【2024.5】事業再構築補助金は個人事業主も対象?採択されるポイントや注意点を解説!

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※記事は作成時の公募要領をもとに作成しているため最新の情報と異なることがございます

「事業再構築補助金は個人事業主も対象なのか?」と疑問に思ったことはありませんか?

個人事業主は事業再構築補助金の対象なので、正しく申請を行って採択されれば補助金を受け取ることが可能なのです。

この記事では事業再構築補助金で個人事業主が採択されるためのポイントや必要書類についてなどを紹介していきます。また、法人成りした場合どうしたら良いのか、採択後の法人成りも可能なのか、なども解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の要点
  • 個人事業主も事業再構築補助金を受け取ることが可能
  • 事業再構築補助金の採択率は約50%だが、第11回公募では20%代にまで下落
  • 事業再構築補助金の申請には事業計画書をはじめとする必要書類の作成が必要
  • 採択されるためにはポイントを抑えた事業計画書の作成が必要

監修者

藤沼寛夫

公認会計士 公認会計士税理士

アカウントエージェント株式会社 代表取締役
藤沼会計事務所 所長
会計監査、IPO支援、M&Aに係る税務アドバイザリーなど、会計税務の総合支援を行う。
<所属>
公認会計士:日本公認会計士協会東京会
税理士:東京税理士会本所支部
<経歴>
2013年 公認会計士 論文式試験 合格
2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 中堅コンサル事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所 開業
2020年 アカウントエージェント㈱ 代表取締役

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この記事の目次

事業再構築補助金とは

まず、事業再構築補助金とはどんなものかを簡単に説明します。

事業再構築補助金とは、経済的に困難に陥っている企業や、新規事業の立ち上げ、新分野展開を考えている企業を支援してくれる補助金のことです。個人事業主を含めた企業が対象です。

主にコロナ禍の打撃を受けた企業や、ポストコロナに対応した事業展開を進めたい企業が対象です。申請枠は以下の3つあり、その中でも細かい類型に分かれているものもあります。

  • 成長分野進出枠(通常類型)
  • 成長分野進出枠(GX進出類型)
  • コロナ回復加速化枠(通常類型)
  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
  • サプライチェーン強靱化枠

それぞれの申請枠で趣旨や受け取れる金額も異なります。

事業再構築補助金の詳しい要件や補助上限金額、補助率などは後ほど説明します。

事業再構築補助金の申請締切はいつ?

現在募集中の第12回公募の事業再構築補助金は、公募期間が令和6年4月23日(火)~令和6年7月26日(金)18:00までとなっています。

公募の受付開始は調整中になっているため、申請を考えている方は余裕を持ってできることから準備を始めておきましょう。また、スケジュールの最新情報は必ず追うようにしてください。締切等に遅れてしまうと不採択になってしまいます。

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事業再構築補助金は個人事業主も受け取れる

事業再構築補助金は個人事業主も受け取れる

事業再構築補助金は個人事業主も受け取ることができますが、いくつか注意点や条件があるので確認しておきましょう。なお申請の要項や必要書類などの詳しい情報については、事業再構築補助金の公式ホームページの公募要領から確認することができます。
事業再構築補助金の公式ホームページはこちら

個人事業主を含めたあらゆる事業者が受け取り可能な補助金

事業再構築補助金は個人事業主も受け取ることができる補助金です。事業再構築補助金は、会社にとどまらず様々な形態の法人や個人事業主が対象となっているのです。

事業再構築補助金を受け取る条件として、「大企業でないこと」があります。企業の中でも中小企業、中堅企業しか対象になりません。具体的な中堅企業の範囲は、資本金が10億円未満であることです

また、常勤の従業員数が2,000人以下であることも条件の1つです。ほとんどの個人事業主は上記の条件から外れてしまうことはないと思いますが、大きな規模で事業を行っている個人事業主の方は念のため注意しておきましょう。

さらに、事業再構築補助金の目的がコロナからの事業者の回復の支援であることから、コロナ前から創業している事業者でなければ基本的に対象とならない点にも注意してください

その他の申請時必須要件

その他にも、事業再構築補助金に申請する会社が満たさなくてはならない要件がいくつかあります。

全ての申請枠に共通して満たさなくてはならない要件は以下です。

  • 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
  • 事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
  • 付加価値額を向上させること

引用:事業再構築補助金 必須申請要件

上記の他に、それぞれの申請枠別で満たさなくてはならない要件があります。細かい要件が定められている申請枠もあるので、自社が当てはまるかどうかしっかり確認しておきましょう。

第12回公募対応「採択率を上げるポイントがわかる事業再構築補助金事業計画書作成マニュアル」

個人事業主が事業再構築補助金を使うとどんな事業ができる?

個人事業主が事業再構築補助金を使うとどんな事業ができる?

法人でも個人事業主でも、事業再構築補助金を使って行う事業はどのようなものでもよいわけではなく、新市場進出、事業転換、業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン維持もしくは強靭化という6つの類型のいずれかに当てはまる事業でなくてはなりません。

引用:事業再構築指針の手引き

6つの類型については、事業再構築指針の手引きで詳しく確認することができます。以下では、6つの類型についてそれぞれ解説します。

①新市場進出

新市場進出とは、主たる業種や事業を変更することなく新たな商品やサービスの提供を行うことです。

主たる業種とは、個人事業主の事業のうち売上高構成比率の最も高い事業が属する、日本標準産業分類の大分類(建設業、製造業、宿泊業、飲食サービス業など)のことを表します。主たる事業とは売上高構成比率の最も高い事業が属する中分類以下(大分類が飲食サービス業の場合、ラーメン店、焼肉店など)を表します。

つまり、新規事業は行うものの、既存事業が最大の売上となっている状況は変わらない場合が新市場進出にあたります。

②事業転換

事業転換とは、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更することです。

例えば、個人事業主が営む居酒屋が新たに焼肉店を開き、焼肉店の売上高が既存の居酒屋の売上高を超えることが見込まれるような事例があげられます。これは、現在は主たる業種が飲食サービス業であることは変わらないまま、主たる事業が「酒場、ビヤホール」から「焼肉店」に変わっているからです。

つまり既存事業と同じ業種の新規事業を行い、その新規事業の売上が個人事業主や法人の中で最大の売上となっている場合が事業転換に当たります。

③業種転換

業種転換とは、主たる業種を変更することを言います。例えば、個人事業主の居酒屋が新たに冷凍食品を開発して販売を始め、その冷凍食品の販売が既存事業の居酒屋の売上高を超えることが見込まれるような事例が挙げられます。これは、現在は主たる業種が飲食サービス業から卸売業、小売業に変わるからです。

④事業再編

事業再編は、会社法上の組織再編行為を行うとともに、これまで説明してきた3つの類型をみたす新規事業を行うことを言います。会社法上の組織再編行為とは、簡単に言えば合併や事業譲渡といったM&Aのことです。

個人事業主がこの事業再編で申請することはほとんどないと言えるでしょう。しかし、個人事業主と並行して会社を経営している方は、事業再編で申請することもあるかもしれません。詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にしてみてくださいね。

⑤国内回帰

国内回帰とは、海外で製造や調達する製品について、日本でも生産できるように国内生産拠点を整備することをいいます。

簡単にいうとこれまで海外で生産または海外から購入していた製品を日本で生産する事業のことです。
第10回公募から新たに追加された類型です。

⑥地域サプライチェーン維持・強靭化

地域サプライチェーンの維持・強靭化とは、地域サプライチェーンにおいて必要不可欠な製品で供給に不足が生じている、もしくは生じてしまいそうなものについて国内で生産ができるように整備することです。この類型についても、新しく追加されました。

事業再構築補助金を実際に活用した例

事業再構築補助金を実際に活用した例

ここからは実際の事業再構築補助金の活用事例を紹介していきます。

①カフェがシェアキッチンをオープン

北海道の個人事業主のカフェの事例です。カフェを営んでいたこの事業者は、事業再構築補助金を活用して隣のアパートの1室をリノベーションして直売所併設のシェアキッチンとしてオープンしました。既存事業の売上高向上等の相乗効果が見込める事業です。


②老舗料亭が急速冷凍機を導入してお土産用のそばを販売


老舗料亭が事業再構築補助金を利用し、急速冷凍機を導入することによって、急速冷凍したそばをお土産・贈答品として製造販売を行った事例です。飲食店がコロナ等で店内売り上げが減少したことによって、店内で提供していた商品を幅広く提供できるようにするというのは事業再構築補助金の活用事例でよくある事例です。冷凍食品を製造する事業も多くの事業者が補助金を活用する事例として挙げられています。

飲食店が事業再構築補助金を活用した例とポイントはこちら

個人事業主が受け取れる補助金額の上限と補助率は?

個人事業主が受け取れる補助金額の上限と補助率は?

事業再構築補助金で個人事業主が受け取れる上限金額がいくらか、どのようにして決まるのかについて解説します。

補助金額の上限と補助率は応募枠と従業員数で決まる

事業再構築補助金の補助金額の上限は、個人事業主か法人かに関係なく、応募する枠と事業者の従業員数によって決定します。従業員数が増加するほど受け取れる補助金額の上限が上がるため、大規模な投資が可能になります。

また、事業再構築補助金の補助率は、応募する枠に加えて事業者が中小企業等または中堅企業等のどちらに属するのかによっても異なります。

申請枠・従業員数別の補助上限金額

以下の表は、申請枠と従業員別の補助上限金額と補助率をまとめた表です。

成長分野進出枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
20人以下1,500万円(2,000万円)中小企業:1/2 (2/3)
中堅企業:1/3 (1/2)
21~50人3,000万円(4,000万円)
51~100人4,000万円(5,000万円)
101人以上6,000万円(7,000万円)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

成長分野進出枠(GX進出類型)

企業の種類従業員数補助上限金額
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の金額
補助率
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合の補助率
中小企業20人以下3,000万円(4,000万円)1/2 (2/3)
21~50人5,000万円(6,000万円)
51~100人7,000万円(8,000万円)
101人以上8,000万円(1億円)
中堅企業1億円(1.5億円)1/3(1/2)
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(通常類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下1,000万円中小企業:2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 3/4)

中堅企業:1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは 2/3)
6~20人1,500万円
21人~50人2,000万円
51人以上3,000万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

従業員数補助上限金額
補助率
5人以下500万円中小企業:3/4(一部 2/3)
中堅企業:2/3(一部 1/2)

※「コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること」という任意要件を満たさない場合、補助率は()内の数字になる
6~20人1,000万円
21人以上1,500万円
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

サプライチェーン強靱化枠

従業員数補助上限金額
補助率
5億円
(建物費がない場合は3億円)
中小企業:1/2
中堅企業:1/3
参照:事業再構築補助金 必須申請要件

上記の補助上限金額は、個人事業主でも法人でも変わりません。また、個人事業主に申請枠の縛りもないのでどの申請枠でも応募することができます。

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事業再構築補助金は個人事業主の採択率が低い?

事業再構築補助金は個人事業主の採択率が低い?

事業再構築補助金は個人事業主の採択率が低いのではないかと聞くことがあるかもしれません。実際の採択率について解説していきます。

個人事業主含む事業再構築補助金の採択率の推移

下記は、これまでの事業再構築補助金の採択率の推移です。申請者や採択者の中に個人事業主も含まれています。

公募 応募件数 採択件数 採択率
第1回公募 22,229件 8,015件 36.0%
第2回公募 20,800件 9,336件 44.9%
第3回公募 20,307件 9,021件 44.4%
第4回公募 19,673件 8,810件 44.8%
第5回公募 21,035件 9,707件 46.1%
第6回公募 15,340件 7,669件 49.9%
第7回公募 15,132件 7,745件 51.1%
第8回公募 12,591件 6,456件 51.3%
第9回公募 9,368件 4,259件 45.4%
第10回公募 10,821件 5,205件 48.1%
第11回公募 9,207件 2,437件 26.5%

事業再構築補助金の採択率は、25%〜51%程度で推移しており、直近の採択率は26.5%まで下落しています。

どの法人、個人事業主も質の高い事業計画書を作り込んでくるため、採択率だけをみて難易度を推し量ることは難しいかもしれませんが、採択率も採択難易度の一つの参考として見ておくと良いでしょう。
引用元:経済産業省

個人事業主だからといって採択率が低くなることはない

事業再構築補助金は、個人事業主や法人という事業者の類型別の採択率は公表していないので正確な数値について述べることはできませんが、個人事業主だから特別採択が難しくなるといった事情は特にないと考えられます。

個人事業主であっても、正確に申請し、審査項目を押さえた事業計画書を作成することで事業再構築補助金の採択率を高めることは十分に可能です。INU株式会社では、必要書類の作成等申請サポートも可能ですのでお気軽にご相談ください。

個人事業主が事業再構築補助金に採択されるのが大変な理由

個人事業主だからといって極端に採択率が低くなるようなことはありませんが、それでも個人事業主が事業再構築補助金に採択されるにはいくつかの壁を乗り越える必要があります。採択されるのが大変な理由を解説します。

個人事業主が事業再構築補助金に採択されるのが大変な理由

個人事業主が事業再構築補助金に採択されるのが大変な理由

個人事業主の方が財務状況が悪いことがある

まず、個人事業主の方が事業再構築補助金での採択が難しいと言われる理由の一つが、個人事業主は財務状況が悪いことがあるという点です

事業再構築補助金は非常に大きな金額を受け取ることができますが、あくまで投資金額の一部を補助するものであるため残りの部分については自己資金などでまかなう必要があります。そのため、著しい損失などがみられる個人事業主は財務状況が健全ではなく、事業を遂行するのに十分な資金を負担することができないと判断され、不採択となってしまう可能性があるのです。

新規事業の実施体制が十分でないことがある

個人事業主が事業再構築補助金の採択が難しいと考えられる要因の二つ目が、実施体制が十分ではない場合があるためです

事業再構築補助金に申請する際、補助金を活用した事業に関する事業計画書を作成し、提出します。その事業計画が実際に実現可能なのかどうかも審査されますが、その際に個人事業主はその新規事業の実施体制が十分ではないとみなされてしまう可能性があるのです。

実際に、事業の遂行可能性が審査項目となっていることから、この点を示さなければ不採択につながる要因となってしまいます。特に小さい規模で経営している個人事業主の場合は、すでに現在の事業で人手がいっぱいいっぱいということが多くあり、事業再構築を行うのに十分な実施体制を確保できることを証明するのが難しい場合もあるのです。

その他の不採択となってしまう理由について以下の記事にまとめたので、
「事業再構築補助金に一回で採択されたい」
「一度不採択になったから次の申請で必ず採択されたい」
と考えている事業者様はぜひ参考にしてみてくださいね。

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個人事業主が事業再構築補助金に採択される3つのポイント

個人事業主が事業再構築補助金に採択される3つのポイント

個人事業主が事業再構築補助金に採択されるのはいくつかの理由によって難しい可能性があることについて説明してきましたが、いくつかのポイントを抑えることで採択率を上げることは十分に可能です。

個人事業主が事業再構築補助金に採択される3つのポイント

①書類に不備がないように申請を行う

個人事業主が事業再構築補助金に採択されるためのポイントの一つ目が、不備がないように申請を行うことです。提出書類が足りていなかったり、提出した書類の様式が間違っていたりするだけでそもそも審査すらされずに不採択となってしまうからです。

「ミスで不採択なんて稀な例だろう」と考える方も多いかもしれませんが、書類不備による不採択の事例は実は意外と多いのです。現在は公表されていませんが、過去の公募回では書類不備による不採択の件数が公表されており、書類不備により不採択となった事業者はなんと全体の事業者の約10%を占めていました。

このように書類不備による不採択というのは意外とあなどれないのです。必ずダブルチェックを行う、支援者に確認してもらうなどの対策をとり、書類不備を避けましょう。

②審査項目を押さえた事業計画書を作成する

個人事業主が事業再構築補助金に採択されるために一番重要なことは、審査項目を押さえた事業計画書を作成することです。主に、採択の可否については事業計画書の内容で判断されるためです。

事業再構築補助金の事業計画書は、

  • 現在個人事業主としてどのような事業を行なっているのか
  • 事業者の事業環境はどのようになっているのか
  • 今後どのような戦略をとっていくべきか
  • 新規事業ではどんなことをやるのか

といった内容をわかりやすく論理的に説明する必要があります。審査官は事業者が行う事業の専門家ではないため、専門知識がない人でも理解できるような事業計画書の作成が求められているのです。

さらに、事業再構築補助金の事業計画書には16項目ある審査基準を全て満たす必要があり、それぞれの審査項目に対応するような内容を事業計画書に盛り込む必要があります。慣れていない場合には思ったよりも多く手間がかかることもあるので、注意が必要です

事業計画書の書き方についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。事業計画書の書き方を解説するとともに、作成に便利なフォーマットを無料で配布しています。

③専門家に支援を依頼する

個人事業主が事業再構築補助金を申請する際、コンサルなど補助金の申請に精通している専門家に支援を依頼するのも選択肢の一つとしておすすめです

計画している新規事業の内容は素晴らしくても、事業計画書で適切に審査官にアピールできなかったために不採択になるという惜しい事例もあります。専門家に事業計画書の作成をサポートしてもらうことで、事業内容について的確に伝えることができます。

専門家は事業計画書の作成以外にも、必要書類の準備や作成もサポートしてくれるため、申請にかかる手間や時間を削減することも可能です。特に個人事業主は人手が足りず、補助金申請準備まで手が回らないこともあるでしょう。手続きにかかる工数の削減も、専門家に支援を依頼する大きなメリットです。

支援機関を選ぶときのポイントについて、以下の記事にまとめているのでぜひ参考にしてみてください。

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個人事業主が事業再構築補助金に申請するときの必要書類は?

個人事業主が事業再構築補助金に申請するときの必要書類は?

個人事業主の事業再構築補助金の必要書類は?

個人事業主が事業再構築補助金に申請する際の必要書類について確認していきましょう。

基本的に個人事業主の必要書類は法人と変わらない

事業再構築補助金の申請における個人事業主の必要書類は、基本的には法人の必要書類と変わりません。

以下が事業再構築補助金の基本的な提出書類です。ただし、申請内容や応募枠によっては追加の書類が必要な場合もあるので、申請の際は公募要領を確認しながら書類の作成を進めていきましょう。

  • 事業計画書
  • 認定経営革新等支援機関による確認書
  • 金融機関による確認書(補助金額が3,000万円を超える場合)
  • 決算書等
  • 経済産業省ミラサポplus「電子申請サポート」により作成した事業財務情報
  • 労働者名簿
  • 直近の確定申告書第一表
  • 所得税青色申告決算書

労働者名簿は公式ホームページからダウンロードできる様式がないため注意が必要です。以下の記事で作成方法について解説しているため、申請の際の参考にしてみてください。
事業再構築補助金の申請での必要書類についての詳しい情報はこちら

事業再構築補助金の申請手順

事業再構築補助金に申請するには、いくつかの手順を踏まなくてはなりません。以下の順番で手続きを進めていきましょう。

STEP
GbizプライムIDを取得する

事業再構築補助金の申請には、GbizIDの取得が必要です。GbizIDには種類がいくつかありますが、GbizプライムIDを取得するようにしましょう。取得の申請から受け取るまで2週間程度要するため、事業再構築補助金への申請を検討している場合は早めの取得がおすすめです。

STEP
ミラサポplusの会員登録をする

補助金の電子申請を行えるポータルサイトであるミラサポplusの会員登録を行いましょう。会員登録の際には、GbizIDとの紐付けを行う必要があるため、GbizIDを取得してから会員登録を行う必要があります。

STEP
必要書類を作成する

事業再構築補助金の申請に必要な書類を作成していきましょう。事業計画書の作成がメインとなると思います。質の高い事業計画書を作成するためにも、余裕をもって準備できると良いでしょう。

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STEP
電子申請する

必要書類を準備できたら、ミラサポplusから電子申請を進めていきましょう。電子申請では事業者の情報などを入力するとともに、必要書類を添付して提出します。

事業再構築補助金申請時に個人事業主が疑問に思いやすい点

以下では、事業再構築補助金に申請する際に個人事業主が迷ったり悩んだりしてしまいやすい疑問点をいくつか紹介します。

個人事業主が事業再構築補助金の申請時に疑問に思いやすい点

事業再構築補助金について個人事業主が疑問に思いやすい点

個人事業主の疑問点①:付加価値額の計算方法は?

事業再構築補助金を申請するときに個人事業主が疑問を持ちやすいポイントの一つ目が、付加価値額の計算方法です。付加価値額は、事業計画書や電子申請の時に3〜5年間の収益計画の推移を記載する際に必要になります。個人事業主でも法人でも関係なく、付加価値額を記載しなくてはなりません。

実はこの付加価値額の計算方法自体は難しくなく、次のように計算することができます。

営業利益+人件費+減価償却費

この計算式は、個人事業主も法人も同様です。個人事業主の営業利益と人件費の計算方法については、以下で説明します。

個人事業主の疑問点②:営業利益・経常利益の計算方法は?

個人事業主の方は、収益計画の「営業利益」「経常利益」の欄にはどのような数字を記載すれば良いかわからずに困ってしまうかもしれません。法人の場合は決算書に営業利益・経常利益が記載されていますが、個人事業主の確定申告書には経常利益という欄はないためです。

個人事業主の営業利益と経常利益は、青色申告決算書の数値をもとに次のように計算することができます。

営業利益=差引金額+利子割引料(㉝+㉒)
経常利益=差引金額(㉝)

ぜひ、上記の式を活用して営業利益、経常利益を算出してみてください。

個人事業主の疑問点③:人件費の計算方法は?

人件費は、個人事業主と法人で算出の方法が異なる点に注意が必要です。個人事業主の人件費は次のように算出することができます。

人件費=福利厚生費+給料賃金(⑲+⑳)

事業再構築補助金申請時に必要となる人件費の記載は、法人の場合だと役員報酬などの経営者の報酬も人件費に計上されますが、個人事業主の場合は専従者給与や事業主の所得については人件費に計上されない点に注意が必要です。

法人と個人事業主の人件費の計算方法の違いについて、以下の記事で解説しているためぜひ参考にしてみてください。

個人事業主の疑問点④:法人成りしても申請できる?採択後の法人成りは?

個人事業主が法人成りしても事業再構築補助金に申請できるのか、という疑問を持つ方もいるでしょう。結論から言うと、法人成りをしたとしても事業再構築補助金に申請することは可能です

ただ、法人成りの履歴を示したり、事業再構築補助金の売上高等減少要件を満たすために追加の書類を出したりする必要が出てきます。

また、採択後の法人成りが可能なのか気になる方もいるかもしれません。採択後の法人成りは原則不可です。法人成りは、申請期日より前に行った場合は補助金事務局から認めてもらえます。法人成りの手続きを採択後に行うことがないよう、早めに準備してくださいね。

第12回公募対応「採択率を上げるポイントがわかる事業再構築補助金事業計画書作成マニュアル」

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事業再構築補助金に申請したい個人事業主の方はINU株式会社へご相談を!

先述したように、事業再構築補助金で採択率を上げるためには専門家から申請支援を受けることも有用です。申請支援サービスはコンサルティング会社や商工会議所、金融機関等様々なところから受けることができます。

INU株式会社でも、事業再構築補助金の申請支援サービスを行っています。個人事業主の方の疑問を解消しながら、審査員に伝わりやすい事業計画書の作成をお手伝いします。必要な書類に関する疑問等もお答えします。これまでの申請支援のノウハウを活かし、採択に向けた申請支援サービスを提供します。

これまでに申請支援をしてきた事業者様の採択率は90%と他社ではあり得ない高水準です。また、ご相談にはオンラインで対応するため全国各地の事業者様の支援が可能です。

ただいま初回は無料相談を受け付けています。事業再構築補助金への申請を考えている方はぜひINU株式会社へご相談ください!

まとめ

この記事では事業再構築補助金の概要について説明するとともに、個人事業主が採択されるためのポイントや必要書類、法人成りしても申請ができるかなどの注意点について説明してきました。事業再構築補助金は非常に大きな金額を受け取ることができる補助金であるため、有効に活用することで個人事業主の方も経営状況を大幅に変える可能性を持っていると言えるでしょう。

新規事業を行うことを検討している個人事業主の方は事業再構築補助金の活用をぜひ考えてみてください。INU株式会社でも申請サポートをしております。ぜひお気軽にご相談ください。

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