【2024.7】事業再構築補助金は新設法人でも対象になる?新設法人が申請する際の注意点も合わせて徹底解説

事業再構築補助金は新設法人でも対象となるのか?対象となる事業者を徹底解説

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

この記事では、新設法人が事業再構築補助金を受け取る対象になるのかどうか、新設法人やスタートアップが事業再構築補助金を申請する際の注意点について紹介していきます。新設法人を立ち上げた事業者の方で、事業再構築補助金に申請できるのか不安な方はぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むと
  • 事業再構築補助金は新設法人でも申請できることがわかる
  • 新設法人が申請する際の注意点がわかる

監修者

松山市の税理士 越智聖税理士事務所代表。株式会社聖会計代表取締役社長。税理士。 経済産業省認定経営革新等支援機関
越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業した、主に中四国全域の中小企業の皆様をご支援している会計事務所である。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。前職において関与先の上場支援、多くの業種の税務経営支援、相続税、事業承継対策に従事し、12年の実務経験を経て独立開業。現在、職員6名の体制でお客様を支援。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができる。圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。愛媛県内で事業再構築補助金の採択率が税理士、会計士、中小企業診断士などの中で5位になる。四国税理士会松山支部所属。
高齢化社会の要請である介護事業経営支援にも取り組み、新規事業立ち上げから財務体質改善、集客アドバイスなど、さまざまなサービスを提供。また、様々な業種に対応し、建設業、飲食業、不動産業、社会福祉法人、酪農業、さらには漫画家、芸能関係などの珍しい業種にも対応している。仕事のほとんどがお客様や他士業の先生からの紹介となっている。現状では80%が紹介で、それ以外は直接の依頼や、ネットでの集客である。税理士業務以外の仕事(保険、法人設立、建設業許可など)は、提携している専門家の方に積極的に依頼し、お客様へのサポート体制の拡充を図っている。顧問先が黒字になるように、出来上がった試算表を基に徹底的に分析して改善すべき点を指摘。また、多くの業種を取り扱っていて、周りの業界のヒアリング調査も実施。これにより、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超える。
【他媒体での監修事例】
UPSIDERお役立ち記事にて記事監修

この記事の目次

事業再構築補助金とは?

まず、事業再構築補助金の概要について説明していきます。

事業再構築補助金とは、簡単に言えば、新型コロナウイルスの影響により売上が見込めなくなった中小企業等や中堅企業等に対する支援を行うという取り組みです。

支援といっても、どんな中小企業等や中堅企業等にも事業再構築補助金を支給するわけではありません。新規事業にかかる取り組みであると認められた事業計画に対して、審査を経た上で支給されます。

事業再構築補助金の審査要件は実はもう少し複雑なのですが、前提として、新設法人やスタートアップか否かに関わらず、事業再構築補助金は新規事業に対する支援であるということは覚えておいてください。

事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金ではいくら受け取れる?

次に、事業再構築補助金をいくら受け取ることができるのかについて紹介していきます。

事業再構築補助金は、申請する事業類型や従業員数によって支給される金額は変わってきます。もちろんいくらでも受け取れる、というわけではなく、上限金額があります。以下は、申請枠ごとに受け取れる上限金額を示した表です。

成長分野進出枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
20人以下1,500万円(2,000万円)中小企業:1/2 (2/3)
中堅企業:1/3 (1/2)
21~50人3,000万円(4,000万円)
51~100人4,000万円(5,000万円)
101人以上6,000万円(7,000万円)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

成長分野進出枠(GX進出類型)

企業の種類従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
中小企業20人以下3,000万円(4,000万円)1/2 (2/3)
21~50人5,000万円(6,000万円)
51~100人7,000万円(8,000万円)
101人以上8,000万円(1億円)
中堅企業1億円(1.5億円)1/3(1/2)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下1,000万円中小企業:2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 3/4)

中堅企業:1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 2/3)
6~20人1,500万円
21人~50人2,000万円
51人以上3,000万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下500万円中小企業:3/4(一部 2/3)
中堅企業:2/3(一部 1/2)

※「コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること」という任意要件を満たさない場合、補助率は()内の数字になる
6~20人1,000万円
21人以上1,500万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

サプライチェーン強靱化枠

従業員数補助上限金額
補助率
5億円
(建物費がない場合は3億円)
中小企業:1/2
中堅企業:1/3
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

新設法人かどうかに関わらず、もらえる金額は従業員数や中小企業か中堅企業かによって異なります。あくまでも上記は上限金額であり、満額を受け取れるとは限らないため注意しましょう。

このように、事業再構築補助金はかなり大きな金額を受け取れる可能性がある補助金制度です。新設法人でも、大きな金額を受け取って新規事業に挑戦することができるかもしれません。

事業再構築補助金の対象経費は?

事業再構築補助金は新規事業に関わることに活用できると先述しましたが、具体的にどんな経費が対象になるのでしょうか。

以下がそれぞれの申請枠の対象経費です。

成長分野進出枠(通常類型)
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費(市場縮小要件を満たす場合のみ)

成長分野進出枠(GX 進出類型)
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

コロナ回復加速化枠(通常類型)
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

サプライチェーン強靱化枠
建物費、機械装置・システム構築費

参照:事業再構築補助金 公募要領(第12回)

サプライチェーン強靭化枠以外の補助対象経費は大体同じです。しかし、それぞれの申請枠ごとに必須要件等は異なるので、しっかり自社が申請要件に当てはまるかどうかを確認してみてください。

また、成長分野進出枠の通常類型にある廃業費は、市場縮小要件を満たす場合のみ対象となります。新設法人であればあまり関係ないかもしれませんが、もしも活用する場合は注意が必要です。

事業再構築補助金の採択率は?

事業再構築補助金は、先述したとおり申請するだけで受け取ることができる補助金ではありません。事業計画書等を提出し、事務局から採択されなければ補助金を受け取ることができません。もちろん不採択になってしまう可能性もあります。

以下はこれまでの募集回の申請人数や採択者数をまとめたものです。

公募 応募件数 採択件数 採択率
第1回公募 22,229件 8,015件 36.0%
第2回公募 20,800件 9,336件 44.9%
第3回公募 20,307件 9,021件 44.4%
第4回公募 19,673件 8,810件 44.8%
第5回公募 21,035件 9,707件 46.1%
第6回公募 15,340件 7,669件 49.9%
第7回公募 15,132件 7,745件 51.1%
第8回公募 12,591件 6,456件 51.3%
第9回公募 9,368件 4,259件 45.4%
第10回公募 10,821件 5,205件 48.1%
第11回公募 9,207件 2,437件 26.5%

多くの募集回の採択率は50%前後となっており、2社に1社が採択されてきました。しかし、直近で結果が公表された第11回では採択率が26.5%にまで下がっています。

事業再構築補助金は大きな金額を受け取れる補助金なので、今後、ますます採択率が低くなり、競争が激しくなることも予想されます。しかし、新設法人だからといって採択率が下がるわけではありません。しっかりわかりやすい事業計画書を用意して申請するのが大切です。

事業再構築補助金は新設法人でも受け取れる?

ここからは、事業再構築補助金を新設法人やスタートアップが受け取ることができるのかどうかについて、紹介していきます。

事業再構築補助金は新設法人でも受け取れる?

基本的にはコロナ前に設立された法人が対象

本来、事業再構築補助金はコロナ禍の影響を受けて経営が低迷気味の事業者を応援するための補助金です。そのため、新たに設立した法人やスタートアップを応援する目的の補助金ではありません。ポストコロナにおいて、これまでの事業とは異なる新規事業等への取り組みの後押しをすることで、既存法人を応援するという趣旨です。

上記理由から、事業再構築補助金に申請するためには新設法人、スタートアップであったとしても、少なくとも新型コロナウイルスが流行する以前に設立されている必要があることがわかります。次章で紹介するような例外もありますが、基本的にはコロナ前に設立された法人が事業再構築補助金の対象ということが原則です。

例外としてコロナ後の新設法人も対象となる

基本はコロナ禍で影響を受けた法人が対象の補助事業であるものの、例外として創業がコロナ以後の会社であっても事業再構築補助金の対象になり得ます。例えば、コロナ禍になる前から創業計画を立てていた事業者であれば、その内容によっては補助対象となり得ます。

また、事業再構築補助金の第10回公募から売上高減少要件がなくなり、コロナ禍での数字的な影響を示すことは必須ではなくなりました。そのため、まだ実績の浅い法人でも対象となる可能性が広がりました。

一方で、第10回からは付加価値額の向上要件という新しい要件が加わり、コロナ以前からとコロナ禍を踏まえた影響を示さなくて良くなった代わりに、決められた期間のうちに売上等の価値の向上を達成することが必須となりました。要件を達成できるかは十分に確認してからエントリーしましょう。

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個人事業主から法人成りして新設法人やスタートアップを設立した場合は?

新設法人やスタートアップの特殊な例として、個人事業主から法人成りする場合もあるでしょう。その場合は事業再構築補助金の対象になるのかについて、以下で紹介していきます。

個人事業主から法人成りして新設法人を設立した場合は?

法人成りの新設法人も対象となる

個人事業主から法人成りした新設法人やスタートアップも、事業再構築補助金の支給対象です。

この場合、申請時に売上等を比較する計6ヶ月の期間のうち、1ヶ月でも法人化前に該当する際は、法人化を行う前の個人事業主としての売上を用いることができます。

申請時には追加の提出書類が必要

法人成りの新設法人も事業再構築補助金の対象となると紹介しましたが、申請にあたっては追加で提出しなければならない書類があります。詳しくは「売上高減少の確認に係る特例について」を参照してみてください。

法人成りの新設法人として提出義務のある書類は、主に以下の3点になります。

  • 個人事業者として提出した申請に用いる任意の3か月又は比較対象となるコロナ以前の同3か月の売上が分かる年度の確定申告書類の控えと月別売上の記入のある所得税青色申告決算書の控え
  • 法人設立届出書または個人事業の開業・廃業届出書
  • 履歴事項全部届出書

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これまで支援してきた事業者様の採択率は90%です。オンライン対応なので、全国どこにいる事業者様のサポートも可能です。

初回の無料相談も受け付けています。自社が対象になるのかわからないという新設法人の方はぜひ一度ご相談ください!

まとめ

この記事では、新設法人が事業再構築補助金に申請できるのか、また実際に新設法人、スタートアップが事業再構築補助金に申請する際の注意点について紹介してきました。

新設法人でも事業再構築補助金に申請できますが、基本的にはコロナ流行前に設立された会社が対象です。しかし、例外としてコロナ流行後に設立された会社も補助金を受け取れる場合があるので、ぜひ申請してみてください。

事業再構築補助金の申請を検討している方や、新設法人が事業再構築補助金に申請できるか詳しく知りたい、という方は是非参考にしてみてくださいね。

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