【2024.2最新】事業再構築補助金とはなにかをわかりやすく解説!

添付ファイルの詳細 事業再構築補助金 概要

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

経営者であれば知っておくべき補助金が事業再構築補助金ですが、「詳しくはわからない」という人も多くいるのではないでしょうか?この記事では、「誰が使える?」「何に使える?」といった疑問に答えながら誰でもわかりやすく事業再構築補助金について説明していきます!

この記事の目次

事業再構築補助金の概要

この章では、事業再構築補助金の概要についてわかりやすく解説!

事業再構築補助金 補助対象者

事業再構築補助金の対象と要件

結論から述べると、大企業ではない企業や個人事業主です。事業再構築補助金は、大企業でなければ申請することが可能です。もっと具体的にわかりやすく説明すると、資本金額または出資総額が10億円未満で資本金額や出資総額が定められていない場合には、従業員数が2,000人以下であることが条件となっています。おそらくこの記事を読まれている事業者様のほとんどはこの要件を満たしていると思うので、事業再構築補助金に申請可能です。

認定経営革新等支援機関の確認と付加価値額の向上

また、これまでは事業再構築要件及びコロナ禍における売上高減少要件がありましたが、第10回の公募からは以下の2点となりました。

  • 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
  • 付加価値額を向上させること

事業再構築方針に基いた事業計画について、認定経営革新等支援機関の確認を受けることが要件となっており、補助金額が3,000万円を超える案件は、金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けることが要件となっています。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。

付加価値額の向上については、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる) 以上増加させることが必要です。

なお、各応募枠によって、下記のような条件もあるため、よく確認しておきましょう。

●成長枠:新規事業が拡大市場に属する

●グリーン枠:グリーン成長戦略の課題の解決に資する取り組みを行う

●産業構造転換枠:既存事業が縮小市場に属する

●物価高騰対策・回復再生応援枠:原油価格や物価高騰の影響で売上高が大幅に減少

事業再構築補助金はいくらもらえる?

補助率は2/3が基本

事業再構築補助金の補助率をわかりやすく説明すると、ほとんどの事業者が応募する通常枠(第10回からは「成長枠」が後継)では、中小企業等・中堅企業等ともに1/2となっています。ここでいう中小企業等とは資本金または常勤の従業員数が以下のような表の数値以下となる企業等のことです。

業種 資本金 従業員数(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
小売業 5,000万円 50人
サービス業(以下2つ以外) 5,000万円 100人
ソフトウェア業、情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
ゴム製品製造業(※) 3億円 900人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

 

※自動車又は航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く

補助率は基本的には1/2または1/3、2/3ですが、事業再構築補助金にはさまざまな応募枠があるため、各応募枠によって補助率も異なってきます。各応募枠ごとの補助率は次の表にわかりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてみてください!

応募枠中小企業等中堅企業等
①成長枠1/2(2/3)1/2(2/3)
②グリーン成長枠1/2(2/3)1/2(2/3)
③卒業促進枠1/21/3
④大規模賃金引上促進枠1/21/3
⑤産業構造転換枠2/31/2
最低賃金枠3/42/3
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠2/3※1/2※

最大の補助金額は従業員数と応募する枠で決まる

事業再構築補助金で受け取れる最大の金額は従業員数と応募する枠によって決定します。一番わかりやすくいえる例として、ほとんどの事業者が応募することになる成長枠では、従業員数が20人以下であれば最大2,000万円、21〜50人であれば最大4,000万円、51〜100人であれば最大5,000万円、101人以上であれば最大7,000万円を受け取ることができます。

表に応募枠と従業員数別の受け取ることができる事業再構築補助金の最大金額をわかりやすくまとめてみたのでぜひ参考にしてみてくださいね!

応募枠従業員数
〜5人6〜20人21〜50人51〜100人101人〜
①成長枠2,000万円2,000万円4,000万円5,000万円7,000万円
②-1グリーン成長枠(エントリー)(中小企業等)4,000万円4,000万円6,000万円6,000万円8,000万円
②-1グリーン成長枠(エントリー)(中堅企業等)1億円
②-2グリーン成長枠(スタンダード)中小企業等:1億円 中堅企業等:1.5億円
③卒業促進枠成長枠・グリーン成長枠に準じる
④大規模賃金引上促進枠3,000万円
⑤産業構造転換枠2,000万円2,000万円4,000万円5,000万円7,000万円
⑥最低賃金枠500万円1,000万円1,500万円1,500万円1,500万円
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠1,000万円1,500万円2,000万円3,000万円3,000万円

事業再構築補助金を受け取るのは難しい?

事業再構築補助金を受け取るのは難しい?

事業再構築補助金の採択率は35〜45%程度

事業再構築補助金は非常に大きな金額が受け取れる補助金であるため、その分審査などが厳密に行われ、しっかりとした事業計画を策定しなければ受け取ることが難しいです。

事業再構築補助金を受け取ることの難しさをわかりやすく理解できるのが、採択率をみることです。事業再構築補助金は、第1回公募の採択率がやや低かったもののそれ以降は安定的に推移し、第7回・8回では50%を超えていたこともありました。ここ数回であれば、40%台後半の採択率となりますね。

公募 応募件数 採択件数 採択率
第1回公募 22,229件 8,015件 36.0%
第2回公募 20,800件 9,336件 44.9%
第3回公募 20,307件 9,021件 44.4%
第4回公募 19,673件 8,810件 44.8%
第5回公募 21,035件 9,707件 46.1%
第6回公募 15,340件 7,669件 49.9%
第7回公募 15,132件 7,745件 51.1%
第8回公募 12,591件 6,456件 51.3%
第9回公募 9,368件 4,259件 45.4%
第10回公募 10,821件 5,205件 48.1%
第11回公募 9,207件 2,437件 26.5%
第12回公募 7,664件 2,031件 26.5%

ただし、注意点が一つだけあります。それは特別な要件を満たした事業者だけが申請できる応募枠の採択率は比較的高いため、採択率の平均がその特別な枠の高い採択率にひっぱられていることです。多くの事業者が応募する通常枠(第10回からは「成長枠」)は、表にまとめた全体の採択率よりも低くなっていることに注意しましょう。

事業計画書の作成が難しい

事業再構築補助金を受け取るのが難しい理由としては、申請時の提出書類である事業計画書を作成することが難しいことが挙げられます。事業再構築補助金の事業計画書は、A4のページ数で10〜15ページにもなり、自社の現在の状況や新規事業の概要、市場分析、収支計画などをわかりやすくまとめる必要があります。

この事業計画書は事業再構築補助金の審査項目を満たす必要があり、審査項目を網羅できるような事業計画書を作成することは、初めて事業計画書を作成する人にはとても難易度が高いと言えるでしょう。

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事業再構築補助金を使うときの事業の要件

事業再構築補助金の事業は5つの類型のいずれかである必要がある

事業再構築補助金で行う事業というのは、どのような事業を行っても良いというわけではなく、それぞれ要件が定められた5つの類型のいずれかである必要があります。その5つの類型をわかりやすく簡潔に説明すると以下の表のようになります。

事業再構築補助金 事業再構築要件5つ

類型①:新市場進出

事業再構築の類型の一つ目が新市場進出です。これは、「中小企業等が主たる業種又は主たる事業を変更することなく、新たな製品等を製造等することにより、新たな市場に進出すること」を指す類型のことです。

新市場進出は、これまであった「新分野展開」「業態転換」をまとめた要件となります。こちらに該当するためには、「製品等の新規性要件」「市場の新規性要件」「売上高10%要件」の3つを事業計画において満たす必要があります。

類型②:事業転換

事業再構築の類型の二つ目が事業転換です。これは、「主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること」を指す類型のことです。事業転換に該当するためには、「製品等の新規性要件」、「市場の新規性要件」、「売上高構成比要件」の3つを事業計画において満たす必要があります。

この類型は、居酒屋がコロナ禍で売上を急激に落としたためコロナ禍でもアルコールなしで安心して楽しめる焼肉店を新規事業として始めて焼肉店の売上が既存事業の居酒屋の売上を超えることを計画しているような場合がわかりやすく理解できる例となっています。

類型③:業種転換

事業再構築の類型の三つ目が業種転換です。これは、「新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更すること」です。業種転換に該当するためには、「製品等の新規性要件」、「市場の新規性要件」、「売上高構成比要件」の3つを事業計画において満たす必要があります。

なお業種とは日本標準産業分類の大分類の産業のことを指します。(A,B,C‥のアルファベットで表される、農業・林業、製造業、医療・福祉などの分類)

つまり、物品賃貸業に分類されるレンタカー業を観光客向けに行っている事業者が、観光客にリーチできるという強みを生かしてレンタカーとのシナジーを創出できるペンション事業を始めた場合などは、ペンション事業は、宿泊業・飲食サービス業に分類されるため大分類が変更されたこととなり業種転換となります。

ただし、業種を変えて行う新規事業の売上高が既存事業の売上高を超える必要がある点に注意しましょう。

類型④:事業再編

事業再構築の類型の四つ目が事業再編です。この類型はこれまでの類型とは異なる特殊な類型で、M&Aなどの会社法上の組織再編行為を行うかつ、これまで紹介した四つの類型のいずれかを行う事業のことを指します。事業再編に該当するためには、組織再編要件、その他の事業再構築要件の2つを事業計画において満たす必要があります。

詳しい組織再編行為の要件については、事業再構築指針の手引きという資料にわかりやすく記載されているため、事業再編を行うことを検討している場合は一度目を通しておくと良いでしょう。

類型⑤:国内回帰

「国内回帰」とは、海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備することを指します。 「国内回帰」に該当するためには、海外製造等要件、導入設備の先進性要件、売上高10%要件の3つを事業計画において満たす必要があります。

例えば、空調機器関連の大企業(取引先)が、部品の国内調達を強化するため、国内事業者(申請者)に増産要請をしたという例などが挙げられます。

事業再構築補助金は何に使える?

事業再構築補助金は何に使える?

建物費や機械装置・システム構築費がメイン

事業再構築補助金は、様々な経費に対して使用することが可能ですが、建物費や機械装置・システム構築費をメインとした投資を行うようにしましょう。

これは公募要領にも「事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資」を行うことが必要で、「一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占める」場合には不採択となることが明記されています。つまり簡潔にわかりやすくいうならば、建物費や機械装置・システム構築費を主な支出対象として、広告費などをメインとしてはいけないということです。

このポイントは非常に重要ですが、事業再構築補助金について詳しく知らない人は把握していないことも多いです。新規事業を事業再構築補助金を活用して行うことを検討している場合は、申請する投資内容についてこの条件を必ず満たすようにしましょう。

広告宣伝・販売促進費や外注費にも使える

事業再構築補助金は、建物費や機械装置・システム構築費の他に以下のような経費として利用することが可能です。

①広告宣伝・販売促進費
事業再構築補助金を使用して開発や提供を行う製品やサービスの宣伝にかかる広告の作成や運用、営業代行の利用などの費用は対象経費となります。わかりやすく理解できる例で言うならば、LPの作成や動画広告のクリエイティブの作成です。ただし、会社全体のプロモーションは認められず、新規事業単体のプロモーションを行う必要があります。

②研修費
新規事業を行うにあたって必要となる教育訓練や講座の受講にかかる費用を研修費として計上することができます。研修費を計上する際の注意点は二つあります。一つ目は、研修費が補助対象経費総額の3分の1以下となることです。二つ目は、研修費を計上する際は事業計画書にわかりやすく、研修名・研修実施主体・研修内容・研修受講費・研修受験者についての情報を記す必要があるということです。

事業再構築補助金の審査基準は?

事業再構築補助金の審査基準は?

事業化点・再構築点・政策点から総合的に審査される

事業再構築補助金は事業計画書をもとに審査が行われて、採択・不採択が決定しますが、その審査方法としては、事業化点、再構築点、政策点から総合的に審査が行われます。

事業化点とは、新規事業が優れた事業なのかという点が見られ、実施体制やスケジュールをもとに新規事業の実現可能性が評価されたり、市場分析や競合分析を精密に行って差別化戦略を図っているかという部分がチェックされたりします。この観点は、早い段階から事業再構築補助金の申請の準備を進めて、新規事業の解像度を上げることでブラッシュアップすることができます。

再構築点とは、事業再構築の趣旨に一致しているか、わかりやすくいえばリスクの高い大胆な事業や業種の転換を図っているかと言う点が評価されます。リスクが高いものの大きな売上の増加が見込めてコロナからの回復を図ることができるのかといった観点がみられるので、事業計画書ないではリスクが高い大胆な取り組みであることを示せるようにしましょう。

政策点とは、日本の政策的な観点と新規事業の目的が一致しているかが評価されます。例えば、地域経済の活性化やデジタル技術・脱炭素技術の推進が行われているかといった点です。事業を構想する段階から、この政策点とどう絡ませるかは考えておけると良い事業計画書を作成できるでしょう。

公募要領に細かい審査項目は記載されている

事業再構築補助金の審査項目は、公募要領に記載されています。上に述べた観点が具体的にどのような点を見ているのかがそれぞれわかりやすくいくつか列挙されているので、事業計画を立案する際や、事業計画書を作成し終えた後に確認するようにしましょう。

公表されている過去の優れた採択事例の事業計画書には、全ての採点項目とそれに対応した記載がどこにあるのかをまとめた表を最後に挿入していた事例もありました。ページ数に余裕があるようであれば、そのような工夫もできると良いでしょう。

事業再構築補助金に採択されるポイント

事業再構築補助金に採択されるポイント

審査項目を押さえた事業計画書を作成する

事業再構築補助金に採択されるためには、事業計画書を徹底的に作り込むことが何よりも重要です。自社の事業環境を適切に分析して、「なぜその新規事業を選択したのか?」を論理的に示す必要があります。また、実現可能性をアピールすると言う面でできるだけ細かいスケジュールや実施体制を記載するのもポイントです。

早めに準備して事業の解像度を上げる

事業再構築補助金に申請して新規事業を行おうとしているならば、締め切り直前ではなくできるだけ早めに準備を始め、事業の解像度を上げることが採択に重要です。重要なポイントをわかりやすくいうと、設備投資の見積書は申請時には必要ではないものの、精度の高い収支計画の作成には必要です。また、事業場所の選定も早めに行って事業に適した立地を確保することで事業計画書にも地理的な優位性があることなどを記載することができます。

まとめ

この記事では、事業再構築補助金とは何かを知識がない人でも理解できるようにわかりやすく紹介してきました。事業再構築補助金は、複雑で難しそうな制度に思えるかもしれませんがしっかりと理解して利用するだけの価値は十分にある補助金です。新規事業を行うことを検討している事業者のみなさまはぜひ事業再構築補助金の活用を検討してみてくださいね!

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