【2024.3】ものづくり補助金の採択率推移について解説!採択率をアップさせるポイントも説明
ものづくり補助金の申請を考える中で、「採択率はどれくらいだろう?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。この記事ではものづくり補助金の採択率の推移、また採択率を上げるポイントについても紹介していくので申請の際の参考にしてみてくださいね。
- ものづくり補助金の全体の流れが理解できる
- ものづくり補助金の採択率の推移がわかる
- ものづくり補助金の補助額と補助率がわかる
ものづくり補助金の採択率
ものづくり補助金の申請者のうち実際に採択される事業者はどのくらいいるのでしょうか。ものづくり補助金の採択率を確認しましょう。
ものづくり補助金の採択率は40〜60%
ものづくり補助金の採択率は募集回によって変化しますが、大体40〜60%になっていることが多いです。直近の第16回締切の採択率は48.8%、もっとも低かった第4回締切の採択率は30.8%でした。
採択率は高い時で60%を超える回もありますが、最近は特に採択率が低くなってきている傾向にあります。第15回の採択率は50.2%、第16回の採択率は48.8%なので、大体2社に1社は採択されていないというのが現状です。
申請件数の推移
以下の画像は過去のものづくり補助金の申請件数と採択率の推移を表したグラフです。
比較的採択されやすい補助金
第4次公募では申請件数が大幅に増加したこともあり、直近の公募と比べるとかなり低い採択率となりましたが、それ以降はほとんどの公募回で50%を上回る結果となっています。採択率の低下には様々な要因がありますが、大型の補助金と考えると、50%以上の採択率は、比較的採択されやすい補助金であるといえます。
採択率と事業計画書の作成時間
以下の画像は、事業計画書の作成時間と採択率の推移を表したグラフです。
事業計画書作成のための時間確保の重要性
直近4回のデータから、事業計画書作成にかけた時間はどれくらいか、という問いに対して最も多い回答であったのは「30時間以内」でした。上のグラフから分かるように、短く限られた時間で事業計画書を作成した際の採択率は50%を下回っています。
しかし時間をかければ良いというものでもありません。30時間以上の時間を要した際の採択率を見ると、50%は上回っているものの、比例的に採択率が伸びている訳ではありません。
これらの結果から重要なのは、「十分な時間を確保した上で、最適な事業計画書作成が求められるということ」です。
もちろん、こちらのデータは専門家と共同で作成した場合も含まれますが、専門家と共同で作成する場合でも、事業計画についての打ち合わせや、ヒアリング、企業概要の言語化から、校正など、多大な工程と時間を要するため、事業計画書作成時間の確保は最優先であるといえるでしょう。
採択率と申請のタイミング
以下の画像は、ものづくり補助金の採択率と申請のタイミングの関係の推移を表したグラフです。
締め切り日当日の申請は採択率が下がる
上の表から分かるように、申請数の割合の推移は締め切りの三日前から増加していき。締め切り当日が最も多くなっています。しかし、最新回の採択率に注目してください。申請当日のほうが採択率は低下しています。
理由としては、必要書類や、添付書類の準備不足が原因だと考えられます。また、当日はサーバダウンやシステムの異常などで申請できない可能性もあり、リスクが高いです。そのため、しっかりと公募要領を読み込み、余裕をもって質の高い書類作成をするようにしましょう。
準備不足で不採択になるのは嫌ですよね。
ものづくり補助金の申請要件はこちら
ものづくり補助金の業種に着目した時の採択率
ものづくり補助金の業種に着目した時の採択率
ものづくり補助金に申請した事業者の業種別の採択率の推移についてみていきましょう。
建設業・製造業の採択率は高い
ものづくり補助金の業種別の採択率をみたときに上げられる推移の特徴の一つが、製造業の採択率が高いということです。ものづくり補助金の名の通り製造業は、新規商品を開発する機械や自動化をすすめる機械を導入することが多く、補助金の目的との相性がよいためと考えることができます。
情報通信業や卸売業・小売業の採択率は低い
情報通信業や卸売業・小売業の採択率は全体の採択率と比較して低くなっています。採択率が高い建設業や製造業と比較すると約10%程度低い採択率となっています。これらの業種は、「新商品を開発する」といったわかりやすい新規事業をするということはあまりないため、事業計画書で革新性を示すことが難しいことが、採択率が低い要因としてあげられるのではないでしょうか。
ものづくり補助金の申請額別の採択率
ものづくり補助金の申請額別の採択率
次は採択率と申請額の関係性についてみていきましょう。
250万円以下の採択率は低い
ものづくり補助金の採択率は申請金額によって異なってきますが、250万円以下で申請した場合の採択率は一番低くなっています。その採択率は24.7%であり平均的な採択率を大きく下回るという推移になっています。
投資金額があまりにも低い設備やシステムだと、革新的なサービスを新たに提供できることを示すのが難しいため採択率が低いのではないかと考えられます。
申請額が大きいほど採択率は高い
ものづくり補助金の採択率は、補助金の申請金額が大きくなるほど採択率が高まる傾向にあります。ものづくり補助金の申請額が750万円〜1,000万円であればその採択率は58.1%となっているなど、250万円以下の場合と比較して2倍以上も採択率が高まっています。
申請額が大きいほど、大規模な設備投資となって高い革新性を持つような事業が可能となるため、このようにものづくり補助金は申請額が大きいほど採択率が高くなっていると考えられます。
ものづくり補助金の支援有無による採択率
ものづくり補助金の支援有無による採択率
以下の画像は支援の有無と採択率の推移です。
支援がある場合の方が採択率が高い
ものづくり補助金の公式ホームページでは事業計画の作成支援の有無による採択率の違いのデータが公表されています。この結果をみてみると、支援者がいた場合の方がものづくり補助金の採択率は高くなっています。
支援なしの採択率が、36.6%であるのに対して報酬なしでも支援者がいる場合は49.0%、報酬が申請額の15%程度であれば59.7%まで採択率が上がります。支援者がいることで客観的な視点で事業計画を立案できるため質の高い事業計画を作成することができるためと考えられます。
株式会社補助金プラスでは、ものづくり補助金申請に必要な事業計画の作成支援を行っています。株式会社補助金プラスはこれまでに多くのお客様のものづくり補助金申請をサポートしてきた実績があり、90%の高採択率を実現してきました。徹底したヒアリングを行い、成功可能な事業計画を策定します。また、システム関連に強く、システム導入に向けたものづくり補助金申請が得意であることも株式会社補助金プラスの特徴です。
初回相談は無料なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
成功報酬が15%までは報酬が上がるほど採択率が高まる
ものづくり補助金は、支援者への成功報酬が上がるほど採択率が高まる傾向にあります。成功報酬が高くなるほど、支援者のインセンティブが高まって提出する事業計画書の質が向上するためであると考えられます。
一方で報酬がそれ以上となると採択率が減少するので、成功報酬が15%を超えるような支援者への依頼を検討している場合は、一度深く検討してみると良いでしょう。成功報酬の割合は5%〜10%が最も多くなっています。
支援者を有効に活用することでものづくり補助金の採択率の向上が期待できるので、申請を検討しているようであれば一度支援機関への相談をしてみると良いでしょう。
ものづくり補助金の加点項目と採択率との関連
ものづくり補助金の加点項目と採択率との関連
次は、加点項目数と採択率の関係性を見ていきましょう。
加点項目が多いほど採択率は高まる
ものづくり補助金は申請する際に追加書類を提出することで、加点をもらうことができますが加点項目が増えるほど採択率は高まります。加点項目が一つもないときの採択率は34.4%にとどまりますが、加点項目を5個以上提出することで最大74.3%まで採択率が高まります。申請時には加点項目までを考慮すると良いでしょう。
加点項目が2個あれば採択率は2倍以上になる
ものづくり補助金は加点項目が増えるほど採択率は高まりますが、加点項目がたった2つあるだけで、その採択率は加点項目がない場合の2倍以上になります。
ものづくり補助金の加点項目には事業継続力強化計画のような比較的簡単に作成することができるものもあるので、申請する際には少数でも加点項目を抑えることが採択率を高める重要なポイントとなっています。
申請者の規模に着目した採択率
以下のグラフは、申請者の規模(従業員数)と採択率の関係を表したグラフです。
小規模帯では競合率が高い
申請者は0~5人、6人~20人が圧倒的に多いものづくり補助金ですが、やはり申請者の母数が多い分採択率も大規模な中小企業と比べて比較的低い傾向にあるようです。
それでも40%以上と5社の内2社は採択されます。もちろん、申請額や申請内容によって大きく異なりますが、これまで示してきた事業計画書のクオリティや、加点項目、支援者の有無が大きく関与することが分かりますね。
ものづくり補助金の採択率を上げる4つのポイント
ものづくり補助金の採択率を上げるポイント
①新規事業を自社の強みや課題と関連づける
ものづくり補助金の採択率に関するデータについてみてきましたが、採択率を上げるための事業計画書の書き方のポイントについて解説していきます。採択率を上げるための一つ目のポイントが、ものづくり補助金を使って行う新規事業を自社の強みや課題といった現状と関連づけることです。
「なぜその新規事業を選択したのか」という妥当性をしめすために、「今抱えているこのような課題を解決できる」や「自社のこのような強みを生かせる」といった自社の現状と新規事業の関連づけを行いましょう。
②新規事業の革新性を示す
ものづくり補助金の目的が、中小企業等の革新的な商品・サービスの開発とされているように、新たに行う事業の革新性というのは採択率を左右する重要な審査基準となっています。
新たな製品を作成するのであれば、その製品の既存製品との違いを定量的・定性的に示せると良いですし、サービス提供プロセスの改善を行うようであれば、どのような効果が得られるのかを具体的に示せるようにしましょう。
③市場分析や競合分析をきっちり行う
ものづくり補助金の審査項目である市場や競合の分析も採択率を左右する重要な要素となっています。進出する市場の市場規模やマーケットの動向、競合分析などをできるだけ細かく行うことが採択率を高めるポイントとなっています。
市場分析や競合分析は単に補助金の採択率を向上させるだけでなく、事業自体の成功に必要な要素なので、徹底的に行えると良いでしょう。
④審査項目を満たす
審査項目を改めてチェックしましょう。応募枠によって異なる場合もあり注意が必要です。技術面や事業面、政策面など様々な観点からの審査項目が存在するのでよく検討しましょう。審査項目を満たすのも採択率アップのための重要な要素といえます。
詳しい審査項目は公募要領からチェックできまます。
ものづくり補助金申請の採択後の流れはこちら
ものづくり補助金交付申請の流れはこちら
ものづくり補助金のコンサルの選び方はこちら
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは、中小企業等に向けて経営力や生産性向上のための新製品、新サービス開発やプロセスの改善を行うための設備投資を支援してくれる補助金です。正式名称はものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金です。
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金の対象となる事業者の要件
ものづくり補助金は大企業は対象ではありません。中小企業が対象になっていて、どの業種でも基本的には申請可能です。個人事業主も採択率は低いですが、補助金を受け取ることができます。従業員数や資本金の上限が定められており、それ以下の事業者であれば申請することができます。
ものづくり補助金は何に使える?
ものづくり補助金は、基本的に新規事業を行う時の機械購入費やシステム構築費に使用できます。既存事業を拡大させる等には使用できないので注意が必要です。
対象経費は多岐にわたり、機械装置・システム構築費や技術導入費に加え、広告宣伝やクラウドサービス利用費にも使用できます。
ものづくり補助金の補助額と補助率
ものづくり補助金の補助額と補助率
ものづくり補助金の補助額は申請枠によって変わる
以下の表は、ものづくり補助金の補助額と補助率についてまとめた表です。
申請枠 | 補助上限 | 補助率 | |
省力化枠 | 750万円~ 8,000万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) | |
製品・サービス高付加価値枠 | 通常類型 | 750万円~ 1,250万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) ※新型コロナ回復加速化特例:2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 1,000万円〜 2,500万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) | |
グローバル展開型 | 3,000万円 | 1/2 (小規模・再⽣事業者:2/3) |
引用元:経済産業省ものづくり・商業・サービス 生産性向上促進補助金について
ものづくり補助金には、省力化枠と製品・サービス高付加価値枠、グローバル枠の3つがあり、それぞれ補助上限金額は異なります。ものづくり補助金の最大補助額は8000万円です。
補助額は、申請枠によって大幅に補助金額が増額します。通常枠の申請がかなり多く、通常枠で申請する事業者が半分以上です。ただし、システム開発やアプリケーション開発などではデジタル枠も活用可能です。
ものづくり補助金の補助額は従業員数によっても変わる
また、重要なポイントは従業員数によっても大きく異なるということです。自分の会社の従業員と見比べて、どのくらいの補助額を受け取れるのかを確認しておきましょう。応募枠によっては小規模企業者・小規模事業者、再生事業者かどうかでも補助額は変わります。
賃上げを行えばものづくり補助金の補助額が増加する
先ほど紹介した補助額に加えて、従業員への賃上げや新規雇用を行うことによって一部の申請枠で補助上限額が増加します。新規の採用や賃上げを検討している方は、ものづくり補助金の補助額増額を申請することをおすすめします。
補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、上記枠の補助上限を100万円~2,000万円、更に上乗せ。(新型コロナ回復加速化特例は除く)
経済産業省ものづくり・商業・サービス 生産性向上促進補助金について
ものづくり補助金の申請から受け取り後までの流れ
ものづくり補助金の申請〜申請後までは以下のような流れになっています。
①GビズIDプライムアカウントの取得
ものづくり補助金は電子申請をします。電子申請をする際に必要になるのがGビズIDプライムアカウントです。取得する際は少し時間がかかることもあるので注意しましょう。
②事業計画書の作成
申請のために、ものづくり補助金を利用してどんな事業を行うのかを説明する事業計画書を作成します。事業計画書はポイントを抑えてわかりやすく作成する必要があり、時間もかかります。早めに取り掛かることが大切です。
③必要書類の準備・申請
決算書など、事業計画書以外にもものづくり補助金申請には必要な書類があります。それらを作成し、準備します。その後、いよいよものづくり補助金に申請します。
④交付申請
ものづくり補助金に採択されたら、補助金を実際に受け取るための交付申請を行います。交付申請にも必要書類があるのでそれらを作成します。
⑤実績報告
事業が終わったら、実績報告を行います。ものづくり補助金を活用してどのような実績が出たのかをまとめた資料を作成し、領収書などと一緒に提出します。
⑥事業化報告
ものづくり補助金給付後、補助事業が完了したら事業化報告を定期的に行います。6年間にわたって報告する必要があります。
現在締切前のものづくり補助金は第17回のものです。申請には時間がかかる場合があるので、早めに取り掛かることが大切です。
申請にあたって疑問点等ございましたらINU株式会社の無料相談へお気軽にお申し込みください。
ものづくり補助金第17回公募:令和6年3月1締め切り
公募要領はこちら
まとめ
この記事では、ものづくり補助金の採択率についてみてきました。
ものづくり補助金の採択率を上げるには様々な方法があることがわかったと思いますが、質の高い事業計画書を作成できているかが一番重要なポイントです。
補助金申請の支援者を有効に活用するなどして事業計画書のブラッシュアップを行っていきましょう。