【2024.4】運送業の事業再構築補助金の活用方法とは?

運送業の事業再構築補助金の活用方法とは?

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運送業では事業再構築補助金をどのように活用することができるのかについてこの記事では解説しています。

運送業が事業再構築補助金に採択された事例を見ながら、事業再構築補助金を活用して行う新規事業のアイデアをいくつか提案します。また、運送業が事業再構築補助金を活用する際の注意点についても紹介していきます。

この記事の目次

事業再構築補助金の概要

事業再構築補助金の概要を確認して対象となっているかなどを確認していきましょう。

事業再構築補助金で対象となる事業者は?

事業再構築補助金 補助対象者

事業再構築補助金を受け取るために満たさなければいけない条件は以下の内容です。

①資本金が10億円未満であること

基本的には大企業は申請できないということになります。

②事業再構築方針に基いた計画を立て、事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること

事業再構築補助金を活用して行う事業が「新たな商品やサービスの提供を行う」「新たな方法によって商品やサービスの提供を行う」等に該当する必要があります。

③付加価値額を向上させること
それまであった「売上高減少要件」がなくなった代わりに、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる) 以上増加させることが必要となりました。

また、各応募枠によって、下記のような条件もあるため、よく確認しておきましょう。

  • 成長枠:新規事業が拡大市場に属する
  • グリーン枠:グリーン成長戦略の課題の解決に資する取り組みを行う
  • 産業構造転換枠:既存事業が縮小市場に属する
  • 物価高騰対策・回復再生応援枠:原油価格や物価高騰の影響で売上高が大幅に減少

事業再構築補助金ではいくら受け取れる?

運送業が事業再構築補助金に応募した場合に受け取れる金額は、事業者の規模、従業員数、応募枠によって変わります。

事業再構築補助金で受け取れる金額は補助率と最大金額について決定しますが、要因ごとの補助率と最大金額は以下の表のようにまとめることができます。

応募枠中小企業等中堅企業等
①成長枠1/2(2/3)1/2(2/3)
②グリーン成長枠1/2(2/3)1/2(2/3)
③卒業促進枠1/21/3
④大規模賃金引上促進枠1/21/3
⑤産業構造転換枠2/31/2
最低賃金枠3/42/3
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠2/3※1/2※
応募枠従業員数
〜5人6〜20人21〜50人51〜100人101人〜
①成長枠2,000万円2,000万円4,000万円5,000万円7,000万円
②-1グリーン成長枠(エントリー)(中小企業等)4,000万円4,000万円6,000万円6,000万円8,000万円
②-1グリーン成長枠(エントリー)(中堅企業等)1億円
②-2グリーン成長枠(スタンダード)中小企業等:1億円 中堅企業等:1.5億円
③卒業促進枠成長枠・グリーン成長枠に準じる
④大規模賃金引上促進枠3,000万円
⑤産業構造転換枠2,000万円2,000万円4,000万円5,000万円7,000万円
⑥最低賃金枠500万円1,000万円1,500万円1,500万円1,500万円
⑦物価高騰対策・回復再生応援枠1,000万円1,500万円2,000万円3,000万円3,000万円

事業再構築補助金ではどんな事業が行える?

運送業が事業再構築補助金を活用して行う事業にはいくつかの要件があります。つまり事業再構築補助金を活用してどんな事業でも行えるわけではありません。

ここでは、事業再構築補助金を活用して行う事業はこれまでに提供したことのない新商品や新サービスを提供するものであると覚えておきましょう。

事業再構築補助金の新規事業の細かい要件について気になるという運送業の方々は以下の記事を参考にしてみてくださいね。

運送業が事業再構築補助金との相性が良い理由

運送業が事業再構築補助金との相性が良い理由

運送業が事業再構築補助金と相性が良い理由について解説していきます。

運送の需要が拡大している

EC化率の高まりなどを受けて運送の需要が拡大していることが理由として挙げられます。

事業再構築補助金は運送業を含む事業者のコロナからの回復を目的としたものであり、市場が拡大しているなど収益性が見込まれる事業が高い評価を受けるからです。

運送業で人手不足が生じているなどDX化による効率化が求められる

運送の需要が拡大している一方で、運送業では慢性的な人手不足が生じています。運送業の人手不足を解消するにはDX化等による効率化が求められ、事業再構築補助金の審査ではデジタル技術の活用が高く評価されます。

事業再構築補助金を活用して運送業界の課題にアプローチできるような事業を実施できると良いですね。

運送業が事業再構築補助金を活用した採択事例

運送業が事業再構築補助金を活用した採択事例

運送業が事業再構築補助金を活用した優れた採択事例を紹介していきます。

配送プラットフォーム開発

事業者名:山桜商事有限会社
事業計画名:共通運送アプリシステム「セリ」の構築により物流業界の課題を解決
事業内容:物流業界の課題であった復路の空き車両を有効活用。荷主と運送業者を結びつけ、運送業界の収益向上につなげるシステムを構築します。

運送業が事業再構築補助金を活用して荷主と運送業者のマッチングを行うプラットフォームの開発を行なった事例です。

事業再構築補助金はシステム開発などを主な投資とする事業と相性が良いため、このようなシステム開発は一つの典型的な例と言えます。自信が運送業を営んでいることから運送業者の課題感を把握していることがシステム開発の強みとなるでしょう。

なおシステム開発に事業再構築補助金を活用するポイントについて以下の記事にまとめているので合わせて参考にしてみてください。

倉庫取得

事業者名:光和産業株式会社
事業計画名:倉庫取得で輸入・通関・保管・運送・納品のワンストップ体制強化
事業内容:倉庫を事業譲渡で取得することにより、従来の業務である輸入・通関・運送・納品に「保管」を加え、ワンストップ体制を強化する。

運送業が倉庫を新たに取得して保管業務にまで展開した事例です。既存事業との親和性が高く、売上増加の相乗効果が見込める点で高く評価されたと考えられます。

空き倉庫を活用した新規事業

事業者名:テラテクニカル株式会社
事業計画名:既存倉庫を活用した大型ドローン練習施設運営による事業再構築
事業内容:当社の保有する空き倉庫を改装し各種のドローンの練習施設を始めます。大型ドローンも飛ばせることやレース用コースの設置、夜間営業など近隣施設との差別化で集客し、売上利益の向上と雇用の維持に努めます。

運送業が運送業とは異なる事業を事業再構築補助金を用いて新たに始めた事例です。事業再構築補助金ではこのような既存事業とは大きく異なる事業への転換も行うことが可能です。

この事例が優れている点としては、以下の点を上げることができます。
・空き倉庫という資産の有効活用を行なっている
・ドローンの需要の高まりという社会背景を捉えている

自動車整備事業

事業者名:株式会社しんけん
事業計画名:EV等次世代型車両に対応した自動車整備事業
事業内容:当社の事業環境や既存事業で培った強みをフルに活用し、一般自動車・貨物自動車共にEV化へシフトしていくといった現況を踏まえ、当社が埼玉県内で先陣を切り、貨物車向け自動車整備事業に加え、“次世代型自動車(電動自動車等)整備事業”を開始する。

運送業が自動車整備事業に展開している事例です。運送業者の方々の中には、自社で整備点検までも行なっているという事業者も多くいるでしょう。この場合、整備点検という強みを活用した新規事業を行うことが可能です。

この事例はEVにも対応することで政府が推進するカーボンニュートラルの取り組みにも貢献している点が優れています。EVに関連する事業であれば最大1.5億円もの補助金を受け取れる事業再構築補助金のグリーン成長枠に応募することも可能となります。

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運送業が事業再構築補助金を活用する際の注意点

運送業が事業再構築補助金を活用する際の注意点

最後に運送業が事業再構築補助金を活用する際の注意点について紹介していきます。

車両購入費は対象とならない

運送業で特に注意したい点は、車両の購入費用は事業再構築補助金の対象とならない点です。

ほぼ例外なく車両購入費は補助対象外となっています。新たに車両を購入する事業を行う場合は、管理システムの構築費といったその他の経費を事業再構築補助金の対象としましょう。

人件費は対象とならない

事業再構築補助金は人件費は対象となりません。一過性の支出ではなく、会社の資産を形成するような機械設備やシステム開発を主な経費として計上するようにしましょう。

既存事業の強みを活用する

事業再構築補助金はあらゆる事業の実施に活用することが可能ですが、既存事業と何の関わりのない事業が採択される可能性は低いでしょう。

既存事業の知見やノウハウ、人員体制などが有効に活用できるような事業を選択しましょう。

他にも注意する点として、新たな制度であるインボイス制度があります。詳しい内容については以下の記事を参考にしてください。インボイス制度の対応策や注意するべきポイントを解説しています。

参考:運送業界向けオンラインマガジン|トラッカーズマガジン

まとめ

この記事では運送業が事業再構築補助金を活用する方法について解説してきました。
ポイントをまとめると、次のようになります。

運送業が事業再構築補助金を活用して行える事業の例
・マッチングプラットフォーム等のシステム開発
・倉庫取得による保管業務
・自動車整備業

運送業が事業再構築補助金を活用する際の注意点
・車両購入費は対象とならない
・人件費は対象とならない
・既存事業の強みを活用する

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