非常に大きな予算が組まれている事業再構築補助金を利用したいと考えているものの、自社は本当に受け取れるのか気になったことはありませんか?自社が事業再構築補助金を受け取ることができる事業者の条件を満たしていなければ、補助金に申請することはできません。
本記事では、事業再構築補助金の対象となる事業者の条件について紹介していきます。具体的な判別方法も説明するので、ぜひ参考にしてください。
事業再構築補助金を受け取る事業者の条件を確認する前に、まずは事業再構築補助金そのものについて解説します。
事業再構築補助金とは、中小企業や、個人事業主が資金的な困難に直面したときに、事業の継続や再構築のために、政府が支援する補助金のことです。
事業再構築補助金を活用するには、事務局の審査に通過することが必須です。申請時には新事業の詳細を記載した事業計画書等を提出しなくてはなりません。
その他、補助金額や採択率については以下で詳しく確認しましょう。
以下の表は、事業再構築補助金の補助率や補助上限金額についての表です。補助率や補助金額は応募する枠ごとに異なります。
成長分野進出枠(通常類型)
従業員数 | 補助上限金額 ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額 | 補助率 ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率 |
20人以下 | 1,500万円(2,000万円) | 中小企業:1/2 (2/3) 中堅企業:1/3 (1/2) |
21~50人 | 3,000万円(4,000万円) |
51~100人 | 4,000万円(5,000万円) |
101人以上 | 6,000万円(7,000万円) |
参照:事業再構築補助金 必須申請要件
成長分野進出枠(GX進出類型)
企業の種類 | 従業員数 | 補助上限金額 ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額 | 補助率 ※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率 |
中小企業 | 20人以下 | 3,000万円(4,000万円) | 1/2 (2/3) |
21~50人 | 5,000万円(6,000万円) |
51~100人 | 7,000万円(8,000万円) |
101人以上 | 8,000万円(1億円) |
中堅企業 | – | 1億円(1.5億円) | 1/3(1/2) |
参照:事業再構築補助金 必須申請要件
コロナ回復加速化枠(通常類型)
従業員数 | 補助上限金額
| 補助率 |
5人以下 | 1,000万円 | 中小企業:2/3 (従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 3/4)
中堅企業:1/2 (従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 2/3) |
6~20人 | 1,500万円 |
21人~50人 | 2,000万円 |
51人以上 | 3,000万円 |
参照:事業再構築補助金 必須申請要件
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
従業員数 | 補助上限金額
| 補助率 |
5人以下 | 500万円 | 中小企業:3/4(一部 2/3) 中堅企業:2/3(一部 1/2)
※「コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること」という任意要件を満たさない場合、補助率は()内の数字になる |
6~20人 | 1,000万円 |
21人以上 | 1,500万円 |
参照:事業再構築補助金 必須申請要件
サプライチェーン強靱化枠
従業員数 | 補助上限金額
| 補助率 |
– | 5億円 (建物費がない場合は3億円) | 中小企業:1/2 中堅企業:1/3 |
参照:事業再構築補助金 必須申請要件
事業再構築補助金の第11回公募までの採択率は以下の通りです。
公募 |
応募件数 |
採択件数 |
採択率 |
第1回公募 |
22,229件 |
8,015件 |
36.0% |
第2回公募 |
20,800件 |
9,336件 |
44.9% |
第3回公募 |
20,307件 |
9,021件 |
44.4% |
第4回公募 |
19,673件 |
8,810件 |
44.8% |
第5回公募 |
21,035件 |
9,707件 |
46.1% |
第6回公募 |
15,340件 |
7,669件 |
49.9% |
第7回公募 |
15,132件 |
7,745件 |
51.1% |
第8回公募 |
12,591件 |
6,456件 |
51.3% |
第9回公募 |
9,368件 |
4,259件 |
45.4% |
第10回公募 |
10,821件 |
5,205件 |
48.1% |
第11回公募 |
9,207件 |
2,437件 |
26.5% |
第12回公募 |
7,664件 |
2,031件 |
26.5% |
上記から分かる通り、おおよそ50%前後で推移していた採択率は直近の第11回目では30%を切る結果になっています。事業再構築補助金は補助金額も高く、人気がある補助金です。採択率も低く、高い競争率になるので、申請時は採択に向けてミスのないように準備をしましょう。
ここからは、事業再構築補助金を受け取るために必要な事業者の条件について確認していきましょう。
事業再構築補助金の対象となる事業者の条件の一つとして企業の規模があります。企業規模によって対象となるか、対象となっても補助金の条件が異なることがあります。
事業再構築補助金は資本金が10億円以上の大企業を対象としていません。
事業再構築補助金を検討している事業者の皆様の中で、大企業の方はほとんどいないとは思いますが、資本金の要件を満たしているかは確認が必要です。
大企業以外であれば、事業再構築補助金の対象となりますが、企業の規模によって補助率や上限金額が異なります。
資本金や従業員数によって自社が中小企業か、中堅企業に該当するか確認しましょう。中小企業と中堅企業では補助率が異なります。
また、従業員数によっても補助上限金額が決まります。必ず従業員数も正確に確認しましょう。従業員数等を勘違いしていると、想定していた支給金より低かったというアクシデントも起きます。そのようなアクシデントを防ぐために、対象条件についてしっかり理解してください。
公募要領はこちらから
事業再構築補助金の対象となる事業者の条件として欠かせない大切なポイントは、6つの事業再構築方針のどれかに合致していることです。
事業再構築補助金の対象事業者の条件②:事業再構築指針
事業再構築指針とは、経済産業省によって定められた事業再構築補助金の支援の対象を明確化したものです。
6つに分けられており、「新市場進出」「事業転換」「業種転換」「事業再編」「国内回帰」「地域サプライチェーン維持・強靱化」があります。これらのどれに当てはまる申請をするのか、準備する段階できちんと整理して取り組むことが大切です。
事業計画についての認定経営革新等支援機関の確認は、補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けることが条件です。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。
これまでの事業再構築補助金では、コロナ禍における事業での売上高減少が必須要件にありましたが、第10回の公募からは売上高現象は必須ではなくなりました。その代わり、新たに「付加価値額の向上」が必須要件として加わりました。
付加価値額の向上については、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる) 以上増加させることが必要です。
個人事業主も事業再構築補助金の対象であるため、申請して採択されたら補助金を受け取ることができます。
ただし、従業員数によって補助率と補助金額の上限が異なってくるので、注意が必要です。また、売上高減少要件の証明に必要な提出資料も会社とは異なるのでよく確認しておきましょう。
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【2024.11】事業再構築補助金の事業計画書はどう書く?事業計画書の無料フォーマットも配布!
事業再構築補助金の事業計画書の書き方が分からずに悩んでいませんか?事業計画書は、採択の基準となるため非常に重要ですが、正しい構成で適切に作成することができれば採択率を十分に高めることが可能なのです。この記事では、多くの事業者様の事業再構築補助金の事業計画書を作成して、高い採択率を出してきた当社が、自分でも書ける採択されやすい事業計画書の作成のしかたを解説します。無料フォーマットも配布しているので、よければダウンロードしてくださいね。
事業再構築補助金は全ての事業が対象となるわけではなく、いくつかの条件を満たす事業でなければ対象になりません。以下で詳しく解説します。
事業再構築補助金の対象となるのは、既存事業とは異なる事業内容やビジネスモデルの新規事業を始める時に限ります。
設備の増設や店舗の拡張など、単に既存事業を拡大させるだけの投資には対象となりません。新規事業の条件については事業再構築指針の手引きに詳しく記載されているので、一度確認するのがおすすめです。
事業再構築指針の手引きはこちらから
事業再構築補助金の対象となるのは新規事業に限ると先述しましたが、既存とは異なる新規事業であったとしても、認められない事業があります。
特に、「具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業」や「専ら資産運用的性格の強い事業」は該当しないことが多く、注意しましょう。
以下では、事業再構築補助金の対象経費について解説します。事業再構築補助金の用途を検討する際に参考にしてください。
事業再構築補助金では条件さえ満たしていればさまざまな費用を補助対象として計上することが可能ですが、設備投資や改修工事をメインの投資内容として計上するのがおすすめです。
外注費や宣伝費用が大きいと「具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業」とみなされてしまう可能性があるためです。
事業再構築補助金では、専門家へのコンサルティング費用なども幅広く補助対象となりますが、対象外となる費用もいくつかあるので注意が必要です。
例えば、自社の社員に支払う人件費は対象外となっています。また、コンピュータやタブレットといった汎用性が高いものも補助対象外であるので、事業再構築補助金の申請を検討する際には注意が必要です。
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・コンサルの選び方
・採択率の分析
・交付申請の方法
・事前着手の方法
・個人事業主の申請方法
・事業計画書の作成方法
上記で事業再構築補助金に申請する条件について解説しましたが、自社が本当に当てはまるのかわからない方もいるでしょう。以下で、自社が当てはまっているかを確認する方法を解説します。
事業再構築補助金の対象として、企業規模については多くの事業者が満たしていると思いますが、売上高減少については事前にしっかり確認しましょう。
売上高減少要件を確認するには月毎の売上を把握する必要があるので、法人事業概況説明書を参照して、月毎の売上高の減少等の影響を説明できるか確認するのがおすすめです。
自分で確認するのが不安だったりわからなかったりする場合は、まず専門家に相談すると良いでしょう。顧問の税理士や中小企業診断士に確認してみるのが一つの選択肢です。
また、補助金コンサルという補助金の活用を専門的に支援しているコンサルティング会社も多くあるので、問い合わせてみると良いかもしれません。
株式会社補助金プラスは、事業再構築補助金に申請したい事業者様向けに申請支援を行っています。自社が補助金の対象になるのかどうかについても、初回に無料でご相談いただけます。申請支援では、採択に向けてしっかり事業者様からヒアリングを行い、最適な事業計画書の作成をサポートします。
これまで株式会社補助金プラスがサポートしてきた事業者様の採択率は90%以上です。また、オンライン対応なのでどこの事業者様でもサポートを受けていただけます。
事業再構築補助金に関するお悩みをお持ちの事業者様は、ぜひ株式会社補助金プラスにご相談ください。
この記事では事業再構築補助金の対象となる事業者の条件をはじめ、対象となる事業や経費について紹介してきました。
この記事を参考に公募要領をチェックしながら、ぜひ自社で事業再構築補助金を活用できないか検討してみてください。