること
・独立行政法人情報処理推進機構が実施する「SECURITYACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること
【補助上限額】
・従業員数5人以下:100万~750万円
・従業員数6人~20人:100万~1,000万円
・従業員数21人以上:100万~1,250万円
【補助率】
3分の2
④グリーン枠
グリーン枠の補助要件は、以下のとおりです。
【概要】
グリーン枠は、温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発または、炭素生産向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援。
・温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等であること
・3〜5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
・これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと
【補助上限額】
(エントリー類型)
・従業員数 5 人以下 :100万円〜750万円
・従業員数6人~20人:100万~1,000万円
・従業員数21人以上:100万~1,250万円
(スタンダード類型)
・従業員数 5 人以下 :750万円〜1,000万円
・従業員数6人~20人:1,000万~1,500万円
・従業員数21人以上:1,250万~2,000万円
(アドバンス類型)
・従業員数 5 人以下 :1,000万円〜2,000万円
・従業員数6人~20人:1,500万~3,000万円
・従業員数21人以上:2,000万~4,000万円
【補助率】
3分の2
⑤グローバル市場開拓枠
グローバル市場開拓枠の要件は、以下のとおりです。
【概要】
海外市場類型では、海外展開に係るブランディング・プロモーションに係る経費も支援
海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業のいずれかに合致するもの)
【補助上限額】
100万~3,000万円
【補助率】
2分の1
・小規模企業者、小規模事業者、再生事業者は3分の2
まとめ
この記事では、ものづくり補助金の類型・応募枠について解説しました。
ものづくり補助金では、事業計画に合わせて応募枠を選択することが重要です。ものづくり補助金の利用を検討している事業者は、この記事を参考にしながらぜひ、申請をおこなってみてください。