新事業進出補助金を使う新規事業でフランチャイズに加盟しても良いのか気になったことはありませんか?実は、新事業進出補助金は注意点さえ押さえればフランチャイズにも使うことができるのです。
この記事では、新事業進出補助金を活用してフランチャイズに加盟する方法や注意点について説明していきます。
この記事の目次
フランチャイズ店を開く際にも活用できる新事業進出補助金とは、どんなものなのでしょうか。
新事業進出補助金とは、中小企業や中堅企業(個人事業主を含む)が新しい分野の業務へ転換することに対して政府が補助金を支給するという制度です。事業再構築補助金と似ていて、新事業進出補助金は事業再構築補助金の後継補助金とも呼ばれています。
例えば、これまで居酒屋を経営していた企業が新しくパン屋を始めることを計画していた場合、新事業進出補助金を利用すると政府がその居酒屋に対して事業転換のために必要な建物の改修費や技術、設備の導入費に対して補助金を支給してくれます。
新事業進出補助金を活用する際は、事務局の審査に通過しなくてはなりません。審査は厳しく、採択率も低めだと予想されています。審査に通過するためには、綿密な事業計画を作成し、わかりやすい書類にして提出しなくてはなりません。
新事業進出補助金の対象企業は、中小企業や小規模事業者です。個人事業主も含まれます。その他、医療法人等も活用できるでしょう。
ただし、業種ごとに中小企業の規定は異なります。必ず確認し、自社が中小企業かどうかを事前に確認しておきましょう。
引用:中小企業新事業進出補助金 公募要領
また、新事業進出補助金に申請したい場合は以下の基本要件も満たさなくてはなりません。事前にしっかり確認しておきましょう。
要件 | 内容 |
(1)新事業進出要件 | 「新事業進出指針」に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であること ※新事業進出の定義は、「新事業進出指針」にて定めていますので必ずご確認ください
|
(2) 付加価値額要件 | 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額(又は従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%(以下「付加価値額基準値」という。)以上増加する見込みの事業計画を策定すること |
(3) 賃上げ要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】 | 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこと ①補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度~令和6年度の5年間をいう。)の年平均成長率(以下 「一人当たり給与支給総額基準値」という。)以上増加させること ②補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、給与支給総額の年平均成長率を2.5%(以下 「給与支給総額基準値」という。)以上増加させること |
(4) 事業場内最賃水準要件【目標値未達の場合、補助金返還義務あり】 | 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、毎年、事業所内最低賃金が補助事業実施場所都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること |
(5) ワークライフバランス要件 | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること |
(6) 金融機関要件 | 補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること |
<賃上げ特例の適用を受ける場合の追加要件> (7) 賃上げ特例要件【要件未達の場合、補助金返還義務あり】 | 補助事業実施期間内に、以下の要件をいずれも満たすこと ①補助事業実施期間内に、給与支給総額を年平均6.0%以上増加させること ②補助事業実施期間内に、事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること |
引用:中小企業新事業進出補助金 公式サイト
以下が新事業進出補助金の対象経費です。
機械装置・システム構築費(建物費といずれか必須)
建物費(機械装置・システム構築費といずれか必須)
運搬費
技術導入費
知的財産権等関連経費
(検査・加工・設計等に係る)外注費(補助上限額:補助金額全体の 10%
専門家経費(補助上限額:100万円)
クラウドサービス利用費
広告宣伝・販売促進費(補助上限額:事業計画期間1年あたりの売上高見込み額(税抜き)の5%)
引用:中小企業新事業進出補助金 公募要領
上記は新事業進出補助金の公募要項に示されている対象経費です。それぞれの申請枠で対象にならない経費もあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
上記で解説した新事業進出補助金は、フランチャイズ加盟にも使用することができます。
しかし、フランチャイズに加盟したからといって補助金が必ず支給されるというわけではありません。フランチャイズに加盟する事業が基本要件を満たせて成長性が見込まれるということを事業計画書でしっかり示さなくては採択は難しいでしょう。
おすすめの記事も合わせてチェック
・システム開発に事業再構築補助金を活用する方法は?
・倉庫建設・改修に事業再構築補助金を活用する方法は?
・ECサイト構築に事業再構築補助金を活用する方法は?
・事業計画書の作成方法
事業再構築補助金を活用し、フランチャイズに加盟するメリットはいくつかあります。以下でそれぞれ説明します。
事業再構築補助金でフランチャイズに加盟するメリット
事業を新しく始めると、顧客の獲得が重要になります。顧客を獲得するために広告宣伝、販売経路設定等の販売促進活動を行わなければいけません。
しかし、これらの販売促進活動を重点的に行ったとしても必ずしも顧客の獲得につながるというわけではありません。そのため、ゼロから新事業を始める企業にとって顧客獲得は大きな課題になるでしょう。
フランチャイズでは社会の認知度も高くブランドも確立しているため、ゼロから事業を始めるよりも集客力が高く顧客が集まりやすいです。フランチャイズのブランドイメージをそのまま使えるため、安定的な顧客の獲得に繋げることができます。
事業をゼロから始める場合、その分野のノウハウの不足や顧客が存在していないと事業転換の実現が困難になるでしょう。
しかし、フランチャイズ加盟を行えば、確立された経営の基盤を自社使用が使用することができます。技術や情報を新しく収集する必要もなく、もう既に存在している経営基盤に則り事業を行うことができるため、事業転換の実現可能性が高くなります。
新しい分野での事業を始める場合、初めのうちは情報があまりないため先行きが不透明です。そのため、事業の今後の展望がつかめず事業計画を策定することは難しいでしょう。
しかし、フランチャイズではその分野の情報が豊富にあります。フランチャイズ加盟を行えば、これらの情報を使用することができるため、ゼロから事業を始めるよりも事業計画の策定が簡単になり、事業の今後の在り方も確立させることができます。
あわせて読みたい
【2025.4】新事業進出補助金の事業計画書はどう書く?事業計画書の無料フォーマットも配布!
2025年から新たに募集されると言われている補助金の一つに、「新事業進出補助金(仮名称)」があります。事業再構築補助金の後継補助金なので、かなり多くの事業者が申請する人気の補助金制度になると予想されています。
補助金に申請する際に大切なのが事業計画書です。しかし、どのような事業計画書を作成すれば良いか悩んでいる方はいませんか?
この記事では、韓国料理店が冷凍食品事業を始めるなら?というシチュエーションを想定した事業計画書の具体例を交えながら、ご自身で事業計画書を作成できるように書き方を解説していきます。無料フォーマットも配布しているので、ぜひダウンロードしてお使いください。
これから新事業進出補助金に申請しようと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
しかし、事業再構築補助金を利用してフランチャイズ加盟を行うことにはデメリットもいくつかあります。以下で紹介します。
事業再構築補助金でフランチャイズに加盟するデメリット
事業再構築補助金は事業再構築を対象とした補助金です。対象となる経費の例として、新技術や新設備の導入のための経費や新事業を行うための建物の改修費、宣伝するための広告費や宣伝費等があげられます。
フランチャイズに加盟するとフランチャイズ加盟料がかかりますが、フランチャイズ加盟料については事業再構築に必ずしも必要となる経費ではないため、補助金の対象経費にはなりません。そのため、フランチャイズに加盟するための資金は自分で準備しておく必要があります。
フランチャイズに加盟すると、もう既に存在している経営基盤の下で事業を行っていかなくてはいけなくなりません。確立された経営計画やルールに則って事業を行うため、ゼロから事業を始めることと比べるとルールや経営計画に縛られてしまい、事業の自由度は低くなります。
何か革新的なアイデアがあり、それを事業にしたいという方はフランチャイズに加盟せず、自身で新事業を立ち上げたほうが良いでしょう。
あわせて読みたい
【2025.5】新事業進出補助金のコンサルタントの選び方と最新の費用相場を徹底解説!
2025年から始まる新たな補助金制度として、中小企業新事業進出補助金(以下、新事業進出補助金)があります。補助金額も高い補助金制度なので、採択難易度も高い人気の補助金になるでしょう。
そんな補助金をぜひ活用したいと考えた時、申請支援のコンサルタントを利用する方も多いかと思います。本記事ではコンサルタントを選ぶ際のポイントやかかるお金の相場を紹介します。
これから新事業進出補助金に申請したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
フランチャイズに加盟するといってもいろいろな種類があり、どんな事業を始めようか迷ってしまう方もいるでしょう。以下では、実際に事業再構築補助金を活用してフランチャイズを始めた事例で、どんな事業があったかを紹介します。
フランチャイズに加盟する時の事業再構築補助金活用事例
事業再構築の実例として、コインランドリーを導入した事業者もいます。例えば、喫茶店とコインランドリーを併設するというビジネスモデルが挙げられます。
喫茶店を経営している会社がコインランドリーのフランチャイズ契約を結び、自分の店舗の近くにコインランドリーを併設したとします。そうすることで喫茶店を利用していた人々が同時にコインランドリーも使用する相乗効果が見込めます。
コインランドリーは人件費がかからず、技術の導入も必要ないため新規事業として始めやすいでしょう。また、機械主軸のため従業員に対して知識や技術を教える必要がありません。
これらのことから考えると、コインランドリーはほかのビジネスと比べると導入しやすく、そのためコインランドリーを事業再構築の事業計画として活用する企業が多くなっています。
コロナで大きく影響を受けた業界の1つが飲食業界です。飲食業界はコロナの影響により売上が大幅に低下してしまいました。これを受けて、飲食業界の多くは事業再構築を行いました。それが、デリバリーサービス、テイクアウトサービスのフランチャイズ契約です。
これらのサービスが開始したことによって、店に行かなくても顧客は商品を受け取ることができるようになりました。これにより、コロナ禍での新しい生活様式に対応することができるようになり、売上の回復に繋がりました。
デリバリーサービスやテイクアウトサービスとのフランチャイズ契約も事業再構築補助金が支給されるため、多くの飲食店で採用されています。
事業再構築補助金を利用してフランチャイズに加盟する際、いくつかの注意点があります。
事業再構築補助金でフランチャイズ加盟を行うときの注意点
上記で示した通り、補助金の対象経費は事業再構築補助金の応募要項に示されている経費に限られます。そのため、フランチャイズ加盟料は補助金の対象になりません。
フランチャイズ加盟料も補助金の対象になると誤解していると、加盟料が準備できず企業の資金繰りが悪化する可能性があるので注意してください。
また、補助金ありきでフランチャイズ加盟を計画すると失敗する可能性が高くなるので注意が必要です。どんな事業でもそうですが、仮に補助金に採択されなかった場合、計画がすべて白紙になってしまいます。補助金を前提に計画を策定していくということはすべて補助金頼りになるということを意味しているので、補助金の予想支給額と実際支給額にずれが生じただけでも計画がすべて水の泡になり、ビジネスが失敗してしまいます。
そのため、事業再構築補助金でフランチャイズ加盟をするときは対象経費が何であるか確認すること、補助金前提で計画を作成しないということを注意しましょう。
株式会社補助金プラスは、事業再構築補助金に申請したい事業者様の申請支援を行なっています。フランチャイズ加盟をはじめ、様々な事業を始めたい事業者様のお手伝いをしています。どのような事業を始めたら良いかわからない方にも、事業者様の状況を丁寧にヒアリングし、的確なアドバイスをします。
これまでに支援した事業者様の採択率は98%です。まずは採択につながるよう、しっかりサポートさせていただきます。オンラインで対応するので、全国各地の事業者様のお手伝いが可能です。
現在、初回無料相談も受付中です。事業再構築補助金の活用を考えている方は、この機会にぜひ株式会社補助金プラスまでご連絡ください!
この記事では、事業再構築補助金はフランチャイズでも使えることについて解説してきました。
事業再構築補助金は、フランチャイズ加盟料には使えないものの、フランチャイズ出店する際の改装費や設備投資に利用することが可能です。事業再構築補助金を使って新規事業を行うことを検討している事業者の方は、フランチャイズでの出店を選択肢の一つとして加えてみるのもおすすめです。
ぜひ、事業再構築補助金を活用して新規事業を実現させてみてください。